ハルケギニアの極道者   作:1R1分1秒KO

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超久しぶりの投稿です。


第6話

「…また会ったな。サイト。」

俺は正直驚いていた。食堂にパンと水で薄めたスープを目の前にしたサイトがいたからだ。

「なあ、マサムネ。この食事なんとかならないか!?」

そう言ってサイトは俺に掴みかかって来たので反射的に投げ飛ばしてしまった。

「ちょっと!人の使い魔に何すんのよ!」

ルイズはサイトが傷つけられたことを怒り俺に怒鳴りつけた。

「条件反射だ。すまんな。それよりも…ミス・ヴァリエール。それがサイトの朝食か?」

「そうよ。」

「…その平民、後で報復しかねないぞ?少しくらいは分けてやったらどうだ?」

「これは躾よ。あんたが口を出すことじゃないわ。」

「それ以前に平民を食堂に入れるのは貴族としてどうかとは思うが?」

「うるさいわね!成り上がりの家のあんたが口を出すことじゃないでしょ!」

全く…俺はこういうヒステリックな女は嫌いだ。イザベラはわざとヒステリックになってジョゼフの目からごまかしているから許す。

「そんなんだからてめえはゼロなんだよ。魔法もまともに使えなきゃ頭もゼロか?」

だから俺は言ってやった。公爵令嬢と言えども常識はなっていなきゃいけないしな。

「なんですって…?」

「てめえは貴族としての常識を知っていねえのか?って言っているんだよ。俺は少なくともこんな虐待じみたことはやらねえ…俺の使い魔ルフィーナは調理場で賄い飯を食べさせている。お前の躾は人が客観的に見れば虐待かSMプレイそのものだ。」

「うるさいうるさいうるさい!」

ルイズは反論できなくなり顔を真っ赤にして叫んだ。

「てめえがギャーギャー大声で叫ぶ方がうるさい。」

俺はトドメを刺し、立ち去った。

「ムキーッ!」

猿かお前は。

 

それから授業が始まり自己紹介も終えると土の魔法の授業が始まった。

「それではミスタ・シュバルツヴァルト。貴方に錬金をやってもらいます。」

いかにも貴族のババアがそう言って俺に錬金をするように命令した。

「わかりました。二度手間になりますがダイヤモンドを作ってみましょう。」

俺はそう言って石ころを炭に変えると周りから罵倒の嵐だったが…次の錬金でそれは変わった。

「素晴らしい…!」

そう、俺はダイヤモンドに変えることが出来た。炭からなぜかダイヤモンドに変えることは簡単でお祖父様からの知識でそう教わったからだ。

「で?もう座っていいですか?」

ババアははっとすると慌てて俺に座るように指示した。

「…では次はミス・ヴァリエールにやって貰いましょうか。」

おいおい…タバサ逃げるな。ヴァリエールの魔法が爆発するからってお前だけ逃げるのは少しずるいぞ…俺も着いていかないと護衛にならないし部屋を出るか。

「あ~…ちょっと用事思い出したんで行ってきます。」

俺はそう言ってこっそりと教室を出るとすぐに爆発が起きて授業は中止となった。

「全く…ヴァリエールの嬢ちゃんにも参るぜ。」

俺は食堂で昼食(といっても俺はさっぱりとした食事であり他の貴族はブクブクと太りそうな脂っこい食事)を取ると何やら騒ぎが起きた。

「…なんだ?」

俺は全て食べ終わるとサイトと…金髪の貴族が何やら言い合っていた。

「おい、何があった?」

俺はデブを捕まえて問い詰めた。

「ひっ!アバババ…」

俺の顔を見てデブは顔を真っ青にして泡吹いて気絶してしまった。確かに今の俺は不機嫌だがそんなに怖いか?俺の顔…

「てめえでもいい…事情を話せ。」

隣にいた眼鏡の男子にそう言って事情を説明するように求めた。

「じ、実はだね…」

眼鏡の男子が言うには二股かけたギーシュ(あの金髪の生徒)がサイトに言いがかりをつけて、サイトはキレて貴族に対する態度とは思えないほど不敬を働いた…らしい。まあ貴族の価値観からすればそうだな。ただサイトの方にも言い方に問題はあるだろうしSMプレイヤーのルイズとは違った躾が必要だな。

「おい、サイト。」

俺はサイトに話しかけるとギーシュが青い顔をして少し引いていた…どんだけ俺の顔は怖いんだ?と思いつつもサイトは振り向いたのでぶん殴った。

「がはっ!?」

サイトは俺に殴られると尻餅をつくと俺の胸倉を掴みかかってきた。

「何しやがる!」

「何しやがる!…じゃねえよ。てめえは分かっちゃいねえが行動に気をつけろ。この社会じゃ貴族が絶対だ。お前のような平民が逆らってこの場を凌げても国から指名手配…なんてことになりかねないぞ。そんなことになったらお前生きていられるのか?」

「俺は下げたくない頭は下げられねえ!」

ああそういうことか。

「…つまりてめえはドSなお嬢様に頭をホイホイ下げちまう変態野郎ことか?」

それでか…ルイズに逆らわないのはその為だったんだな…

「ち、違う!」

「だってそうだろうがよ。今朝お前はルイズのパンツ持って顔を赤くしていただろうが。」

「違うぞ!ルイズ!俺はそんな変態じゃないから!そんなゴミ屑をみるような目で見ないでくれ!」

「ま、俺はルイズとお前のSMカップルを応援してやるよっ!」

俺はサイトを投げるとサイトは受け身を取ったがしばらくは動けなかった。

「それじゃこの平民がこんなことになっているから手を出したら…貴族の屑野郎になるから気をつけな…ギーシュ。」

俺はギーシュの肩を叩き、そう言って立ち去った。

 

「ちょっとマサムネ。何で止めたの?」

キュルケがつまらなそうな顔をして俺に文句をつけてきた。

「面倒だからだ。それよりもタバサは何処に言った?」

「まさかあんた、タバサの事好きなの?」

「…さあな。そこはどうでもいい。俺はタバサに用があるだけだ。」

タバサはあくまで護衛対象だ。…俺みたいな血を持つ人間とは恋に落ちてはいけない…

「どうでもいいって…まあ図書館に用事があるって言ってたわね。」

「図書館か…丁度いい。」

「丁度良いって図書館に用事でもあったの?」

「そうだ。といっても軽い調べ物だ。別に大したもんじゃねえよ。」

「そう…タバサに会ったら伝えておいて。苦しいことがあるなら私に相談してって。」

いい友達を持ったもんだな。イザベラも喜ぶだろうな。

「わかった。伝えておくぜ。」

俺は図書館へと歩んでいった。

 

★★★★

 

~神室町の車内~

東城会直系風間組長こと風間新太郎は三代目東城会会長の世良勝に呼び出されていた。

「三代目…一体何の用ですか?」

世良は風間よりも年下だが立場は上である。そのため風間は世良に敬語を使っていた。

「誰も盗聴していませんよ。風間さん。だから畏まらないでください。」

世良は風間に恩がある。それは今のミレニアムタワーの土地を巡っての抗争で自分と共に手伝ってくれたことを始めとした恩義があった。その為世良は風間を尊敬している。

「…それで用件は?」

「東城会の会長とその代行のみに伝わる秘密を明かします。」

世良は突如そんな発言をした。

「そんなものがあったのか…?」

風間は驚愕に満ちた顔になり、目を丸くする。

「先代の源会長から始まり先代代行二井原、そして俺と続いていますが…これは信用出来る人物でも話していない秘密です。例え側近でもね。」

「つまり…俺が代行になれと?」

「出来るならそうして欲しいんですが貴方は絶対に断るでしょう。その秘密ってのはとある事故が関係しています。ですからもし代行をやらない場合はその事件を解決してください。」

「どのみちこの情報を聞いてしまった以上…やるしかないか。…言ってみろ。世良。」

「その時点で初代会長、東城真は生きていました。」

「何だと…?」

今度こそ風間は目を丸くした。

 

「四十数年前に初代会長は亡くなったのはご存知ですよね?」

「ああ…俺がまだ十代の頃の話だがな…堂島組長からもそう聞かされていた。」

「ではどんな風にして死んだか聞かされていますか?」

「確か事故に巻き込まれて死亡…だったな。それがどうした?」

「その事故の現場には死体はおろか一滴たりとも血の跡や証拠になるようなものはなかったそうです。」

これは本来ありえないことである。例えコンクリで沈める時も必ず抵抗する跡があったり、地面に傷跡が残る。また交通事故の場合でも車にも跡が残るので証拠がないもないというのはありえないのだ。

「…本当か?」

「ええ。先代は警察にも潜り込んでいましたから間違いないでしょう。それで目撃者の情報によりますと…まるで初代会長が鏡に引っ張られて消えたとの情報がありました。この情報は警視庁と東城会でも一部の人間しか知られていません。しかし…先日東城会…いや嶋野組の構成員の一人がそのことについて話してきました。」

 

「嶋野組だと?!」

嶋野組は風間の同期である嶋野太によって編成された組で、かつては堂島組内の所属だったがとあることをきっかけに独立し、今や東城会最大の組となりその組員は東城会の三分の一を占める程巨大になっていた。

「ええもっともその構成員は東城会の代紋だけで嶋野組だと確定はしていませんが、嶋野が『東城会の会長の秘密を知っているから四代目にしろ』と言っているようしか思えず…こうして相談しに来ました。もちろん俺はすっとぼけて秘密自体をなかったものにしました。ですが…先日その構成員から更に驚くべき言葉が口から出てきました。」

「まさかその鏡が出てきた…とかではないだろうな?」

「あたりです。今度は秋葉原にて鏡が出て堅気の少年を取り込んだという証言ですが…嶋野からしてみれば嘘をついてまでわざわざそんなことを言うメリットがありません。だとすれば本当に鏡が現れたと考えていいでしょう。」

「確かにな。嶋野の奴が嘘をついてまで混乱させてもデメリットしかない。一体…どうなってやがる?」

「わかるのはこれだけです…嶋野がこのことを何故か知っているということと堅気の少年が巻き込まれたことです。」

「…それ以外は不明か。」

 

「風間さん…この事件は俺一人で片付けられるものじゃありません。どうか協力出来ませんか?この事件を解決すれば今までの会長や代行のみに伝えられて来た秘密も無くなります。無駄な抗争をなくすためにも何も言わず協力してくれませんか?」

世良は風間に頭を下げて協力を求めた。

「わかった。」

「ありがとうございます!」

こうして世良と風間の交渉は終わった。

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