α月β日
今日はシディと共に前回、大学の評論家気取りの同級生に漫画を馬鹿にされた漫画家志望の女性が連載を勝ちっとったがアシスタントを雇ってないためしばらく手伝ってほしいと言う依頼を受けた。
シディはこういう作業は苦手らしいので消しゴム掛けやトーン貼り、家事をしてもらい、俺はモブや背景、ベタやトーン削りをやっている。流石に一人では無理なので分身を2、3人出して作業に取り込んだ。
シディがトーン貼りで少しヒロインの心情が分かりずらいコマがあったので女性に確認した所
「主人公の事が好きなのに素直になれず、つい酷い事を言ってしまい落ち込みつつも他の女が行動が気になり、やっぱり主人公を信じて言い出そうか」というコマらしく困っていた。
うん、とりあえずこのヒロインが面倒くせーなのは分かった。
そのページは俺がやるとして、作業の続きを頼んだ。
俺は本棚にある背景資料本を手に取るが、チラッと置いてある本を見ると資料本の巻数が所々抜けて置いてあった。
あぁ~こういうのって漫画と違って全巻揃わないよなぁ~。
っと思い、隣を見ると「イケメンの肉体美図鑑」10冊全巻揃っていた。
絡み編とかベッド編とかSM編とか書いてあったが、とりあえず何も見なかった事にした。
女性が雑談として俺に学校での恋バナはないかと話し掛けてきた。
俺に恋バナとか人選ミスにもほどがあるだろうが。
頭を振り絞って思い出したのが、「うちのクラスで美術部の大人しい女子がサッカー部の男子と付き合った。」という話をしたら
「うそ・・・!?文化部じゃなくて!?サッカー部と何話すの!?」とすごいリアクションしてきた。
サッカー部とラグビー部が怖く、バスケ部とテニス部はいい人いる感じで、野球部はロン毛で怖くでも坊主なら真面目でいい人そうで、卓球部は文化部の味方と言う。
・・・いやどんな偏見だよ。それあんたの学校だけの話では?
作業してて数時間。
何やらキャラのポージングで悩んでるらしい。買い物から帰ってきたシディにそのポーズをとらせる。上半身裸で。女性は鼻血を流しながら模写していた。
せめて鼻血拭こうよ。
しかも、ノリに乗ったのか俺まで上半身裸でシディに顎クイされると言う構図になってしまった。
誰得だよ。俺じゃなくてスズキ君かサトウ君呼んで来いよ。
女性は鼻血を大量に流し、気絶してしまった。
〆切大丈夫かよ・・・。
まぁ何だかんだ3話分の原稿ができ、やっとアシスタントを雇えたので俺等の依頼は終了した。
α月β日
学校に行くとミキたちが女性の漫画を絶賛していた。
特に、男同士の絡みで顎クイシーンがお気に入りとだ言う。
あのシーンは俺とシディがモデルなんだよなぁ~。
という複雑な心境しながらも、ミキたちの会話を聞かない様にしていた。
α月β日
今日は風紀員による唐突な荷物検査が行われた。
まぁだからって、特に不要物なんざ持って来てないから俺は別に問題はないんだけどな。
だがキモ5の4人やミキは引っかかったようだ。
アサヲはグラビア本。チダイは武器。ルイは香水。マチャソはゲーム。ミキはヘアアイロン。
まぁ普通に没収された訳だ。
ヒサメは5人に呆れて溜息を吐いた。
ノリコから「カゲチヨが引っかからないのは意外。」っと言ってきた。
失敬な。これでも俺は真面目なんだぞ。
5人取られた物を取り返す且つ風紀員に復讐するために、弱みを握ろうと策略をする。
いや、1週間経てば返却されるんだから大人しくすればいいものを。
俺等の制止も聞かず作戦会議をする5人に呆れてしまった。
結局、騒がしくしたキモ5の4人は反省文を書かされたらしい。
ミキは4人を犠牲にして何とかヘアアイロンを取り返したらしい。
何てヒドイ女だ。
その後、ヒサメ達と何故か俺も強制的に誘われ、共にファミレスで駄弁っていたとさ。
α月β日
カレコレ屋にて依頼人が合コンの数合わせで来てほしいと依頼して来た。
よし、シディ任せた。
俺がそう言うが依頼人がストップをかけた。
どうやら来てほしいのは俺との事らしい。
あぁ~つまりアレか。
シディだと、女の子達がそっちを見て自分らに向かないからで、俺なら顔面偏差値はちょうどいいし、何だったら引き立て役になるという考えなんだろう。
・・・どうやら当たったようだ。
失礼な依頼人だな。本当の事だろーけど本人の前で言うの止めてくれないか?
これでも結構傷つくんだが。
土下座する勢いでしてきたので、まぁご飯食いに行くと思えばいいかと思い了承するが、「本当に合コンに行くの?」と光が消えた目でヒサメが見てきた。
いや、仕方がないじゃん。それに俺引き立て役みたいだし別に良くない?と言ったら何故か自分も合コンに参加すると言い出した。
いや、何故そうなる。
α月β日
合コンの日、俺とヒサメと依頼人ともう一人で集合して席に座った。
ヒサメは男装して。
いや、何故男側?普通女側だろ?と疑問を言うが「今日、俺の事はヒサトと呼んでくれ。」と無駄にイケボで言ってきた。
いや、質問に答えてくれない?
すると女の子4人がやって来たので、とりあえずそれぞれ自己紹介して合コン開始した。
女子達はヒサメ基ヒサトを見てかっこいいと言われ調子に乗ったのか「そんな隙を見せると俺の方が狙っちゃうぜ?」と言った。
どこでそんな台詞覚えたんだか・・・。
依頼人も負けじと自分をアピール。必死過ぎて女性陣は苦笑い。もう一人は落ち着いた感じで自己アピールしていた。
俺は適当に動画制作をしてると言ったが興味持ってくれたのか色々質問してくれた。どうやら彼女らはカレコレちゃんねるのファンだそうだ。うちのチャンネルを見てくれるとは有り難いもんだ。これからも頑張って動画制作に励もうと思ったら、何故かヒサトに足踏まれた。
解せぬ。
数時間経って、依頼人ももう一人も電話番号を聞いたそうだ。良かったな。
これでお開きって時に女性陣は、ヒサトの両腕を掴み何処かへ行こうと色仕掛ける。
ヒサトがこちらを見て助けを求めてきた。
はぁ〜。仕方がないな〜と思い、俺はヒサトを引っ張り、こちらに寄せて「こいつ、俺のだから」っと言った。
俺の発言に場の空気が氷った。
・・・あれ?俺、今ヤバい事言ってない?
そーいやヒサトは男設定だったっけ?
ってことは俺はホモと捉えられたようだ。
ヒサトを助けるとはいえなんてこった。
帰りの際、終始ヒサト基ヒサメは赤くなった顔を両手で隠してた。
何か、逆に恥ずかしい思いさせてすまない。
α月β日
数日後
依頼人が涙を流して机に俯せていた。
なんでも、電話しても繋がらなかったらしい。
シディが依頼人を慰めてる。
俺はたまたまテレビに流れてるインタビュー映像を目にした。
内容は女性の恋愛事情という題で1人の女性がインタビューを受けていて
「合コンで、しつこくアドレス聞かれたら嘘のアドレス教えちゃうよねー」と言い、一緒に居たその女性の友人らしき女性は「あるあるー!」と笑っていた。
それを聞いた依頼人は呆然とし、合コンに来た女性達の抹殺を依頼しようとしたがお断りさせてもらった。
うちは始末屋じゃねぇーよ。
帰り際に、依頼人はヒサメのアドレスを聞き出そうとするが笑顔で却下された。
めげねぇーなこの人。