依頼人の発明のせいで、また別世界に来てしまったチヨことカゲチヨは、壊れた発明品の修理が終わるまでしばらく別世界のカレコレ屋に住む事になった。
チヨside
「お願いです。私の夫を助けてください。」
カレコレ屋に、一人の既婚者の女性が依頼しにやって来た。
シディ「いったい何があったんだ?」
「はい。・・・実は・・・。」
依頼人の話では、旦那さんが働いていた会社が倒産し現在再就活を試みたらしい。だが、中々再就職できずに悩んでいるところに、謎の男性が旦那さんの前に現れ、仕事を紹介したそうだ。だが、旦那さんが仕事から帰って来る度に日に日に痩せこけていたと言いとうとう旦那さんは帰って来なくなったとの事だ。
ヒサメ「日に日に痩せこけるなんて異常だよ。」
カゲチヨ「旦那さんの仕事場は何処か分かりますか?」
「それが、聞いても機密事項らしく夫は教えてくれませんでした。」
チヨ「ますます怪しいなその仕事場とやらは。」
「お金は必ず働いて支払います!ですので夫をどうか・・・っ!」
俺等は少し考え、その依頼を引き受けることにした。
依頼を受けてから数日間。
ヒサメの電気能力でのハッキング。シディの嗅覚。俺の動物具現能力での巡回で居場所を特定できた。
目の前にあるのは通常よりデカい教会。ここで一体何の仕事をしてるのやら・・・。
ここにたどり着く前に、この教会入ろうにした男性を捕まえ、脅してどういう場所なのか説明してもらった。
分かった事は、自分みたいに失業して再就職できない人間や、働いてない人間。楽に金を稼ぎたい人間などが居るそうだ。
中に入ってする事は、ただ椅子に座って寝るだけ。
起きたら目の前に大金が置けれているそうだ。
何とも都合のいい仕事だ。怪しさMax heartだぜ。
カゲチヨの提案で、俺等はスーツを着て変装し中に入る。中には数百人の人が椅子に座っている。
ヒサメ「数十人くらい痩せこけてるね。」
カゲチヨ「あぁ。一体寝てる間に何があったんだ?」
チヨ「とりあえず開いてる席に座るぞ。」
少しの時間待ってると、この教会の牧師が現れた。こーいう奴に限って胡散臭いんだよなぁ~。
カゲチヨ「それにしてもあの大きなオブジェは何だ?」
シディ「ドラゴン・・・のように見えるが・・・。」
ヒサメ「なんだか怖い。」
真正面には大きいドラゴンのオブジェが置いてあった。確かに、今にも動き出しそうなリアル感があった。
そう思っていると、耳が長く、肌が青い色をし顔に模様が入った異宙人の牧師が現れ、真正面に立つ。
「皆さま今日も来ていただきありがとうございます。さて、今日もいい夢を見てお金を稼ぎましょう。さぁ、目を閉じて体の力を抜きましょう。」
牧師の言葉通り、目を閉じて体の力を抜いて眠りに入った。
ヒサメside
ヒサメ「あれ・・・ここは・・・学校?」
私・・・此処で何を・・・。
「ヒサメちゃん!」
ヒサメ「!?」
何で?何でここ・・・。
私の名前を呼んだその子は・・・私が助けたかった友達・・・。
ヒサメ「カンナちゃん!!」
カンナ「おっと!!」
私はカンナちゃんに抱き着いた。なんでカンナちゃんが学校に居るか分からない・・・けど、また会えた!
カンナ「ちょっとヒサメちゃんどーしたの?」
ヒサメ「だってっ。カンナちゃんが・・・。」
カンナ「もう何なの?涙流しちゃって。変なヒサメちゃん。ほら!早く教室に戻らないと授業に遅れちゃうよ!!」
ヒサメ「う・・・うん!!」
シディside
シディ「ここは・・・。」
何故俺は部屋の中に・・・。それに身体も小さくなって・・・。
「シディ。」
俺の名を呼んだ女性。あの声は・・・・。
シディ「かあ・・・さん。」
「ふふ。おはよう。」
シディ「何で母さんが・・・。トッププレデターに連れ去られたんじゃ・・・。」
「何言ってるのかしらこの子は。ほら顔を洗って来なさい。一緒に朝食を取りましょ。」
シディ「う、うん!」
カゲチヨside
ここは・・・俺が住んでた田舎町・・・。何でこんなところに・・・。
「カゲチヨ!ボーっとしてどしたの!」
カゲチヨ「ぐぇ!!・・・お、お前・・・。」
な、何で・・・。
「おいおいまたゲームして夜更かししたのかよ?」
「ちゃんと寝なきゃダメだよ。」
何で、ヒビキとシロウが・・・。
カゲチヨ「お前ら、ゾンビになったんじゃ・・・っ。」
「「・・・・」」
ドガ!ドゴ!
カゲチヨ「いってぇ!!」
二人に殴られた。何するんだよ!!
「友達をゾンビにさせるんじゃねぇーよ!」
「夢と現実を混同しないでよね!」
カゲチヨ「夢・・・。」
そうか・・・全て夢だったんだ・・・。
チヨside
この場所は・・・確か俺は教会に居たハズ・・・。
それに今の俺の姿は前世の姿。
それにこの場所は、昔住んでた・・・。
現状を考えていたら、部屋のドアが開き、二組の男女が入ってきた。
その人たちは・・・
「よ!依頼から帰って来たぜ!!」
「ただいま。留守番ありがとうね。」
俺を拾ってくれた・・・・義父さんと義母さんだった。
「ふふ、人間どもはぐっすりと寝ているな。馬鹿な奴らだ。自分たちが餌だと知らずに。」
さっきまでの優しそうな笑みから怪しげな笑みに変わり、チヨたちが寝ていることを確認した牧師。
ドラゴンのオブジェの口から触手のようなものが出てきて、寝ている人たちの首に絡みつき、精気を吸い取る。
「さぁラグン様お食事の時間です!!愚かな人間の精気を吸い復活するのです!!そして、全ての人間どもを一掃するのです!!」
教会に牧師の笑い声が鳴り響く。
チヨside
俺は二人と一緒に外出していた。何でも、依頼で結構大金が手に入ったそうだ。
「いや~!今日は大量にお金も手に入った事だし!ここはパーッとしようぜ!!」
「何がパーッとよ。そのせいで家計が火の車になるでしょーが。そのパーッとなった頭を何とかしな。」
「いやん。そんな傷つく事いわないでぇん。」
「キモイ。」
「ひどい!」
この二人は本当に相変わらずだな。
「なぁ。なに食べたい?高級寿司とかどうだ?」
チヨ「え・・・。」
「ダメに決まってるだろ!せめて回転寿司で・・・。」
「普段食えない物を食わせてぇーじゃん?」
「一理あるけど、それアンタが食べたいだけじゃん。」
「そそそ、そんなことないよ~。」
また、こうして二人と共に居られるのは嬉しい。今なら二人に恩を返せる。今なら二人に笑顔を見せられる。今なら・・・一緒に居られる。
・・・・だけど。
俺はその場で立ち止まった。
「・・・?どうしたの?」
チヨ「二人とも、ごめん。俺、やらなきゃいけないことがあるんだ。だから・・・行けない。」
「やらなきゃいけない事って?」
チヨ「誰かを助ける事・・・。」
「「・・・・・」」
チヨ「・・・・・・」
三人の間に沈黙が流れる中、男性は優しい笑みを浮かべながら口を開く。
「それがするべき事なら、行ってこい。」
チヨ「あぁ。二人に会えてよかった。・・・行ってくる。」
俺は光に包まれ、二人に別れを告げ、夢の世界から消え、現実の世界へと戻った。
「あの子も成長したわね。感情豊かになった。」
「あぁ。」
「でも、無茶する子だから心配しちゃいわ。」
「あいつなら大丈夫さ。いい仲間を持ってるからな。あとは恋人でも作ってくれれば完璧だな!」
「あの子はあんたと違ってモテるから大丈夫よ。」
「ひどい!・・・・それじゃあ俺らも行くか。」
「えぇ。」
チヨside
夢から覚めたら、ドラゴンのオブジェの口から触手の様なものが出て、俺らの首に巻き付けられて精気を吸収されていく。
何だこれ?気持ち悪っ!
自分に首に巻き付いた触手をブチ切って、オブジェの口元から出てるオブジェを能力でブチ切った。
「!?誰だ!?」
チヨ「悪いがそこまでだ。」
「き、貴様!ただの人間じゃないな!!なぜフェロモンが効かない!!」
チヨ「なるほど。この甘ったるい香りで眠らせて都合のいい夢を見せた隙に、首に巻き付いた触手で人の精気を吸っていたって事か。」
フェロモン自体は害ある物じゃないから、俺も呑気に寝てしまったわけか。
まぁ皮肉にも触手が巻き付いてくれたおかげで俺の中の危機察知機能が働いてくれたおかげで目が覚めたけどな。
チヨ「この人達の精気を吸ってどうするつもりだ。」
「決まっている。ラグン様を復活させるためさ。そして、腐った人間共を葬らせ、世界は異宙人だけの物にするのさ!!」
チヨ「腐ってるのは人間じゃなくてテメェみたいなやつだ。悪いが崩させてもらうぞ、お前の野望。」
「貴様なんかに阻止されてたまるか!!ラグン様!!私の精気全てをあなたに捧げます!!今こそ復活をー!!」
天を仰ぐように叫び出す牧師が叫び出す。それにこたえるかのようにドラゴンのオブジェ。おそらくラグンの口から大量の触手が牧師に絡み付き精気を吸う。
「おお・・・おぉ・・・おおぉ・・・。」
精気を吸いわれた牧師の身体がミイラの様に干乾びて倒れていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
地面が揺れ動きオブジェが崩れ、中から生身のドラゴンが姿を現す。
アレがラグンってやつか。
「ギャアアアアアアアア!!!!」
ラグンの雄叫びが響き渡り、教会の窓が全部割れる。
「な、なんだ!?」
「ど、ドラゴンだ!!」
どうやら、ラグンの雄叫びで、寝ていた人達全員起きた様だ。
シディ「な、何なんだ!あれは!!」
カゲチヨ「ドラゴン!?」
チヨ「簡単に説明する。あのドラゴンはオブジェだった物でラグンという名前らしい。牧師が人間を葬るために精気を吸い取って蘇らせたんだ。」
ヒサメ「その牧師は・・・。」
チヨ「俺に邪魔されて自ら精気をラグンに渡して、今はあんな感じだ。」
俺は目線でミイラみたいになった牧師の方を見た。
ヒサメは口を手で隠すようにして驚く。
チヨ「シディ、カゲチヨ、ヒサメ。他の人達の非難を頼む。」
ヒサメ「チヨは!?」
チヨ「俺は・・・・奴を倒す。」
俺はオールドラゴンフォームになる
カゲチヨ「な、何だよその姿!?」
シディ「その姿・・・もしかしてドラゴンか?」
チヨ「訳は後で話す!」
ラグンはこの場に居る人達を襲おうとするのを胸に着いてるドラゴンヘッドの火炎で阻止。
チヨ「お前の相手は俺だ。付いて来い。」
この場で戦うのはまずい。上空に誘き寄せるか。
ヒサメ「チヨ・・・大丈夫かな・・・。」
カゲチヨ「なんとなくだけど、あいつなら大丈夫だ。それより俺達は・・・・。」
シディ「あぁ!皆を安全な場所に避難させよう!」
付いて来るラグンが俺に向けて火炎を放つが俺は避けて避けて避け続ける。
さて、この辺でいいか。
チヨ「復活した所悪いが、お前をここで倒させてもらう。」
さぁ・・・ショータイムだ!
ラグンが突撃し、俺も突撃返し交戦。
お互いに火炎同士がぶつかり合い、小規模な爆発が起きた。
「ギャアアアア!!」
チヨ「うぉっと!!おいおい、俺を食っても美味しくないぞ。」
奴の全身に稲妻が走り、俺に向けて電撃を放つ。
そんなのありかよ!
チヨ「・・・っ!電撃攻撃とか俺のパクりかよ。今度は何だ?血でも飛ばすか?」
「グォオオオオオオ!!!!」
ラグンは口を開きエネルギーを溜め込み始めた。
チヨ「おいおいマジかよ。血じゃなくて破壊光線かよ!」
流石に地面に向けられたらヤバイな!せめて上空に放たさせなければ!!
上空に向かった俺に狙いを定め、破壊光線が放たれた。
なんともどでかい光線だ!当たったらひとたまりもないかもな!!
だがこれはチャンスだ!!
俺は光線擦れ擦れに避けつつ無防備状態の奴の方へと高速で向かう。
「!?」
チヨ「さぁ!フィナーレだ!!」
奴の顔面に向けてキックの体制に入る。
ここで一気に貫かせてもらう!!
チヨ「おおおおおおおおおおおおおお!!」
そして、ラグンの体を貫き、最後にドラゴンヘッドの火炎ですべてを焼き払った。
チヨ「ふぃー・・・。」
ラグンを倒した俺は、依頼人たち被害者の元へ向かった・・・んだが・・・。
チヨ「嬉しそうではないな。」
ヒサメ「う、うん。みんな避難されてからずっと落ち込んでるような感じで俯いてて・・・。」
何でだ?もう精気吸われることないのに・・・。
「・・・何で助けたんだよ。」
シディ「なに?」
「せっかくいい夢見れたのに!!」
「楽な仕事だったのに邪魔しやがって!!」
「もうあんな幸せは見れないのかよ!!」
「よくも現実に引き戻しやがったな!!」
どーやら、こいつらにとって精気を吸われることなんてどーでもよく。いい夢見れて楽して金を稼ぎたかったって事か。
ヒサメ「でも、このままだったら死んでたかもしれなかったんですよ!?」
「そんなの知るか!」
「いい夢見れて死ねれば本望だ!!」
カゲチヨ「こいつら。現実に絶望しきって楽になろうとしてたのか・・・。」
シディ「どうする?」
どーするもこーするも。
チヨ「知らん。仕事が無いなら探せ。金が欲しいなら働け。死にたければ一人孤独に死ね。」
ヒサメ「ちょっとチヨ!流石に言い過ぎだよ!」
チヨ「俺はそこまで面倒見るつもりはない。そんなに現実逃避したきゃ勝手にしろってんだ。」
俺は依頼人の旦那さんの傍まで来て、屈んで目線を合わせる。
「僕の・・・幸せだった家族との日常が・・・・。せっかく幸せになれたのに・・・・。」
チヨ「あんたが幸せにさせるのは、夢の世界の家族じゃない。現実に居る本当の家族だ。」
シディ「奥さんは、あなたの帰りを待っているぞ。」
「妻が・・・・。」
チヨ「帰りましょう。あなたの大切な人の所へ。」
旦那さんを背負い、俺達は依頼人の元へと向かった。
後日、精気を取り戻した旦那さんは小さな会社ながらも再就職し、家族のために必死に働いてるそうだ。
ヒサメ「よかった。夫婦仲良くやってるみたいで。」
カゲチヨ「まぁな。」
シディ「ん?どーしたんだ?カゲチヨ?」
カゲチヨ「いや、もう少しだけ・・・夢の続き見たかったなって思ってさ。」
「「・・・・・・」」
カゲチヨの言葉に、何処か暗い顔をする2人。
チヨ「夢もいいけど。現実もしっかり見なきゃな。」
ヒサメ「チヨ・・・。」
チヨ「俺もお前らも、やらなければいけない事があるだろ?」
カゲチヨ「あぁそーだな。(鈴の吸血鬼とトッププレデターを倒すために・・・。)」
ヒサメ(カンナちゃんと元の身体を取り戻すために・・・。)
シディ(母さんを探すために・・・。)
ふっ3人は改めて決意をし出したな。
さて・・・・そろそろ。
チヨ「シリアスの空気が辛くなったから、だれか葉っぱ一枚でYATTA!をアカペラで歌ってくんない?」
「「台無しだよ!!」」
シディ「?」
やっぱ最後はこういうオチで締めないと気が済まんのよ。
いや~すまんすまん。
カゲチヨ(チヨ)の前世は、カレコレ屋と変わらず何でも屋を営んでいたという設定です。
主人公を拾った義父と義母はまだ結婚してない夫婦みたいな感じ。例えるならシティーハンターの獠と香みたいな関係性に似た感じです。