カゲチヨside
チョコの住む街についた俺達。そこにはデカいドームが建っていた。
ヒサメ「でっかいドームだね。何なのアレ?」
チョコ「・・・研究施設。」
ヒサメ「何の?」
チョコ「・・・知るかよ。」
何だ?何故か身体がぞわぞわする。
カゲチヨ「・・・・なぁヒサメ、シディ。
何か感じねぇか?」
ヒサメ「?何も感じないけど・・・。どうしたの?」
カゲチヨ「いや、感じてないならいい。
俺の気のせいかもしれない。」
シディ「風邪か?」
カゲチヨ「いや違う。」
この感覚は風邪とかじゃない。二人は何も感じてないって事は俺の気のせいか?・・・だがこのぞわぞわ感。何か嫌な予感がする。とりあえず今は置いておいてチョコを家に送ろう。
カゲチヨ「んにしても周りは身なりが良いな。」
ヒサメ「お金持ってそうだよね。」
チョコ「大人共は、あのドームの人間から金を貰ってるんだ。
それでみんな、奴らの言いなりさ。」
カゲチヨ「まぁ工場とかが地域の住民に金を巻くのは
よく聞く話だしなぁ~。」
チョコ「あ、そこの角を右だ。」
チョコの言う通り角を右に曲がると、子供たちが木の棒を持って俺達に襲い掛かってきた。
シディ「な、なんだ?急に飛び出したら危ないぞ。」
「うわっ!?眩しいっ!!」
シディは能力で手のひらを発光させ目くらましする。
ヒサメ「ごめんね!ちょっと冷たいけど我慢して!」
「う、ううっ・・・」
ヒサメは能力で子供達の体を凍らせる。
んで、俺はと言うと。
カゲチヨ「ほれほれどーした?そんなんじゃ一撃喰らわす事出来ないぞ?
頑張れ頑張れ。」
避けて煽っていた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・何だよこいつ。全然当んねぇ~。」
「チョコ背負ってるのになんであんなに避けられるんだよ。」
カゲチヨ「自分、鍛えてるので。」
「こいつら強いぞ・・・なんなんだ・・・?」
カゲチヨ「何なんだはこっちの台詞だ。
せっかくこいつを届けに来たのにいきなり襲われて
お兄さん傷付いちゃうな~。」
チョコ「そうは見えないけど・・・。」
「ちょっとあなた達!!何やってるの!!」
俺がそう言うと、一人の銀髪の女性がやってきた。
「何って・・・俺達はチョコを・・・」
「この街に入った時から3人の様子は見てたけど悪い人ではないわ!!
チョコをここまで届けてくれた。そうでしょ?」
彼女の言葉を聞いて俺はチョコを見ると、バツが悪そうな顔になっていた。
シディ「なんだ?お前の知り合いなのか?」
チョコ「チッ」
ボティス「貴様、ワシらを嵌めおったか。餓鬼達にワシらを襲わせたな?」
ボティスの言葉に図星突かれたようだ。どうやら本当に俺達を嵌めようとしたらしい。
チョコ「・・・言ったろ。お前らを信用してねぇって。」
カゲチヨ「まぁ気にしないけどな。
利用しろと言ったのは俺だから何か言う資格は無いけどな。」
俺はチョコを降ろし子供達に預けた。
カゲチヨ「ほれ、後は仲間たちに運ばれて行きな。」
チョコ「・・・礼は言わないからな。」
カゲチヨ「はいはい。」
チョコは子供達に支えられながら何処かへと行った。俺達は銀髪の女性の家に行き説明を受ける事になった。いや、ただ届けるために来たのに・・・。
「すみませんでした。」
ヒサメ「私達は全然大丈夫ですけど・・・」
シディ「色々整理がつかないが、お前らはチョコの何なんだ?」
ヒサメ「チョコは必死に此処に帰って来たがってました。ね、カゲ。」
カゲチヨ「あぁ~。まぁ、手見上げ代わりとして聞かせても?」
俺等が説明を求めると彼女は話し出した。
彼女の名はファミリア。遠くの街の孤児らしい。彼女らは異宙関係で親を失った異宙孤児。捨てられた村で親がいない子供達と一緒に暮らしてるそうだ。最年長の彼女が他の子供達を食わしていたが、それでもお腹いっぱいには出来ないほど食うのに困っていたそうだ。それでも盗みや犯罪に手を染めず貧しいながらも幸せに暮らしていた。
だがある日に、いきなり軍人らしき人達が襲ってきて、地域の小さな子供達を攫って行ったと言う。逆らったものや、お眼鏡にかなわなかった子は殺されたとの事だ。
ヒサメ「そんな・・・酷い・・・。」
シディ「許せないな・・・。」
ファミリア「だから、私達は戦う事に決めたんです。
家族を取り戻す為に、奴ら・・・
トッププレデターから」
彼女の口から組織の名が出たとき、2人は動揺し驚きを隠せなかった。
俺は何となく予想はついていて、つい溜息を吐いてしまった。
シディ「・・・奴らと戦う気なのか?」
ファミリア「えぇ、私やチョコたちはその為に
住んでいた村を出てこの街まで来た。
この街の研究施設に私達の家族は囚われているんです。」
カゲチヨ「・・・何故分かる?」
奴らの情報がそう簡単に手に入るとは思えないがな。
ファミリア「私達に出資や情報提供をしてくださる方がいらっしゃるんです。」
ボティス「出資ぃ~?こんなボロ小屋とあんなショボイ装備でか?」
ファミリア「しょうがないです。お金が無限にある訳じゃないでしょうし
出資していただけるだけでありがたいです。」
シディ「チョコの足は?」
ファミリア「それは私には・・・。
今日会ったらあぁなってて・・・。」
彼女の説明によると、どうやらチョコは数日前、トッププレデターを見つけ、一人で戦いに行って、その結果あのざまっという訳だ。
ファミリア「チョコを元に戻すためにも、私達はトッププレデターを倒します!!
そこで先ほど皆さんの戦いぶりを見て、
もしよろしければお力を・・・。」
カゲチヨ「その前に、アンタに確認したいことがある。」
ファミリア「何でしょう?」
カゲチヨ「あんた。変身とか出来る系?」
俺の突拍子の無い言葉に沈黙が流れる。
ファミリア「・・・は?」
呆けた返事をした彼女に俺は続けざまに話す。
カゲチヨ「魔法少女系?それか仮面なんちゃら系?」
ヒサメ「ちょ、カゲ!さっきから何を・・・。」
ヒサメは俺を止めようとするが気にせずに続ける。
カゲチヨ「それとも何か特殊な能力がお持ちで?
それか何かの武術の達人とか?」
ファミリア「さ、さっきから何なんですか?」
彼女は俺の質問の意図を分かってないのか苛立ち始めた。
カゲチヨ「まだ解かんないのか?今の状態で俺らがアンタらに加わったとて
奴らに勝てる訳無いって言ってんだよ。」
俺の発言に彼女だけでなくヒサメも驚いた。シディは俺の意図が分かっていたみたいで黙って聞いていた。
カゲチヨ「勇気あることは非常に良い事だ。
だがあんたらがしようとしてる事はただの無謀で自殺行為。
トッププレデターが子供でも倒せたら苦労しねぇーんだよ。」
ファミリア「そんな、やってみないと・・・。」
俺は彼女に指を指して少し怒気を強める。
カゲチヨ「いいや。あんたらは何も守れずに死ぬ。
絶対に死ぬ。100%死ぬ。」
俺の雰囲気に怯えた表情をするファミリア。そんな俺に賛同してか2人は席を立った。
ヒサメ「残念ですけど、私もカゲの言う通りだと思います。」
シディ「なにもわざわざ死にに行く事は無い。」
2人の言葉にファミリアは言葉に詰まり、下を向いて呟いた。
ファミリア「良いですね。あなた方は皆幸せで。」
カゲチヨ「・・・・」
ファミリア「あなた達には分からないでしょう?
想像すらした事ないでしょう?
大切な人が失われるって事が・・・。
自分の体の一部を奪われるような痛み、辛さ、苦しみ・・・。
まぁ、あんなもの知らないに越したことはないですよ。
知ればもう二度と前と同じようには生きられない・・・。」
確かに彼女は今まで辛い思いをしてきただろう・・・。
だがなぁ、それを聞いたとて、だから何だって話だ。私は辛い思いをしたんです。同情してください。って言われて動くのは正義のヒーローくらいなもんだ。残念ながら俺等は正義のヒーローじゃねぇ。
それに、辛い思いをしてるのは彼女だけじゃねー。
カゲチヨ「隣の芝生は青いって奴だな。」
ファミリア「え・・・。」
俺はそう呟いて家から出て行った。
俺達はしばらく街の外を歩いていた。
カゲチヨ「ったく。お前らまで嫌われ役をやる必要ないだろーが。」
シディ「そう言うな。お前だけに悪役を背負わせたくないからな。」
ヒサメ「そうだよ。カゲは一人で何でも背負い込もうとするんだから。」
カゲチヨ「へいへいさーせんでした。」
ヒサメ「それに、私達が行くって伝えても一緒に付いて来てただろうし・・・。」
シディ「あんな子供達がトッププレデターに攻め込めば、
間違いなく虐待されるか捕まるかだ。」
ヒサメ「ねぇカゲ。」
カゲチヨ「ん?」
ヒサメは満面の笑みで俺の顔を見た。
ヒサメ「まさかこっそり一人で行こうとしてないよね?」
・・・・なぜ分かったし。俺はヒサメからの視線を逸らした。
カゲチヨ「・・・何の事だ?」
ヒサメ「あ!目逸らした!!」
カゲチヨ「違う。ヒサメの谷間が見えたから見ない様にしてるだけだ。」
ヒサメ「嘘!?って話逸らそうとしない!!」
シディ「カゲチヨとヒサメは仲が良いな。」
ボティス「まったく。騒がしい奴らじゃ。」
いや、温かい目で見てないで助けてくんない?
ヒサメ「大体カゲは・・・。」
・・・・・・っ!!
俺はとっさにヒサメとシディの服の襟袖を掴み後ろへと投げた。
二人の居た場所に、俺じゃない血の能力での斬撃が放たれていた。
「ふむ、2年ぶりの再開。成長してるみたいだな。我が眷属。」
俺の目の前に立っている鈴の耳飾りを付けた赤髪。
俺がさっきまで感じてたぞわぞわ感。
こいつは俺が探してた・・・。
カゲチヨ「鈴の耳飾りの吸血鬼。」
「ソロモン72柱と契約したらしいな。」
まさか俺の嫌な予感がこうも当たるとは・・だが、今回ばかりは感謝する。
カゲチヨ「久々の再開で嬉しいよ。」
カゲチヨ「一先ずその顔面に一発殴らせろ。」
「やれるもんならやってみると良い。」