カゲチヨ日記   作:yakyo

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今回もこの数週間は特に俺の身に何も起きなかった。

 

 

 

あったとしたら俺の周りだったって事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

α月β日

 

 

 

今日、カレコレ屋にシスター服を着た女性が依頼しにやって来た。

依頼内容は話聞くだけの超簡単なものだった。

 

アドバイスも何もいらない。

ただ話を聞いてほしいというものだった。

 

依頼人のシスターの幼馴染の話。

 

幼馴染は祖父が嫌いだった。理由は怖かったっとの事だ。

その幼馴染の祖父は有名な科学者で研究にしか興味ない人間だったらしい。どうやら異宙の技術と人間の技術で超小型の爆弾か何かを開発し、名誉と地位、そして莫大な財産を持っていた。

 

超小型爆弾とは、唐突に物騒な単語が出てきたもんだ。

その幼馴染の祖父はボマーになりたかったのかね。

もしくはキラークィーン?

 

更に語るに、幼馴染は母親も父親も嫌いだった。

2人間に愛は無く、2人は祖父の財産目的で結婚した夫婦だったらしく、その幼馴染は生まれてきてから愛情を貰えなかったとの事だ。

幼馴染はみんなの事が嫌いだった。

 

そりゃあ周りが財産に目が眩んでるんだ。

嫌いにもなるわ。

 

転機が訪れたのは、幼馴染が4歳になった時。

祖父が難病にかかり、寝たきりの状態になってしまったそうだ。

 

幼馴染は最初、祖父が自分と同じ家に居るのを嫌がっていた。

どうやら祖父は家でもいつもムスッとしていて、幼い彼女にとっては怖い存在だったらしい。

 

だが、話してみると祖父は驚くほど優しく、色々な事を教えてくれたらしい。

特に自分の研究話は幼い彼女に分かりやすく教えてあげた。祖父は幼馴染にとって、初めて大切な人になったらしい。

 

一方両親は、祖父の体調が良くないことをいい事に、より一層祖父の財産を食いつぶしたらしい。

 

典型的な屑っぷりな夫婦だ。

スカッとする漫画でも見た事ある展開だぞ。

しまいには「早く死んでくれれば遺産がもらえるのに」「逆玉最高」っと言えちゃう神経。本当に人間かどうか疑いたくなる。

・・・・いや、これも人間一部か。

同じ人間として恥ずかしい限りだ。

 

祖父と彼女の世話は介護士とお手伝いを雇い自分達は家に帰る事もほとんどなかったようだ。

 

だが幼馴染は幸せそうだった。

彼女は祖父がいれば他には何もいらないと思っていたらしい。

その懐きっぷりは、周囲から見ても少し異常らしく、いつも祖父と一緒だったそうだ。

 

なんだよ。何処に異常があるんだよ。

微笑ましい限りじゃないか。

それほど彼女にとっては孤独だったんだろ?

 

だが、祖父の体調は日に日に悪くなり、ついに入院する事になった。

病院の先生はもう長くないと話し出す。

 

弱った祖父はある日、彼女にポツリポツリと話し始めた。

 

内容は

「自分の研究とその功績だけが大事。友人も娘もその夫、孫さえもどうでも良かった。特に自分の研究の功績を食いつぶす夫婦を心底憎んでいた。だが死が近づくにつれ、娘や義理の息子の事を考えてしまう。」

っとの事らしい。

 

祖父の後悔を聞いた彼女は、自分の両親の元へと走り出した。その小さな体で、両親を病院へと連れて行こうとした。最初は拒んでたが、熱心になってる彼女に両親は折れ、祖父の病室へと行き、祖父と両親はお互いの非を謝り仲直り。

 

そして、両親は祖父が居なくなっても、幼馴染を二度と孤独にしないと約束。

祖父の顔はすごく嬉しそうだったらしい。

 

しかし、そんな祖父の顔を見ると、祖父が居なくなってしまう事実が悲しくなった彼女は涙が止まらなくなったそうだ。

 

そんな彼女を祖父は自分の近くまで呼び、弱った状態で彼女だけに聞こえるくらいの掠れた声でこう語ったそうだ。

 

「ワシは死ぬ。それは避けられん。だから一つだけお願いだ。ワシが死んだら、パパとママと一緒にかなしんでくれるかい?」

 

っと言ったそうだ。

 

彼女は何度も頷き、大好きな祖父との最後の時間をゆっくりと過ごした。

 

それを聞いたヒサメとシディは依頼人の話を聞いて感動していた。

確かに感動はするな。

 

 

 

これが本当に感動話ならな。

 

 

 

俺の予想通り、話はこれで終わらなかった。

 

一家全員爆発に巻き込まれ、

結果、両親は死んでしまったそうだ。

 

唐突な事に、顔面蒼白な状態で硬直してしまった二人。

 

そりゃあそうだ。

感動話で感情が急上昇したらジェットコースター並みの急降下所か落下に近いからな。

所謂上げて落とすって事だね。

 

混乱してる2人を他所に、話し終えた依頼人は帰ろとするが、俺はある事を確認した。

 

それは依頼人の名前だ。

 

俺が名前を聞くと、彼女は「カナ」と名乗った。

 

顔を少し傾けた時に頭に被ってたウィンプルに隠れてた彼女の横顔には大きな火傷の跡がついてあるのが見えた。

 

どうやら、懺悔としてここへとやって来たみたいだな。

 

要は「パパとママと一緒に悲しんでくれるかい?」ではなく「パパとママと一緒にカナ死んでくれるかい?」って事だ。

 

子供の解釈違いとは言え、人を、しかも両親を殺してしまったからな。

他人に話してスッキリしたかったんだろうよ。

 

俺はこれ以上彼女に追及はしなかった。

 

だって、今回は「話を聞くだけ」だからな。

 

 

 

α月β日

 

 

 

ゼクスがToLOVEる化してしまった。

 

な、何を言ってるのか、分からねーと思うが、俺も何を見せられたのか分からなかった・・・。頭がどうにかなりそうだった・・・。催眠だとか幻覚だとかそんなチャチなもんじゃ・・・。

 

あ?ポルナレフってないで本題に行けって?

しゃーねーなぁ。

 

簡単に説明すると、ゼクスが小人になってしまったって話。

 

カンナがいたずらで、わざとゼクスに小人になるジュースを飲ませたらしい。

このいたずらっ子め。そんな子にはお尻ぺんぺんですよ!!

・・・セクハラになるからやらないけど。

 

危険なものだが時間が経てば元に戻るらしい。

いや~それは良かった良かった。

俺はカンナをみさえ並みの頭グリグリの刑に処しながら安堵した。

 

ユキノがゼクスのお世話する事に立候補した。

まぁ彼女なら余計な事はしないだろう。

 

彼女だけならな。

 

ヒサメとカンナとほたみがゼクスを着せ替え人形にされて、現在げっそり状態。

あんたら人の心とかないんか?

 

喉が渇いたらしく、ユキノが麦茶を用意するがコップがでかくて飲めなかった。

俺は持ってたファ〇タのキャップを麦茶に注いでゼクスに渡した。

 

だが重いのか腕がプルプルとしていた。

そして飲めずに顔面にぶちまけるというベタな展開になった。

 

心配したユキノがゼクスを抱いたせいか、ドギマギしてる。

それを傍から見たヒサメ達は暖か~い目で見ていた。

 

いや、約2名いたずらの笑みを浮かべてたな。

この小悪魔どもめ。

 

ジュースで身体がべたついたため風呂に行こうとするも全く進まなかったため俺が風呂場に連れて行った。

普通の湯舟じゃあ溺れるし、仕方ないから風呂桶使って小さなお風呂に入れた。

 

何か、人形で遊んでる気分だわ。

 

ついでに俺も風呂に入ろうとしたら、カンナとヒサメが覗き込もうとしたため追い出した。

 

カンナはともかくヒサメは何しとんじゃ。

あんたそんな変態キャラじゃないでしょーが。

 

第4期のゲゲゲの鬼太郎のオープニングみたいな感じで湯船につかった俺達。

 

ゆっくりと湯に浸かっていたらゼクスがだんだんと大きくなり、元の大きさに戻っていた。

何とも男同士で風呂とは何とも気まずい。

 

どっかのホモー好きな住人に見られたら薄い本が厚くなりそうだ。

 

まぁなんだかんだ元に戻った事だし良かった良かった。

俺は小人になるジュースをシンク捨てながらそう思った。

 

ゲンレイから、しばらくカンナの小遣いは半減すると聞かれた。

 

そこは無しじゃないんだな。

 

 

 

α月β日

 

 

 

ゲーム好きの好きな人を振り向かせたいためにゲームを強くなりたいと女子高生が依頼してきた。

 

なんとも色々とすっ飛ばした事を言ってきた依頼人は、俺らに分かりやすく順を追って説明してくれた。

 

なんでも、クラスで隣の席の男子は凄いゲーム好きとの事らしい。

好き具合で言うと、休み時間はいつも一人でゲームしてるくらいだと。

 

ほほぅ。それくらいのゲーム好きだ。

余程腕に自信があるだろう。

 

まぁ休み時間にもゲームしてるもんだから他の子達に不気味がられてしまうらしい。

依頼人も隣の席になってウワーッって思ったとの事だ。

 

ケッ!これだから見た目で判断する奴は!

すれ違い様で「盗撮してそう」とか「女性経験なさそう」とか言ってきた奴まじで許さんからな!

・・・いや女性経験は実際ないのは否定せんけど。

 

彼を気になり始めたきっかけは、依頼人が弁当を忘れた時、隣の男子が話しかけて「昼休みはゲームに集中したいから」っと言ってパンを貰ったとの事らしい。

 

・・・おたくチョロいと言われません?

 

それからちょっとずつ喋るようになったらしいが、共通の話題とかが無く会話が続かなかったとの事だ。

そんな彼は、依頼人と話すよりゲームしてる方が楽しそうだったと気付き、諦めようとしただと。

 

諦める理由を見つけるために、好きなタイプを聞いたら「自分とゲームを楽しめる人」っと返答したらしい。

それを聞いて、自分の事じゃないんだと思った依頼人は諦めたくない一心で相手がやってるゲームをやりはじめたんだと言うではないか。

 

健気なですな~。

 

まぁ共通の趣味があれば距離がち縮むしな。

 

一見聞いたら無理してるように聞こえるが、依頼人もやってみたら面白くて楽しいと笑顔で答えた。

 

おうおういい事じゃないの。

・・・・・それでよくね?

共通の話が出来たんならざわざわ依頼してくる意味無くない?

 

それは駄目だと目に炎を燃やし「このゲームで彼を倒してから告白する」っと力強く言い出した。

 

つまり今回の依頼は「愛しの彼にゲームで勝って告白できるように協力してほしい」ってことらしい。

依頼人の言い分は彼と互角にやり合える実力がないと彼に見合う女じゃないと駄目だと言う。

なんとも面倒くさい依頼だ。

 

まぁ本人も本気みたいだし、一応引き受けることにした。

 

俺は途中でオーナーの手伝いをするため、2人にしばらく任せることにした。

手伝い終え、俺も依頼に参加しようと思ったら3人ともぐったりしていた。

ヒサメに聞いたら、3人ともゲーム内の彼にボッコボコにやられ続けていたようだ。

 

昼休みもゲームするくらいだ。相当腕が良いんだろうよ。

もういっその事。その彼に弟子入りなりなんなりしたら?

 

俺の提案に依頼人は納得し、彼が住むマンションに向かった。

おいおい。行動力あるなおい。

 

なんだかんだ、弟子入りに成功。

2人の様子を伺うに、どうやら男性の方も依頼人に気があるようだ。

後は背中押すだけか・・・。

 

あれから一ヶ月が経ち。

俺もゲームに参加して勝負する事に。俺は彼と一対一で互角でやり合っていた。

こちとらゲンレイに付き合って一緒にゲームやってんだ。

そう簡単にやられるかってんだ。

 

ワザと隙を作って俺は依頼人に後を託してやられる。

その結果、依頼人は彼に勝ち、告白を成功させた。

 

はぁ~あ。

やっぱ他人の恋の応援は俺には性に合わんな。

 

まぁ末永く仲良く爆発してほしいものだ。

 

 

 

 

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