ARMORED CORE Ⅵ /LOST RAVEN 作:この先生きのこマン
画像データ:STVの画稿(ex1)
覆面戦場画家「STV」の画稿
STVは人が描くことに拘った最後のひとりとも言われ
その作品は一部の好事家に高値で取引されている
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STVメモ
・青いACに乗っていたのは若い青年だった
独立傭兵だろうか?
・自己顕示欲高そうな奴だった
『しばらくぶりだねウォルター。中々元気そうじゃないか。新しい強化人間を連れてるようだが……617たちはどうした?』
『仕事をしたさ おかげでルビコンまでこぎつけた』
『……そうかい 新入りの様子は?』
『悪くはない。だが第4世代は不安定だ。必要な仕事とはいえ負荷は極力下げておきたい……そちらの首尾はどうだ』
『今の所は進展なし、だ。だが妙なものを見つけてね──陸からやや離れた海域に妙な人工島が見つかった』
『人工島か。この惑星においては珍しいものではないだろう』
『普通ならそう思うだろうが、そこには本来何も無かったはずの海域。まるで突然──蜃気楼に紛れて現れたのさ。見つけられたのはほぼ偶然さ。普段使っているドローンの移動ルート上に現れてね』
『まさか『友人』たちの』
『あのマークは確認されたがどこまでつながっているのか見当もつかない。映像データを送る。こいつを見てくれ』
『輸送ヘリ……見ない型だ。積まれているのはACか?』
『べリウス南部に向かって暫くしてから人工島に戻ってきた。旧世代ACともまた違うが……このパーツは見たこともないよ。お手上げさ。本格的にドローンを向かわせたが全て──あれに撃墜された』
『あのACが携行しているのはスナイパーライフルか。一撃で落としているようだが』
『引き金を引くタイミングも偏差射撃も的確。当たり所も悪くACSをぶち抜いてこのザマさ。ついでに傭兵支援システムをちょいと細工して覗き見してみたが新しい傭兵データが登録されていた。リャノン──ACデータはアレと多少の差異はあるがまぁ本人だろうさ──騙りかどうかは分からないけれども
『…………調べておこう』
『頼んだよ、ウォルター』
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これは……ある友人からの私的な依頼だ。
この人工島はとある日を境にして現れた。建造にはルビコン調査技研が関わっているのは確かだがいつ建設されたものなのかは不明だ。
友人が先んじて飛ばした調査ドローンも正体不明のACによって撃墜されたらしい。
そこでお前の仕事だ。
お前にはこの施設を調査してもらう。
企業たちはこの施設の存在には気付いていない。
これから先、企業の手に渡り脅威になるようであれば──破壊しなくてはならない。
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『621、準備はいいか』
騒がしいローター音をBGMにヘリの内部でACを乗せたリフトが稼働する。老年の男に通信機ごしで621と呼ばれた者のACが僅かに頭部を上げた。
『正体不明のACがいる可能性もある。だが優先するのは調査だ。深追いはするな──行ってこい仕事の時間だ』
そしてアームに肩を掴まれ、開かれたゲートに向けて運び出される。
ヘリという名の足場が無くなった所でアームから切り離された。重力に従って四肢を持つ金属の塊が落ちていく。灰色のACが、落ちていく。
RaDが拵えた探査用パーツで構成されたフレームはぱっと見貧弱に見えるが、乗り手にとってはさしたる問題ではなかった。ジェネレータとブースタさえしっかりすればこのフレームでも十二分に戦える。
手には使い勝手の良いアサルトライフルRF-024 TURNER。もう片手にはパルスブレード発振装置hi-32:BU-TT/Aが備えられている。肩には4連装ミサイルBML-G1/P20MLT-04を担いでいる。
スタンダードで癖のないその装備は不測の事態にも対応出来るように仕上がっていた。
LOADER4。それが621のACの名だった。
人工島に投下されたLOADER4は自分の立ち位置を確かめるようにコンクリートで敷き詰められた床を踏み締める。
【メインシステム・戦闘モード起動します】
621の脳内に機械音声が
この人工島は建築物がそこそこ見られるがそれなりに物色されたような跡がそこそこ見受けられた。見慣れないMTの残骸や古びた建物たち。あのドローンを撃墜したACの姿は見られない。
施設の作業用MTを海底や地底で作業をさせたかったのだろうか。
LOADER4は手近にあったエレベーターに乗り、アクセスを試みる。
まもなくして下に向かって動き始めたそれを動じることなく終着点に辿り着くまで待ち続けた。ガコン、と目的地に辿り着いたことを示す音が鳴ると同時に閉じられた下層の扉が開かれる。
綺麗な環境とは言い難かった。薄暗い通路、歩けば埃が舞う。
ウォルターとしても621としても薄汚れた環境は慣れっこだったが、この薄汚れようは年季が入っている。
所々別の誰かが侵入したかのような痕跡が見られるが、おそらくあのACによるものだろうか。
破壊されたMTの残骸が数機倒れている。ACらしき機体もだ。だが壊れてからそれなりの時間が経過している様に見える。
『データを抜き取れ、621。解析はこちらでやる』
促されるままにLOADER4が残骸を見下ろしながら静止する。
肉眼では棒立ちに見えるがシステムは忙しなくMTの残骸が持っていたデータを吸い出していた。
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情報ログ:【Revolution】
ファイル名: The Great Destruction
大◼️壊と呼ばれる厄災によって
国家と地◼️環境は崩壊──
混沌の中新たな役◼️を担った組織──レイ◼️◼️ズ・◼️◼️ト
人々は地下に◼️◼️◼️◼️◼️
ここから先は欠損が多くて読めない。
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『……欠損が著しい。後でこちらは友人に修復を依頼しよう』
ここをもっと調べれば更なる情報も得られるだろう。
ウォルターがそう判断して621に次の行動を命じようと口を開きかけたその時、その口は再び閉じられた。
『待て、何かが──いる』
621の
重金属が地面を叩くような音と、何かを燃やすような音。少なくとも丸腰の相手の出す音では決してない。その音を621もウォルターもよく知っている。
こんな音を出してくるようなものはACかMTか、それとも。
そしてその答えは──
『AC……ドローンを撃墜した機体か』
中量二脚、頭部のカメラアイを赤く鋭く輝かせていた。外見に多少差異があるのはこちらのようにパーツを換装したからだろうか。脚部が
ライトアームが握った銀色のライフルをLOADER4の方向へ向けてくる。大振りのライフルだ。──アーキバス先進開発局製に見えるがあんなライフルは見たことがない。
オーダーメイドか。LOADER4が捉えた映像からウォルターは思案するも答えは出ない。
あのドローンを撃墜した時はベイラム系を彷彿とさせる装備だった。となれば
ACの装甲越しから滲み出る迫力がスレてこそいるが
いつ撃って来るか分からない一触即発の状況下でLOADER4もライトアームのアサルトライフルを所属不明機──unknownへと向ける。銃口が上がり切るまでunknownは何もしない。
621を試しているのか? そんな余裕があちらにでもあるというのか。
2機のまるで思想の異なる設計をしたACがその冷たいカメラアイを突きつけあいながら
永遠じみた静寂がこの場を支配する。
いつ、誰が撃つのか分からないひりついた空気にウォルターも思わず息を呑んだ。そして──
銃声が響いた。
言うまでもなくここのunknownはラストレイヴンくん。
脚部をジノ脚ことCR-LH89Fに換装している様子。
手持ち武器はアレです。アレ。ピーともカァオ!とも言わないアレです。
621視点だとUnbreakable。
ラストレイヴン視点だとSixが流れていたと思われる。