アドマイヤベガの妹に転生しました   作:223系新快速

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第2話 小学生としては

さて、2人揃って練習することにしたわけですが、ものの数日で限界が来ました。私は逃げ、お姉ちゃんは追込であることは分かったのですが、現状でも出せるだけの速度で走っているので、これ以上どうすればいいのか分からないのです。

 

ベガ「2人共、レース教室に入りなさい。」

ミラベ「お母さん、ありがとう!」

 

◇

 

「アドマイヤベガさんと、ミラクルベガさんだね。2人は姉妹かな?」

ミラベ「はい、更に、私達は双子です。」

「双子?大丈夫かな、双子は虚弱体質になりやすいから…。」

ミラベ「大丈夫かどうかは、私達の走りを見てから言ってください。」

 

という訳で、入部テストを行うことになりました。距離は800m。短いと思うかもしれませんが、小学生ならこれくらいが普通です。

合図とともに私とお姉ちゃんは走ります。私が前に出て、お姉ちゃんが少し後をついてきます。

 

タッタッタッタッ

 

少しして、私達はゴールを駆け抜けました。

 

ミラベ「どうですか、私達、いけますよね。」

「いけるどころか、この教室でトップクラスの速さだ。是非入ってほしい。」

アヤベ「いいわ。私達の目標はトレセン学園に入学して、レースで活躍すること。まずはここで頂点にならないと、夢のまた夢だもの。」

 

◇

 

私達は、レース教室で走り方を学びつつ、勉強を進めます。

小学生の筋トレは、身体の負担を考えると、余り褒められたものではありません。だから、まず技術を磨きます。でも、これだけ明確な目標を持っていたら、筋トレをしていなくても大抵のレースでは勝ててしまいます。小学三年生の頃には、上級生を含めて小学生で勝てるウマ娘は教室の中にはいなくなっていました。

 

「ベガ姉妹、強過ぎるよ。」

ミラベ「確かにそうですね、小学生では私達に敵う人はこの教室にはいませんね。」

「この教室、結構大規模で、それなりに実力ある子が集まっているはずなんだけど。」

アヤベ「なら格上挑戦になるけど、中学生部門に参加すべきね。向こうも実力があるなら歓迎するでしょ。」

「そうだな。中学生部門の担当と掛け合ってみるよ。」

 

◇

 

「という訳で、この2人を入れてはくれないだろうか。」

「飛び級か。学校なら問題だが、ここはレース教室だ。早速実力を見よう。」

 

「という訳で、中学生とレースだ。それなりに走れれば、混ぜてもらえるそうだ。」

アヤベ「いいわ。私達の実力、見せてあげるから。」

ミラベ「好勝負と言わず、ぶっちぎりで勝ちますよ!お姉ちゃん、練習していたアレを使おう!」

アヤベ「そうね。」

 

◇

 

ミラベ「わあ~、ゲートです!中学生って、こんないいもの使っているんですね。」

アヤベ「もう、はしゃぎ過ぎよミラクル。」

ミラベ「はーい。」

 

中学生の皆さんが、生暖かい目で見ています。でも、そういう目で見られるのも今のうちですよ。

 

ガシャン

 

ゲートが開くと同時に私は全力で駆けます。普通なら明らかなオーバーペースで、他の人はついてきません。ですが、私達には秘策があります。

ウマ娘のレースというのは、距離が長いので基本的には途中でカーブがあります。このカーブはどうしても直線よりも速度が落ちますが、それを生かして息を入れ、スタミナを回復するスキルがあります。アプリ的には『曲線回復』と、金スキルの『円弧のマエストロ』ですね。今はまだ金スキルとまではいきませんが、いずれは使えるようにしてみせます!

さあ、息を入れてスタミナが回復したところで、再加速です!

 

「嘘、あんなに息を切らしていたのに復活した!?」

「後ろで控えていたあの子も、加速してきたわ。」

「貴方達、本当に小学生!?」

 

小学生です。転生者だけど。

今使っているのは、途中で足を緩めることで貯めた分を最後に繰り出す『末脚』ですね。これもいずれは『全身全霊』に強化したいですが、今はこれだけで十分です。

 

「か、勝っちゃった…。」

「もしかして、これは凄い大物じゃないか!?」

「直ぐに中学部に編入させるんだ!へそを曲げて他の教室に行かれたら困る!」

 

◇

 

私達は中学部への編入が認められました。え、負かした相手のプライドは大丈夫かって?勉強不足の一言で一蹴しましたよ。

この世界はレースが盛んで、アプリでのスキルも、トレーナーなら皆知っていますし、学生でも意欲のあるものなら勉強して、会得しています。たまたまそれが小学生でも出来ただけだとしたら、翌日から皆勉強熱心になりました。あ、でも講師の先生が自信喪失していたので、流れ弾が当たったって感じでしょうか。まあ、自分よりもやる気を出させるのが上手い小学生がいたら、自信なくしますよね。

そんなこんなで小学六年生になるころには、私達は県内一の小学生として、レースで勝ちまくっていました。

 

◇

 

いよいよ今日はトレセン学園の入学試験です。

 

ミラベ「いよいよだね、お姉ちゃん、頑張ろう。」

アヤベ「ええ。」

 

正直に言うと、私はあまり心配していません。私もお姉ちゃんもレースは強いし、勉強もそれなりにしてきたし、何より面接試験があるからです。

面接と聞くと嫌がる人もいるかもしれませんが、トレセン学園の面接は別です。秋川理事長は、ウマ娘の事をよく理解していて、何が必要かを分かっています。壮大な夢を語れば、肯定してくれます。

 

◇

 

やよい「君がこの学園を志望した理由を聞かせてほしい!」

ミラベ「私は、皆を幸せにする力があると思っています。この力をレースに使うことで、皆に希望を与えたい。出来ることならミラクルを起こしたい、そう思ってこの学園を志望しました。」

やよい「フム、君の言うミラクルとは何か、差し支えなければ聞かせてほしい!」

 

来た、これこそ私の一番言いたいこと。

 

ミラベ「『すべてのウマ娘に幸福を。』ルドルフ会長の金言です。理想論であることは分かっていますが、それでも目指す目標としては『Eclipse first, the rest nowhere.』と対置可能です。」

やよい「そうか。では、以上!」

 

◇

 

ルドルフ「理事長、話とはなんでしょうか。」

やよい「今年の新入生の中に、君を手本とする子がいる!」

ルドルフ「私を?しかしそれくらいならテイオーを始めこれまでにも…。」

やよい「君の金言を面接で出してきた。更に、この学園のスクールモットーもだ。」

ルドルフ「!?それは確かに。理事長、入学式の後、彼女に会う事は出来ますか。」

やよい「任せたまえ!彼女は新入生を代表してスピーチもしてもらう予定だ。」

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