学校の登校中、何者かにキス魔にされてしまったヒサメ。人前だろうと授業中だろうと所かまわずキスを迫ってしまう。しかも本人は無意識でやってしまう。キス魔になる度に、ミキかノリコの頬、カゲチヨの手の甲にキスさせて戻すが、根本的な解決にはならなかった。
そして、カレコレ屋に帰ったカゲチヨとヒサメ。
ヒサメ「カゲ、迷惑かけてごめんね。」
カゲ「あぁ~気にするな。悪いのはお前じゃなくお前に会った存在の奴だ。しかし、このままだと流石にヤバイな。」
ヒサメ「うん・・・そう・・・だよ、ね・・・。」
急にヒサメが黙り込んで、カゲチヨにキスを迫ってきた。
カゲチヨ「またか・・・。」
カゲチヨは手の甲をヒサメの唇に近付けてキスさせた。
そのおかげでヒサメは戻ったが、学校に居た時より頻度が多くなった事の気付くカゲチヨ。
カゲチヨ「誰ともキスしてないと周期が早まるのかもしれないな。治るまではしばらくミキかノリコと一緒に行動して、定期的に頬にキスした方が良い。」
ヒサメ「確かにその方が安全かも。・・・その・・・。」
カゲチヨ「?」
ヒサメ「カゲは・・・私にはキスされたくないって事?」
カゲチヨ「何故そうなる。俺なんかとキスなんてしたくないだろ。普通に考えて。それに・・・」
カゲチヨはソファから立ち、ドアの方へ歩いて開けると、そこには盗み聞きしていたのであろうピンク髪の女が飛び出てきた。
カゲチヨ「覗きが居るのにする事でもねーしな。」
「の、覗きなんてそんな・・・・・・!!」
言い終わる前にカゲチヨの能力で女を拘束。
カゲチヨ「ヒサメがキス魔になった原因知ってるんだろ?」
「し、知らないし!!離しなさいよ!!この陰キャ!!」
罵倒をカゲチヨに浴びせた女。そこにミキとノリコがやって来た。ミキがヒサメに何かしたのか教えてと言ったら目を煌めきさせながら全部喋った。
なんでもこのピンク髪の女は、ヒサメにキス魔になる薬を飲ませたと白状。女はミキヒサ推しで、ギャルと清楚のカップリングに萌えると話す。
カゲチヨ「くっだらね。そんな事のためにヒサメやミキ達に迷惑掛けるとか呆れ通り越して頭痛してきた。」
「はぁ?一番ヒサメ先輩に迷惑なのはアンタなんだけど。」
カゲチヨ「黙れ自己中女。」
会話の途中でまたヒサメがミキの頬にキスをした。そんな場面に悶えるピンク髪の女。この時のためにキス魔になる薬を開発したと感動な涙を流して言い出す女。
「あぁ~心が浄化される~!」
カゲチヨ「そのまま浄化されて光になってしまえ。ってかその情熱をもっと別の所で発揮しろよ。」
「うるさい!っていうかアンタ邪魔なんですよ!ヒサメ先輩はミキ先輩の物なのに、アナタみたいな陰キャがヒサメ先輩にくっついてるなんて、バイオテロ同然です!!陰キャ赤メッシュ許すまじ!!」
カゲチヨ「バイオテロはお前だよ。カプ厨が。」
ノリコ「ミキとヒサメのファンであると同時に、カゲチヨの強烈なアンチっぽいな。」
カゲチヨ「ヒサメ。この女に治す方法質問してやれ。お前とミキならチョロインの如く何でも答えそうじゃん?」
ヒサメ「チョロインって・・・本当に答えてくれるかなぁ?あの、元に戻る方法教えて!」
「お姫様を目覚めさせるのは愛する人とのキスです!!」
本当に素直に答えたよ。ちょろい・・・・っと思ったヒサメ。だが元に戻す方法が愛する人とキスと聞いて赤面してしまう。
ヒサメ「愛する・・・人・・・。」
「そうです!!ヒサメ先輩が心から愛してる人とマウストゥーマウスでしか解けません!!」
ヒサメ「心から愛する人・・・。」
そんなの決まっている。本当はこんな事で自分の思いを伝えたくはなかったが、でもある意味チャンスだと思った。だからヒサメは勇気を振り絞ってカゲチヨの前に立つ。
ヒサメ「カゲ・・・私として。」
その言葉にミキとノリコや女だけでなくカゲチヨまで驚いた。
カゲチヨ「お前・・・正気か?自棄になってないか?」
ヒサメ「私は正気だよ。」
「うあぁぁぁぁ!!そんなの絶対ダメです!!ヒサメ先輩にはミキ先輩がいるんですよ!?」
ミキ「いや、私とヒーちゃんはただの友達だし。」
「そもそもこいつはヒサメ先輩に相応しくない!!救ってやるって思ってないんですよ!!ヒサメ先輩のこと思ってるふりして結局自分の事しか考えてない男ですよ!!」
女のカゲチヨに対する罵詈雑言を吐くとヒサメの氷能力が女の頬をかすめた。
ヒサメ「カゲの事何もしらないクセに、勝手な事言わないで。」
「ひ、ヒサメ先輩?」
ヒサメの怒気に、腰を抜かしてビクビク怯えてる女に更に言葉を発する。
ヒサメ「それに、自分の事しか考えてないのはあなたでしょ?」
「わ、私はヒサメ先輩のために・・・」
ノリコ「ミキとヒサがいいってのはアンタの押し付けでしょ?ヒサが一度でもそうだって言ったことあるの?」
「そ、それは・・・っ」
ミキ「とにかくアンタは黙ってて。せっかくヒーちゃんが勇気出したんだから邪魔しないで。」
ミキにそう言われ意気消沈した女。女が黙った所でヒサメはカゲチヨの方に向き、覚悟を決める。
ヒサメ「私が・・・私が愛してるのはカゲだよ。」
カゲチヨ「・・・・。」
ヒサメ「強くて、優しくて、いつも側に居てくれる。そんなカゲが好き。大好き。カゲは私の事を異性として見てないのは分かってる。・・・でも、せめて最初のキスはカゲとがいい・・・。」
不安げになりながらも勇気を出して思いを告げた。前世含めても初恋すらした事もない自分をこんなに思ってくれていたとは思わなかった。
カゲチヨ「・・・本当に俺なんかでいいのか?」
ヒサメ「カゲだからいいの。」
ヒサメの真剣な告白に、カゲチヨはその思いに答える。
カゲチヨ「分かった。その思い、しかと受け止めた。」
そして二人の唇が触れ合い、キスをした。
ヒサメ「んっ・・・。」
しばらくして、二人は唇を離した。ノリコは若干赤面。ミキはニヤつきながら二人を見ており。女は絶望した表情をして固まっていた。
カゲチヨ「どうだ?元に戻った感じはあるか?」
その質問にヒサメは少し黙って、何かを考えていた。
ヒサメ「アァ~。何カマダモヤツキガアルカモォ~。モウ一回キスシテミナイト分カラナイナァ~。」
カゲチヨ「何で棒読みなんだよ。」
ヒサメ「ダメ?」
カゲチヨ「お前の気が済むまで付き合うよ。」
ヒサメ「んっ・・・。」
本当は元に戻ってるが、ヒサメの願いにカゲチヨは答え、再度二人はキスをした。
ヒサメ「くちゅ・・・んんっ・・・くちゃ・・・れろぉ・・・。」
しかも今度はカゲチヨの口の中に舌を入れたディープキスである。
ミキ(ちょっとちょっとヒーちゃん!?それは流石にやりすぎじゃない!?)
ノリコ(まさかヒサがこんなに積極的になるとは思わなかった。)
しばらくして、唇を話した二人。お互いの舌から唾液の糸が垂れてお互い頬がほてっていた。
カゲチヨ「ディープって、お前なぁ。」
ヒサメ「ごめん。どうしてもしたくなった。」
ノリコ「えっと、私たちはお邪魔みたいだし帰るよ。」
ミキ「じゃあ後はお二人だけで楽しんでね!」
そう言いミキとノリコは二人に気を使って魂が抜けたであろう女を連れて出て行った。
二人だけの空間となった部屋で気まずい雰囲気の中、カゲチヨが先に口を開いた。
カゲチヨ「その・・・なんだ。俺は恋とか生まれてこの方したことねぇ。だからヒサメのこと異性として好きなのか分からねぇ。」
ヒサメ「うん。」
カゲチヨ「でも、お前とは一緒に居たいと思っている。責任も取るつもりだ。お前は、本当に俺で後悔しないか?」
ヒサメ「しないよ。だって、ずっと前からカゲの事好きだから。」
カゲチヨ「そっか・・・。俺もお前が好きだ。」
ヒサメ「それってどっちの意味?」
カゲチヨ「・・・すまん。分からない。」
ヒサメ「ふふっ。」
カゲチヨも覚悟を決めて、ヒサメと恋仲関係になることを決めた。まさか自分に恋人ができるとは思わなかったと心の中で思う。過去の自分にこんなこと言ってもそんな馬鹿なっと返事したであろう。そう思う程、恋とは無縁の人生を送ってきたのだ。
カゲチヨ「ヒサメ。これからもよろしくな。」
ヒサメ「うん。これからもよろしくね。」
目の前に居る存在を大切にしようとカゲチヨは心に誓った。