α月β日
ミキがカレコレ屋にやって来るや否や噓発見器で遊ぼうと言い出しよった。
またなんか企んでるなこのアマ。
こいつが変な物もって笑顔で来ると碌な事が無い。
・・・いや根はいい奴なんだけどたまに暴走するんだよなぁ~。
動画の面白い企画だと思うと上目遣いで言い寄ってくるから諦めて強制的にする事になった俺らカレコレ屋+バイトが休みのフィーアの4人である。
まず先に俺がやる事になった。
質問に対して「はい」と「いいえ」で答えなければいけない様だ。
試しにミキが「この一週間に女子とデートをした?」っという質問が飛んできた。
してはいないが、ちゃんと機能するか試すんだしここは「はい」っと答えとくか。
そう言ったら、ブザー音と共に指に静電気が走った。微弱だからなのか俺が電気耐性があるか知らんが全然痛くない。
こんなんで俺に効くと思ったか!落雷くらいの強さを出してから出直してこいや!!
・・・・バラエティーグッズに何言ってんだか。
嘘だと分かっても平然としてる俺に静電気が流れてなかったのかな?っとミキは、嘘発見器が壊れてるのかと勘違いしていたようだった。
いや、普通に流れたぞ。
「だったらもっとちゃんとリアクションしなさいよ!!」
っとミキから鋭いツッコミが飛んできた。
嘘発見器も正常に作動してるし、ミキがルーレットで質問者を決めるそうだ。
んで最初に決まった質問者はミキ。
ミキはシディに「SMプレイは好きですか?」っと質問。
おいおい、ウチの純粋無垢なシディ君がそんなアダルティーな事分かるわけないだろ。
まったくミキ太くんは馬鹿だな~。
シディは何のためらいもなく「はい」っと答えた。
なん・・・・・・だと・・・・・。
あのシディがSMプレイを知っていただと・・・・。
俺の知らないうちに大人の知識を持ち合わせていたとは・・・・。
っと思ったらSMの意味は知らないがプレイ、つまり遊ぶっと言う意味で答えた様だ。
まぁゲームをプレイっ的な感覚で答えたんだろう。
シディを見ていると、俺達の心は薄汚れている事がよくわかるよ。
次質問するのはヒサメで、それ以外は答える側になった。
ヒサメの質問は「私の事最近太ったと思っている。」
俺は即答でYESと答えた。
3人は気を使ったのか、「いいえ」っと答えたが俺以外電流が流れた。
んでその回答にヒサメが凹む。
ぶっちゃけ太ろうが痩せていようがヒサメはヒサメだ。
ってか全然見た目だとそんなに変わらないよねぇ。まぁあんまり女の子の腹をジロジロ見ないしね
むしろあんなに食っておいてやせてる方が心配なんだが、サイヤ人じゃないかと疑ってしまう。
ブチ切れて青髪が金髪にならないよね?
いや、もうすでにゴッドブルーになってるか?
次に質問するのはフィーア。これも答える側は全員。
フィーアの質問は「皆さん、私の事常識知らずの馬鹿だと思ってます?」
この質問に全員「いいえ」と答え、無事に静電気が流れなかった。
それに安堵するフィーア。
お前は常識知らずの馬鹿じゃねぇ。
常識知らずの脳筋だ!!
痛い痛い、頭叩くな叩くな。
上げて落としてしまって悪かったよ。ハハ!
次は質問者は俺で、答える側はヒサメである。
俺の質問は「ツッコミ側よりボケ側に回りたいと思っている」だ!
即答でいいえっと言い出しよった。
流石ツッコミのスペシャリスト。自分の責務を全うするか。
「誰がツッコミのスペシャリストだよ。」
今まさにやってるだろーがい。
次はミキが質問者で、答える側は俺とヒサメとフィーアである。
ミキの質問は「あなたは今この中で好きな人が居る。」
え、YESですけど何か?
好きな人って言ってもLOVEって意味だけじゃないでしょーよ。
LIKEの意味でもあるだろ。
質問が甘かったなミキ嬢ちゃんよぉ~。
まぁおそらく2人もLIKEな意味でYESって答えるかもね。
っと思ったら静電気とは違った威力強めの電流が流れた。
犯人はお前かヒサメよ!
嘘発見器に電流流すなよ。機械壊れてんじゃん。
その後、ミキは俺の回答に「誰が好きなの?」っとグイグイ来よるから、んなの全員に決まっておろーがっと答えたら、つまらなそうな表情された。
俺はそんな表情してるミキの頬を引っ張るのであった。
α月β日
明らかに昭和感強い熱血男児が、未成年の淫行についての依頼が来た。
なんでも、未成年の淫行が許せない正義マンみたいだ。
シディが分からないようだったから、未成年への児童買春などを分かりやすく説明する。ヒサメがなぜカレコレ屋に?っと質問した所、俺らに未成年への淫行を減らす協力をしてほしいとの事だ。
ぶっちゃけ乗り気ではないな。
無理矢理で相手が望んでなければ、そりゃあ止めるさ。
だが厄介なのは未成年側が望んでる場合。言うなればお金関係だな。自分の身体を使って金稼ぎしようと考えてる子供は少なからずいる。
もしかしたら歳の差で付き合ってるケースだってある。
そんな人たちに頭ごなしに言ったとてやめるわけではない。
そんなこと考えてると、依頼人から淫行を減らすアイディアがあるらしい。
それは「未成年者の協力者を囮にして、引っかかった大人を捕まえて撮影する」というもの。
言うなれば私人逮捕動画だな。それをYouTubeにあげてほしいらしい。
依頼人本人はYouTubeという物があるという認識で、一度も見た事が無いらしい今時男児である。
これは一歩間違えればその人やその人の周りの関係者の人生を狂わせる行為。
最悪、死んでしまうかもしれない。
だが俺はこいつの依頼をあえて乗った。
こいつの考えは普通に聞いたら正しい。
しかし、行き過ぎた正義は傍から見たら害となる恐れがある。
バズること間違いなし!っと言ったら違うと否定された。
何でも自分は数字や利益のためにやってるんじゃなく未成年者が食い物にされている社会を変えたいと大きく出た。
だったらここに依頼しに来ないで選挙にでも出ろよ。
まぁ、俺は社会じゃなくお前の考えを変えさせたいからな。久々にクズムーブでもかますか。
俺は依頼人を褒めたたえ、依頼を引き受けることにした。
金を貰わないけどな。だって依頼遂行出来なさそうだしな。
「久々にクズな部分が出てるよ。」
やかましい。
呆れた目で見てくるヒサメ。
そして、反対だと言うシディ。
依頼人のアイディアで傷付く人が出てしまうからだ。
シディの言葉に続き、一般人の自分たちがそんなことしてもいいのかと疑問視しヒサメも反対である。
それを聞いた依頼人は「これが現代の若者なんですね」っと泣き出した。
オメェも現代の若者だろーがよ。
こんな依頼、この2人を巻き込むわけにもいかんからな。だから俺一人でする事にした。
α月β日
依頼人の作戦を決行して数日後。
俺は編集作業に取り組み、依頼人は後ろで見ていた。
ヒサメが来て、編集した動画を見ることになった。
画面には覆面を被った俺と依頼人が写っていた。
ネット掲示板で俺らは14歳の学生と偽り、コメントを投稿するとすぐに引っかかった。
未成年と知りながら買うとコメントした男性にうんたらかんたらと動画内でナレーションしていく。
そして、映し出された一見未成年に見えるが成人してる女性を囮役として雇った。
掲示板に書き込んだ年齢40代男性が部屋に入って来た。
しかも指輪には結婚指輪が嵌めており既婚者である。
そこに俺らが乱入。
俺はカメラを男性に向け、依頼人が説教し、質問攻め。
逃げようとした所を俺が拘束。
そして依頼人がカメラに向けて「淫行、ダメ。」っとキメていう。
覆面してるからカッコよくねぇーよ。
ショッカー戦闘員かよ。
動画を見終わったヒサメは不安そうに本当に公開するのか?っと質問してきた。
依頼人は公開すると力説。
するかバーカ。
こんなの一歩間違えれば俺らも捕まる事知らんのか?
・・・知らないからこんな案を考えてしまうだろうな。
いい大人なんだし時代のアップデートしろよ。
イヤミ風に褒めたたえた後、動画をチェックした後動画をアップすると依頼人に報告して帰ってもらった。
動画アップの証拠送ると言ったら、「メールがよくわからないから手紙でお願いします」っと言ってきた。
お前年齢サバ読んでない?
依頼人が帰った後、俺は動画を非公開でアップし、撮影データはすぐに消去した。
俺の行動にヒサメがビックリしたのか、何で?っと質問してきた。
言って置くが俺は動画内の男性を警察に通報してないし、むしろこれやらせなのよねぇ~ん。
実を言うと依頼人以外全てこれが演技だって事は全員知っているし、何だったら、あの2人夫婦だからね。
ちょいと引っ越しの依頼で手伝った時に知り合ってね。今回の件で協力してもらったのさ。
勿論協力料は支払ったさ。今頃は夫婦仲良く温泉旅行にでも行ってるんじゃねーかな。
俺がそうヒサメにネタ晴らしすると、「カゲが本当にゲス人間にならなくてよかった。」っと安堵した。
俺はゲス人間じゃなくてクズ人間だよ。
α月β日
カレコレ屋でのんびりしてたら依頼人が怒鳴って入って来た。
動画公開してない事に激おこぷんぷん丸みたいだ。
公開後のスクショを手紙に入れて送ったと言い、動画再生数も伸びなかった。なのでもうやめよーぜっと言ったら「嘘ですね」っと言った。
どうやらネットに公開されていないのを確認していたそうだ。
確認できるんかい。
「最初っから自分に協力する気が無かったという事ですか?」
お、よくわかったな。
犯罪者だからって処理も無しに顔をさらす行為はNGだ。
それこそ肖像権の侵害だ。
何故俺がこいつの依頼を引き受けたのか。
俺らが断っても他の所に行って頼みこもうとするだろう。だから俺が依頼をあえて引き受け、無茶な考えを改めようとした。
もっと別な方法があるかもしれねーじゃん?
だが依頼人は嘘つきだなんだと罵倒を俺に浴びせる。正義マンが聞いて呆れる言動だな。
もうやめたら?もっと別な方法考えようぜ?っと諭すも、それでも依頼人は社会をよくしたいと聞く耳持たず。
こりゃ、何も言ってもダメだな。
俺じゃあこの頑固者を考え直す事は出来んわ。
もう俺に頼まないと吐き捨て依頼人は出て行った。
「彼を説得したかったのなら、言ってくれれば俺達も協力してたのに」
こんな薄汚れた依頼を関わらせたくない俺の心情を組んでくれよ。
・・・なんて言えるわけないか。
ワリィと一言謝っておいた。
数か月後
あの依頼人は、私人逮捕系YouTuberと手を組み、淫行をしようとする大人を捕まえてるところ撮影し動画に公開。
動画は大人気になり、批判的な意見が圧殺され視聴者たちが熱狂した。
だが、晒された一人が銃口を自分に向け自殺。
依頼人達のコンテンツが問題になり終了したそうだ。
人間、正義のためならどこまでも残酷になれるって事か・・・。