α月β日
またヒサメがやりやがった。
今度は人形になったようだ。
俺がヒサメを探してる時にヒサメっぽい人形と、クッキーの様なものが落ちてた。
恐らくこれを食べて人形化になってしまったんだろう。
怪しい物は食べるなって何度言えばわかるんだか。
俺はヒサメとクッキーを拾いオーナーの所に行き、どうにかなんないか?と聞いたところ、すぐに薬を探すそうだ。
薬は明日でいいと言っておいた。これはヒサメが反省するためにしばらくこの状態にさせる。
人形化したヒサメに「少しは反省しろよ」とデコピンした。
店から出て、カレコレ屋に戻ろうとすると、いかにも典型的なオタクっぽい格好をした男が、そのぬいぐるみを売ってくれと言ってきた。
売る訳無いだろう。
何でも、そいつは可愛いぬいぐるみをコレクションにしているらしく、このヒサメ人形が可愛すぎて気に入ったらしい。
可愛いのは否定しないが、こいつは俺のもんだ。
誰にもやらん。
するといきなり、土下座してくるが何?頭踏めばいいの?
今度は、写メを撮らせてほしいと言ってきたが、ごめんな。
俺顔出しNGなんだ。
って言ったら「お前じゃねぇーよ!!」って怒鳴ってきた。
この人形を撮りたいそうだ。
なら撮影料100万寄こせ。
うちのヒーちゃんはタダで撮らせるほど安くねぇーぞ。
すると男は涙を流し、身の上話を始めた。
何でも、小さい頃、両親にが共働きで構ってくれなくずっと一人で寂しかったらしく、人形たちが唯一自分と傍に居てくれた友達だったと言う。だから、ヒサメ人形を譲ってほしいとの事だ。
そうか、お前にそんな経緯があるんだな。
それは辛かったな。
・・・まぁそれとこれとは別だけどな。
そもそも、何か嘘くさい。
友達の人形が居るのになぜこのヒサメ人形を欲しがるのか分からん。
共感して欲しかったら、もっとしっかりと設定を作り込みなさい。
そんなんじゃ人の心は動かせませんよ。
っと漫画編集よろしくのダメ出しをすると、男はこちらに飛び込み、ヒサメ人形を奪い取ろうとするが、軽くのしてやった。
ヒサメを俺の部屋に連れて行き、適当に机の上に乗せた。
人形になってどんな気分だか知らんが、おそらく飯も食えない状態だろう。
だから俺は、ヒサメの前で俺が作った料理を美味しそうに食った。
きっと悔しがるだろうよ。
だがこれは罰だ。食えない事を悔いるがいい!!フハハハ!!
次の日
オーナーに薬を貰いヒサメを元に戻した。
α月β日
それから数日後
ヒサメ似のぬいぐるみやアニメ、グッズが店に置いてあった。
「なにこれ!?」っと大きな声で叫んでたのでチョップしておいた。
叫ぶのは良いがTPOを弁えてくれ。あれ?TKOだっけ?
しかし、良く出来た人形だ。明らかに前回のヒサメ人形に似ていた。
記念に一つ買ってみようかな?
っと思ったら頬を膨らませたヒサメが俺の腕を引っ張って店を後にした。
いや、買って置くだけだから、別に前に会ったオタク男の様に愛でるとかしないから。
・・・あ、ダメ。ダメだって!
α月β日
俺は依頼人から最近できたサンプルの恋愛VRゲームの試作をするように頼まれた。
恋愛ねぇ~。俺の不得意分野だな。
俺でいいのか?と聞くが俺みたいに、いかにも陰キャという人間がやった方がデータが取れるとの事らしい。
間違ってないが、本人の前で言うのは失礼だぞ!
俺はVRゴーグルをつけて、いざゲーム開始。
どうやら俺、と言うより主人公はクラスのマドンナである彼女に告白して恋人関係になったそうだ。
始まって早々恋人関係って、普通ギャルゲーって恋人になるまで頑張るもんじゃないの?
俺の思考って古いのかねぇ~。
朝、目が覚めて学校に行こうとして玄関を開けると、そこには彼女が居た。
文章だけ見れば普通に自分と一緒に登校しようとする何の変哲の無い事だが。
問題は彼女と俺との家の距離がかなり遠いって事だ。
しかも朝早く来てスタンばってたらしい。
おっと、何か雲行きが怪しいぞぉ~。
彼女からの通知がポンポンポンポンと鳴り続ける。
1分間でどんだけ大量に送ってくんだよ。
お前は俺の彼女か!・・・あ、今は彼女か。
昼休み、屋上で弁当を食っていた。
彼女は何で通知の返事を返さないの?と怒って来るが。
返せるか!1分間で連続で送って来ては話題変わるわで対応しきれんわ!
少しは犬の様に待て!お手!お座り!
彼女は委員会だったため、一人で帰ろうとすると、いきなり声かけて来て一緒に帰ろうとした。
いや、委員会どうしたんだよ。俺がそう言うと、さくっと切り上げた様だ。
重いよ。俺への愛が重い。
その重さを背中に乗せて腕立てしたら身体鍛えれるんじゃね?
って思うほど重いよ。
次の日も一緒に帰ろうとする。
俺はともかく、お前は友達と返らなくていいのか?と言ったら。
俺と離れたくないと、腕に抱き着き甘えて来る。
いや、こいつがいいならこちらとしてもいいが。
家に帰り昼寝していたら、通知が48件も来ていた。
うわ~。俺の彼女ヤベーじゃん。
んで、それから彼女と向き合いつつ生活を送った。
まぁ付き合った以上、責任とらなきゃな。
そう思ってたら、普通に卒業し結婚してクリアした。
俺はVRゴーグルを外し、一息つく。
あれじゃあ、結婚しても主人公の気苦労が絶えないな。
いや~。主人公の家を燃やそうとしてた所は肝っ玉冷えたね。
するとヒサメが怒った顔で俺に話し掛けてきた。
どうやらずっと呼んでいたらしい。
あ~。付き合うならヒサメみたいなしっかりした人が良いな。
っと口にしたら「ななな何言ってるの!?」と赤面した。
しまった。変な誤解をさせてしまった。
俺が誤解を解くように説明すると、「何か、複雑・・・。」と言った。
そりゃあゲーム内の彼女と比べられたらいい気はしないわな。
・・・え?そっちじゃない?
じゃあどっちだよ?
また頬を引っ張られたでやんす。
α月β日
まさか俺がドラゴンになるとは・・・。
これは喜んでいいのか不覚と思っていいのか。
俺達カレコレ屋は動画撮影のためにジラゴンまんが売ってるキッチンカーに来た。
二人の安全確認のために、俺が先に味見してみた所、ドラゴンになってしまった。
俺もヒサメのこと言えないな。
しかもさきに先頭に居てジラゴンまんを食べた男も顔がドラゴンになり、後に全体がドラゴン化になり大きくなって思考も凶暴になっていた。
あれ?何か俺と違くないか?
俺は顔や体は人間体だが、所々鱗が出てきたり、角が生えたり、尻尾と羽が生えて腕がドラゴンにしてはデカいし、胸にはドラゴンの顔。
・・・・あ、これウィザードのオールドラゴンだ。
俺はこれをコントロールして翼だけ残して残りは解除した。
ふむ、これは便利な能力を身に付けたものだ。
しかし、エレメント能力が無いのは残念ではあるが、それは仕方があるまい。
巨大ドラゴンが暴れ出したため、俺は翼を駆使して、倒れてる子供を助けた。
シディは巨大ドラゴンが暴れてる事に対し「なぜあんなことをするんだ!」と怒りをあらわにする。
そりゃあ力を持ったから、使ってみたいって事だろ。
分からなくもないが人に迷惑掛けるのは頂けないな。
俺はオールドラゴンになり、巨大ドラゴンの方へと飛ぶ。
胸のドラゴンヘッドから炎を出し巨大ドラゴンに当てる。
攻撃を喰らった巨大ドラゴンは俺を睨み付ける。
挑発してわざとこちらを追わせ、誰も居ない海へと連れて行った。
途中で俺に火炎を吐き出すが軽く避け、噛みつこうとした口を俺の炎でぶち当てる。
海に着いた俺は高く上空に飛び、一気に巨大ドラゴンの方へと速度を上げて向かい、ストライクドラゴンを喰らわせ、海に沈めた。
これでフィナーレだ。
なんてな。
数日後。
男は元の姿に戻ったらしいが、
どうやら俺はドラゴンの能力を身に付けたみたいだ。
これは、嬉しい誤算だ。
俺の体ってよくわかんねぇ~よな。
発火能力、気功、電撃能力、そしてドラゴンの能力。
いったい何を目指してんだろ~ね~。
まぁそんな事はどうでもいいか。レパートリーが増える事は良い事だ。
だから修行ついでにゲンレイ達に自慢しに行こ~っと思ったら、「カゲの体って、変な体質だよね~。」とヒサメが言ってきやがった。
ふん!変な体質で悪かったな!!
「しかし、毒が効かないのに、なぜドラゴンになってしまったんだ?」っと疑問に思うシディ。
それについては俺にもわからん、明らかな毒系の物は克服したつもりが、ときたまイレギュラーが発生する事があるからな~。たまにああいうことが起きる。
もっと毒全般に効かない体質にならなきゃなぁ~。