チヨside
オーナーに大事な話があると呼び出されて、現在リサイクルショップの店内に居る。
チヨ「んで?話って?」
オーナー「そろそろパラレル転送機の労力エネルギーが全開になりそうだ。」
え、それそんな名前だったんだ。名前ダサっ。
オーナー「明日には使えるようになるだろ。
よかったな。帰れるぞ。」
チヨ「おーマジか。」
俺がここに来てから半年。長かったような短かったような。まぁ何十年待たされるよりはましか。向こうは元気してるかな~。帰ったら数百年後の世界でみんなくたばったりして。あぁ~嫌な想像しちまったぜ。
チヨ「んじゃー明日、その転送機使わしてもらうわ。
色々とありがとうな。」
オーナー「代金は貰うぞ。」
チヨ「カゲチヨに付けて置く。」
オーナー「毎度あり。」
店から出てカレコレ屋に戻った。みんなにも報告しなきゃな。
シディ「む、帰ったか。丁度飯の準備が出来てるぞ。」
ヒサメ「チヨ、お帰り!オーナーに呼び出されたみたいだけど
何だったの?」
カゲチヨ「どうせ、手伝いとかだろ?
あの人、人使い荒いよな。厳しいし。」
ヒサメ「そうかな?色々気を使ってくれるいい人だよ?」
カゲチヨ「それはヒサとシディにだけ優しんだよ!!」
チヨ「まぁまぁ落ち着けって。今話すから。」
話が進まないと思い俺は二人をなだめて、オーナーの所に行った出来事を話す。
チヨ「俺がここにきたあの機械。パラレル転送機って言うんだけど。」
カゲチヨ「何それ。名前ダサ。」
チヨ「いや確かにそうだが、そこはどうでもよくて。
その機械の労力エネルギーが全開になりそうだってさ。」
そう話すと、なぜか3人は無言になり少し困惑した表情になる。どうしたんだ?
チヨ「んでオーナーが言うには明日使えるそうだ。だから明日帰るわ。」
俺がそういうとバンッと机を叩く音がした。
ヒサメ「ちょ、ちょっと待ってよ!!
そんな旅行行く感覚で言わないでよ!!」
カゲチ「そうだぜ!!それに明日帰るなんて、急すぎだぞ!!」
チヨ「そうか?」
ヒサメ「そうだよ!それにいつでも帰れるなら、
明日じゃなくても・・・」
チヨ「いや、これだけは譲れねぇ。」
ヒサメ「なんで!?まだここにいればいいじゃん!!」
シディ「お、おいヒサメ・・・。」
チヨ「そうもいかんのよ。向こうの事も心配だしな。
まぁ確かに急すぎるかもしれないが、決めた事だから。」
ヒサメ「でも・・・でも・・・」
下を向き体がわずかばかりに震えてる。ヒサメは俺から視線を避けるように素通りした。
ヒサメ「ごめん。私帰る!」
そのままカレコレ屋を出て行ってしまった。俺の発言のせいで何とも言えない空気になってしまった。申し訳ない。
シディ「ヒサメ・・・」
カゲチヨ「なんだかんだ言ってチヨの事、
兄貴のように慕っていたからな。
急に明日お別れって言われたら・・・・な。
お前、ヒサの気持ち。分かってんのか?」
カゲチヨは俺に睨みつける。分かってるか・・・か。
チヨ「俺は人の心なんざ読めねぇ。だから絶対分かるとはいえねぇ。
けどなんとなくだが分かる。
でも遅かれ早かれ帰るのには変わんない。」
俺の言葉に二人は黙った。そう、明日じゃなくても、いつかは帰らなきゃいけない。先延ばしすればするほど、別れが辛くなる。だったら、早めに決断した方がいい。例え3人に嫌われようともな。
俺はカレコレ屋を出て、ヒサメが住むマンションに行った。そー言えば、俺ってここの世界のヒサメの部屋初めて行ったかも。うわードキがムネムネしてきた。インターフォンを鳴らしたが誰も出ない。居ないのか?
ヒサメside
私、なんて最低な女なんだろう・・・。チヨは自分の世界に帰るためにカレコレ屋に居ただけなのに、それを止めようとしちゃった。帰らなきゃいけないことは分かってる・・・でも、お別れしたくない。もっと居てほしい。お兄ちゃんと・・・離れたくない・・・。
ピンポーン
部屋のインターフォンがなったけど出る気しない・・・。
チヨ「ヒサメ」
部屋の向こうからチヨの声が聞こえた。私は勢いよく起き上がって玄関の前に立ったが、ドアを開ける気にはなれなかった。今、チヨの顔を見たら絶対に引き止めてしまう。だからこのまま居留守使って帰ってもらうことに・・・
チヨ「この前貸した飯代の10万返してくんね?」
ヒサメ「いや借りてないよ!!しかも飯代10万って!!」
あまりにも予想外の言葉に驚いて、ついドアを開けてしまった。
チヨ「ヒサメ、みーっけ。」
ヒサメ「・・・・・。」
チヨを部屋に上げた。何しに来たんだろう。正直、チヨの顔が見れない。そういえば私が変な空気にしちゃったんだよね。カゲとシディには申し訳なかったなぁ。
・・・・・あれから何分経ったんだろ・・・。気まずい・・・。
チヨ「はぁー。」
突然のため息にビクッと肩が上がってしまった。
チヨ「いやー女子の部屋に入るのって結構ドキドキすんなぁ。」
ヒサメ「・・・・ぷっ。」
気まずい中よくそんな台詞言えるね。まぁチヨだからって納得してしまって、つい噴き出してしまった。
チヨ「おいおい笑うなよ。陰キャが女子の部屋に入る機会なんて
人生に一度か二度あるかないかなんだぞ。
緊張するのは当然だ。」
ヒサメ「胡坐かいておいて、説得力無いよ。」
チヨ「説得力が問題じゃねぇ自分自身の問題だ。」
ヒサメ「いや、意味わからないよ。」
私たちが軽い雑談してから1時間、少しだけ心に余裕ができたところで、本題に入る。
ヒサメ「本当に帰っちゃうんだよ・・・ね。」
チヨ「あぁ。」
ヒサメ「そっか・・・」
チヨ「止めないのか?」
ヒサメ「言ったところで考え変えないでしょ。」
チヨ「分かんないぞー。「お兄ちゃん行かないでー」って
言ったら気が変わるかもしれないぞ?」
ヒサメ「はは、何それ。言う訳ないじゃん。
・・・言える訳・・・ないじゃん・・・。」
我慢の限界が来て、つい涙を流してしまった。チヨに身体を預けた。
ヒサメ「もし・・・チヨがここに残ったら。
向こうの私が寂しい思いをしちゃう。」
チヨ「そうだな。」
背中にポンポンと軽く叩かれ、落ち着かせようとする。そのせいで余計に涙が溢れてしまった。きっとチヨの服は私の涙で濡れていると思う。
チヨ「ヒサメ。俺は例えお前らに嫌われようと、
豚を見るような目で見られようと、
反吐が出るほど薄汚ねぇ野郎と罵られようと。」
ヒサメ「いや、そこまで思わないから。」
大事な話でボケに走るのやめてくれない?涙止まっちゃったよ。
チヨ「向こうの世界に帰ってみんなを安心させたい。」
ヒサメ「うん・・・。」
チヨは私を引き離し、そのまま玄関に向かい帰ろうとした。
チヨ「辛かったら、見送りに来なくてもいいぞ。
でも、出来れば笑顔でさよなら言いたいな。」
そう言ってチヨは帰ってしまった。
カゲチヨside
あいつが元の世界に帰る・・・。それは当然のことだ。分かってる、分かってるんだがどうも心の整理がつかねぇ。半年間、あいつと居て楽しかった。同じ存在なのに別人つーか。正直、本当に俺なのか?と疑いたくなる。だってよ、俺たちより強くて、気遣い出来るんだぜ?同じ存在の人間として嫉妬しちまうぜ。まぁ本人に行ったら頭叩かれるわ、撫でられるわ、笑われるわ散々だったが・・・悪くはなかったな。
チヨ「カーゲチーヨくーん!!あっそびーましょー!!」
・・・・何か聞こえたんだけど幻聴だよな。
チヨ「チヨチヨカゲチヨ出ておいで~。
出てこないと目ん玉ほじくって売っちゃうぞ~。」
カゲチヨ「こえーこと言ってんじゃねぇ!!」
チヨ「お、出てきた。」
ったく。出会いがしら、近所迷惑だろーがって言ってたくせにお前も近所迷惑だろーが。
カゲチヨ「何しに来たんだよ。」
チヨ「とりあえずゲームしよーぜ。」
カゲチヨ「はぁ?」
なぜか俺とチヨで格ゲーで対戦する事なった。いや、なぜそうなった。っつかこいつつえーし、攻撃当たらないしなんなの!?
カゲチヨ「少しは手加減しろよ!!」
チヨ「ほっほっほっほっお主もまだまだだのぉ~。
そんなんじゃeスポーツ選手には程遠いいぞ。」
カゲチヨ「いやならねぇよ!!」
ゲームしながら何しに来たかを問い詰める。まさかただゲームしに来たわけじゃねぇよなぁ?
チヨ「え?そうだけど?」
・・・・・はぁ!?
カゲチヨ「おまっ、普通こういうのはシリアスに話すところだろ!?」
チヨ「シリアルになったな。」
カゲチヨ「やかましーわ!!」
本当にこいつ何なの!?明日帰るっていうのに、普通は悲観するもんじゃねぇーの!?俺がそう思ってるとチヨは少し真面目な顔をして視線だけ俺に向けた。
チヨ「明日、元の世界に帰る。その決まりは変わらねぇ。
お前は心の中では納得いかねぇ部分はあるだろう。
でも俺にはやらなきゃいけない使命がある。」
カゲチヨ「・・・組織を潰す事。」
チヨ「そーいう事。」
『YOU WIN』
いつの間にかゲーム内で俺が勝っていた。こいつ、わざと負けやがった。
チヨ「一勝くらいは花持たせないとな。」
カゲチヨ「なんだよそれ・・・。」
チヨは玄関の方に向かいドアノブを手に掛けた。
チヨ「俺も向こうで頑張るからよ、お前も頑張れよ。」
そう言ってチヨは部屋から出て行った。うるせーよ。お前は俺の兄貴かっつーの。
シディside
俺は今、チヨに呼び出されて森に来ていた。こんな夜中に呼び出してどうしたのだろうか。
チヨ「ちょっとここでやり合おうや?」
シディ「む、俺は喧嘩はしないぞ。」
チヨ「喧嘩じゃねぇよ。ただの力比べだ。
ま。夜で力発揮しないお前じゃぁ喧嘩にすらならねぇけどな。
何ならハンデとして能力を使わないでおいてやんよ。」
む、その発言は聞き捨てにならないぞ。
シディ「いいだろう。ならば行くぞ。」
チヨ「来い。」
俺は本気でチヨの懐に入り、顔面目掛けて攻撃したが片腕で止められた。今度は足で攻撃するがチヨの足に止められたとき、わき腹に強い衝撃が走った。いつの間にか、チヨに殴られたのか。
チヨ「ほれほれ。どーした?お前さんの強さはこんなもんかい?」
シディ「いや、まだだ!」
俺は粘り強くチヨに立つ向かったが全く歯が立たなかった。俺は仰向けに倒れていた。なんだろうか、負けたのに少しスッキリした感覚だ。
チヨ「少しはモヤモヤを発散出来たか?」
シディ「知ってたのか?」
そう、チヨの言う通り。俺の心はモヤモヤしていた。今まで一緒にいた仲間と別れるのは辛い、だがチヨにも帰る場所があるなら返してやりたかった。
チヨ「案外、お前もため込むタイプだからな。
だから俺ができる最後のお節介だ。」
シディ「最後か・・・・寂しくなるな。」
チヨ「ワリーな。」
チヨは笑って言った。
シディ「明日は見送りに行こう。」
チヨ「おう。笑顔で見送って来い。」
あぁ、最後くらいは笑顔で別れたいからな。
次の日の朝。
チヨはリサイクルショップの中に入りパラレル転送機の中に入った。
オーナー「準備は完了した。いつでも行けるぞ。」
チヨ「おう。オーナーも世話になったな。
最後くらいは酒の付き合いとかしてもよかったんだが・・・。」
オーナー「ふっ。お前となんかお断りだ。」
チヨ「手っ厳し!言うと思ったぜ!」
オーナー「・・・向こうでも元気でな。」
チヨ「おう。」
そんな軽口で会話してると、カレコレ屋3人が見送りに来た。
チヨ「見送りご苦労さん。」
カゲチヨ「へっ!うるせーよ!
お前は最後までその調子だな。」
シディ「チヨの事、俺たちは絶対に忘れない。」
ヒサメ「・・・・・」
二人が別れの挨拶を言う中、ヒサメだけ下を向いてる。チヨはそんなヒサメに近づき頭を撫でた。
チヨ「見送りに来ただけでも嬉しいよ。元気でな。」
ヒサメは思いっきりチヨに抱き着き涙を流した。
ヒサメ「さよならなんて言わないから!!」
チヨ「!」
ヒサメ「また、会えるって信じてるから・・・。
だから・・・またね。」
その発言にカゲチヨもシディもくすりと笑いチヨに笑顔を向けた。
シディ「そうだな。また会おうチヨ。」
カゲチヨ「また事故って遊びに来いよ!」
チヨ「はは、また事故ってたまるかってんだ。」
チヨは悲しそうに笑い、片手をあげた。
チヨ「またな。」
チヨは機械に入り、オーナーがボタンを押した。機械が動き、強烈な光が射して数秒、光が止んだと共にチヨは消えていた。
カゲチヨ「行っちまったな。」
ヒサメ「無事に帰れたのかな?」
シディ「きっと帰れたさ」
カゲチヨ「さて!俺たちもカレコレ屋に戻るか!」
チヨ基カゲチヨが居た世界。
カゲチヨが消えてから一ヶ月。ヒサメは機械の前でずっと座ってた。オーナーとフィーアは流石に仕事の邪魔だと言えずにいた。そりゃ目には隈が出来て、髪がボサつくほど落ち込んでちゃあ言えなかった。
フィーア「彼女がああなってしまったのは私の責任です。
なので切腹しようと思いますがどうでしょう?」
オーナー「知らん。少なくともうちの前だけはやめろ。」
フィーア「・・・・やっぱりオーナーがツッコミでは力不足ですね。」
オーナー「悪かったな力不足で。」
フィーアの頬を思いっきり引っ張るオーナー。そんな光景を前にしてもヒサメはずっと下を向いたままだった。そこにバイト帰りのシディが店に入ってきた。
シディ「まだ、カゲチヨは戻らないのか。」
フィーア「はい。」
シディ「カゲチヨが消えてからもう一か月か・・・」
一見平静に見えて、内心は落ち込んでいるシディ。いくらカゲチヨが不死身だからと言って心配しない訳ではない。
ずっと中心にいた人物がいないだけでこうも変わるのかとフィーアは思った。
すると、機械から突如に光が射した。機械が動いたことでヒサメは立って機械の方を向きオーナー達も機械を見た。
機械の中からカゲチヨが飛び出してきた。
ヒサメ「か、カゲ・・・」
カゲチヨ「ヒサメどけ!!」
ヒサメとぶつかりカゲチヨがヒサメを押し倒す形になってしまった。デジャブを感じながらもカゲチヨは帰還。
カゲチヨ「いててて・・・・俺戻ってこれたのか?」
あたりを見渡すカゲチヨ。フィーアがいる事を確認すると、自分が戻ってきたのかと実感する。
カゲチヨ「おい、大丈夫か?
ってかお前見ないうちにみすぼらしい顔になってんじゃねぇか。
大丈夫かよ。お兄さん心配。」
ヒサメ「カゲ?・・・本当に・・・カゲ?」
ツーっと涙を流すヒサメにカゲチヨはヒサメの頭を撫で笑顔で答えた。
カゲチヨ「おう、みんな大好きカゲチヨ君だよ。」
ヒサメ「カゲーーーーーー!!!!」
大泣きしてカゲチヨの名前を叫び思いっきり抱き着いた。
ヒサメ「よかった・・・よかったよ~!!
一ヶ月も・・・ヒッグ・・・帰って・・・グズッ
こなかったからぁ~!!」
大泣きしながらもう離さないと言わんばかりに抱きしめる力を強める。そんなヒサメに優しく背中を軽くたたき、安心させる。
カゲチヨ「(一ヶ月か・・・。向こうとは時間軸が違うんだな。)
そっかそっか。悪かったよ。心配かけてしまったな。」
自分たちが知ってるカゲチヨが帰ってきた。ヒサメだけでなくシディまで涙を流し近寄ってきた。
シディ「本当に・・・カゲチヨ・・・なのか。」
カゲチヨ「おう。正真正銘の本物だ。」
シディは大きく手を広げカゲチヨとヒサメを包み込むようにして抱きしめた。
シディ「よかった。本当によかった!」
カゲチヨ「おいおい、お前まで泣くなよ。
貰い泣きは勘弁だぜ。」
カゲチヨの帰還に喜び合った二人。そんなカレコレ屋3人を見て煙草を吸う。
オーナー「まったく。騒がしくて仕方がない。
早く帰ってもらいたいんだがな。」
と言いつつ口元をゆるめるツンデレオーナー。
フィーア「・・・・・無事でよかったです。」
カゲチヨが帰ってきたことでまたいつもの日常が戻った。
3人のカレコレ屋としての日常はこれからだ!!
フィーア「まだまだ続きますよ。」
オーナー「誰に言ってるんだ?」
没ネタ
カゲチヨ「あ〜久々の我が家〜。やっと自分の布団で寝れるわ〜
・・・あれ?何か湿ってね?」
本人のいない間に誰かが入り、布団の上で「そういう行為」をしていたことを、カゲチヨは知るよしもなかった。