依頼人の発明のせいで、また別世界に来てしまったチヨことカゲチヨは、壊れた発明品の修理が終わるまでしばらく別世界のカレコレ屋に住む事になった。
チヨside
俺は現在、オーナーの呼び出しでリサイクルショップに居る。
オーナー「チヨ。前に渡された機械の修理が完了した。今からでも元に戻るぞ。」
チヨ「マジか。それじゃあさっそく・・・。」
オーナー「帰るのは一週間ぐらいにしとけ。また唐突だとヒサメ当たりがべそ掻くぞ。」
チヨ「いや、数ヶ月間経ってるし、早く帰んないと2人が心配する。あん時泣かれては一週間離れなかったからな?」
オーナー「安心しろ。ちゃんと飛ばされた時間軸に戻してやる。」
チヨ「何か、俺や依頼人よりその機械の事理解してない?」
オーナー「私は謎多き女だからな。」
チヨ「そこがオーナーの魅力ってやつだね!」
オーナー「・・・・・っ////」
何故か顔を赤くして肩パンされた。何故だ!?
オーナーに肩パンされていたら、カゲチヨ達が店の中に入って俺を呼んで来た。
カゲチヨ「おーい。依頼が来たから今から行くぞ~。」
チヨ「あ?依頼?」
カゲチヨ「説明は移動しながらするから早く来い。」
一度、オーナーに機械を預かってもらい俺はカゲチヨ達に付いて行った。
ヒサメside
とある遊びに参加して欲しいという依頼を受けた私達は、怪しげな廃ビルの前に来ていた。
チヨ「せっかく機械が修復終えて気分上々だったのになぁ。」
ヒサメ「あの機械直ったんだ。・・・もしかして明日帰っちゃうの?」
前ほどではないけど・・・やっぱり別れるのは寂しい。
チヨ「いや、オーナーが帰るなら一週間後くらいにしておけって言われてな。」
シディ「そーなのか。なら一週間の内に思い出をいっぱい作ろう。」
そっか、一週間か・・・もっと一緒に居たいけど、仕方がないよね。
カゲチヨ「まぁ。チヨが帰れる事に喜ぶのはいいけどよ。今は依頼に集中しようぜ。」
ヒサメ「普段から集中できてないくせに。」
カゲチヨ「う、うるせー!」
最初は面倒くさそうにしてたくせに、依頼報酬を聞いた途端手の平返ししてたじゃん。
まったく。チヨの爪の垢を飲んでほしいよ。
シディ「それにしてもすごい人数だ。」
ヒサメ「参加するだけで報酬が貰えるらしいからね。」
カゲチヨ「こいつら全員金の亡者って事か。」
ヒサメ「カゲだって二つ返事で飛びついたくせに。」
カゲチヨ「ア”!?何言ってんだよ!!俺は困ってる依頼人のためになぁ・・・。」
チヨ「言い訳はいいよ。正直に言いな金が欲しいんだろ。俺も欲しい。」
確かにカゲは言い訳言ってるけど、さらっと自分の欲望も口にしちゃってるよこの人は・・・。
ボティス「まったく!何故ワシまで付き合わなければいかんのじゃ!無理矢理連れてきおって!」
シディ「ボティスと一緒に遊びたいと思ってな。」
そんな会話してると、私達をたちを招待してくれた眼帯付けた男性の依頼人が出てきた。
チヨ「アレが依頼人か?」
ヒサメ「うん。そーだよ。」
チヨ「眼帯なんか付けて、未だに厨二病が抜け出せない厨年病か?」
ヒサメ「いや失礼だし、新しい言葉作らないで。」
チヨのボケにツッコみつつ、依頼人が参加者の前に立って説明し始めた。
「皆様、この度はお集まりいただきありがとうございます。さっそく本題に入りますが、今回の遊びの内容はズバリ・・・かくれんぼです。」
カゲチヨ「かくれんぼ?ガキじゃあるまいし・・・。」
シディ「みんなでかくれんぼか!楽しそうだな!」
ボティス「ここにも子供がおったか。」
確かに、大勢集めてかくれんぼって子供っぽいかな?
チヨ「・・・・。」
何やら真剣な顔で考え事をしていたチヨ。
・・・普段のおちゃらけた表情と違ってかっこいいなぁ~・・・・・・・。
って!何考えてるの私!?
ヒサメ「ち、チヨどーしたの?」
チヨ「いや、何となくだが・・・これはただのかくれんぼじゃない気がする。」
ヒサメ「え?」
どーいう事なの?
チヨ「賞金が出るただのかくれんぼだったら、もっと大々的に宣伝するんじゃないのか?金持ちの娯楽と言いってしまえばそこまでだが・・・だったらもっと盛り上げるようにするもんじゃないのか?俺はどこか、あのおっさんが何か隠してるんじゃないかと疑ってる。」
ヒサメ「つまりこの大会、何か裏があるって事?」
チヨ「かもな。俺の考えすぎならいいが、こーいう勘は良く当たるんだ。ムカつくほどにな。」
それなら警戒した方が良いかもしれない。
「早くみつかって離脱したとしても報酬はお支払いします。」
「マジかよ!」
「太っ腹すぎる~!」
さっきのチヨの予測聞いた後だと、確かにこの大会は怪しすぎる。
離脱しても報酬が貰えるなんて普通だったらありえない。
カゲチヨ「これはさっさと見つかって帰るしかないな!」
ボティス「カゲ男にしては名案じゃな!」
チヨ「生きて帰れるかは離脱するまで分からないって事か・・・。」
それってつまり、ただじゃ帰れないかもって事かな?
「なーなー!鬼ってどんな奴なん?もしかしておじさんが鬼すんの?」
「・・・言わずともすぐにわかりますよ。隠れる場所はたくさんあるので、是非楽しんでくださいね。」
依頼人が説明し終えた後、私達は廃ビル内に入って隠れる場所を探した。
チヨside
俺等は廃ビル内を移動してる最中、かくれんぼ開始のカウントダウンが鳴り響いた。
『10・・・9・・・8・・・』
カゲチヨ「ビル内のスピーカーが聞こえるみたいだな。」
シディ「どこに隠れるのか決めよう!」
ヒサメ「あっ!あのロッカーならみんな入れそうだよ!」
ヒサメが指差した方向にはロッカールームがあった。確かにそこなら全員隠れられるな。かくれんぼとしては安直ですぐに見つかりそうだが・・・。
各々ロッカーに入って身を隠す。
すると、男女の参加者がロッカールームに入ってきた。
「カウント終わったけどどーする?柱とか適当に隠れる?」
「だるいし見つかろーよ。ちゃっちゃとお金貰って帰りたい。」
それは俺も同感である。
カゲチヨ「ア”ー・・・それは俺も同感だわ。」
ヒサメ「まだ言ってるよ。」
チヨ「金とか要らないから帰って寝たい。」
ヒサメ「それもどーかと思うよ・・・。」
ヒサメに小言と言われつつ隠れていると、ガシャガシャと何やら不穏な音が聞こえた。
そこには全体が白く、人型をした化け物が現れた。
「グオオオオオオオオオオ!!」
「ひ、ひぃ!!」
「ば、化け物!!」
シディ「なっ・・・まさかあれが鬼なのか!?」
ヒサメ「あれって・・・作り物・・・だよね?」
チヨ「んな訳あるか!」
俺はロッカーを勢いよく飛び出し、襲われそうになった人達の前に立って鬼と交戦する。
こいつっ!滅茶苦茶強い!!
チヨ(この強さは、前戦ったクリーチャー共と同じ・・・いやそれ以上か・・・。今の3人じゃ手に負えないかもな。)
とりあえずこの場から引き離すか。
チヨ「お前ら!こいつは俺が引き受けるから依頼人を探せ!」
ヒサメ「チヨ!!」
馬鹿っ!出て来るな!!
「グオオオオオオ!!!!!」
こいつ、ヒサメに狙いを定めやがった!
俺は血放弾を奴の頭にぶち当てた。
傷はついたものの、平然としやがる。
べ、別に本気で放ったわけじゃないんだからね!!
っと冗談はここまでにしてだ・・・。
チヨ「テメェーの相手はこの俺だ!!付いて来い!!」
「グオオオオオオオオオ!!」
そうだ!そのまま付いて来い!!
ヒサメ「チヨーーーー!!!!」
シディside
チヨがあの鬼を連れて何処かへと行ってしまった・・・。
ヒサメ「チヨの言う通り、これはただのかくれんぼじゃないみたい。」
カゲチヨ「チヨが囮になってくれたんだ。俺達は早く依頼人を探して事情を説明してもらわないとな。」
カゲチヨの言う通りだ。
おそらく依頼人はこの廃ビルのどこかに居るはずだ。
シディ「手分けして探そう。行くぞボティス!」
ボティス「ワシに命令するな!」
俺達は手分けして依頼人を探すが、廃ビルの中は広く探すのが困難だった。
あの鬼は相当強い。おそらくだが俺達が束になっても勝てない気がする。
それにチヨの攻撃も平気そうだった。
早く見つけなければ、チヨが危ないかもしれない。
「グオオオオオオオオ!!」
チヨ「ズァアアアアアアアア!!」
!?あの怪物とチヨの声が室内から聞こえる!!
それに建物内が壊れる音が何度もする!
激しい戦いを繰り広げているのか・・・。
ボティス「もう放って置いて帰ればいいのではないか?」
シディ「そうはいかん。チヨのためにも何か手掛かりを・・・ウヌ?」
奥の謎の部屋がある・・・。
だが、その扉には鎖が無数に繋がれ鍵が何重にもなって入れなくしているよいうだった。
ボティス「ほほう。随分厳重じゃのう」
シディ「入れそうにないな。他をあたろう。」
ボティス「待て。ここに入るんじゃ。」
シディ「何故だ?鍵が何重にもかかってるんだぞ。」
ボティス「だからこそじゃ。」
ボティスが言うには何かを見られたくないものが隠してあると言う。
俺の力で壊せと提案してくれたから、俺は渋々だが了承した。
力任せに無理あり扉をこじ開けたら、部屋の中は明るく、壁にはまるで青空のようだった。
まるで子供部屋のような・・・。
ボティス「ふふん。やはり何かありそうじゃな。」
部屋の奥には机が置いてあった。その上には日記があった。
シディ「「パパは、にんげんをつよくするくすりのじっけんでたいへん。ぼくは、さびしい。」・・・この部屋の主のものか?」
ボティス「ほう?」
ヒサメ「シディ!」
カゲチヨ「なんだこの部屋は・・・。」
カゲチヨとヒサメが部屋に入ってきた。
すると、依頼人が慌てた様子で俺達の前に現れた。
「あなた達!!なぜこの部屋に入ったんです!!」
カゲチヨ「依頼人のおっさん!?」
「鍵がかけてあったはずなのに・・・!」
まさか自分から見つかりに来るとは、それほどこの部屋を見られたくなかったのか・・・。
ピキピキ
ドゴーン!!
「「「「!!」」」」
天井が崩れ、上からチヨと怪物が落ちてきた。
チヨside
化け物の体を能力の紐で身動きを封じ、腹に能力の刃で突き刺し、地面に落下。
落下した場所は、子供部屋のような場所に、カゲチヨ達と依頼人が居た。
チヨ「くっそ・・・いい加減大人しくなってくれませんかね!」
「グ・・・オオオオオオオ・・・・・。」
あぁーもう。どれも攻撃が決定打にならねぇ。
それになんか分からねぇが戦いずれぇ。見た目は化け物のハズなのになんか違和感が感じてしまう!
シディ「おいこの部屋は何だ?この怪物と何か関係があるのか!?」
そう依頼人に言うシディにボティスが小馬鹿にするように話し出す。
ボティス「はっ!お前は本当に阿呆じゃの。日記を読んだのにまだ分からんのか?」
日記?どーいう事だ?
ボティス「怪物の正体はこやつの子供じゃろう。」
「「「!!」」」
何だと!?じゃあ今まで戦ってきたのは・・・通りで戦い方に幼さを感じると思ったら・・・くそっ。
俺は、シディから日記を貰い読み出す。
ボティス「この子供部屋はそやつが人間だった頃の部屋じゃろう。だから固く閉ざして侵入を防いでおったんじゃないか?」
「・・・その通りです。」
ボティスの推理に、依頼人はそうだと認めた。
シディ「まさか、「人間を強くする実験」と関係が・・・・?」
シディの言葉に依頼人は身の上話を語り出す。
「かつてこのビルは研究所で人間を強化する薬の研究をしていました。しかしあの日、息子が間違って試薬品を飲んでしまい・・・・・・恐ろしい怪物と化して研究員を皆殺しにしてしまったのです。」
正直、そんなくだらない薬のために巻き込まれた子供がかわいそうだ・・・。
俺は、呻き声をあげる化け物・・・いや、少年に同情をした。
「こんな姿になっても自分の息子です。私は息子を喜ばせるために今回のかくれんぼを企てました。」
チヨ「・・・は?」
ふざけてるのかこいつは・・・・。
「息子は遊び相手が欲しがっていまし・・・。」
ドゴォ!!
俺はこいつの話の途中で顔面を思いっきり殴った。
ヒサメ「ち、チヨ!?なんで・・・!」
ヒサメの反応をスルーして、俺は依頼人の胸ぐらを掴んだ。
チヨ「ふざけんなよこの野郎。息子を喜ばせるためにかくれんぼを企てた?研究者のくせに馬鹿なのか?」
「何!?」
チヨ「何でそんな思考になるんだよって言ってんだよ!テメェーがやらなきゃいけなかったのは、息子を元に戻す方法を考えることだろうが!!」
「!!」
チヨ「あんた、自分の息子の日記を読んだのかよ。遊び相手が欲しかったんじゃない。父親のあんたと遊びたかったんだよ!」
「わ・・・私は・・・・。」
チヨ「あんたは、あんな姿になってまで生きて、息子は幸せだと思ってるのかよ。俺が同じ立場なら殺してほしいね。」
「じゃあ・・・どうすればいいんだ!この子が幸せになるには・・・。」
ボティス「簡単じゃ処分すべきじゃろ。」
「・・・・。」
残酷だが、ボティスの言う通りだ。
これ以上、この子が他の人たちを殺さないために・・・・。
「あああああ!!」
怪物化した少年が俺の能力の拘束を自力で破り、依頼人に抱き着く形で捕まえる。
「パ・・・パ・・・。」
「!?」
「さびし・・・あそ・・・ぼ・・・。」
ボティス「キャハハハ!傑作じゃな!そのような姿になってもまだ人の心があるとは。だとすれば、このビルを徘徊していたのは父親である貴様を探しておったのかもしれんな。」
「・・・現実からも・・・息子からも・・・・逃げ続けた結果か・・・本当はわかっていた・・・・私がするべき事は・・・。」
締め付ける力が強まったのか、骨が折れる音が聞こえた。
カゲチヨ「まずい!力が強すぎるんだ!その気はなくても依頼人を潰しちまうぞ!」
チヨ「ちっ!」
シディ「助けなければ!」
俺らが助けようと行動に入ろうとするが、依頼人に止められた。
「これでいい・・・この子の側に・・・いてあげたい・・・・。パパはずっと・・・一緒だ・・・ぞ・・・・。」
依頼人は懐から注射を出し、自分の息子の首に刺した。
おそらく、注射の中は、化け物の機能を停止する物だったんだろう・・・・。
ヒサメ「・・・終わったんだね。」
シディ「あぁ・・・。」
ボティス「はん、つまらん幕切れじゃな。」
カゲチヨ「・・・帰ろーぜ。」
俺らはビルから出るために背を向けたとたん、起き上がる音がした・・・。
まさかっ!
「グオオオオオオオオオオオ!!」
化け物化した少年が立ち上がり雄たけびを上げる。
カゲチヨ「くっ!まだ生きてやがるのかよ!!」
ヒサメ「あの注射は効かなかったの!?」
ボティス「キャハハ!面白い事になったの!!」
少年は俺らを見て襲い掛かってきた。
俺はみんなの前に立ち、思いっきり少年の顔面を蹴り飛ばした。
チヨ「もう君を・・・これ以上人を襲わせない。」
ヒサメ「・・・チヨ?」
何故だか、力が沸き上がってくるのが感覚的に分かる。まるで血と気功が活性化してるみたいだ。
だが今はそんな事どうでもいい。
無性に少年をこんな風にさせた薬に対して怒りが込み上げてくる。
俺が思ってるのはたった一つ。この子を救うことだ!
チヨ「俺がお前を解放してやる!!」
カゲチヨside
な、なんだ・・・・。チヨから赤いオーラ出て、髪が少しだけ赤くなった。
もしかしてあれは・・・・。
カゲチヨ「吸血鬼化・・・・なのか?」
血も飲まずに自力で吸血鬼化になったっていうのかよ!
やっぱあいつ、俺とは違う規格外だぜ・・・くそっ!
嫉妬しちまうぜ・・・。
「グオオオオオオオオ!!」
チヨに襲い掛かる依頼人の子供。
チヨ「一瞬で終わらせる。」
指を銃状にして、指先に血と青い光の何かをを集め出す。
キュィィィィン・・・・
バシュン!!
特大の能力の弾丸を放って、依頼人の息子に直撃させた。
「グオ・・オオ・・・・・」
チヨ「・・・・。」
もろに攻撃を食らって依頼人の子供はチリとなって消えていった。
カゲチヨ「す、すげぇ・・・。」
シディ「やはり、チヨは強いな。」
ヒサメ「うん。」
いったいどうやったらそんなに強くなるんだよ。
まぁ本人に聞いたところで日頃の鍛錬ってか言いそうだかな。
チヨ「あの世で、思う存分父親と遊べ。」
何処か寂しい表情になっていた。
チヨの言う通り、あの世で仲良く親子で遊べたらいいな・・・。
チヨ「・・・・っ。」
ヒサメ「チヨ!!」
カゲチヨ「おい!!」
シディ「大丈夫か!?」
吸血鬼化が解除されたと思ったら、チヨは倒れて気絶してしまった。
何で気絶したのか俺等には分かんねーけど、多分急に吸血鬼化になった影響なのかもしれねー。
気絶したチヨをシディが抱えて俺等は廃ビルから出た。
俺等の依頼で参加したかくれんぼは依頼人と息子の死によって終わりを迎えた。
次の日、チヨは目を覚ました。様態は特に異常はなかったらしい。吸血鬼化の事を聞いたが、無意識だったためどうやったか分からないそうだ。
もう一度吸血鬼化になろうとしてもなれない事に頭抱えて発狂していたチヨに俺らは苦笑いするのであった。
昨日までの真剣さはどこ行ったんだよ。雰囲気変わりすぎだろ・・・・。
ご都合のごり押し展開である。