ARMORED CORE Ⅵ /LOST RAVEN   作:この先生きのこマン

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mission02 解放戦線侵攻部隊排除F+エド・ワイズレポート

 対AC戦の基本は相手の土俵に立たないことだ。

 向こうの有効レンジに立てば当然被弾率が上がる。無駄に被弾してパーツ破損するなどという状況は避けたいところだ。

 

 真っ先に敵AC──後にエドが教えてくれることになるがバーンピカクスが発砲してきた。

 手持ち武器は小型バズーカと3点バーストタイプのマシンガン。つまり2丁拳銃(ダブルトリガー)だ。

 背中に背負っているものはおそらくミサイルか。

 

 バズーカの弾速は大したことはない。

 距離を取れば目視で避けられるはずだ。それだけのスピードがレイヴンの機体にはある。

 3点バーストタイプのマシンガンも距離があればばらけてまともな火力にはなるまい。

 

 故に一定距離を保ちながらレイヴンのACは手持ちのリニアライフルを無言で撃ち続ける。

 するとオープンチャンネルで通信機が反応し、レイヴンはそれに応じた。

 

『付かず離れず、戦士としての誇りはないのか!』

 

 バーンピカクスのパイロットは所謂清廉な戦士なのだろう。だがレイヴンからすれば知ったことではなかった。

 

「知るか」

 

 煽られて相手の土俵に立ってやれるほどこちとら慈悲深い聖人ではない。そのまま追い討ちにリニアライフルと通常ライフルの餌食にしていく。

 

 だが敵もカカシではない。

 軽くジャンプして手持ちのバズーカを撃つと、咄嗟にレイヴンは横に避ける。

 だが地面に炸裂した瞬間にレイヴンのACを爆風が攫う。

 

 機体熱量が上昇してラジエータが悲鳴を上げる。追い討ちに3点バーストのマシンガンを連射してレイヴンACを傷つける。

 

《誇り無き獣め……! 今ここで朽ちるがいい!》

 

 オーバードブースト起動スイッチを入れながら、バーンピカクスから距離を取る。追い討ちをかけようと向こうは射撃武器を撃ちまくるが距離が離れるごとにその弾の精度は落ちていく。

 

 間も無くして弾けるようにオーバードブーストが発動すると真っ直ぐにバーンピカクスに向かって機体が飛翔した。

 ただでさえ悲鳴をあげていたラジエータが完全にキャパシティを超えて警告音を出している。

 ACのエネルギーが大量に消費されていく。

 だが、エネルギーが完全に尽きるよりも先にバーンピカクスを通り過ぎてその背後を取った。

 

 背後を取ると再びその弾丸を叩き込む。

 

《ぬおっ!?》

 

 機体の旋回性能はどうあれACというものは真後ろへ攻撃はできない。虚を突かれよろめきながら、慌てて振り返る。

 そしてバーンピカクスがその得物を放つ。

 

 ──速い

 

 敵ACの特徴なのか。こちら側のACに比べて機体のターン速度が尋常ではない。

 その代わりこちら側のACの単純速度はこちらが優っている。

 

《速い……!》

 

「もらう」

 

 あとは消耗戦だ。

 通常ライフルで、そのバズーカを放とうとする腕を狙い撃つ。すると銃口から放たれたばかりのバズーカ弾が弾け飛びバーンピカクスのアームが吹き飛ぶ。

 

 腕をやられたACは攻撃力の低下は馬鹿にはできない。

 次はもう片方か、頭を潰す。戦闘の熱気にやられた思考のままにレイヴンはACの両手武器のトリガーを引かせるだが、とある拍子に──

 

 かちっ、かちっ。

 絶え間なく放たれていた弾は途切れ、乾いた音だけが虚しく響いた。

 機体を左右に動かしながらバーンピカクスの3点バーストを避けながら逃げるように距離を取った。

 あのバーストマシンガンは弾がばらけやすい。距離さえ取ってしまえば怖くはない。

 

 

 弾切れ。

 だがそれで終わりではない。まだ武器はある。

 残る武器は格納していたハンドガンとブレードだ。一気に掻っ捌く。

 

 だが、距離を取るレイヴンのACにバーンピカクスは深追いすることも無く射撃もやめていた。

 

《ダナムさん! ここは退きましょう》

 

《しかし!》

 

《既に味方は撤収済みです! これ以上戦えばあなたの命まで!》

 

《ぬぅ……っ!》

 

 レイヴンから見れば唐突に敵が動きを止めたに過ぎず、その隙に格納していたハンドガンとレーザーブレードを引き出す。

 一気に距離を詰める。再びオーバードブーストのスイッチを入れようとした次の瞬間。

 バーンピカクスは背を向けた。

 

『おのれ……忘れんぞ。企業の狗め…….!』

 

 オープン回線で呪詛の込められた言葉を投げかけられたもののレイヴンは何かを思うわけでもなく右から左へとダナムの呪詛が擦り抜けていく。

 得物はハンドガンとブレードのみ。こちらの有効射程が短い上、アサルトブーストによる全速力で一目散に逃げていくACを追うほど命知らずでもなかった。

 下手に追えばあの逃げるACを迎えに来るであろう戦力に袋叩きにされかねない。

 

「チッ……」

 

『逃げられたわね。でも結果は上々。報酬には期待できそうね。帰還しましょう』

 

 先方の期待以上には働いたはずだ。

 報酬は貰えるだけ貰っておこう。コックピットのシートの背もたれにレイヴンは全体重を預けた。

 

 

【作戦目標クリア システム 通常モードに移行します】

 

 

 

 

 

 

 

 

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 戦況報告

 ルビコン解放戦線、連中はその性質上戦力の質が低く、補給基地襲撃などゲリラ的作戦を散発的に取らざるを得ないようだ。

 

 だが、地の利などで優位を取っている場面も多々あり今回の予定されていた補給基地襲撃も成功すればベイラムグループもそれなりに痛い目を見ていただろう。

 

 おそらくお前を鉄砲玉として少しでもリソースを減らしたかったのだろうがお前が単騎でほぼ壊滅させた上に帰って来てみせたことはベイラムグループとしては誤算だったろうな。

 

 エド・ワイズ

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 ルビコン解放戦線
 インデックス・ダナム

 音声記録、開始


 忘れもせん。
 あの赤い眼のACは突如現れ、たった1機で全てを壊し尽くした。
 見慣れないパーツ、アーキバスかベイラムが持ち込んだ新手の兵器かと思いもしたが、後々アーキバスにもベイラムにもありとあらゆる星外企業にもその銃口を向けていた。

 独立傭兵レイヴン。()()()()、そう名乗っていた。
 レイヴン、それは自由の表象だと言うが奴の背中には何もない。信念も背景も、ありなどしない。
 何も無き力などあってはならないのだ。

 奴は、危険な存在だ。


 音声記録、終了
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