α月β日
ネロと言う猫の異宙人が依頼しにやって来た。
100日目に寿命で死ぬらしい。
だから、俺等の力で最高の100日間を経験させてほしいって事だ。
うん。サラっと死ぬって言いよるなこの猫ちゃんは。
どうやらネロは自分の死期を悟れるらしい。
明るい感じで100日で死ぬなーって感じがしたと言う。
いやいや軽い軽い。
残りの寿命最後まで明るく生きようと言うのは分からなくもないが、軽い。っというか呑気と言うか・・・。
老後にやりたいことやりまくって死ぬのが夢だそうだ。
その為に貯金してたが老後ないとは思わなかったと明るく笑って話す。
いやいや軽い軽い。
そんなブラックジョーク笑えねぇよ。
ヒサメ達を見ろ。どうすればいいか分からない表情してるぞ。
そんなネロがやりたい事がノートにびっしりと細かく書かれていた。
これを100日にやり遂げるのは少々無理があるぞ。
だが本人は全部じゃなく、出来る事だけでお願いしたいそうだ。
俺等がノートを読むと「異宙調理師免許を取る」と書かれているが、それは流石に100日じゃ無理だ。
取りには2年はかかると指摘したら、ネロは特に気にしてなかったのか笑っていた。
そんなネロを心配したのか依頼を引き受けようと考えていた。
俺も流石に心配になってきたので依頼を引き受けた。
α月β日
1日目
アニメ全話制覇。
全部で254話ぶっ通し視聴だそうだ。
いいねぇ~。俺も付き合おう。菓子と飲み物を持って来よう。
3日後
アニメ視聴終了。
俺は手で目元を覆い静かに涙を流した。
いや~アレは良い作品だった。
ちなみにネロは大号泣だった。
α月β日
30日目
やりたいこと34個目。
バンジージャンプ。
最初はがくがく震えてやめようとしたが、猫の本能なのか蝶々に気を取られ追いかけた所、そのまま落ちてしまった。
まぁ本人が楽しんでるみたいだし別にいいか。
α月β日
50日目
やりたいこと67個目。
美味しいスイーツを思いっきり食べる。
ヒサメの行きつけのスイーツビュッフェに行く事になった。
ちなみにこれ誰が奢るんだ?っと聞いたら、ヒサメがウルウルした目で俺を見た。
奢れってかこのアマ。
まぁ結局奢る事になった。
ホンッッット、俺の財布はゆるゆるだなぁ~。
SNSでいいねいっぱいつくような映え写真を撮るのが夢なんだと。
それはいいが、バズらせるならそんなバイキングの飯を手当たりしだいに乗せる様な盛り付けをするんじゃない。
バズらせるなら少量と、配置とカラーリングだ。っと言って俺が皿にスイーツを乗せてネロに渡した。
ネロのスマホを借りてスイーツの写真を取り加工とかフィルターを掛けてSNSに投稿すると、いいねがいっぱいついた様だ。
どうやらネロが喜んでくれたみたいでよかった。
俺はやらないのかって?俺は別にバズりとか興味ないからいいんだよ。
α月β日
85日目
盆栽を1から育ててみたいそうだ。
だが1から育てると3年はかかる。
花とは違い、木の成長は時間がかかる。
そう指摘すると、ネロは初めて困った顔で笑っていた。
困ってしまうほど、やりたい事なのか。
それとも自分の残り寿命を実感してしまったのか。
どっちにしろ、俺等がやるべきことは、短期間で育てられる盆栽を探す事。
俺等の住んでる世界は異宙。
だったら変な植物があっても不思議ではない。
きっと探せばあるだろう。
α月β日
90日目
今日は盆栽を買う事になった。
色んなつてを使って短期間で育てる盆栽が無いか探したところ、異宙と植物と掛け合わせた盆栽を見つけた。
いや~やっぱ異宙は何でもありだな。
しかもその盆栽は一週間で育つらしい。
盆栽を買った俺達。ネロが喜んでくれて俺等も嬉しく思う。
帰ったら盆栽の勉強するそうだ。
頑張れ頑張れ。
それにしても今日はやけに風が強いなぁ~っと思ってるとネロがトイレ行きたいと言い、俺に盆栽を預け、コンビニに向かった。
だが上から看板が外れ、ネロに向かって落ちて来た。
ネロが潰される前に、ファイズアクセルを起動し、ネロが潰される前に助け出した。
もちろん盆栽を持ちながら。
あっぶねぇ~危うく死ぬところだった・・・・。
うん。驚いて漏らしてしまった事は仕方がない。
俺がズボン買ってやるから許せ。
α月β日
99日目
俺はネロを呼び出し、2人で話をした。
満足できたか?と聞いたら少し間を置いて満足と答えた。
だがその返答は、まだ未練がある様な顔だった。
俺はある案を出す。
寿命を売買する腕輪を出し、まだ生きたいのなら寿命をやろうか?っと問う。
ネロは何が何だかわからない表情になり困惑していた。
先程の質問で人生に満足できてるなら俺は腕輪を出すつもりは無かった。
だが、まだ未練あるなら俺は手を貸すつもりだ。
本当は寿命を無償で伸ばすことは、人の理から外れる行為だ。
ヒサメ達には俺が勝手にやってしまった事だ。
責任は背負うつもりだ。
出来る限り、この怪しい物には頼りたくはないが、それでもネロが生きたいと思うなら俺はためらいなく使う。
それに、ネロがどんな人物か知りたかったと言う理由もあるがな。
俺の質問にネロは、「まだ自分は生きれるんすか?」っと聞いてきた。
その言葉にうなずくと、ネロは泣き出し、もっと生きて色んなことがしたいと本音をさらけ出した。
俺はネロを優しく抱き、背中を撫でてやった。
α月β日
101日目
ネロは寿命を伸ばしたことで死ぬ事は無かった。
俺達に礼を言い、これからもやりたい事をいっぱいやって楽しく生きるそうだ。
俺等に手を振り別れを告げて行った。
まぁ、悪から生まれた物を善に使うのも悪くはないな。
俺は持っていた腕輪を見てそう思った。
さて、いつまでニヤけ面してやがりますかな?ヒーちゃんよ~。
俺はヒサメの頬を引っ張るのであった。