任務 他 演習 [25年7月~] 来たる「首都直下型大地震」に備えよ! 作:ハーメルンkpx
「天使を見たことがあるか」と。男は答えた。
「勿論、あるよ。実はこの前、我が家に訪れたんだ。
聞いてくれよ、目元と眉が妻にそっくりなんだ。口元は俺似かな。
もう本当にかわいくて仕方がないよ!」
ある人は破顔し、祝福の言葉を送った。
男は喜んだ。
しかし、ある人はその後にまた、男にこう問うた。
「では、悪魔は見たことがあるか」と。
男はそこで気付いた。
この地上に天使は確かに実在する。
宇宙には太陽があり、月がある。
日があれば、影がある。
光があれば、闇がある。
天使がいれば……。
曙
「抜錨って、陸じゃないのよクソ提督っ!」
提督
「はい。陸です」
五十鈴
「396艦隊……?」
提督
「暫定ね!暫定! あんまり深く考えないで……!」
五十鈴
「……ふ~ん……」
陸奥
「まさかとは思ってたけど、本当に野外任務なのね」
高雄
「外出申請は――」
大淀
「――既に四人とも手配済みです」
高雄
「あら、抜かりなしですね……」
陸奥
「服装は? 制服のままなの……?」
提督
「あー……ぼのたんはともかく、確かに三人はイメクラ感がつよ――」
大淀
「提督?」
提督
「ごめんなさい。
えーっと……申し訳ないんだが、全員制服のままだな。
一応これも公務のていっていうか、お上をうまく言いくるめて
ねじ込んだ任務なんだ。あえて申告してない細部もあるけど」
五十鈴
「五十鈴たち、秘書艦組に任命するのって……」
提督
「……まぁ、そういうことだな。ほぼ非公式でウチだけ」
曙
「どうやって、そんなの認めさせたのよ……」
提督
「表向き、お上には、震災直後か事後か、
それのための演習・事前対策活動の一環として、
テストケースを買って出るやら云々でごり押した……w」
五十鈴
「またいつもの口八丁ってやつね……」
提督
「まぁそうなんだが、そもそも、日本海軍は過去の大地震のときに、
突発で救助支援活動に当たった前例はあるからな。
独断先行ではあったけど、後に世間からは称賛されたわけで」
「「あぁ……」」
陸奥
「…………」
提督
「……まぁ、今や我々は深海棲艦との戦いが
主に専任されているわけではあるけど、
そもそもは護国鎮守……いや、護世鎮守かな。
それが大目的だからな」
提督
「……コホン……。
――世界・国家存亡の危機に瀕する事態には、陸海空軍・軍民間も関係なく
一致団結すべきであり、その際には是非もなく我ら現海軍が先駆けて、
率先して事に当たることは、同事態においてはこの上なく大義に
違いなし。そして、そのためには事前の本格的かつ実施的な――」
曙
「――あーはいはい。またいつものように言いくるめてきたってのは
もうわかったわよ。
でもそれで、どうしても制服って、どう繋がるわけ?
元々あたしたちって、私服で民間に繰り出すことはよくあるじゃない」
高雄
「アパレル系企業から、いただくことも多いですよね?」
陸奥
「そうよね。まぁ一時的提携をしたときとかだけど」
五十鈴
「私服での外出は、身ばれ防止とか、もしばれても
民間人に変に緊張感や警戒を抱かせないためにとか、
親近感がどうとかって口上だったと思うんだけど。
もしかして、今回はそれとは逆なの?」