別世界に来てしまったチヨことカゲチヨは、別世界のカレコレ屋にて元の世界に戻るためにしばらく住む事になった。
チヨside
俺達は本音薬が置いてあると言う自販機の前に立っていた。今回の依頼はその本音薬が本物かどうか検証して欲しいと言う物だ。どうやらこれを飲むと、聞かれた事に全部本音で答えてしまうらしい。効果は一口一時間だとさ。
ヒサメ「でもさ、思ってる事を全部言っちゃうって怖いよねぇ・・・」
カゲチヨ「確かにな。むしろ本人すら気付いてない
深層心理の本音とかも引き出しちまったりして・・・」
二人がそんな会話をしていると、何とも言えない顔になってしまった。まぁ本人のためについた嘘も馬鹿正直に話してしまう事もあるからなぁ。余計な依頼を引き受けたもんだ。
シディ「3人が飲みたくないなら俺が飲もう。」
チヨ「お前が飲んでも意味無いからな。」
シディ「む、何故だ?」
チヨ「お前自身が馬鹿正直だからだ。飲んだとて変わんない変わんない。」
シディ「そうか・・・。ならチヨはどうだ?」
ヒサメ「チヨが飲んでも変わらない気がする。
カゲと違って捻くれてないし。」
カゲチヨ「う、うるせーよ!!」
そうなると消去法に考えてカゲチヨとヒサメのどちらかになるか。二人はかなり嫌そうな顔をする。仕方がない。無理に飲ますのもあれだしいったん保留にしてカレコレ屋に戻る事にするか。
ヒサメ「ええっ!?な、ななな、ない!!」
冷蔵庫の前で大声で叫んだヒサメの声がカレコレ屋内に響いた。
ヒサメ「私が楽しみにとって置いた。
新種の異宙豚肉100%ハンバーグ誰か食べた!?」
シディ「ハンバーグ・・・?俺じゃないぞ。」
カゲチヨ「俺でもねー・・・」
ヒサメ「じゃあ・・・」
俺をジト目で見たヒサメ。おいおい俺じゃねぇって。神に命を返してもいい。
・・・あ。本音薬飲んだら証明できるかな?俺はすかさず本音薬を飲んで身の潔白を証明させた。
ヒサメ「シディでもチヨでもないって事は・・・・
カゲ、・・・・本当に食べてない?」
カゲチヨ「な、なんだよ。俺のこと疑ってんのか?」
ヒサメ「だって、シディは嘘付かないし、
チヨはさっき本音薬飲んだから。
だったら嘘ついてるのはカゲって事になるでしょ。」
カゲチヨ「いやいやいや!俺も本当の事言ってる可能性もあるだろ!?」
あれ、なんか不穏な空気になってね?
ヒサメ「だってハンバーグがなくなってるんだよ!?」
カゲチヨ「知らねーって!ヒサが寝ぼけてる間に食べて
忘れちまったんじゃねーの?」
ヒサメ「そんなのわかんないじゃん!!
なんで素直に謝らないの!?」
カゲチヨ「はぁ?」
シディ「おい、二人とも・・・」
シディが二人を止めようとしたが、構わず喧嘩を始めてしまった。失敗した。身の潔白を証明せずに俺が嘘付けば済む話だった。その結果、ヒサメは怒って帰ってしまった。普段の俺とヒサメだったらこんな事で喧嘩しないんだが、同じ存在なのにこうも違うのか。
あれから三日後
カゲチヨ「・・・・」
ヒサメ「・・・・」
シディ「あの二人。まだ仲直りしてなかったのか。」
チヨ「どっちも悪くないと思ってるし
謝りたくても謝れないからだろうな。
素直じゃないしな二人とも。」
ボティス「とゆーかお主はカゲ男に似ておるが誰じゃ!?」
今更かよ、俺がここに来てから2ヶ月経ってるからな。まったくこのマスコットは。
チヨ「説明は後でするから壺にハウス!」
ボティス「ワシは犬か!!」
俺等が軽く言い合ってると、ヒサメはカレコレ屋に入るがカゲチヨは何処かへと行ってしまった。俺等も中に入ると、ヒサメはソファの上で顔を腕で覆い隠し身体ごと伏せている。カゲチヨと仲直りしたいけど出来なくて落ち込んでるんだろ。
チヨ「シディ。ヒサメは俺が見てるから、
何か元気になりそうな飯作ってもらってもいいか?」
シディ「あぁ。じゃあヒサメの好きな物を作ろう。」
チヨ「ん。よろしく。あ、そうそう。買い物行く前に」
シディ「む?」
シディにあるものを買って来てもらいに行って、俺はヒサメの隣に座り、頭に手を置き、撫でた。
ヒサメ「・・・チヨ。カゲ、私の事なんか言ってた?」
チヨ「さぁ?ボティスと話してたから聞いてなかったなぁ。」
ヒサメ「・・・嘘つき。」
チヨ「ありゃりゃ。」
ヒサメ「・・・・」
チヨ「あいつが嘘ついてない事くらい、
お前ならもう分かってるんだろ?」
ヒサメ「・・・うん。あの時は私、ハンバーグの事で
頭がいっぱいになっちゃって・・・・」
チヨ「うん。」
ヒサメ「謝って仲直りしたいけど・・・。」
チヨ「意地張っちゃったんだよな。」
ヒサメ「・・・うん。意地張らず謝ればよかった。」
暗い表情しながら起き上がって謝らなかったことに後悔をするヒサメ。
チヨ「多分あいつも同じ考えだと思うぞ。」
ヒサメ「え・・・。」
チヨ「喧嘩中、一緒に居たらまた意地張って
酷い事言っちゃいそうだから、あえて避けて
心の整理をしたいんだろうよ。」
ヒサメ「そう・・・なのかな・・・。」
チヨ「きっとそうだ。
お前らは人の気持ちを分かってやれる
優しい性格してるからな。
カゲチヨが帰ってきたら謝ってみたら?」
ヒサメ「・・・その時は、・・・隣に居てくれる?」
チヨ「あぁいいぞ。お兄ちゃんが隣で応援したる。」
ヒサメ「うん。ありがとう。」
チヨ「いや、そこはツッコめよ。」
さっきまで落ち込んでたが、少し元気を取り戻したみたいだ。俺との会話で元気が出たのならよかったよ。この調子で二人は仲直りできるか!乞うご期待!!
次回「城之内死す」デュエルスタンバイ!・・・・あ?スタンばらない?勝手に終わるなって?ハイハイ分かった分かった。すまんすまん。
数十分後にカゲチヨが帰ってきた。帰ってきた事で気まずい雰囲気になる二人。素直じゃない二人だな。仕方がないと思いシディに「ジュース」を持って来させた。
シディ「カゲチヨもヒサメもジュース飲むか?」
カゲチヨ「ああ、サンキュー。」
ヒサメ「ありがとう。」
二人は「ジュース」を持ってそのまま飲んだが、変わった味がすると言って少し困惑した。
カゲチヨ「これ、何のジュースなんだ?」
チヨ「そりゃあお前、ジュースはジュースだよ。
ジュース以外の何物でもねぇよ。」
カゲチヨ「いやだから何のジュースだって聞いてんだよ!!」
チヨ「ほらほらせっかくシディが出してくれたんだ。
一気に飲んじまいなよ。ほれ一気、一気、フェニックス一輝。」
カゲチヨ「変な掛け声コールすんじゃねぇよ!!」
あれ?飲み会のコールってこんな感じじゃなかったっけ?某駄菓子アニメで見たんだがな~。違ったみたいだ。
シディ「それはチヨに頼まれた本音薬だ。」
二人は驚いて俺とシディを見た。おいおいバラすなよぉ~。
チヨ「もういい加減、仲直りしちまえよ。
どっちも謝りたい気持ちはあるんだろ?」
「「・・・・」」
シディ「一つだけ聞くぞ。二人とも、まだ相手が許せないのか?」
シディの質問に、二人は本音を喋り出した。そのおかげで二人は仲直りできた。これで今日は終わりだな!!第三部完!!
あれ?なんか頬が引っ張られる感覚が・・・
ヒサメ「私達を騙して本音薬を飲ますなんて酷いよ!」
チヨ「おぉ。なんだか懐かしい感覚。」
向こうのヒサメにもよく頬引っ張られたな~。向こうは大丈夫だろうか?
シディ「仲直りも出来たし本音薬の検証も出来たしこれで一件落着だな。」
チヨ「そだね~。」
ボティス「なんじゃこの茶番は!あ~、つまらんつまらん!!」
そう言うな。茶番でも本人たちは真剣なんだから、お前は大人しくハウスしてなさい。
ヒサメはまだハンバーグが食べれなかったことを名残惜しそうにスマホの画面を見て言った。どうやらそのハンバーグのサイトを見ていたらしく売り切れだったようだ。カゲチヨがヒサメのスマホを見た途端、汗を流した。どうやらヒサメが食べようとしたのが「カレーがソース代わりのハンバーグ」で、こやつはそれを知らずにカレーと思って食べたとの事だ。オーマイガー。
ヒサメ「吐けー!!半年待ったお取り寄せグルメ!!」
カゲチヨ「や、やめっ・・・ぐえっ!」
チヨ「さ~て。俺等も飯にするか。」
シディ「あ、あぁ。そうだな。(これが本音か。食べ物の恨みは怖いな・・・)」
今日も平和なカレコレ屋だった。異論は認めない。