α月β日
オーナーから、知り合い店の店長の手伝いに行って来てほしいと言われた俺とフィーア。
どうやら、作業員が辞めたり休んだりと色々と事情があり自分一人しかいないため手伝ってほしいという事だ。
俺達は店の掃除や荷物運びに仕分け作業を終え、最後に倉庫で荷物整理の作業をしていた。
順調に作業を進み予定より早く終わった・・・のだが、最悪な事に倉庫のドアが締め出されてしまった。
おいふざけるなよ。誰がやったか知らんが、中に誰かいるかどうか確認しやがれってんだ。
ドアを壊そうとするフィーアの頭を引っ叩く。
壊すな壊すな。少々脳筋過ぎるぞ。
少し落ち着いて誰か来るのを待とうじゃないか。
壊すのは最終手段だ。
ジッと待ってて数時間。
誰も来ねぇ~。
可笑しいだろう。いくら何でも誰も来なさ過ぎるだろう。
しかも倉庫の中は日が差さないから寒い。
そのせいで薄着のフィーアがぶるぶる震えてる。
遭難した時の事思い出すなぁ~。
俺は自分の上着をフィーアに着せた。
というか、お前いつも似たような服装だが他の服はあるのか?っと質問したら同じ服を数着持ってるとの事だ。
しかもオーダーメイドで給料の3分の1がそれに使ってるそうだ。
いや、俺も人の事は言えないが、せめて長袖の物とかを買えよ。
「じゃあこの服ください。」っと言って来よる。
いや、まぁいいけどよー。
わざわざ俺のじゃなくても、金ないなら俺が払うが?
そう言うが「いえ、金銭的な借りは作りたくありません。作ってしまったら、それをネタにエッチな事するんでしょ?」っと頬を赤らめて言ってきた。
しねーよ。どこのエロ同人だよ。
とゆーかどこで覚えたそんな事って聞いたら、「オーナーから習いました。」っと言ってきた。
変なこと覚えさせるんじゃないよ。
手をこすりながら息を吐くフィーアの手を掴み発火能力で温度を上げ温める。
これで少しはあったまるだろうと善意でやってみたが、一言言わずに握るのは流石に失礼だったな。
俺がすまんと謝罪するとフィーアは黙って赤面した顔を俯かせた。
すると、ドアが開く音が聞こえ、勢いよくドアが開けられた。
空けた人物はオーナーで、慌てて安否を確認して入ってきた。
どうやら、俺達が奥で作業したのに気付かず倉庫の持ち主が確認せずにドアを閉め、俺等が居るから自分はサボってパチンコに行ってたそうだ。
てめぇ、それでも店長かコノヤロー。
んでパチンコに出た所にオーナーに見つかり、しばかれて俺とフィーアに連絡するが繋がらないため、慌ててこちらに来たって事らしい。
いやーすまん。迷惑掛けた。と言ったら「気にするな」っと返した。
そう言ってくれると助かる。
とりあえず俺も店長をしばく。
しかし終始フィーアはずっと黙ってたか大丈夫だろうか?
・・・おい、俺の服の匂いを嗅ぐんじゃない。
俺は体臭きつくないからな!!・・・・多分。
α月β日
俺は現在囚人として刑務所に入っていた。
もちろん、これは依頼である。
囚人になって調査して欲しいとの事だ。
どうやら囚人内で、妙な「お菓子」をばら撒いてる奴がいて、もう何人も廃人してるそうだ。
今回はその犯人を見つけてくれと言う依頼だ。
むしょ内での俺の囚人番号「1004番」として行動。
俺は雑居房に行くそうだ。そこには無期懲役の囚人が居る場所だ。
どうやら廃人化は刑期が長い囚人を中心に起きているそうだ。
中に入ると、若い坊主の囚人が俺に軽く挨拶し、何の罪でむしょ行きになったのか聞いてきた。
俺はテキトーに人を数人殺めたと言った。
この坊主の囚人は強盗と放火で入ってしまったらしい。
押し入った家でうっかり家事を起こしてしまったんだと。
うっかりで放火とかヤベーじゃん。
家主からしたらいい迷惑だわ。
しかし、無期懲役の割には明るすぎるなこの男。
坊主の囚人に気を付ける事はあるかと聞くと、刑務官には逆らわない事。
まぁそれは大丈夫だな。俺って優等生だし~?
さらに話を聞くと、囚人の間でヤベーものが出回ってる噂があり、お菓子と見せかけ、それを食べると廃人みたいになると話した。
おっと、意外と囚人内でも噂が広まっているようだ。
俺は能力でガチャの人形並みの大きさで犬を具現化し放した。
さて、その間に俺は軽作業をしていた。
こう言う地道な作業は嫌いじゃない。なんなら作業が進み過ぎて刑務官に止められたまである。
坊主の囚人が封筒を持って初給料だと喜んでいた。
驚いたのが、意外にも刑務作業でも給料が出るんだな。
正確には作業報酬らしい。なんでも刑務所内での生活でも生活必需品を買うことがあるんだと。
へぇ~。後でヒサメ達にも教えたろ~。
作業報酬は832円と言う何とも少ない給料だ。
時給4円ってブラックだなぁ~。
先輩囚人が説明するに作業等工が違うんだと。
どうやらランク付けの制度らしく、作業の種類や就業態度、就業期間なんかで決まるそうだ。
等工には1等工~10等工まであるらしく、坊主の囚人は新人だから10等工スタートなため給料は安いそうだ。
先輩囚人は1等工な為2万3千円貰えるそうだ。
坊主の囚人は、頑張って1等工を目指して金を稼ぎ、出所後の就活のためにがっばるそうだ。
だがこの坊主の囚人は無期懲役。
もしかして仮釈放の事を言ってるのだろう。
その話を聞いた先輩囚人は厳しい現実を坊主の囚人に突きつける。
仮釈放は最低でも30年はかかると言い出す。
この先輩囚人も無期懲役で40年もここに居る。
どうやら、この仮釈放には条件があり、まずはじめに仮釈放審理と言う物があるらしい。
再犯の恐れが無いか、更生の意欲があるかと見極め、条件が合えば仮釈放が認められる。
しかし、仮釈放を認められた例はかなり少ないらしい。
審理は10年ごとに3回しかないそうだ。
つまり先輩囚人はもすぐで2回目の仮釈放審査があるという事だ。
だがもう刑務所から出る気はないそうだ。
出たとしても、碌に就職も出来ずに再犯して戻される人が多いそうだ。
それを聞いた坊主の囚人はショックを受け、部屋から出て行った。
俺は先輩囚人をチラ見したら、一瞬だけだがにやりと怪しい笑みを作った。
その後すぐに、先輩囚人は坊主の囚人を追いかけた。
俺は気付かれない様に付いて行き、トイレの中で2人のやり取りを見ていた。
一見、坊主の囚人を慰めてると思いきや、ポッケから袋にはいた飴の様なものを出した。
恐らくアレが噂の「お菓子」何だろうな。
尻尾を掴んだことだし、能力を使って先輩囚人を拘束。
優しそうに見えて、少し突けば怒りをあらわにし俺に罵詈雑言を吐いた。
やっぱ、こいつは犯罪者だな。
こんな所に一生閉じ込められる人生なんていらない?
そもそもテメェーが罪犯して入ったんだろーがよ。
反省しろよバカヤロー。
40年も何してたんだよ。
そこに依頼人の刑務官がやって来て先輩囚人を捕らえた。
へ~今時の刑務官はすごいなぁ~。
よく連絡もなしに来れたもんだ。
俺は足元に居た犬の具現を見ながらそう思った。
α月β日
あれから数日後。
依頼人の刑務官が俺にお礼しにカレコレ屋にやって来た。
依頼人が出た後、俺もすぐに出かけることにした。
シディには飯はいらんと言って、依頼人の後を付いて行った。
着いた場所は、海の近くにある倉庫。
依頼人と配達員が密会していた。
会話を聞くに、近々監査が入るらしく、配達員から買った「お菓子」を、俺を利用してうやむやにさせようとした。
俺は二人を拘束。
利用されたままでいられるほど、俺は我慢強くないのでね。
それに、依頼はまだ終わってないしな。
「妙なお菓子をばら撒いてる奴を探してくれ。」
っという依頼は続行中だ。
厳しい空間の中で囚人がやり取りするのは難しい。
何故、依頼人を怪しんだのか。
それはあんなに怒り狂った先輩囚人が依頼人の顔を見た途端に大人しくなった。
それに犬の具現が、この依頼人の荷物の中に「怪しいお菓子」が何個も入ってた事を知らせた。
刑務所を出た後、匂いを嗅ぎ分け、「怪しいお菓子」のありかを特定させた。
これで依頼完了っと思ったら、依頼人はこれが正しいと思ってるのか?と俺に言ってきた。
あんな奴ら生かして置く必要は無いと話すが。
「お菓子」を買い取ってる奴にそんな事言われても説得力ねぇよ。
やってる事はアンタも大差ないよ。
自分が正しいと思ってるみたいだが、自分でその「生かしておく必要のない奴」に成り下がってしまったんだよ。
俺は正義の味方でもないし、善人でもない。
そんなに自分の持論が正しいなら、警察の前で語るんだな。
やってしまった罪は一生消えない。
被害を受けた人達も居るだろう。
だがそれでも罪を償おうとして前に進もうとしている奴も居る事を、潜入して分かった。
俺がこの世界に転生したのは、今までの罪を清算する為なのだろうか・・・。
・・・・なんてな。