東方夢幻界鄕 ~有り得たもう一つの可能性の物語~   作:龍姫★サキ

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【魔天廻鄕異変】廻る生と廃す死を…その2(冴月麟&幻月編)

【鏡の権限者】と【理の管理者】の悪夢と救済

 

 

「…はぁ。愛し生ける者達は死を望まず永久に生き続ける。死に絶える事無い生き地獄の中、痛みという呪いで永遠に苦しみ狂い続けよ…。生符『ライフオブゲーム』」

突然、開幕スペルを発動し同時に空間が歪む。

サリエルは、歪んだ途端に消える。

刹那、同時に私達の身体をなにかが蝕む。

「…っ!?ぅう。……げん、げつぅ……!!なにかが…ワタ、しにぃ……。」

エリスは、声を出して悶え、苦しんでいた…。

「…くっ。…私の、強さは誰にも劣らない、じ、シンが有ル、けどぉ…精神汚染ダけ、は……」

幻月も耐性がある訳も無く…徐々に狂っている可能性が出てきた…。

「……ぐぅ…みんなぁ……頑張って…耐えよぉ……そうすれば…」

……現状、私の方にも精神汚染が…始まっている。

…この力は、魔界における魔力とさとりからの知識で聞いてはいた狂気を操る力。

 

何処からか仕入れたか知らないそれをスペルというモノに組み込み、この歪んだ空間にいるだけで精神が破壊されてしまうというスペルを発動したのだ。

 

うぐぅ……。皆は……!!

 

 

暫く経った。

この私、冴月麟は幻月とエリスを見る。

だいぶ、この空間に敷かれている狂気に慣れて来たので、味方の様子を垣間見れた。

 

至って普通だ。

…私と同じ様にゆっくりと立ち上がり周りを見た。

ふと私を捉え視認した。

此方の状態を確認するかの様に此方に歩み寄る

 

 

……と思うも束の間。

 

 

…瞬間、此方に向けて極太のレーザー光線が放たれる…。

「…っ!?……誰が…」

幻月が苦しんでいた方面を見る……暇もなく…其処から間髪入れずに、緑の髪の女の娘が此方へ瞬時に移動し、いつの間にか後ろへと回り込んでからのナイフを此方の背中へと突き立てた。

……が、それを間一髪で避けた。

そこで目にしたのは…

 

「こいし?」

 

緑の髪で短髪。

帽子をかぶり、閉じたサードアイをフワフワと左側の宙に浮かせながら、クスクスと笑う。

 

「ん~♪違うよぉ~??私はこいしであって違う。……何でかなぁ~♪」

 

そう私に語りかける直後、まるで連携しているかの如く突然と幻月が後ろへと回り込み…

 

「…隙有り!ぶっ飛べッ!!!」

 

……バゴーーンッ!!!

 

「…ゴハァッ!!???」

 

 

私のお腹に思い切り幻月の拳が入れ込まれる。

その瞬間、お腹から嫌な音が二回三回鳴り響く。

突然の事で対応出来ず、大きくぶっ飛ばされる。

「……うくっ。かはっ。」

…血を吐いてしまった。

 

…うーん。これはお腹の骨位軽く二本三本折っちゃたかなぁ……ほんと、痛いなぁ…。…とはいえ……。

幻月とエリスじゃなく……今の名をこいし。

それも今のエリスは能力で通常のこいしより強化されている。

幻月とエリスの眼を見て悟った。

生気がない。要は狂ってしまったのだ。

狂気に呑まれ、私と言う存在を認識しなくなった訳で。

こいしことエリスは既に狂気に心まで染まっているようで…と私は一番そう思ったが…

「……痛い?痛いかなぁ??お姉ちゃん??でも、止めないよ?だってそれが救いなんダからぁ!」

と一応こいしことエリスは私の想像通りの狂気に染まっているようで私に向けてそんな普段は言わないはずの暴言を一方的に言い放つ。

一方、幻月の方を見ると…

「………。」

あれ以降、何も話さない。

…が、幻月はなにかと苦しそうに感じた。

…表情一つ変えない。が私の勘が訴える。

『助けて…っ!!逃げてっ!!…私に、殺される前にっ!』

……だけど、私の今の実力ではそんな事したくとも出来ない。逃げたくとも出来ない。なぜなら怪我しているから。

と言うよりも、負傷しているのだ。自分の実力を十分に発揮出来ない訳だし…二対一だ。一斉にかかられたら、私は何もかも終わってしまう。

……。

死にたくない。私はまだ…。

そう思うも相手は待ってくれない。

「……覚悟ハぁ…出来たカなぁ??」

「……うぐぅあァうゥッ!!」

こいしと幻月が凸ってくる。

「………っ!!」

私は眼を閉じる。

…食らう。死ぬ。 

そう、私の終わりの時を待った。

 

 

………。

………………。

………………………。

 

 

一向に私に痛みが襲ってこない。

先程の状況からみてほんの数秒だった筈なのに。

…恐る恐る眼を開けてみる。

其処で見たのは思いもよらない助っ人だった。

 

 

 

「………全く。見ていられないねぇ??私が此処にいなかったと思うとゾッとするよ?…さぁ!!……控えなっ!!」

その突然と現れた女性は猛々しくスペル詠唱を始める。

「黒々しき歴史。厭わぬ犠牲。死する生命。その全てに耳を傾けて見るがよい!!」

女性は放り投げた杖を右手にタイミング良く収まる。

…バシッ!!

そして…

「アカシックレコード…アンロック……。…さぁ、地獄の底にいる奴等の声でも聴いてでも後悔でもしてなっ!!……禁断『アカシックカタストロフィ』!!!」

 

 

そう言う女性は黒いオーラをまとい始める。

そして、一言。

「さぁて、あの巫女の意思返しでもしてやろうかねぇ??」

 

 

 

 

 

 

幻月視点.

 

 

私は、正直焦っている。

何故なら、そう。

「……。(身体が…自由に動かせないっ!??)」

私の身体が狂気に呑まれてしまうも私の意識は保っていた。

そしていざ動こうとしてみると動かせず、そして…

 

「…隙有り!!ぶっ飛べぇっ!!!」

 

更には意識はあるのに身体は勝手に味方に攻撃を……麟を傷つけてしまっていた。

…この手応えと音は…ああぁ…。

本当に…麟の肋骨を三本折っちゃったよ…。どうしよ…私の身体………。

うぐぅ…所謂第三者視点で見ている状況な様な物だ。

……どうにかしようと足に力を…意味がない。

手を握る…事が感じられず動かせない。

…あぁっ!?…既に私の手に今の麟には致死量の魔力が込められている。

あぁっ!殺したくない!!やめて!やめてやめて!!

 

なのに、止められないぃ…!??殺したくないっ!!

嫌だ!イヤだ嫌々いヤイヤイやっ!!嫌々ぁっ!!

 

身体が動かせず、感情も表に出せない。

 

『お願い麟…助けて!私から逃げて!!…死なないで!!!私に殺される前にぃっ!!』

 

身体も口も思い通りに動かせず、着々と麟の前に近寄る……。

「うぐぅあァうゥッ!!」

 

獣のようなうめき声を発する私。

これで止めだ!そう言わんとする。

 

そう切実な願いも通じず私の手は麟の元へと振り下ろさんとしていた…。

 

………その時。

 

『…おい。…あんた。…聞こえているのか?』

……誰?

聞き覚えがない声が頭に響く。

『…聞き覚えがないねぇ?…ふん。まぁ一言。霊夢や悟りとは一応面識があると言えるな』

『さとりや、霊夢と?』

『クククッ!あぁ、そうさ。面識以外でも戦ったさ。命懸けで戦った。そう、地獄で』

戦った?……地獄で??

『そうそう。…んでだ。お前、どうせなら私に助けられないかい??』

助け……?

『……そうだ。今お前は操られているに近い状態だ。そして、お前は麟に手をかける寸前。お前はどうしたい。このまま身に任せ操られるままに友を殺すのか、それとも僅かな可能性を信じて私にかけるか…どうする??』

 

 

 

……そう。

このままだと私の唯一の友の一人である麟に手をかけてしまい殺してしまう。

自らの望みではないはずなのに…。

望まない死。

親友を殺してしまう前に…!

 

私も助かるのなら…友が助かるなら…少しでも、可能性が有るのなら……!!

 

 

『うん!!助けて!!名も知らない誰か!!!この私を、倒して…止めてよぉっ!!!』

私は泣きながらその声の主に訴える。

 

 

『クククッ!!その言葉を待っていたさ。良いだろう。全霊を持ってお前を倒し、見事止めてやる。ついでにあそこにいる気に入らない魔天使様をついでに抵抗すら出来なくするだけじゃなく、悉く倒してやる。……ま、感謝しなよ??』

 

 

 

 

 

そう告げ、その刹那。

声の主が、私の目の前に急に現れる。

 

 

「…さて、私が来たからには安心だよ。冴月麟其処で休んでいろ。…そして、狂気に呑まれた情けない悪魔よ。…そして、聞け私の命令に背いた馬鹿よ!!!私は、魅魔!!魔法使いであり、亡霊であり、怨霊であり、魔界を唆した元凶であり、そして……お前を正気に戻し、裏切りの天使を潰すモノさっ!!」

 

 

そう言い切る魅魔だったのだ……

 

 

 

次回に続く………!!

 

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