東方夢幻界鄕 ~有り得たもう一つの可能性の物語~ 作:龍姫★サキ
さとり達よりも過酷になる予感が…!?
私達はさとりと霊夢と別れた後、エリスという悪魔に連れられて魔界へと足を踏み入れるとのだった。
此処までの経緯を説明しますよ。
まず、此処までに来るに辺り魔界と地獄で幻想郷に侵攻する可能性が高い傾向に至る事が発覚しました。
それ故に確実な証拠としてエリスさんと幻月さんに助け船をもらいそれで漸く決心が付いた所です。
この異変の前兆を前に片を着けてしまおうと言う事でこの私、冴月麟とさとりの旧友の悪魔の幻月さんと魔界の現地悪魔のエリスさんと共に異変の元凶へと向かう事になった訳なんです。
魔界で起きた異変の元凶は、魔界で唯一の生物の死を管理し、輪廻転生まで管轄にしている優秀過ぎる魔天使らしい。
そもそも魔界と言う場所は魔界神という現在進行形で幻想郷の世界の裏、異世界とも呼べる世界を創っているとされる。別名【創造神】と呼ばれる存在だとか。その世界の住人、魔界人と呼ばれる種族にエリスも幻月も入っており、正しくそういう存在から成された魔界での生まれの母とも呼ばれる人物らしい。一応、魔天使であるサリエルもその一人だとか。
【死天使】…英訳で【エンジェルオブデス】と言う二つ名までついている程強力で創造神の右腕でもあるらしいのです。
一体何故このような暴挙に乗ったのかは、本人に直接訊かないと分かりませんけど…概ね誰かから唆されたのでしょう。
それも私達に対する何かしらのこじつけや因縁等をつけて、更には嘘とか真とか関係無しに有ること無いこと全部吹き込んで此方に敵対するように仕組んだんでしょう。
「エリスさん?目的地はまだでしょうか?」
「うん。……でも、その前に、サリエルに勝てなかったら元も子も無いよね?…良かったら…私の小手調べに付き合ってくれない??」
「……貴女。もしかしなくても、此処で始める気??」
「うん。そうしないといけない気がしたから。……ゴメン。」
エリスさんは立ち止まり、此方に向けて星形の弾幕を飛ばし始める!
「ちょっと!?」
「…仕方無いなぁ…麟!この状況、貴女はどうする??」
幻月は判る事をワザワザ訊いてくる。
「……決まっているでしょ!エリスを撃破して腕鳴らしにさせて貰うよ!」
「その言葉、待ってました!!」
幻月は私の言葉を受けてエリスに戦闘体制を取る。
私も言わずながら戦闘体制に入った。
「良いよ良いよ。たのしいよね~♪じゃ、最初の弾幕戦!はっじめるよぉお~♪」
エリスさんは、突然と魔力を貯め始める。
「えっと!?これは!??」
その言葉に幻月はえっ!?と驚きの言葉が飛び出る。
「えっ!??なんで、知らないのっ!!これはスペルカードの発動の合図なの!」
「そもそも、スペルカードって何?」
幻月は私がわからない事に絶句し、暫く思考停止していたが、少ししてから大きな溜め息をはく。
「………。…そう言えば、霊夢以外にスペルカードのイロハを教えていなかったな…。今更だけど…後悔と懺悔しかないわ…」
エリスは此方に注目がない事に少しイラついて、少々多きめにスペルカード発動の合図を送った。
「…もぅ!!なんで私に注目しないのぉっ!もう良いよ!取って置きので異変解決すら出来なくしちゃうんだからぁ!!」
「星は見る度にその姿を変え変貌する。…まるで幻か現か判らぬ朧気の様な雲の様に…。決して捉えぬ恐怖と気配に呑まれ堕ちてしまえっ!星符『スターフューリー』!!」
突然と星の形に形成された形の弾幕が辺り一帯に落ちまくる。
「…これは…。」
目に見えて判る。いきなりエリスの魔力が膨張した。その直後に此方に無際限無く流星を模したかの様な攻撃が降り注ぎ続ける。
「これがスペルカードなの。長い口上文だったけどちゃんと、意味あったでしょ??」
その問いに、攻撃をかわしながら私は頷き答える。
「そうね。ゴメン。…今更だけどちゃんと教えてくれるかしら?…そのスペルカードについて。」
幻月はその私の謝罪に少し唸り、その後に溜め息混じりでこう答える。
「仕形がない。良いよ。ちゃんとメモを取ってよね?」
猛攻撃の最中だが構ってられない。エリスの攻撃を黙々とかわし続けながら幻月の声に耳を傾けた。
一方幻月は誰に向かって言っているか解らないが、スペルカードについて詳しく述べ始める。
「まず、スペルカードについてね。略せば【スペル】と読んでいるよ。スペルカードって言うのは自分自身表した写し身と呼べるモノであって、そのカードには魔力が込められていてそれを常に自分の手持ちに入れて使っている感じだよ。因みにカードやその名前は使用者本人の自由だよ。好きな名前をつけて良いよ!でも、読みづらい感じの名前を着けたカードを使用するのは躊躇われるでしょ?だから大抵は弾幕の形に沿った名前にする事が殆んどなんだよね。…簡潔にすれば自分の魔力を込めたカードを使って競い戦う遊びがスペルカードルール、次に説明する命名決闘法に使うリアルカードゲームみたいなモノなんだよ。」
「じゃあ次は【命名決闘法】についてだよ。別名で【スペルカードルール】って言うんだけどね?でも、正式には命名決闘法だからこの名前で解説していくね。このルールは至って簡単。【相手をスペルカードや名前のついた弾幕で撃破し続けてスペルも弾幕も撃てない位にボコボコに出来れば此方の勝ち】だよ」
「…でも、命名決闘法にもちゃんとしたルールがあるんだよ。まず、スペルカードを使用するに当たって絶対守らないといけない事は『攻撃する弾幕には必ず逃げ道を作らなければいけない』事だね。だってそうしないと遊びにならないしただの虐待ゲームになっちゃうしね?」
「…んで次に『かわせない弾幕は反則で強制的に負け』になってしまう事。これはさっき言った事の続きで【遊びにはならないし、もし回避すら出来ない弾幕でも撃てば、その時点で強制的に勝ってしまう一方的なゲーム】なんて相手は望まないし詰まんないでしょ??だから其処へ皆が平等に弾幕ゲームを楽しめる様にしたのがこのルールな訳ね」
「…そうそう。弾幕ごっこともいうこの遊びにもうひとつ勝負を決する為の基準点があって…『スペルカードに書かれている弾幕に攻撃する以外にも両者の美しさも競っている』らしいよ。簡単にすれば採点もきちんとあってもしも粗っぽい弾幕だけで相手をボコボコにしても美がないと判定されれば【幻想郷を創った賢者達から説教】だけでは済まされず、【以降の勝負に漸くの謹慎処分】が下されたり、【回りの人から嫌われたり】と割と不遇な処遇を受けることになりかねないのでホント弾幕ごっこする時は絶対禁止ね?」
「大事な事を忘れる所だった。これは基本の基の字に入るんだけど、『スペルカードを発動している相手を無理に弾幕で撃破』しなくても良いんだよ。……だってこれは弾幕ごっこ。避けるのが本望な遊びな訳なんだよ。…簡単にすれば『ただ弾幕から逃げ切るだけで勝てちゃう遊び』なんだよね」
「…まぁ、其処に付随してだけど、ほぼ全てに【魔力使用限界時間】とかいう…うーん。解りやすく例えて【強化可能時間】って言うのかな?…もし、これを越えると強化が解除されて相手には逃げ切れたという判定が下されて得点が少々入る感じかな」
「…まぁ、撃破すれば、逃げ切るよりも得点がかなり高くて撃破する時間が早ければ早いほど得点がかなり入る感じだよ。」
「最後に簡単に纏めるよ。スペルカード発動時は逃げるか相手を撃破する。最終的に相手に攻撃の意思すら無くなる程ボコせば此方の勝ち…。で、相手のスペルや弾幕に耐えきれず倒されちゃったら此方の負け。…とまぁ、こんな感じかな。ちゃんと覚えてよ?」
幻月の説明で大体は理解できた。
要はスペルカード中は相手は際限なく弾幕を撃ち出すから、容赦なく此方が攻撃を仕掛けてまくり、強制的に相手をダウンさせてしまって中断させるか、そのスペルカード一つを発動し続ける為の魔力を使いきるまで逃げ切れば此方に白星がつくわけね。
面白いじゃない…弾幕ごっこって。
エリスは此方の攻撃が中々当たらず、疲れ始める…。
「うぅ…このままだとぉ……」
其処へ幻月が隙を突く。
「エリス。これじゃ、まだまだよ?これだけで音を上げるようじゃ一生私に追い付けない悪魔止まりよ?」
「へ?…ぁ、げ、幻月様ぁ……」
エリスは涙目で幻月を見るもそれお構い無しに幻月はスペルカードを使用する。
「ごめんね?エリス。でも貴女のお陰で大分身体が暖まったわ。ありがと。感謝を込めて貴女に恥じない様に私の一撃で弾幕ごっこに幕を下ろして上げるわ!」
「えぇ~!??そ、そんなご褒美…じゃなかったぁ…そんな理不尽なぁ……」
エリスの性癖が垣間見た瞬間だった。
……こんなんだから幻月さんはあんなに呆れちゃう訳。納得したわ。
幻月はいつもと変わらないエリスを見て軽い笑いをこぼし、そしてスペルを詠唱する。
「奔流する魔力の流れ…今一度収束し…穿ち抜け!!…魔符『サイドスパーク』!!」
幻月の右手を魔力が集まり、それが至近距離にいるエリスに向けて穿たれる。
エリスは避ける間もなく…
「……きゃぁぁぁっ!??」
エリスは撃墜され真っ逆さまに落ちてゆく……も幻月がそれを瞬時に真下へ移動し抱き抱える。
「……うぅ。参りました。幻月様ぁ…。手加減は余りしてなかったはずですがぁ……これでは私がまだまだ未熟だという事だけ思い知りましたぁ…。誠にすみません…」
エリスは少し弱々しくも何時も通りの話し方で幻月に語りかけた。
「良いよ。私も久しぶりに弾幕を交えて戦って嬉しかったよ。貴女の気持ち伝わった。ありがと」
「えへへ。どういたしまして…」
良い雰囲気だが、今は異変の最中だということを忘れてはならない。
幻月は、此方にゆっくりと近寄ると忘れていた事を一つ言ってくれる。
「一つ。忘れていた弾幕ごっこにおける重要事項があったんだったよ。それは、エリスと弾幕ごっこした際に多分感じられたかと思うけどさ…【皆はその撃ち出す弾幕に一つ一つにそれぞれ自分の想いが乗せられて攻撃をしている】んだよ」
「…簡潔に言えば良くある【拳と拳で語り合う友情】みたいなモノだと思った方が分かりやすいかな?【皆が撃つ弾幕に嘘は付けない】。弾幕そのモノを肌身で感じれば、相手が【どんな想いで弾幕を撃っている】かが解る訳なのさ。だからね、スペルカードにもその時々の想いが乗せられて発動しているというのも捉えながら弾幕ごっこをするもの熟練者には必要なポイントなんだよ」
それは弾幕ごっこをする上には絶対に必要な事柄であった。
私は一つ気になった点を挙げる。
「ねぇ、さっき本音で弾幕を撃つとか言っていたけど…エリスは何を思って弾幕を撃っていた感じ?」
幻月はエリスを見て、エリスは静かに首を縦に振った。そのあとゆっくりと質問に答えた。
「う~ん。そう…。あえていうならば…『成長した私を見てほしい!』『…私の大好きな幻月様にいっぱい誉めてもらいたい!』『…皆がこの先苦戦しないように弾幕ごっこを今して実力を確かめたいなぁ…』『…私も頑張るから皆も負けないで欲しい』……そんな感じに思っていたようね」
「私として本心から嬉しいけど…そんな風に誉めると大変な事になっちゃうから誉められなかっただけなんだけど…ね?」
幻月は苦笑いでエリスと私に語る。
弾幕ごっこて遊びだけどそんな言葉も気にしないといけないのか…
幻月は暫くエリスの魔力と傷が回復するまで、その場で宙に浮かんだまま飛び続けるのだった。
暫く時間が経ち…
(精密にはそんなに時間は掛かっていないが……)
「エリス?大丈夫?もう放しても良いかな??」
幻月がそう訊くとエリスは、少々不服そうな顔になっても溜め息混じりこう答えた。
「…。本当はもっと幻月様の匂いとか甘えたいですけど、異変の解決が先なのでその気持ちはぐっと我慢しますぅ……。…よいしょ…っと。」
エリスは掛け声でエリスの翼が動き始め幻月と同じく翼を羽ばたかせて浮かぶことに成功する。
「さて、少しだけ時間をかけちゃいましたが、そろそろ元凶の元へ向かわないと…」
「そうだね。エリス。途中までの道案内を頼んだからね?」
「リョーカイ。じゃ、此方だよ。ついてきて!!」
エリスの後を追う様に私達も空を飛びついていく…
暫く飛んでいくと…急に周りの空気がガラリと変わる。
息もままならなく無くほどの威圧感が辺りを静かにする。
……そして、その威圧感の存在が漸く姿を表した。
「……。私の威圧だけで逃げ帰るかの様に去ってくれるかと思いましたが…期待外れの様です。どうやらそれに見合うだけの実力者が幻想郷から此方に派遣された様ですが…」
神々しい雰囲気を纏うは元凶その人物のサリエル本人だった。
髪はストレートロングで色は青白い。
翼の色は白で如何にも天使と呼ばれる位の威厳も兼ね備えている。
翼の数は合計六つで手には白銀に色塗られた杖が握られていた。
「何用ですか?こんな場所までぞろぞろと。私は忙しいのです。部外者や来客に構ってやる時間は元よりありません。さっさと用件を話す事です」
サリエルの口が開く、頭に直接響く様に直接エコーがかかった様な声で威圧するように問われる。
「…用件は一つ。貴女は幻想郷に侵攻するつもりのようですが……それは本望ですか?」
私がそう問うとサリエルは、眼の色を変える。
先程とは比べ物にならないほどの威圧がこちらを襲う。それは重力で今にも下へと叩き落とされかねんというばかりの圧力だよ。
…常人なら起き上がってこられない程。頭の上から強く下へと押し付ける様な感じ…それほどに凄い圧迫感と言えば解りやすいかな?
「…ほう?威勢が良いな。…では、その威勢の良さに一つ答えてやる。…これは私の本望よ。誰に唆された等、それ一切無し。…これより私を筆頭に魔界軍は幻想郷侵攻を開始する…その予定だ。…これを何人たりとも邪魔する事は許さぬ。…それがもし阻止する輩がいたとしてもだ。…絶対に計画だけは覆させぬ」
サリエルは肯定する。
同時に幻想郷へ宣戦布告したことにもなる。
「そうですか。そうなれば私達はあなたと戦う事になりますが…良いんですか?」
「…構わぬ。お前達等私自らの手で葬ってくれる。……久々に楽しめそうな奴が来てくれたのを、私自ら感謝をしよう。…フフフッ!…さぁ、幻想世界からきた愚か者達よ…っ!私をおおいに楽しませて見せよっ!!」
威圧が収まり相手は臨戦体制に入る。
幻月、エリス、私は今、幻想郷の危機から救う為、魔天使との決着を着ける為、最初の黒幕との戦いに挑むのであった……!!
続く……!