依頼人の発明のせいで、また別世界に来てしまったチヨことカゲチヨは、壊れた発明品の修理が終わるまでしばらく別世界のカレコレ屋に住む事になった。
チヨside
「私はとある村で村長をしている者ですが、その村で起きている怪現象について調べてほしいんです。」
シディ「怪現象?」
「毎日1人、人が消えていくんですが・・・。元々人も少ない村でして・・・。身寄りのない女性や子供を受け入れて人口を維持しようとしていますが、この怪現象のせいで村人は怯えきっています。どうか力を貸して頂きたい・・・!」
俺とシディはお互いに視線を合わせ、少し考えた後依頼を受ける事にした。
そして俺とシディは、怪現象が起きている村の調査に来ていた。
しっかし小さな村だ。周りには女性と子供ばかりだ。
シディ「居なくなった人達は誰にも見つかっていないのか?」
「えぇ。こんなことを言いたくないのですが、遺体も発見されず生きているのかさえ分かりません。」
シディ「ウヌ・・・。」
村長に案内されてる途中、洞窟を目にし、質問しようと思ったら、シディが代わりに質問してくれた。
シディ「あれは何だ?」
「炭鉱の入り口です。昔は採掘業が盛んで・・・。」
チヨ「今は違うんすか?」
「はい。数年前の大きな事故が原因で・・・。多くの村人が犠牲になり人口がかなり減ってしまったんです。」
チヨ「あの中の調査は?」
「もちろんです。しかし中はかなり入り組んでいて全ては調査できていません。何しろ坑道に詳しい人間は全員事故で無くなってしまったので・・・。」
チヨ「ふ~ん・・・。」
何だろうな。この村長。いい人そうに見えるが、なんか胡散臭さが感じてしまう。
俺の警戒し過ぎの勘違いだといいが・・・。
「すみません。私はこの後夕食の支度をしなくてはいけないので、案内はこちらの者が代わります。」
そう紹介されたのはボサボサの緑色の長髪で丸眼鏡を掛けた女性が現れた。
「よろしくお願いします。」
チヨ「どーも。」
ん?この人の服装・・・他の人達と違う・・・。
他の村の人達は村長以外はみんな、多分だが決められた指定服を着ており、この人だけは地味目の私服を着ていた。
シディ「なんだか、独特は人だな。」
チヨ「そーだな。」
小声で俺に語り掛けるシディに同意。
女性に案内されて、今俺等の目の前には笑顔で遊んでる子供達の姿が見えた。
シディ「こうして見ると、のどかな村なのにな。」
チヨ「そー・・・だな。」
だが何処か違和感を感じる。
本当に笑顔で遊んでる子も居れば、笑顔なのに何処か辛そうに遊んでる子も居た。
チヨ「あなたは元々外の人だったんですか?」
「いえ、私は元々この村で生まれ育った人間です。あの子達は移民ですが。」
シディ「居場所が無い人達を受け入れるなんていい村長じゃないか。」
「・・・そうは思いませんね。」
女性は思ったのと違う回答を言い出した。
「村に関係のない部外者を集めるのはどうかと・・・。」
チヨ「・・・・・」
こりゃあ、何か裏がありそうだ。
シディ「ム?」
シディの前にボールが転がってきた。
それを拾い子供に渡すが、子供が汗が大量に流してる事に気付く。
シディ「暑そうだな。汗が凄いぞ。このままじゃ脱水症状になるぞ。服を脱いだ方が・・・。」
「あ、えっと・・・。」
「その服はこの村の民族衣装ですので・・・ほら、行きなさい。」
女性は子供の前にまるで庇うかのように立ち、子供を追い払った。
何だか、この村がキナ臭く思えて来た。
しばらく案内されてから時間が過ぎ、陽が落ちそうだった。
「そろそろ夕食の時間ですし戻りましょう。私も村長の手伝いをしないと。」
シディ「手伝い?」
「村長が毎日村人皆の夕食を準備してるんです。」
チヨ「なるほど。それで早めに抜けたのか。」
しかし、毎日とはよく働く。
シディ「俺達も何か手伝おう。」
チヨ「・・・?シディ。お前手の甲が怪我してるぞ。」
いつもの間に着いたのか、知らない内に怪我をしていたことに気付いたシディ。
「手当てしましょう。私の家がすぐそこですから。」
女性はそう言って俺達を自分の家を案内してくれた。
失礼承知で言うが正直外見がボロかった。
「・・・すみません。少しここで待っていてください。」
家の中に入って数分で戻って来てシディの怪我を軽く包帯で巻く。
女性の横にはデカい応急鞄が置いてあった。
シディ「これ位の怪我、どうって事ないのだが・・・。」
「傷口からバイ菌が入るかもしれませんので。」
シディ「ム、そうか。すまないな。」
チヨ「シディ。そろそろ行く・・・おっと。」
俺は
カバンが倒れた事で、中身が飛び出し、手術用ナイフと血が付いた包帯が無数に出た。
シディ「これは・・・。」
「見られてしまったら仕方がないですね。あまり大きな声では言えませんが、私はこの村で医者をしていたんです。」
シディ「なぜ隠そうとしたんだ?」
「医師免許が無いので、真似事の様なものでして・・・。小さな村で、病院も近くにないので。この事は秘密にして頂けますか?」
チヨ「・・・・・・」
真似事するくらい、頻繁に怪我人が出るのか・・・。それにあの大量の血が付いた包帯の量・・・。
怪現象と何か関わりがあるのか・・・・。カギを握るのはこの女性だな。
食堂に行き、端の方で食事を頂く俺とシディ。
シディ「チヨ。誰が怪しいと思う?」
チヨ「一丸に誰とまでは断定できないが、カギを握ってるのはあの女性だろう。」
シディ「どうしてだ?」
チヨ「村長の事、あまりよく思ってない節がある。周りと違って民族衣装着ていない。正直、この村自体は好んではいないと思う・・・・。それで?お前は何か気付いたことあるんじゃないのか?」
シディ「あぁ。あの時は周りに人が居たから言えなかったが、実は子供の方から血の匂いがしたんだ。」
チヨ「やっぱりそうか。じゃあ、あの包帯はおそらく子供の血だろう。」
シディ「では、やはり犯人はあの女性か?」
チヨ「決断するのはまだ早い。正直、この村に来てから俺はあの村長がどうも胡散臭く思ってしまう。理由は無いしただの勘だがな。」
シディ「それでどーする?」
チヨ「そーだな・・・・。とりあえず、あの女の家に忍び込むか。」
シディside
村のみんなが寝静まった夜中、俺とチヨは行動を決行した。
シディ「彼女の家には、何かあるのか?」
チヨ「あの女性が応急カバン持って来る時に、リス型の血の具現を忍ばせた。その時床下に大きな穴があった。どうやらそこ炭鉱と繋がってる様だ。」
シディ「いつの間にそんな事を。流石だな。」
チヨ「褒めるなよ。」
俺達が彼女の家に向かう最中、誰かが協会に入っていく姿が見えた。
だが夜のため暗くて顔までは見えなかった。
チヨ「・・・シディ。お前は先に女性の家に行け。俺は教会に行く。」
シディ「わかった。」
俺はチヨの言う通り、女性の家に忍び込んだら、床下が穴が開いていた。これがチヨが言っていた炭鉱に繋がっている穴か。
入ってみたら周りは暗かった。
しかも、血の匂いがする・・・。
匂いのありかをたどったら、包帯と子供用の民族衣装が落ちていた。
まさかあの女性が失踪の原因・・・。
ざっ!
!?物音っ!!
シディ「誰だ!?」
振り向いた先には・・・。
チヨ「シディ。俺だ。」
シディ「チヨ!」
どうやらチヨが来てくれたようだ。
チヨ「シディ。もう探索はこれ以上進行しなくていい。失踪事件の真相が分かった。」
シディ「どーいう事だ?」
チヨ「事情は戻りながら話そう。」
チヨが説明するに、教会に入ったのは村長で、どうやら中で子供を痛めつけていたそうだ。
その子供を助けるために彼女は子供達を治療して、床下のトンネルを通り1人ずつ村の外へと逃がしたんだそうだ。
シディ「そうだったのか。ならなぜ、俺達に助けを求めなかったんだ?」
チヨ「俺等は村長から依頼された部外者。信用は出来なかったんだろう。」
なるほど。彼女の事考えたら、信用するのは難しいだろう。
彼女の家から出ると、そこには子供と彼女、そして鞭で縛られた村長が居た。
シディ「まさか村長が犯人だったとは。」
チヨ「コイツは、懺悔と言う名の暴力で子供達を痛めつけていた様だ。胸糞悪いぜ。」
「こ、これは教育なのだよ。悪い事をすれば痛みを伴わなければならないのは当然な事。」
シディ「そんなものは教育とは言わない。自分の都合のいいように暴力でねじ伏せてるだけだ。」
チヨ「シディ。こんな奴に正論言ったところで無駄だ。こいつは暴力を無理矢理正当化させようとしているクソ野郎だ。」
「私はこの村の長・・・つまり王なのだよ!好きにして何が悪い。」
チヨ「縛られた状況で開き直りかよ。とんだ裸の王様も居たもんだ。」
「コイツはずっと村長と言う立場を利用して村人たちを自分の好きな様に操っていたんです!」
シディ「村人を集めていたのは村の再建のためじゃなかったんだな。」
「再建さ。私の王国のね!なのに私の可愛い村人はここから出ようとするんだ・・・。私はこんなに愛してるのに・・・!」
チヨ「一方的な愛はただの迷惑しかないぜ。親父のヤンデレなんて需要はねぇーよ。」
「うるさいうるさい!!」
村長は狂ったかのように叫び出す。
「いいか!!ここに居る村人は・・・。」
チヨ「次にお前は「王たる私の所有物、勝手に出て行く事など許さん!」っと言う!」
「王たる私の所有物、勝手に出て行く事など許さん!・・・ハッ!!」
チヨ「一番勝手なのはテメェの方だ。人を傷付ける覚悟があるなら、傷付けられる覚悟がるって事だよなぁ?」
「ひっ!!」
チヨがそう言い、血の能力なのかまるで人型の様なものを出した。
あれは、ヒサメとチヨがデスゲームの時に出した能力!!
チヨ「裁くのは・・・・。」
チヨ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
チヨ「俺の能力だ。」
村長はチヨの能力の連打によって全身に殴られ、吹き飛ばされていった。おそらく、骨が何ヶ所か折れている。アレでは、もう動けないだろう。
自分でした事は自分で帰って来る。っという事だな。
チヨ「村長
チヨside
こうして、毎日一人ずつ村人が消えるという怪現象は幕を閉じた。
「ありがとうございました。あとは残りの村人たちが村の外で住む場所を見つければ・・・」
チヨ「いや、あんたが村長になればバッチ解決じゃん。」
「え?」
チヨ「あのじじいから村人たちを守ろうとしたんだ。適任じゃねぇーか。」
シディ「俺もそう思うぞ。」
チヨ「そう思ってるのは、俺等だけじゃないぜ。後ろ見てみな。」
女性が振り向くと、村人達全員立っていた。
唖然はしたものの、決心した表情して村人たちの方へと振り向く。
「みんな!この村の恐怖政治は終わった。これからは皆が安心して暮らしていけるいい村にしよう!・・・協力してくれる?」
俺等は遠目で彼女達を見て、クールに去る事にした。
チヨ「結局、タダ働きか。」
シディ「・・・ふっ。」
チヨ「んだよ。」
シディ「いや、チヨはカゲチヨと一緒で良い奴だな。」
チヨ「俺が良い奴だったら世の中いい人だらけだよ。」
さて、帰る前に朝食でも食いに行こうかね。
その後は寝よう。