カゲチヨ日記   作:yakyo

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α月β日

 

いや~この数日間大変だったわ~。

 

まさか、フィーアと共に無人島で遭難するとは思わなかった。

 

確か、依頼関係で船に乗っていた俺達カレコレ屋+αのフィーア。その日は余りにも波が激しく、最悪な事にリヴァイアサンに襲われ、フィーアが海に落ちた所を助けに俺も飛び込んだら遭難してしまったって訳。

 

フィーアが語るには普段大人しいリヴァイアサンが暴れたのは何者かが刺激したって事らしい。誰だ~?そんな不届き物は。俺がぶっころりしてやる!!

 

この数日間、助けが来るまでフィーアと協力していった。

 

正直、場所も分からない所で能力を使うのは体力的に考えてダメ。俺が出来る事は能力で大きな鳥を4羽具現化し、東西南北の4カ所に飛ばす。

 

フィーアにサボテンは無かったか?と聞くと武器にするんですか?と返ってきた。ちっげーよ。サボテンは水分が多い。棘を取って果肉を砕いて絞れば水が手に入る。

 

俺がそう答えるとドヤ顔で「そんなものこの島にはありません。」と胸を張って言った。ムカついたので頭引っ叩いた。

 

仕方がないのでろ過機を作る事にした。海水を浄水するために、ドーナッツ状に穴を掘り、そこにビニールなどを水を溜められるような何かを敷き詰め、真ん中に水が溜まる容器を置く、丁度良く貝があったからそれを置く。更に全体に黒いビニールで覆い、周囲に石を敷き詰め、真ん中に重しを置けば完成。

 

フィーアはこの自作ろ過機に?マークを浮かべたので説明した。

 

海水が蒸発してビニールに付着。ビニールは真ん中が沈めてあるから中の陽気に水が集まる仕組み。

ただ、水はわずかしかできない。だから、もし必要な場合はフィーアが使うといいと言ったら「あなたは大丈夫なんですか?」と少し眉を下げてこちらを見た。

俺は不死身だ。しばらく水を飲まなくても問題ないと言ってついヒサメにやってる感じで頭を撫でてしまった。

謝ったら、特に気にしてないと言う感じでそっぽ向かれた。

 

フィーアは木を持ってこすって火種を作った。余りにも勢い良かったので火はついたが・・・火ってより炎が舞っていた。まぁ無人島だからいいけど、森とか草原とかだったら火事確定だぞ。

 

流石に腹減った。この辺に生き物は居ないとフィーアが言う。ココナッツは無し。魚や貝はリヴァイアサンの怒りを買ってるため海には入れない入ったらすぐに襲われる。

 

なので海に入らずに魚を調達しようとした。「遭難して頭がイカれましたか?ここには魚屋はありませんし魚は海の生き物なので陸にはいませんよ?」と言ってきた。俺はフィーアの頬を引っ張った。イカれてねぇーわ。通常運転だわ。

 

ミミズや幼虫を集め、海岸沿いにため池を作る。あとはため池にミミズや幼虫を入れ、魚が入ったら入り口を塞ぐ、そうすれば簡単に魚が取れる。

 

「姑息ですね。」とフィーアは言うが、馬鹿正直にただ突っ込めばいいって訳じゃないんだよ。戦闘でもそうだろ?と言ったら確かにと納得してもらえた。

 

水、食料確保の次は塩作り、海水を沸騰させただけだと苦くてエグい塩が出来てしまう。なので、海水を鍋に煮込んで白い結晶がうっすらと出来たら、海水が半分になるまで煮詰める。その後、火から外し結晶を取り除き火にかけ、ドロドロになるまで煮詰める。ドロドロの液体を布とかで絞れば塩の完成。

 

・・・って俺日記で何サバイバルの知恵を説明してんだろう・・・今更か。

 

しかし、取れた魚の量だと二人では分けられない。仕方がないので全部フィーアにあげることにした。

腹は減ってはいるが我慢できないわけではない。心配そうに俺を見て少しだけ分けようとするが断った。俺も男なんだ。カッコつけたいんだよ。

 

更に数日が立ち。流石に腹が減って仕方がなかった。最悪な事にその日は雨。フィーアを見ると雨に当たりまくってかなり寒そうだった。俺は少しだけ自分の体内を発火能力で温度を上げ、上着を被せ抱き寄せた。これで少しは寒さをしのげるだろう。

俺に抱き着かれて、気持ち悪いと思うが我慢してくれと言ったが返事は無かった。

ただ顔を赤くしてたって事は分かった。雨に打たれ過ぎて熱が出たのかもしれないな。

 

雨がやみ、海を見ると船が見えた。どうやら俺の具現した鳥が連れて来たんだろう。俺は安心してぶっ倒れた。もう何日も飲まず食わずだったからな。流石に限界に来てたんだわ。フィーアの声が聞こえたが流石に意識が朦朧として目を閉じた。

 

んで、目を開けたら病室って訳だ。

 

いや~目を開けたら「知らない天井だ」って言えばよかった。普通に「ここどこ?」ってつまらんボケをかましてしまった。反省反省。

 

隣を見るとフィーアが悲しそうにこちらを見たもんだから、ビックリした。普段無表情だったからな。その後、ヒサメやシディが来て心配かけてしまった。

 

人間どんなに鍛えても、空腹や水分不足には勝てないって事がよくわかったよ。

 

 

α月β日

 

今日、痛覚が無い吸血鬼の女性に会った。

 

いつもの如く、ヤンキー達に絡まれる一日。なんでこんなに絡まれるんだろ~。そう言う星に生まれたの?

さて、今回はどう乗り切ろうか。正直こんな奴ら殴る価値ないしなぁ~と思ったらその女性が助けてくれた。

 

ヤンキーはナイフを持って女に斬りかかった。斬られた女は痛みを感じてないのか、平然な顔をしていた。

 

何故か成り行きでその女吸血鬼と一緒にバーに入る事になった。何でバー?

 

何故俺を助けた?と聞くと「君が気持ち悪かったから?」と答えた。ひっでー答えが返ってきたなオイ。

一目で俺が吸血鬼と何かが混じっていると見抜いた。

 

とりあえずゾンビとハーフだと答えた。彼女からどういう経緯でそうなった?と質問してくるが、何で初対面の相手に話さなきゃいかんのだ。

助けたじゃないか。と言うがあんたが勝手に助けたんでしょうが。まぁ実際に助かったし、過去の出来事を簡単に説明したら納得した。

 

俺は何故痛みを感じないんだ?と質問したら、女は痛覚を切ったと答えた。どうやら痛みによる危険信号が機能しなくなったみたいだ。

そのせいで料理中に指を切っても気付かずに切り落としたり、高い所から飛び降りて足折ったのも1回2回ではないらしい。

病気も重症化になるまで気付かない事もあるそうだ。これだけ聞くと、酷いドジ属性に聞こえるが、きっと痛みが無いから気付かないだけだよな。そうに違いない。

 

それを聞いて不便だとは思う。

 

人間ではの話だがな。

 

俺達は吸血鬼。心臓が潰されない限りは不死身。

女は自分と同じ痛覚を切ってみないか?と誘うが丁重に断らせてもらった。

 

ぶっちゃけ痛いのは嫌だ。だが痛覚無くして大事な時にいつの間にか腕ありませんでした。なんて事があったら嫌だ。だったら痛覚あった方が確認しやすくていい。

 

もう一度言うが、痛いのは嫌だ。

 

俺が言うと女が俺の手の甲を能力で刺そうとした所、俺は能力で手を真っ赤に染め硬度を上げ防御。このアマ。ワザと俺を痛くさせて誘導しようとしやがる。

 

おい、こっち向け。口笛吹けてないからな。

 

女は席を立ち一週間後、再度答えを聞くと言いバーを去って行った。

・・・待て。もしかしてここの支払い俺がするの?

 

うっそ~ん。

 

α月β日

 

あれから一週間後。

 

変わらない答えを言うため、俺は女に会いに行った。決して一週間前の建て替えた代金を返してもらうために会いに行くのではない。会いに行くわけではないからな!!

 

すると女が一週間前に襲ったヤンキーを能力で斬ろうとしていたから庇った。

おかげで肩を斬られてしまった。いってぇ~。

 

ヤンキー共は一目散に逃げて行き、女は呆れた感じで「どうして庇った?」と聞いてきた。

俺は気まぐれと答えておいた。納得してない表情する女。俺は気にせずに一週間前と同じ答えを言った。

 

戦うためにも、やはり痛覚は必要。前世で口酸っぱく言われたからな。

 

女は俺の顔をジッと見てクスリと笑い出した。

「なるほど。君の気持ち悪さはそういう・・・」と呟いた。何だよ。言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ。

 

また会おう。と言って女は去って行った。

 

まったく。終始よくわからん女だった。

 

・・・・・・あ。金回収するの忘れた。

 

 

 

 

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