カゲチヨside
俺達カレコレ屋は、浴衣を着て夏祭りに来ていた。
あたりは人が大勢いて、逸れたら探すのは大変だなこりゃ。
しかし・・・
カゲチヨ「ヒサメの奴、全然来ないな。」
シディ「まぁもう少しで来るんじゃないか?
それにしてもすごい人だ。」
カゲチヨ「そりゃあ祭りだからな。ラストに花火大会やるらしいから
みんなそれ目的で来たんだろう。」
シディ「なるほど。流石にこれだけ人が居ると
屋台なども盛り上がってるんだろうな。」
カゲチヨ「こう言うイベントは稼ぎ時って奴さ。」
俺達が他愛のない会話してると
ヒサメが浴衣着てやって来た。
ヒサメ「お待たせー!ごめん!着替えに時間掛かっちゃった!」
シディ「おぉ似合ってるな。」
ヒサメ「ありがとう!」
カゲチヨ「うん。やっぱり可愛い子が浴衣を着たら可愛さ倍増だな。」
ヒサメ「も、もう!からかわないでよ!!////」
そういってヒサメは俺の頬を引っ張った。
カゲチヨ「ふぉいふぉい。ふぉめひぇるふぉひひふぉいふぁないか。
(おいおい。褒めてるのに酷いじゃないか。)」
ヒサメ「カゲが変なこと言うからでしょ!////」
シディ「それにしてもやけに遅かったな。」
ヒサメ「色々あってね。その代わりいい情報持って来たから。」
シディ「いい情報?」
ヒサメ「浴衣を借りにオーナーさんの所に行ったら、花火が綺麗に見える
穴場スポット教えてもらったんだ!高台にある神社で
人もほとんどいないんだって!」
シディ「それは楽しみだな。」
カゲチヨ「んじゃまぁ。花火大会まで時間あるしその辺の屋台寄って行くか。」
ヒサメ「うん!!私、たこ焼き食べたーい!!」
俺とシディの手を取って強引に行こうとする。
カゲチヨ「おいおい。そんな急がんくても屋台は逃げないって。」
ヒサメ「他にも焼きそばとかリンゴ飴とかかき氷とかクレープとか行きたいの!!」
カゲチヨ「そんなに食うのかよ。腹壊すぞ。」
ヒサメ「大丈夫!私のお腹。鍛えてるので!」
シディ「まるでカゲチヨみたいな事言ってるな。」
カゲチヨ「わーパクリだパクリ~。」
雑談しながら屋台をめぐる俺達
シディ「思っていた通り凄い人だな。」
カゲチヨ「逸れない様に気を付けないとな。」
ヒサメ「ふぉんふぁふぇ。ふぉんふぁふぃふぃふぉふぁふぃふふぉ
ふぁふぁふふぉふぁふぁふぃふぇふんふぉうふぁふぉふぇ(そうだね。
こんなに人が居ると探すのは大変そうだよね。)。」
カゲチヨ「食べるか喋るかどっちかにしなさい。」
ヒサメ「モグモグモグ」
シディ「喋るのを放棄したな。」
食べるのが何より好きだからな〜こやつは。
よくあんなに食っておいて太らないな。
世の女性に喧嘩売ってるようなもんだぞ
ヒサメ「このタコ焼き美味しいよ。カゲも食べる?」
たこ焼きに俺の顔に近づけたので
俺は遠慮なく食べた。
カゲチヨ「うむ。これは美味。」
ヒサメ「でしょ!(・・・あれ?これって間接キス!?)////」
シディ「む?顔が赤いぞヒサメ?」
ヒサメ「ななな何でもないよ!!うん!!
ちょっとたこ焼きが熱かっただけだよ!!
あ!射的やらない射的!!////」
何故か慌てた様子でヒサメは射的に行こうと言い出す。
そんなにやりたかったのだろうか?
俺達が射的についたら見知った人物が居た。
シディ「あれは、フィーアか?」
カゲチヨ「何やってんだお前。」
フィーア「陽狼に氷電、それと腐血ですか。」
ヒサメ「フィーアちゃんも花火大会に?」
フィーア「いえ、オーナーがたまには屋台でも行って
楽しんで来いと言ってきましたので、勉強として来ました。
しかし、この射的と言う物。弾は実弾ではないのですね。
これでは風穴が出来ません。」
カゲチヨ「出来てたまるか。商品をダメにしようとするんじゃねぇ。」
こういう常識のないフィーアにツッコむ
俺達の会話にグラサンを掛けた気前のいい射的のおっさんが話しかけてきた。
「お嬢ちゃん射的は初めてかい?ならサービスでどれか一つでも
当てたら何でもあげちゃうよ。」
フィーア「何でも?」
「おぉ。いいぞ!よ~く狙ってぇ~・・・」
パァン!!
フィーアが放った。
その狙いが・・・
「・・・・・・」
フィーア「当てました。そのサングラスください。」
ヒサメ「いやいや!!フィーアちゃん!?
当てるのおじさんじゃないから!!」
フィーア「いやだって、何でもくれると言ったので。」
「いやいや狙うのは棚の上にある商品だから!!
おじさん、ちょっと死を感じたよ!?」
フィーア「それは良い事です。人間一度死を体験すれば怖い物は無いと
ドラマで言ってました。」
ヒサメ「変な知識付けちゃ駄目だよ!!
それにドラマとかは全部フィクションだから!!」
フィーア「フィクション?近くに住んでるお爺さんのクシャミですか?」
ヒサメ「創作物って意味だよ!!」
おっさんのサングラスにコルク玉を当てたフィーア
そのせいでサングラスが割れてしまった。
カゲチヨ「バッカお前。サングラス狙ってどうするんだよ。
お前あの割れたサングラス欲しいか?」
フィーア「確かにいりませんね。使い道がないので捨てます。」
カゲチヨ「だろ?物事先の事を考えて、いる物といらない物の
区別をつけなきゃ駄目だろ。」
フィーア「そうですね。勉強になりました。
今度から必要なものがあれば壊さずに撃ち落とします。
ですので、そのサングラスはいらないのでゴミ箱にでも
入れて置いて下さい。」
「ねぇおじさん。泣いていい?」
俺達がおっさんを泣かしてると
どこからか俺らを呼ぶ声が聞こえた。
そこにはサトウとスズキがお面を売っていた。
シディ「お前達は・・・」
スズキ「おい!わざわざ声をかけなくても・・・」
サトウ「いいじゃねぇか!」
ヒサメ「スズキ君とサトウ君は屋台やってるんだ!
お面屋さん?すごい人気だね!」
サトウ「だろ!お前らも一枚どうだ?」
カゲチヨ「じゃあ石仮面を一つ」
サトウ「ねぇよ。何だよその人間をやめそうな仮面は。」
フィーア「では、付けるだけで攻撃力がアップする仮面を下さい。」
サトウ「だからねぇって!!普通のしかねぇようちは!!」
フィーア「おかしい。仮面と言う物は付けるだけで効力が身に着くと
ゲームの攻略本に書いてありました。」
ヒサメ「だからそれは創作物だから!!」
サトウは俺の肩を組んで来た
サトウ「んで!夏祭りは楽しんでっか?」
カゲチヨ「陽キャの絡み方だな。まぁぼちぼちって所さね。
そういうお前はどうなんだよ?」
サトウ「俺は楽しんでるぜ!!やっぱ祭りは最高ー!!」
スズキ「おいサトウ!ただでさえ人手が足りてないんだから
しゃべってないで働け!」
サトウ「わかったわかった。」
シディ「忙しそうだな」
サトウ「やけにペンギンとかキリンのお面が人気みたいでなー
休憩する暇もなくて。喜んでいいのやら悲しんでいいのやら・・・」
シディ「俺で良ければ手伝おうか?」
フィーア「私も手伝います。」
サトウ「えっ!いいのか!?」
シディ「子供と遊んでいればいいのだろ?」
サトウ「いや遊ぶ訳じゃねぇんだけどだけどよ・・・
お面手渡してくれるだけでいいぜ。」
フィーア「お面を配ればいいのですね。数分で終わります。」
スズキ「いやタダで配ったらだめだからな。」
フィーア「それくらい分かってます。
普段の料金より高めにお金貰えばいいですね。
オーナーが気に入らない相手にはいつもそうしてました。」
サトウ「いや駄目だから!!うちがぼったくり店だと思われるだろ!!」
ここでシディ達と別れる事になり
ヒサメと共に移動した。
カゲチヨ「まぁシディがああいう性格だから仕方がないか。」
ヒサメ「フィーアちゃんは心配だけどね。」
カゲチヨ「常識人二人いるんだ。少し胃が痛くなると思うが大丈夫だろう。」
ヒサメ「全然大丈夫に聞こえないんだけど。」
俺達が会話してる時
同じキモ5のアサヲ達を見かけたが
何か4人とも燃えてるような感じで近寄り辛かった。
「ねぇ私、あれ食べた~い。」
「しょうがないな~。」
「ねぇこの後花火どこ見る?」
「あっちに人気のないところあったから、そこで見ようぜ。」
さらに先に進むと、周りはカップルだらけだった。
ヒサメ「なんかカップル増えてきたね・・・////」
カゲチヨ「まぁ祭りだから、カップルにとっては
デートにうってつけ何だろうよ。」
ヒサメ「わ、私達も・・・その・・・カップルに・・・見えるのかな?////」
カゲチヨ「いや、見えないと思うぞ。俺じゃあヒサメ相手に不釣り合いだよ。」
ヒサメ「ど~してそう自分を卑下するのかな~!」
俺の両頬を思いっきり引っ張った。
カゲチヨ「ふぁってふぉんとうのふぉとふぁし(だって本当の事だし。)。」
ヒサメ「む~!まだ言うか!」
「そこのカップル!夏祭り楽しんでるかい?」
近くの綿あめ屋のおっさんい話し掛けられた。
ヒサメ「ふぇ!?え、あ、いや、
私達は別に付き合ってるとかじゃ・・・。////」
カゲチヨ「そうですよ。こんな美人と俺じゃあ不釣りあふぃ」
ヒサメ「だ~か~ら!自分を卑下しない!!」
また頬を引っ張られた。
今日は引っ張られ祭りだな。
「ははは!傍からだとカップルにしか見えねぇけどな!」
おいおい、そう言うの止めてもらいたいもんだ。
俺なんかとカップルと間違われて可哀想だよ。
ヒサメ「と、とにかくそういうのじゃないです!カゲ!
そろそろ花火の時間だから行くよ!////」
カゲチヨ「お、おう。」
俺の手を掴んでこの場から逃げるように移動した。
やっぱこれ以上カップルと間違われたくないもんな~。うんうん。
カゲチヨ「ヒサメ」
ヒサメ「な、なに?」
カゲチヨ「迷った?」
俺達はヒサメがオーナーから教えてもらった神社に向かう所だが
歩いてもそれらしき所にたどり着けずにいた。
ヒサメ「まま、迷って・・・ないよ?
この先にオーナーさんに教えてもらった神社が・・・」
カゲチヨ「こんな所に神社ってあったったっけ?」
ヒサメ「たぶん合ってるはず・・・
ここ以外にそれっぽい道なかったし・・・」
カゲチヨ「まぁとりあえず行ってみるか。」
ヒサメ「うぅ・・・」
何か不安そうな顔してるな。
もしかして怖いのだろうか?
確かに薄暗いしこう言う系は苦手そうだもんな。
カゲチヨ「もし怖いなら手握ろうか?」
ヒサメ「・・・・」
無言で手を握る。やっぱ怖いんだな。
すると前方に光が差し人影が写った。
ヒサメ「きゃぁぁぁぁ!!」
カゲチヨ「あ、おい!」
ヒサメはお化けと勘違いし悲鳴上げて別方向に走って行ってしまった。
逃げたヒサメを俺は追いかける。
後ろから野太い悲鳴と何かが崩れる音を無視しながら。
走ってすぐにヒサメを見つけた。
カゲチヨ「落ち着いたか?」
ヒサメ「う、うん・・・ごめん・・・。」
カゲチヨ「いんや別に良いが。」
ヒサメ「さっきのは何だったんだろう?」
カゲチヨ「さぁ?」
ヒサメ「さっきの場所から離れて行っちゃったね。
これじゃあ花火見れないかも・・・ごめん・・・
(どうしよう・・・一人でテンション上がっちゃった・・・
せめて花火には間に合わせないと・・・)」
思い詰める表情をしたヒサメの頭を撫でた。
ヒサメ「え、ちょ、何!?////」
カゲチヨ「まだ花火には時間があるんだ。俺も手伝うから
そう泣きそうな顔するな。」
ヒサメ「な、泣いてないよ!!・・・でもありがとう。」
カゲチヨ「おう。」
血の能力で複数の鳥の形に具現化し探させた。
探して1分。具現した鳥たちが帰ってきた。
どうやら見つかったようだ。
カゲチヨ「神社がある場所を見つけた。行くぞ。」
ヒサメ「う、うん!・・・あ!」
カゲチヨ「おっと。」
こけそうになったヒサメをキャッチ。
しかし、片方の草履の鼻緒が切れてしまったようだ。
ヒサメ「鼻緒切れちゃった・・・どうしよう・・・。」
カゲチヨ「直せそうか?」
ヒサメ「暗くてあんまりはっきり見えなくて・・・」
カゲチヨ「そうか・・・」
少し考えて俺はヒサメに背を向け少し屈んだ。
カゲチヨ「ほれ。乗んな。」
ヒサメ「え・・・。」
カゲチヨ「ここで時間食ったら花火の時間に間に合わなくなる
向こうに着いてから鼻緒を直せばいい。・・・あ
それとも抱っこの方が良いか?」
ヒサメ「よ、よくない!////じゃ、じゃあ失礼します。」
俺の背中に乗り、このまま神社に移動する。
少し気まずい空気が流れてしまった。
え?何?この空気?俺何かやっちゃいました!?
ヒサメ「色々ごめんね・・・」
異世界転生主人公みたいな台詞を心の中で言いながら
俺は内心どう話しを切り出そうか考えてたら、ヒサメの謝罪の言葉が来た。
ヒサメ「夏祭り来た事なかったから、ちょっとはしゃぎ過ぎてたかも・・・」
カゲチヨ「はしゃぎ過ぎ?良い事じゃないか。
むしろ祭りははしゃがなきゃつまらんだろ。」
ヒサメ「でも、カゲに迷惑かけちゃったし・・・」
カゲチヨ「こんなの迷惑じゃねぇーさ。
それにこんなハプニングも一つの思い出になる。
だから謝罪もいらないし、落ち込む必要もない。
迷惑なんて幾らでもかけてもいいさ。
なにせ歳だけ言えばお兄さんだからな!歳だけ言えば!」
ヒサメ「・・・・ありがとう。」
神社の長い階段を登り終えた俺達は神社の段差に座った。
ヒサメ「結構長い階段だったけど大丈夫?」
カゲチヨ「問題ない。鍛えてるので。」
ヒサメ「あ~パクリ~。」
何を言う。俺が本家じゃい!
・・・すみません嘘です。
俺もパクってました。
カゲチヨ「とりあえず花火に間に合ってよかったな。」
ヒサメ「うん!あ、カゲ!すごい景色!」
ヒサメが指を刺した方向をを見ると
そこにはビルや街の光が点いて輝いていた。
これが見れたなら、登ったかいがあるってもんだ。
カゲチヨ「絶景ってやつだな。」
ヒサメ「うん・・・」
景色を眺めてた俺にヒサメが話しかけてきた。
ヒサメ「ねぇカゲ・・・。今日楽しかった?」
カゲチヨ「ぼちぼち」
ヒサメ「もう!返答が曖昧だよ!」
カゲチヨ「冗談だよ、まぁまぁ楽しかった。花火にも間に合ったしな。」
ヒサメ「そっか・・・よかった!」
やっと、ヒサメが笑ってくれたな。
さっきまで落ち込んでたみたいだし。
初めての夏祭りを失敗して終わりたくないもんな。
ヒサメ「あのさ・・・カゲ。」
カゲチヨ「ん?」
ヒサメ「私・・・カゲの事・・・・」
パァーン
ヒサメが何か言いかけた所で花火が上がった。
カゲチヨ「お、始まったみたいだな。
んで、花火の音で聞こえなかったが何て・・・」
ヒサメ「何でもない!!」
また俺の頬を引っ張る。
カゲチヨ「ふぁなびふぁいふぁいふふぁいひっふぁふの
ひゃめてくふぇまふぇんふぁね
(花火大会くらい引っ張るのやめてくれませんかね。)。」
ヒサメ「せっかく勇気出したのに・・・カゲのバーカ」
色々ハプニングあったが。良い夏の思い出が出来た。
また、みんなで行きたいもんだな。