貴族メル・ゼナ   作:一般通過龍

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文体を真似て書くだけではなく菊地御台の作品からある程度文章を拝借して書いている部分もあるからそれが規約違反の原作コピーに触れてしまうか心配です。
どの程度まで原作の大幅コピーに当たるんですか?
基準を知りたいです・・・


4

それから三日間、マシューとスーは貴族に対して四つのことを知った。

 

一つ、貴族に馬車を任せるな。

 

昼の間ブロージュ伯爵は棺に入って寝るから手綱を握るのはマシューの仕事になる。一度昼も活動出来る貴族メル・ゼナが手綱を握りキュリアでサイボーグ馬を強化させて狂気の爆走したことがある。物凄い勢いで縦横無尽に移動する馬車の中にいるマシューとスーにかかる負荷は古のアトラクションのジェットコースターの如くだった。襲いかかる衝撃を減らす為にマットになってくれたキュリアも凄い気持ち悪かった。抗議を入れて手綱は握るなと言ったら

 

「はりきりすぎましたわ」

 

と馬車の内部にいる人間の負担を考えなくてすまないという意味も持たせながらそう言って謝って二度とこの馬車の手綱は握らないと誓った。

だから昼はマシューが手綱を握る羽目になったのだ。勿論、ブロージュ伯もメル・ゼナと同様な運転で阿鼻叫喚な目にあった。同じように抗議も入れたが

 

「追ってくる奴らの実力を見たはずだ。一秒も惜しい」

 

という三メートルの巨体から出てくる正論を聞いたら黙らざるを得なかった。ちなみにDは無言で、馬車の中に伝わる振動に対しても平気そうにしていた。

 

 

二つ、他の生き物に対しては容赦ない。

伯爵達がショートカットに選んだ道はことごとく危険な生物がいるルートだった。三つ首のハイドラ、轟竜、放電竜等の多種多様な怪物達を表情を一切変えずに殲滅していった。亜人系の化物は見せしめとして長い間苦しんで死ぬ殺し方をした。イタイ、クルシイと悲痛に叫ぶ悲惨な死体となっていく妖物達の悲鳴がマシュー達の精神にダメージを与えた。

兄妹が助けを求めるように人間味があるDとメル・ゼナに目をやるとその美貌に揺らぎはなかった。

これが貴族というものか━━兄妹は恍惚に眺め、突然、我に返ってその精神の在りように恐怖したのだ。

 

三つ、貴族は不死身である。

これは最早、伝説の領域にまで入る事実であるが、いざ目の前でその不死性を眼のあたりにすると、つくづく戦慄と寒気を感じたものだ。

突然、ぬりかべという妖怪にそっくりな妖物がいきなり目の前現れたて馬車がそれにぶつかり事故ってしまった時、馬や馬車は無傷だったが伯爵は崖下へ転落したのだ。メル・ゼナに崖下から引っ張って貰った伯爵は傷一つなく無傷で生還した。

 

最後は━━貴族は人間に対する二律背反というべき感情を抱いていることだ。メル・ゼナとDは例外として救いにきたという伯爵の目は冷やかだった。人が獣を軽蔑しないように、彼は人間を自分達以下の単なる生き物と見なしているとしか思えなかった。

だが休憩の時、焚火の目の前でスーが『都』の歌を歌った時それが消滅したのだ。その時の伯爵の表情は情熱的に彼女を求める旅人に似ていた。美しいものに焦がれ求める顔は人も貴族も変わらないのだ。

 

 

「ミランダが中々後を着いて来ませんわね・・・」

 

「ああ、見えて義理堅い女だ必ず追尾しているはずだ」

 

三メートルを優に越すブロージュ伯のせいで馬車の中は狭苦しい空間になったのでミランダは別の馬車に乗って移動すると言ったが全然来ないからもしかしてヴァルキュアの刺客に討ちとられたのか?とブロージュ伯爵と話しながらわたくしがそう疑っていたら世界を光と影がせわしなく染めて黒雲が大きな人の顔になったのです。

わたくしとD様の美貌には遠く及びませんがすべてが気品に満ち絵描きが生涯を棒に振る美しさを持つ顔を黒雲で再現してヴァルキュア大公が語りかけてきたのです。

内容はD様に離脱を要求するというものでしたがD様はそれを見事に断りました。

当然ですね。D様は義理堅い人情味溢れるハンターです。わざわざマシュー達を守ってという約束を破るお方ではありません。

ヴァルキュア大公がわざわざお出ましして離脱を要求するのに周りは驚いていましたがDが御神祖様の子という秘密を知っているわたくしは驚きませんでした。

Dの秘密を自分だけが知っている優越感はいいですわね

 

 

 

目的地の途中にあるマチューシャ村にD達がさしかかった途端、一人の少女が飛び出してきたのである。

轢かれる前にメル・ゼナが一瞬で馬車から飛び出し少女を救った。

どうして出てきたのかと理由を聞いてみると村を滅ぼす神が来るとクールベという移動伝道師から貴族の祟りを脅しにしたお告げがあってそれがD達であるらしい。だから神を祀る神殿に留まってほしいと村人全員が平伏した。D達は無視して行こうとしたが困っている人を見捨てないようにと親に教育を受けたマシューがとりあえず事情を知ろうと引き止めたのだ。

おかげで通り過ぎるはずの村でD一行は足止めをくらった。

 

マシューとスーを護衛にブロージュ伯爵と貴族メル・ゼナがいる安全な馬車に入れたままDは神殿に入った。そしてそこの途中にいたヴァルキュアの手の者らしきクールベという僧服姿の男を銀光一閃とばかりに切り裂いたのだ!

だがクールベは傷を負いながらもDから逃げ出すことに成功したのだ。

 

村の子供たちが飛ばしていた凧が“偶然“切れて落ちてきた凧を避けながらDが斬る瞬間、Dは石を踏んで剣の軌道のバランスを崩してクールベを一撃で仕留めることが出来なかったのだ。神殿という礼拝堂にいた村人と村長は”偶然“落ちてきた瓦礫に押しつぶされて死に“偶然“地下にいた死人使いという恐るべき地下生物がそれを操ってDに襲いかかってきたことで結果━━クールベは無事に逃走を成功させたのだ。

Dと左手の人面疽はクールベは偶然を操れる術者ではないかと疑った。

 

そしてDは“偶然“吸血鬼ハンターごっこをしたい子供たちとそれに巻き込まれた外に出ているメル・ゼナとマシューとスーとブロージュ伯爵を発見して巻き込まれた。子供たちはとても年齢通りの幼い遊びざかりのやんちゃな純粋な善良な子供だけにD以外は困りながら対応していた。

 

D達へ子供たちのリーダーが

 

「あのさ━━お兄さんたち、この村を出てっちゃうんだろ?」

 

と切り出した。

 

「そうなるな」

 

「それじゃあこの辺境の辺境にいるおれたちはもう二度と、とても優しい貴族と吸血鬼ハンターになんか会えないと思う・・・だから、あの」

 

「やめておけ」

 

とDにしか聞こえない特殊な嗄れ声が言った。

だがDだけではなく

 

 

「何が見たい?」

 

「超絶技巧や超パワーや摩訶不思議な術等色々見せてあげましてよ」

 

「仕方ない」

 

メル・ゼナやブロージュ伯爵も微笑を浮かべて期待に答えたのである。

 

「やった!何でもいいよ!何でも!」

 

子供たちがうれしそうにどよめいた。

 

 

子供たちにブロージュ伯爵は荒ぶる竜巻の如き槍術、貴族メル・ゼナは『都』随一踊り子のダンスを遥かに超越するダンスみたいな乱舞、Dは剣の軌跡が美しい光の糸のように見える剣技を見せた。

ついでに稽古もD達は子供達につけてやった。吸血鬼ハンターのDや友好的な貴族として知られるメル・ゼナはともかくブロージュ伯爵まで仲良く子供たちと遊ぶ光景は貴族と人間の理想の光景かもしれない。

 

「楽しかったよ!お兄ちゃん達!」

 

「ありがとう!」

 

 

子供達と別れた後、マシューとスーを馬車に置いたD達は超突貫工事で作られた木製の神殿に入った。そこにはミランダが寝ていた。過去に絶対貴族に挑んだ女怪が無防備で眠らされている光景は天地の崩壊よりも信じがたいことであった。伯爵はまかせろと言って長槍で刺し殺す勢いで刺してミランダを起こした。

 

「愉しい眼醒めし方だこと」

 

それは地獄の悪鬼の覚醒方法であった。両者共に眼に嘲笑の光があったからだ。これが貴族━━吸血鬼の本性なのだろうか。

ミランダがここに来た原因を調べた結果、分かったのは“偶然“貴族特有の無意識空間移動の生態の深層移動をしたのではないかという結論であった。本人はありませぬと否定したが。

 

 

「ところでブロージュ伯爵とミランダ公爵夫人様、この建物は何故かブラック・ホール化していますわよ。」

 

あらかじめ建物に止めてあったキュリアが電子も中性子も一つに融合した超高密度の板に吸収されましたね。

しかしどういう仕掛けでただの木で出来た木製の建物が四方の壁が段々と迫ってくるブラック・ホールになるのかしら。貴族になってから不思議現象や超科学、魔術等の色々な知識を持つことになりましたがまだまだこの世界には知らないことが多すぎますね。

 

「四方の壁が狭まる前にD様、これを」

 

「おおっ気が利くお嬢様じゃのう━━力が漲るわい」

 

メル・ゼナが握りつぶした自身の血も混ざっているキュリアの血をDの手のひら、人面疽に注いだ。よほどエネルギーがあったのか念の為Dが黒土を人面疽に注いで得た土以外火水風の必要なエネルギーはすぐに揃った。

 

「おお、おかしなものがついているな」

 

「まあ不思議」

 

既にちゃっかり体がDにくっついているメル・ゼナだけではなく伯爵とミランダもDにくっつきそうになりながらDの人面疽に驚いていた。心底この現状に焦らず楽しんでいる貴族達はこの窮状を分かっているのだろうか。それとも貴族ならでは不敵さか。

 

そんな窮屈な空間でもDは一刀を抜いた。事象の地平線の崩壊現象とは如何なるものか分からないがこのブラック・ホールが壊れる現象は四方に光の亀裂が広がって壊れたのだ。

ブラック・ホールが神殿を壊した瞬間、半月の光が白々と照らしている狭苦しい空地の上にD達は重なるように横たわっていた。

真っ先にDは重なっているメル・ゼナ達を振り払うように立ち上がった。

 

遠巻きにしていた村人から、どよめきが上がった。

 

「神さまは無事じゃったぞ」

 

「だども、なして寝そべってるだ?」

 

「とにかくお祀りするべ」

 

地べたへ膝をつくと、彼らは両手をふりあげ、へえ~~とお辞儀をしはじめた。

そんな村人をよそ目にブロージュ伯爵は畏怖の目で

 

「――お主、何者だ?」

 

と訊いた。

 

「そうですとも。なんて、素敵なお方」

 

伯爵のかたわらに立つミランダが両手を握り合わせて身を震わせた。

 

「まるで――まるで、あの御方の若い頃を見るような――いえ、私がはじめて拝謁の栄に浴したときはもう、大宇宙を思わせるご風采でしたから、想像でしかありませぬが、まこと、若ければこの騎士殿のような――」

 

「彼はハンターだ」

 

と伯爵は憮然たる声と顔で言った。

 

「あら」

 

「――とは言うものの、似ていないこともないな」

 

二対の視線が、明白な興味と好奇とを湛えてDの全身に絡みついた。

 

「メル・ゼナ嬢は驚いていないようだが何か知っているのか?」

 

そして視線はDが起こした出来事に驚いていないで何か知っている顔をしているメル・ゼナに向かった。それは知っているなら教えろという眼だった。

 

「いいですわ!教え」

 

メル・ゼナがDの秘密を喋りそうになったその時、村人の一人が伝道師に馬車が盗まれたと報告してきた。

ミランダに管理不行き届けではと言われた伯爵が陽子コンピュータによる完全管理な車だ盗まれるはずがないと狼狽えていたところあれはなんだ?という声がして先に村人と一緒に空を見ていたDとメル・ゼナに続いて二人は空を見た。

 

「半月が満月になっとる」

 

「上半分はなかったぞ――おい、ありゃあ字ではねえか」

 

皓々とかがやくもと半月の上半分に、黒々と滲んでいるのは確かに文字だ。

 

「な、何て書いてあるだ?」

 

眼を凝らす人々には決して聞こえぬ嗄れ声が、

 

「明日の13PM、ガリオンの谷へ来たれ。三名揃わぬときは、人質の生命はないものと覚悟せよ」

 

陰々たる口調で語った。

 

「おい、ガリオンの谷とは何だ?」

 

頭上から降り注ぐ伯爵の問いに、知らせに駆けつけた村人が震え声で応じた。

 

「西へ三キロばかり行ったところにある谷だ。昔の貴族の実験場だったとやらで、この村ができてから、入った者はねえ」

 

「ふむ、何処へなりと出かけるが、昼というのはちと難儀だ。見たところ自信満々なDとメル・ゼナよ――いい手はあるか?」

 

その質問に

 

「ある(ありますわ)」

 

と答えた月光に照らされた二人の美しい顔を見たらこの先にどんなことが起きても二人の絶対に損なわれない美貌のように問題ないだろうとブロージュとミランダは確信出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにブロージュ伯爵とミランダはDと貴族メル・ゼナの距離を離してあることに対して質問していた。それはDの出生のことでは無かった。

 

「いつの間にか様呼びで隙あらばDの近くに行こうとしていますからもしかしたら・・・」

 

ミランダの言葉に対して驚いた貴族メル・ゼナをブロージュ伯爵の質問にトドメをさした。

 

「まさかメル・ゼナ嬢はあのハンターにまさか惚れているのか?」

 

「━━━!?」

 

図星をつかれて目を逸らしたメル・ゼナをミランダとブロージュ伯爵が更に追い打ちをかけた。

 

「私も今は亡くなりましたが夫がいる身で惚れそうになったからメル・ゼナ嬢の気持ち分かりますよ」

 

「ハンターとは言えどもあの美しき黒衣の男に若いメル・ゼナ嬢が恋する乙女になるのも無理はなくない」

 

「〜〜〜〜〜ッ」

 

茶化すようにそれを言われた貴族メル・ゼナの顔は赤くなっていて、今にも恥ずかしくて地面を転がりたい気持ちで溢れていたように見えた。

 

 

 




世界全土が魔界都市新宿化している吸血鬼ハンターD世界は他作品のモンスターや化物が彷徨いていてもおかしくはないよね

誤字脱字、アドバイス等がありましたら報告よろしくお願いします。
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