「誰このおっさん!」
「騒がしいなぁもう。」
「うるさいですね...」
私たちはシュタルクさんの叫び声で目を覚ましました。眠け眼を擦りながら顔を上げると両手をつき下がるシュタルクさん。その声に起きたのかクラフトさんも大きな伸びをしながら起き上がりました。
「ん?おっさんいい体してんな。」
「シュタルク様。」
「あら?」
フェルンさんがむすってしています。なるほど。で、シュタルクさんは...面白いですね。
「いやそういう意味じゃなくて。」
違いましたか。その間にもさっさと着替えるクラフトさん。
「よく鍛えられたいい体だ。アンタとんでもなく強いだろ。」
私には戦士の良し悪しはわかりませんが視覚でわかるものなのですね。魔女になってからもブローチを忘れると舐められていた私にはなかなか羨ましいです。
「おっさん、名前は?」
「モンクのクラフト。」
「聞いたことねぇな。けど、名のあるモンクってのは間違いねえだろ?」
「それよりそっちの嬢ちゃんの名前も聞いてやったらどうだ?」
「そっちは俺のパーティーメンバーって誰!?」
唐突にこっちに話振られました。こちらを向くと驚いた顔をします。なんだかサヤさんみたいな人ですね。両手で手をヒラヒラさせて無抵抗アピールをしておきます。
「すみません、面白かったので放置していました。私は灰の魔女、イレイナです。」
「あ、ああ。気づかなくて悪かったな。シュタルク、戦士だ。」
静かに握手を交わします。ゴツゴツした無骨な手ですね。挨拶が終わったのを確認したらしいフリーレンさんがコートを羽織りながらこちらを向いて言いました。
「ねぇ、そろそろ食料取りに行かない?私ぺこぺこだよ。」
「そうですね。イレイナ様もそれでいいでしょうか?」
「はい。私はいつでもいいですよ。」
「じゃあ俺が案内しよう。シュタルクお前はここで休んでいろ。」
各々が賛成し着替えシュタルクさんをフェルンンさんが寝かしつけると吹雪の中へ出ました。
真っ白で前がかろうじて見える程度です。何か色の違うものが雪の中に見えます。
私が気づいたのと同時にクラフトさんがそれを指差しました。
「あれだ。荷車はいい。食料だけ頼む。」
フリーレンさんとフェルンさんは杖で荷物を浮かせ、クラフトさんは手に持ち、私は杖と箒で一気に小屋まで運びます。
「イレイナ。あとでその魔法教えてね。」
「フリーレン様、それは後にしてください。すみませんイレイナ様。」
「いいですよ。あとでフリーレンさんの魔法教えてくれるなら。」
「やった。」
「もう、イレイナ様。あまりフリーレン様を甘やかさないでください。
喜ぶフリーレンさん。フェルンさんは教育に悪いからと少し不満気です。そのフェルンさんも教えると言うと少し口角が上がっており師弟共々似ていますね。
「これで最後だな。お前たちがいてくれて助かった。俺だけだとどうしようもなかった。」
「いや、私達だけでもどうしようもなかったし助かったよ。」
「フリーレン様、わかっていたならもう少し用意しておけばよかったのに。」
「うぅ、ごめんて。」
またしょぼくれたフリーレンさん。クラフトさんは最後の木箱を担いで先頭を歩き私達は後ろをついていきます。
「あ、そうだ。イレイナ。あの魔法なに?」
「何って...箒ですか?それとも物を浮かせる魔法ですか?」
「両方だよ。」
フリーレンさんはかなり真剣な表情です。ですが基本的な魔法だと伝えますが一向に信じてもらえません。
「あのね。空を飛ぶ魔法はごく最近にできた魔法なんだよ?「フリーレン様の最近はいつなのですか?」・・・80年前勇者ヒンメルが魔王を討伐してから研究が始まったんだよ?それまで空は魔族の領域。今だって物や自分を浮かせられても浮いてる物に荷物を引かせるなんてとてもじゃないけど難しいよ。」
そうは言われてもピンときませんし、なんだかいまいち話が噛み合っている気がしません。
「とりあえずお互い不思議に思う所をあげてみませんか?」
「そうだね。」
不思議な所...まず物語の中の住人エルフの実在。魔王、魔族という謎の種族。そして魔法の歴史の違いですかね?
フリーレンさんとフェルンさんは顔を寄せ合って話しています。疑問点をまとめたようでこちらに顔を向き直しました。まずフリーレンさんが話します。
「こっちから挙げるね。箒の魔法という明らかにオーバースペックな魔法の存在。魔法の歴史の違い。あとクラフトに聞いたけど話していた街の名前がまるで違ったらしい。それぐらいか。」
「私の方は魔族、魔王それにエルフの実在。あと魔法の歴史の違いですかね。」
ううむ、と悩む三人の乙女。先頭を歩いていたクラフトさんが振り返り、「もう着くぞ。」と言ったのでお開きになりました。
アニメも漫画もさらっと流された雪山編いつまでやるんでしょうか。早く旅に出て欲しい。
メトーデさんのパーティーメンバー、どっち消す?
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