東方夢幻界鄕 ~有り得たもう一つの可能性の物語~ 作:龍姫★サキ
幻想郷が今に至るまでにさとり達は、なにも変わらずに暮らしていった場合を描いた物語となります。
本編とは全く違うシナリオになる可能性が高いので、其処は踏まえてみてほしいです。
因みに今の進行ペースだと確実に遅くなるので、同時進行として書きたいと思います。
《異変開幕序幕編》【魔獄挟界異変】侵されし秘匿された幻想の地
幻想鄕が作られてから既に10年が経とうとしていた。
…10年前、突然と外部と幻想郷となる土地に特殊な結界が施されて隔離される。
…『幻想郷』という名前の『忘れられたモノが集まる楽園』がその時に生まれたのだ。
外部の世界からここの土地には侵入出来ず干渉も出来ない。
隔離されたこの土地は次第に忘れられ『幻想』というモノになっていったのだ…。
…また、当時騒がれていた『突然と外部と遮断された事態』によるデモはもう既に収まり、それすらも忘れられていった……。
…そして、唐突に紫がさとりの元へと赤ちゃんを携えてやってくる。
紫が言うには『誰の子でも無く、この幻想郷に親もなく謎に生まれてきた子供を子守りして欲しい』と一方的に頼まれ、仕方無くさとりは面倒を見る事になる。
子守りをしてから5年が経った頃にある人物がさとりの元へと訪れる。
その名前は冴月麟(さつきりん)と言う少女であった。
因みにさとりが育てていた娘は物心が付き、その名前は前世の知識から取って博麗霊夢とつけた。
彼女は霊夢とさとり、後に魔界の管理を任されている幻月とエリスとも親しくなる。
…なお、この時のさとりは子守りをやっているも同時に怨霊や忌み嫌われた妖怪達の主兼管理を行っている人物でもある為、冴月麟と親しくなったのは一緒に仕事を手伝ってからである。
ある程度親しくなってから麟からある提案を持ち出される。
『地上で神社の仕事をやってくれないか?』と。
さとりは快く了承するも霊夢は未だ幼く中々離れようとしなかった。その為、さとりからたまに会いに行くという約束をして漸く離れて暮らすようになった。
良くくる冴月麟から神社での霊夢の様子を教えてくれるのが彼女の日課になりつつあったのだ。
冴月麟からある時自分について語り始める。
自分の血筋は人と神獣《麒麟》のハーフだと言われる。その血筋と能力で様々な妖怪を退治して来たという。麟は霊夢の素質が自分と似ている事から神社の主として相応しいと判断して引き取ったと。
そして、ゆくゆくは自分と同じ巫女として一緒に暮らしたいと。
そう明かされる真実にさとりは動揺もせずただ一つ、『……判りました。貴女にお任せします』と。
その後の事はさとりは知らず4年が経つ。
噂の伝で『新しい巫女』が生まれたとか…
『桃衣の看護婦が住んでいた神社に紅白の巫女らしい巫女が生まれた』とか…
挙げ句…
『桃衣の看護婦は見た目通りに優しく可愛いが仕事が超極端で扱い辛い。対して巫女の方は優しい見た目に反して荒っぽい性格の持ち主で難しい事は良く理解せず困ったら力でごり押す野蛮、しかし仕事は何故か完璧にこなす超ベテラン』
と明らかに噂に噂が重なったせいで本人に対する遠回りな悪口をかかれている始末である。
その噂が立って少し経ったある日に来客として巫女達が地底へとやってくる。
私は久しぶりに顔を見せた麟と一緒に訪れた霊夢の顔を見て安心して迎え入れた。
私の前世の記憶にあった『あの霊夢』とそっくりそのままな性格が一つ。
…ただ不安なのは私という存在がいた事だ。
本来霊夢には親などいない歴史が正しい。
そう、この世界が辿る筈の『本来の歴史』には居ない最後まで育てた母親と居たという事。
血筋や種族が違えど義母として目の前にいるという事だけである。
その歴史が辿る運命も私の勘が囁いている。此処から先の未来は必ず何処かで歪みあり得ない事象や現象も起こってしまうだろうと。
久しぶりの再開の後の一年間、さとりは地霊殿での管理をして、霊夢と麟は互いに会えぬ事情が重なり共に生活をして過ごすのだった。
そして、ある日久しぶりに博麗神社へと遊びにいくさとりたったが……
同刻…博麗神社内では……
「成る程。魔界の情勢は判りました。ありがとうございます。エリスさん」
短髪金色の髪を持ち、薄いピンク色の看護婦の服を着ている。
手には風切りの炫と音を出す三味線を持っている。
ちゃぶ台前の座布団に座ってエリスを垣間見る。
そしてエリスに向けて確認を取った。
「ううん。良いの。たまたま此処による前に魔界が騒がしかくてちょっとよったら襲われそうになるんだもん。幻月様が助けてくれなきゃどうなっていたか…」
髪色は濃い黄色、長髪であり左頬には赤色の星型のペイントをしてある。右手には星型のステッキを持っている。
エリスは、幻月と呼ばれる白い翼を持っている娘に僥倖の視線を向ける。
「…嘘でしょ?…今まで貴女の事を何度見てるから判るよ。あの数相手するの面倒だから弱々しい振りをして私に抱き付こうしてたじゃない」
髪色は薄い金色で長髪。頭の側面には赤色で大きなリボンが結われている。背中には悪魔とも呼べない天使の様な白い翼がある。
エリスに向けて呆れの視線を向けながら溜め息混じりで反論する。
「…あの様子じゃ慈愛の魔界神の神綺さんも『多分、この進行はあの子の意思だし…私から手を出したくないの……ごめんね?』って言っていたし…」
幻月からの反論を無視してエリスは金色の髪を持つ娘についでで話す。
「無視ですか…そうですね~」
幻月とエリスが織り成す見ていて疲れるコントに痺れを切らした赤色と白色の巫女服を来た女の子が幻月に確認を取った。
「二人の茶番コントはさておいて、幻月が言うには地獄もそうだったんでしょ??」
「えぇ。まぁね。私は地獄を少し見てきたけど…さとりに感付かれないように密かに仲間を集めていたから…反乱が起こるのも時間の問題でしょうね。」
「母さんが気付かないとか…本当にどうかしているわね…」
「うぅーん。これは早めに対処しなければ……最悪、幻想郷が地獄と魔界の戦争場所に勃発しちゃうかもしれませんね……」
と二人は溜め息をはいた。
その時……。
「……この気配。」
幻月がなにかを感じた。
それを筆頭に博麗神社にいた者全員が感じる。
「…。この気配、あぁ。本当に運命を感じちゃいますね…」
「母さん…。今来た感じね。遅いわよ…全く」
「…おや?皆さんお揃いで…何をしてたんですか?」
マイペースな足取りで博麗神社へとやって来たのは、さとりだった。
ピンク色の髪を持ち胸元には大きなサードアイもとい大きな一つ眼を血管に繋がれて持っている。
心を読む為にこのサードアイは必要不可欠でありこのお陰で地霊殿の主を勤められている理由になっているのだ。
「いやね。其方にいる。巫女二人に捕まりまして…それから此処等で何か異変がないか問われたので…」
「……成る程。霊夢に麟…地獄と魔界で偶然とも呼べない同時の幻想郷進行の企みありですか…何で私を呼ばなかったのですか?」
さとりの問いに金色の髪を持った冴月麟が答える。
「それは…その。偶々此処を通った二人がいたのもですから丁度良かっただけ何です。これが一区切り着いたらさとりさんの元へ相談する気だったんですよ」
さとりのサードアイが光る。
「…どうやら嘘ではなく本心からの言葉のようですね。…判りました。ひとまずはその件については保留とします」
麟は胸を撫で下ろす。
其処へ霊夢がさとりに口を開く
「…こほん。母さん。それはさておいてね。時間が差し迫っているの。私の心を読めば判ると思うけどね?」
……そうてすね。霊夢の心を覗き見ましたが…顔では解らない位に緊張して焦っているみたいね。
「…そうですね。それじゃ、今の私達の現状把握の共有とこれからどうするのかの方針を決めましょうか。」
そう私が決断すると皆は当然のようにちゃぶ台を中心にして座布団に綺麗に座る。
私が最後に座ると冴月麟が状況共有の為に此処までの経緯と現状を丁寧に話し出した。
「…少し長くなりますが構いませんよね?」
麟は皆に確認を取った。
私を含む皆は縦に頷いた。
麟は確認をとれたと見て続きを話す。
「まず、エリスさんから聞いた状況を私なりに纏めます。…魔界で生死を任されている《サリエル》という天使が反逆の志が見てとれるらしく、その証拠に確実に力と部下を集めている傾向にある。けどその大部分の魔界を神綺と呼ばれる創造神は知っている。でも、慈悲深く更には神綺の右腕なる存在を傷付けたくない様で手が出せなくて困っている。…そんな感じかな」
麟は続けて口を開き続ける。
「続いてだよ。今度は地獄について。地獄の情報は幻月からの提供ね。…冥剣士と言う二つ名を持つ神霊の《コンガラ》が魔界と同じく着々と幻想郷への侵攻の為だけに手慣れの部下達を次々と今も尚集めていると言う事らしいんです。」
麟は、結論を纏めて話すべく少し間をおいて口を開いた。
「この事から察するにこの二つの勢力は幻想郷に侵攻しどちらが早く幻想郷に着いて侵攻を始められるかを競いあっていると捉えた方が早いかと。そして…最悪、二勢力が同時についてしまった場合は、手柄を独り占めするべく、この幻想郷にて戦禍の争い如く、大規模な争いが勃発する可能性もなきにしもあらずの状況です」
「ねぇ、質問良いかしら?」
霊夢が食いついた。
「良いよ。」
「さっき言った二つの勢力何だけど…要はどっちもぶっ潰せば良いだけなんじゃないの?そんなに思い詰めなくても私達の力で押し込めば…」
麟は溜め息をついた後、霊夢の質問に答えるのだった。
「確かに。私達の実力があれば皆で両方共に行けば余裕でしょう。ですけど、問題はそこじゃないの。」
「……あぁ。考えれば解ることよね。確かに力でゴリ押しても良いけど結果的に間に合わなくなるかもしれないしね」
霊夢は麟が説明するよりも前に勘で察して気付く。それについていけないエリスが思わず口を開いた。
「???……えっと?…つまりどういうこと?霊夢ちゃんだけ判っても私達が解らないと意味ないよぉ…」
麟は苦笑いしてからその質問に答えた。
「…ハハハ。霊夢の勘は凄まじくて返す言葉がいらないと思いましたが、確かに皆には説明しませんと…」
「大体、さとりさんは能力で心を覗いていますから割と理解が早いですし……」
まぁ、そうですよね。私の能力で既に解っていましたが…。
「幻月さんの方は天性の勘って奴があって殆んど霊夢にそっくりな性質ではありましたが…」
「いや~♪それほどでもぉ~♪」
「なんか、ムカツク……!!」
霊夢は何故か不機嫌になってしまったようだ…判る気もするが…
「エリスさんにはそんなものありませんでしたね。…では口頭で説明しますよ」
「さっき霊夢は『皆の力で力でゴリ押せば良い』と言っていたけど…実はこれは愚作なんだよ。どうしてか判るかな?」
麟はエリスに問いかけた。
「え?え~と……その、敵は魔界と地獄にいてそれぞれ敵対しているから?」
エリスが答えると、麟は首を少し縦に振った後更に説明を続けた。
「いい線言っているよ。エリス。…大体エリスが言った通り。今回の敵は二勢力。要は両方が此方の敵でありまたそれは相手側も同じ。よって、片側だけ倒すなら苦もないけどそれをやってしまうともう片方が勢い付いてしまって幻想郷侵攻が早まってしまうから駄目なんだよね」
麟は言い切ると霊夢が付け足す。
「だったら、戦力分散は危険だけど承知の上。これからどちらに行くのかをささっと決めましょう。因みに私は地獄へ行くから。母さんもそれで構わないわね?」
霊夢が此方も巻き込む
「えぇ。私は地霊殿の主。地獄に最も近い場所の管轄です。行きましょう。」
「では、私は魔界の担当ですね。」
「それなら私も行くね?魔界なら私にお任せってね♪」
エリスのせいで怠惰な幻月も行く羽目になってしまったようだ……。
「はぁ、エリスが行くなら私も行かなきゃじゃん。良いけど。地獄にはさとりと霊夢の最強コンビが行くんだし此方も私と麟の最強コンビが揃ったんだから敵無しでしょ!ね?」
半分自棄糞じゃん。
心を除く限りでは、『ほんとなんでエリスはこういう風に私の気持ちを読み取れないかなぁ…はぁ、めんど…』らしい。
でも口に出してまで言うと後で私に対して当たりがキツくなるので言わないのだけど。
「…では、準備が整ったら行きましょう。お互い無事異変を解決してここ博麗神社で宴と行きましょう!!」
冴月麟が皆に号令をかけて確認を取った後、霊夢と私は地獄を目指し、エリス及び幻月と麟は魔界の扉を開いた後、両者健闘を祈ってそれぞれの戦いの場所へ足を踏み入れるのだった……
これが最初の異変解決である。
しかしこれが後に様々な異変のトリガーを引く事になっているとはこの時誰もが知らなかった……。
【冥剣怨呪異変】&【魔天廻郷異変】に続く……
因みにこの話は東方霊異伝という東方初期の作品を参考にしております。
また、話は本編の筋とはかなり違うので注意
アレンジとしてオリジナルキャラも追加予定なのでそうご期待。