カゲチヨ日記   作:yakyo

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α月β日

 

ゲンレイの幼馴染と名乗る若い男がゲンレイ宅に入ってきた。

 

名前はソウリュウと言うらしく、ゲンレイと同じ異宙人で幼馴染らしい。

ってことはこやつも80代って事になるな。

 

彼の幼馴染発言に女性陣はキャーキャー言っていた。

男女の幼馴染ってよく漫画とかである展開だよなぁ。

 

ゲンレイ本人からは、幼馴染ってのは本当らしいが、仲は悪くもなければ良くもないらしい。それ、幼馴染って言える?ある意味無関心って事じゃねぇーか。

 

数年前はよくゲンレイの親の所で共に弟子として通っていたが、このままだとダメだと思い一度離れて己のみで修行しに旅に出て行ったという。

 

何がダメなのかは知らんが、それって、ゲンレイ両親の修行が厳しいからやめたんでは?っと思ったのは俺だけでないはずだ。

 

なんならゲンレイ本人すら呆れてる表情していた。

 

んで、修行積んで60年。

ゲンレイに会いに来て今に至るっとの事だ。

 

彼はゲンレイの方を指さし、勝負をけしかける。

勝ったら自分と結婚してもらうと、本人の尊重も無しに言いやがった。

 

それ、前回テニスで勝ったらヒサメと付き合うって言ってきた奴と一緒じゃん。

 

まぁわざわざゲンレイに勝負を仕掛けるってことは、それほど自信があるんだろう。

60年も修行してきたってことは、少なくとも俺らよりは強いんだろう。

 

だが、彼からの気功力が感じられないのは力を抑えてるのからだろうか?

 

俺がそう考えていると、ゲンレイから肩を叩かれ

「相手は私の弟子がしよう。彼に勝ったら結婚でも何でもしてやろう。」っと勝手に巻き込みやがった。

ふっざけんな!お前らの揉め事に巻き込むんじゃねぇーよ!!

 

「おいガキ!お前はゲンレイの何なんだ!!どういう関係なんだ!!」っと怒りをあらわにして質問してきた。

何だってさっきゲンレイが弟子って言ってただろーがよ。

 

俺がそう呆れて言うと、ゲンレイが俺の腕を組み「こういう関係だ。」っと言ってきやがった。

火に油注ぐんじゃねぇ!!お前そんなキャラじゃないだろうが!!

 

正面と背後からの圧がすごい・・・ってか何で背後から圧が飛んでくんだよ。

 

んで結局、勝負することになったとさ。とほほのほ~。

まぁふざけるのはここまでにして、彼がどれくらい強いのかは確かめたくなった。

 

切り札は出来るだけ残したいから、小手調べとして血の能力を糸のように出し、相手を絡ませ、こちらに引き寄せて蹴りを連打。

そしてぶん回し地面に叩きつける。

 

そしたら、あらなんと不思議。相手は気絶してしまった。

・・・いや何で?

 

60年修行したって言ってたよね?

なんでこんなにあっけないの?

ヒサメ達も驚きと困惑が入り混じってる表情をしていた。

 

ゲンレイの憶測だが、彼は修業と言っても、ただの基礎特訓だったり意味のない修行をひたすらやっていたのだろうと推測。

何でも、彼はゲンレイと同じ長寿だが、武道才能も気功の才能もないらしい。

 

60年修行って言っても、それが身になってなきゃただ無駄に時間を費やしただけだもんな。

 

その後、目を覚ました彼は、恥を忍んでゲンレイに弟子にしてくれと頼み込むが却下されたそうだ。

 

 

 

α月β日

 

最近、奇怪な事件が増えている。

 

カレコレ屋にて、男性が恋人を探してほしいと依頼しに来たそうだ。

 

なんでも、一週間前の夜。彼女はずっと家に居たはずなのに少し目を離すと消えていたそうだ。

外に言った痕跡もないし、部屋をくまなく探しても居ない。警察に頼んで探索してもらうも見つからなかったそうだ。

 

確かニュースで似たような事件が多発してるらしい。

俺とシディは、その消えた女性が居たであろう部屋に入り、探索していた。

 

シディは依頼人の彼女の匂いを嗅ぎ分けようとするも、部屋以外から匂いがなく困っていた。

部屋以外に匂いがないってのも、変な話だ。

瞬間移動とかで消えたのだろうか?

前回の女がいない世界みたいな現象とかな。

だが今回のニュースみたいな事件に巻き込まれてるのであれば、女性だけでなく男性も消えてる。

 

特定の人間を攫ってる?それとも無差別?

 

するとシディの首から蜘蛛の糸が巻き付けられ。鏡の中へと引きずり込もうとしたところ、俺はシディの身体に掴み一緒に引きずられていった。

 

鏡の中に引きずられた俺らは先ほど居た部屋に着いた。しかし、文字や部屋が反転していた世界。鏡の世界に入ってしまったようだ。

 

・・・あれ?これデジャブじゃね?

 

そう思ってたら、シディが彼女の匂いがしたといい外に出たら、住宅地が蜘蛛の巣だらけ。しかも人間や異宙人が複数人吊るされ、地面には骨が散らばっていた。

 

あぁ~何かこの光景見覚えあると思えば、前回女子生徒を誘拐した変態教師の異宙人が居たな。

 

すると、俺らに向かって蜘蛛の糸が飛んできたため回避。糸の出先の方を見ると、上半身人間体で蜘蛛のような足をしたモンスターが蜘蛛の巣に張り付いていた。

 

どうやら、このモンスターは俺の事知っていて復讐のために女を攫い、人質として俺ら、厳密には俺を呼ぶように依頼人を伝達者にさせたそうだ。他の吊るされた人達は自分の力を蓄えるための養分だと言う。

 

復讐?何の事だ?

俺がはて?っと考えてると、モンスターは怒鳴りながら教えてくれた。

どうやら前回の女子高生誘拐事件の元美術教師だと言う。

 

あ~お前か。ってか見た目が変わりすぎて誰だかわかんねぇよ。

っつか復讐じゃなくてただの逆恨みだろうがよ。

懲りずにまた人を襲いやがって。

 

奴は俺らに襲い掛かるが、俺らは避け、拳を叩きつける。

どれだけ強くなろうと、こっちも数倍強くなってんだ。

身も心も化け物になってるお前に慈悲はねぇ。

 

能力で腕をドラゴンの顔に変化させる。所謂ストライクベントって奴だ。

奴に向けてドラゴンの口から火炎をぶつける、シディも同時に火球を放ち奴に当てる。

 

俺とシディの火炎同時打ちを喰らった奴は灰となって消えていった。

あっけなかったな。

 

その後、吊るされた人は無事に元の場所に戻し、依頼人の彼女を連れ戻した。

その際に、依頼人から泣きながら謝罪を受けた。

 

今回は奴を野放しにした俺の責任だし、反省しないとな。

 

 

 

α月β日

 

ヒサメと一緒に依頼完了した帰り道。

途中で木に挟まったしゃべる鶴が居たので助けてやった。

 

最初は喋る事に驚いたが、この鶴は異宙人らしいから普通に喋れるんだそうだ。

何か「異宙人」って言えば何故か納得してしまうのは俺だけか?

 

しかし、トラバサミで引っかかるのはまだっしも、木に引っかかるって。

 

「無意味に瓶に指ツッコむ事あるでしょ?」っと言ってきた。

いや、あるあるだけどよぉ。

 

謝罪を受け、どこのどなたかっと聞いてきたから名乗らずに帰ろうとするがヒサメが勝手に言ってしまった。

おい、個人情報。

 

カレコレ屋に戻る俺等。

ヒサメは鶴の恩返しを思い出したらしく、もしかして恩返しに来たりしてっと言ってきた。

シディは鶴の恩返しをよくわかってないため軽く説明。

 

翁が罠にかかった鶴を助け、その鶴が女性に化け恩返しをするって話だ。

 

どこかシディは鶴の事で変な噂を聞いたらしいと言ってきたが思い出せないらしい。

 

「でも恩返ししてくれるんだし良いんじゃない?」っと呑気な事言ってきたヒサメ。

悪いが俺は翁じゃないんだよ。

 

俺の言葉に二人は首を傾げる。この手の話は男側が翁ではない場合、助けられた側は女に化けて訪ねて来たら、それは嫁になると言う予兆だ。

 

つまり、鶴が女になって訪ねたとして俺が一晩泊めたら、俺がその女を「嫁として受け入れた。」って事になる。それで婚姻が成立する。

 

「いやだな~。冗談でしょ?ねぇ冗談って言ってよ。」

 

っと俺の肩を掴んで言ってきたヒサメ。

あくまで聞いた話だ。ほんとかどうかは分かんねぇよ。

 

 

深夜、自宅にて。

 

人が寝てる時に呼鈴が鳴り、少しだけドアを開けると、婚約届を持った白無垢を着た女性が立っていた。

 

「どうか一晩。泊めてくださいまし。」

 

俺は無言でドアを閉めようとしたら、足でドアの間に挟んできた。

うち教材とか宗教の勧誘とか間に合ってるので。

そう言って更に強く閉めようとした。

 

せめて名乗らせてっと言ってきたので、閉める強さを緩めた。

足を引っ込め、安堵した女は名乗ろうとした所、羽織るものなどいらん。

最後まで言わせず、ネタバレしてドアを閉めて鍵を掛けた。

 

近所迷惑も考えず、人ん家のドアをドンドンと叩く女、基鶴。

いや~、まさかここまで鶴感が強い女が来るとは思わなかった。

 

俺は別に顔で選んでるわけではない。っとゆーか例え美人でも深夜に婚姻届け持って花嫁衣装で来られたら誰だって閉めたくなるわ。

 

閉めないのはとんだヤリチンだけだ。

 

恩返すからっと言っても、自分の羽を引きちぎって編んだ物なんていらん。ってか重い。

 

「開けて!!一回開けて!!」っとドンドンと叩き、ドアノブをガチャガチャする鶴。こんなにグイグイ来られても困る。普通だったら恐怖でしかないだろ。

 

結婚すればわかるとか良い嫁になるからっとか、大声で言ってくるのやめてくれないだろうか?

そのしつこさのせいでガチャンっと鍵が壊れた。

おいおい、いくら賃貸でも割と頑丈だぞ?どんだけガチャガチャしてたんだよ。

今度は頑丈な鍵付けよ。

 

まぁそれはさて置いて、鍵が壊れた事でチャンスだと思い、ドアお開け手を突っ込もうとしたから、指を挟む形で閉めた。割と本気めで。

 

ドアの向こうで痛がる鶴。

強引のセールスが扉に指を挟まれて、それで後々傷が残ったとしてもやむを得ないっと言うのが俺の心情である。

 

指を引っ込めると言ってきたので少しドアを閉める力を緩め、指を引っ込ませた。その隙にドアを閉めた。

 

傷モノにした責任取って慰謝料として念書を書いてもらうと言い、ドアの隙間から婚約届を入れた。俺は半分出ていた婚約届をビリビリに破いた。

 

誰が書くか。

 

「分かったわ。帰るわ。でも最後にお礼させて・・・機を織るわ!!」

 

なんでも、これをやらないと一族の流儀に反するんだと。

知らんがな。

 

組み立て式の機織りを持って来ていたらしく、ドアの向こうで組み立て始める音がした。

いや、マンションの廊下で機織りしないでもらいたい。いくら深夜だからって邪魔くさい。

 

だから俺は少しドアを開け、女の姿から元に戻った鶴を覗いた。

俺が覗いていた事に気付いた鶴は無言になった。

 

うん。鶴だな。

 

「そうだよ!!開けんなよ!!暗黙の了解だろ!?」

 

そう怒鳴り散らし飛んで帰って行った。

悪は去った。これでゆっくり寝れる。

 

そう思ってると、ヒサメとシディがこちらにやって来た。

今度は何だ。

 

どうやらシディが鶴の事で思い出したらしく、最近、バイト仲間の鳥の異宙人から聞いた噂話で、鳥の間でも婚活用のコミュニティーっと言う物があるらしく、これ見よがしに困ったふりをして助けてもらい、目ぼしい男と見定めて押しかける質の悪いメスの鶴がいるんだと。

 

つまり、先ほど居た奴がその鶴って事か。

 

鶴の恩返しじゃなくて鶴の恩仇返しされたって事か。

 

質の悪い当たり屋だな。

 

 

 

 

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