α月β日
大金財閥14代目当主候補、大金持三郎というヤベーイ奴がカレコレ屋にやって来た。
持三郎の爺さんがぽっくりと亡くなったそうだ。
亡くなった割には元気だった。
何なら豪快に笑ってたからな。
んで今回の依頼はその爺さんの葬儀にサクラとして俺等にも参加して欲しいそうだ。
何でやねん。
普通の葬儀は親戚とかが行くんだが、どうやらこの大金財閥は世界に名だたる有名財閥。他財閥に舐められないよう、葬儀も威厳を保ちつつ庶民の俺らの手を借りねばならないほど盛大に執り行わなけばらないんだと。
葬儀位普通にしろよ。
金持ちの考え方は庶民の俺には一生分からねぇーし分かりたくねー。
まぁ謝礼は言い値で払ってくれるし、俺らは簡単に依頼を引き受けた。
葬式当日
俺らは喪服を着て香典を持って葬儀場に向かった。
依頼人に席を案内されてる時、重大な事を知らせてきた。
それは葬儀中、絶対に笑ってはいけないという事だ。
あれ?デジャヴ?
なんでも、財閥の名を冠した威厳ある葬儀。
進行の邪魔したり、参列者として気品を損なう行為、特に笑う事をすると叩きだされるそうだ。
まぁ普通はどこの葬儀もそうだろうよ。
何を当たり前な事をっと思ったら、おそらく依頼人の爺さんの遺影だが、どう見ても笑顔でピースしてる写真だった。
しかも通常の遺影より一回りデカい。
「遺影がイエーイだな。」
・・・・さぶっ。誰か冷房入れたでしょ!!切っておいてよね!!
シディの不意打ちに依頼人が笑い出した。
まだ始まってないからセーフだが、大丈夫だろうかこの葬儀。
なんか前回も結婚式でこんなことあったなぁ・・・。
大金財閥「大金喜左衛門」の葬儀が開始された。
喪主の13代目の当主「大金喜左之助」が進行し、会式の挨拶を14代目当主候補を代表として「大金タケシ」という奴がするそうだ。
隣で何やらヒサメは笑うのを我慢してる様だったが、どこか笑う要素があったか?
急にありきたりな名前だからか?
いいじゃんタケシ。タニシよりはマシだろ?
するとタケシという坊主の男性が脇を隠す感じで手を上げた。
昔、芸人とかがやった手の上げ方だな。
ヒサメが吹き出してしまった。ここでOUTか?
っと思ったら、斜め後ろの女性が大笑いしてギリセーフだった。
ちなみに、女性は鬼の金棒を持った髭を剃った海坊主、もしくはマフィア〇田風の厳つい男性に殴り飛ばされてしまった。
文字通り女性は本当に飛んでいった。
あ、やっぱりこれ笑ってはいけない葬式だ。
さっきの事が無かったかのように葬儀は続けられた。
読経の前に大金持右衛門たっての希望で参列者にもお別れの挨拶をする事になった。
最後の挨拶をしたい希望者が大勢列に並ぶ。
全員アフロで。
よくあれで悲しい表情できるなオイ。
しかも途中から全員坊主。
更に坊主アフロ坊主アフロで交互に並んでいる。
これ後に坊主アフロ坊主坊主アフロ坊主アフロになるんじゃね?
リズム的に男女男男女男女みたいな感じ。
うわ、懐かし~。
っと思ったらアフロの人が前に居る坊主たちにアフロを被せるという感じになり、結局全員アフロになった。
今度は何だ?鼻毛でも出すのか?
次は僧侶による読経だが、僧侶が遅れているようだ。
依頼人が言うに、有名な高僧に金を積んで、忙しい所無理に頼んだらしい。
しばらく待つと、僧侶が到着したようだった。
パジャマの上にお袈裟を付けた状態で。
完全に寝坊してんじゃねぇーか。
ウトウトしつつも読経するが途中から舌打ち。
段々とイラつき始め「何で起こしてくれなかったんだクソババァ」っと読経風のリズムで愚痴った。
いや、良い大人なんだから母親に頼ってないで自分で起きろよ。
読経が終わり、焼香に移る事になった。
ヒサメが俺に焼香はどうやるか聞いてきた。
焼香の手順は、まず焼香台の少し手前で遺族と僧侶に一礼。焼香台の前に進み一礼。
次に数珠を左手に持ち右手で抹香をつまみ額におしいただく。
次に抹香を静かに香炉の灰の上に入れる。
最後に合掌後、少し下がり遺族に一礼し、席に戻る。
「俺はてっきり肉を焼いて香りを楽しむのだと持った。」
そんなバカな。
まぁ前の人の真似事をすれば大丈夫だろう・・・っとおもったら誰も前に出なかった。
みんな知らないのかよ!!
仕方ないので俺が前に出て何の面白も無く普通に焼香を済ませた。
手順が分かったのか、次は依頼人が前に出て焼香する・・・が、抹香を額に付けてしまった。
そしてこちらに向かってサムズアップ。
その親指折ったろうか?。
俺の手順見たよね?見てたよね?
よそ見してた?
ぞろぞろとみんなマネして額に抹香を付けたまま席に戻った。
俺のやった意味・・・。
やっと葬儀が終わりにぐったりした俺とヒサメ。
トラブル続きな葬儀だった。
依頼人が言うに爺さんは遺影通り、人を楽しませるのが大好きな愉快な人だったらしい。
この葬儀も生前に仕込んでいたのかもっとの事だ。
これで依頼も終わり・・・かと思ったら明日もあるらしい。
爺さんは有名人だから葬儀は三日に分けて行われるとの事だ。
虚無る時間が伸びてしまった。
α月β日
買い物ついでにふらふら~っと歩いてたら、背後から蹴りが飛んで来たから避けた。
もう少しで今年も終わりだって言うのに何だよ?
っと思ったら、チャラついた男を中心に複数の女性達と厳つい男性達が立っていた。
何でも目の前に俺が歩いてたのを気に入らなくて蹴ってきたと言うくっだらない理由で絡んで来た。
うわぁ~、って引いてたら、俺の目の前に入ったからボコり決定っと言い出した。
何とも自分勝手な理由だな。
親の顔が見てみたいよ。
厳つい連中が俺をボコろうとしたから逆にボコり返した。
次誰?って言ったら一目散に逃げて行った。
何だってんだ。
今時の親父狩りか?
誰が親父じゃい。
こちとらピチピチの二十代じゃい。
あれから数日後
カレコレ屋にて、何やらシディは嬉しそうにしていた。
ヒサメがいうにお正月が楽しみなんだと。
何だ?カウントダウンでジャンプするのか?
地上にいなかったってか。
そーいやお正月の日は満月が出るらしい。
シディは満月で変身しないのだろうか?
はっ!って事はシディはサイヤ人!?
って猿じゃなくて狼だった。
って事は男狼の方だったか。
シディが言うに満月見ても変化ないそうだ。
何処かへと出かけようとしたシディに、俺が会ったチャラ男集団に気を付けろよっと忠告した。
多分シディなら大丈夫だろうが、理由付けて難癖つけに来そうだったからだ。
そして年末の夜。
シディが作った豪華な飯で年越し。
年越しそばを食って年を越すのを待った。
ヒサメは飯の食い過ぎで手洗いへ。
シディはボティスが居ないと分かり探しに行った。
あいつって自由人だよな~。
俺以上にフラフラしてる。
テレビを見てそう思ったら、俺の心臓が食われた感じがした。
恐らくボティスが食ったんだろう。
って事は、元の姿に戻るほどの何かが起こったんだろう。
トイレのヒサメに一声かけてシディ達を探した。
カレコレ屋の近くで、本来の姿をしたボティスとすれ違った。
何でも、数日前に俺が会ったチャラ男がシディを怒らせて殺そうとした所を止めたらしい。
すぐ近くに座り込んでるから連れて帰れと言って何処かへと去って行った。
ツンデレかよ。
その後、顔を赤くしたシディを担いで、カレコレ屋に戻った。
それにしても、シディに春が来るとは。
まさかボティスとはねぇ~。
来年はどーなる事やら。
それではよいお年を。
α月β日
今回もカレコレ屋に、研究者の男性が依頼しにやって来た。
何でも、自分が作ったAI人形の遊び相手になってもらいたいとの事だ。
AIねぇ~。
最近はAIがどうのこうのってのがよくネットとかで物議を醸してるよなぁ。
イラストといい音声といい。
その開発したAI人形の写真を見せてくれた。
映っているのは、可愛らしい5歳くらいの女の子。
色んな人と触れ合わせることで、もっと人間らしく成長させてあげたいんだと。
俺らはその依頼を引き受ける事になったが・・・
な~んだか嫌な予感するんだよねぇ~。
こーいうのに限って当たるしロクな事が無い。
これ、経験談ね。
週末日
依頼人に言われた研究所に行き、何故かジャージを着せられた。
しかも俺ら以外にも参加者が居るようだった。
んで、研究者が連れて来たAI人形の女の子だが、俺らよりも二回りほどデカかった。
デカい割に、5歳児に作られてたため感情はやっぱり子供だった。
外へ行き、だるまさんがころんだで遊ぶ事になった。
掛け声している間は動いていいが、振り返ったら動いてはいけない。
至って普通のルールだ。
だるまさんがころんだが開始され、AI人形が振り向いたら皆一斉に止まった。
・・・が一人の女性がぐらついて動いてしまった。
罰ゲームとしてお互いた女性はAI人形によって食べられた。
ここでさらっと書いてるが実際は結構惨かったぜ。
子供は良く食べて育つと言うが、そんなレベルじゃねーぞ。
おのれ!!謀ったなシャア!!・・・じゃなくて研究者!!
いっぱい食べて賢くさせるそのために俺らを呼んだって事らしい。
嫌な予感的中しちまったよ。嬉しくねぇ~。
逃げようとする他の参加者をAI人形は食い散らす。
俺は人形の顔面に向かって血放弾を撃ったが吸収された。
うっそ~ん。
シディやヒサメも能力を使うがそれも吸収されてしまう。
俺等に襲い掛かった所ジャンプで回避し、血の能力で人形の関節部分全体を絡ませて動きを封じる。
ジャンプで回避した所、AI人形の頭のてっぺんにボタンがあった。
俺はためらいなくそのボタンを押した。
どーやらこのボタンがだるまさんがころんだのゴール用のボタンらしい。
なんてずるい。
こんなの気付かんって。
まぁゲームも終わった事だ、この落とし前どーしてくれようか?
こんな人形、壊してもいいが・・・・。
いい有効活用を思いついた。
今度は研究者のクソ野郎とAI人形。
親子水入らずのだるまさんころんだをしてもらおうか。
ヒサメの能力で、生みの親とだるまさんがころんだを死ぬまでずっとやるっと書き換えさせてもらい、俺らは一人と一機を残して帰って行った。
研究者の悲鳴は聞こえたが、助ける気も起きないな。
良かったな。
愛する我が子の糧になれるんだ。
泣いて喜べよ。
あの世でな。