「フェイト・・・もう逃げようよ。
管理局まで出て来たんじゃ・・・。」
「ダメだよ。それじゃあ、母さんの願いが叶えられない。」
「あの鬼婆、訳わからない事ばっかり言うし。」
さっきの戦闘後、多重転移で翔真の家に逃げ込んだフェイトとアルフはそこで翔真を待っていた。
(私に何かあっても、翔真が助けてくれるはず・・・。)
フェイトはそう思っていた。
買い物帰りで・・・
(やっぱり、フェイトと管理局に話してプレシアの事件の再調査と救出をしないと・・・。)
俺は、今後の行動で管理局と行動を共にしようと思っているが、
(フェイトは承諾してくれるだろうか?)
『翔真、もう家の前ですよ?』
おっと、考え込んでいたらもう家の前か。
鍵を開け中に入る。
「フェイト、いるんだろ?」
すると電気のついていないリビングからフェイトが出て来た。
「うん、お帰り。」
「アルフは?」
「寝ているよ。」
「そうか、大丈夫だったか?」
さっき、咄嗟にかばったけど一緒に落ちたからな・・・。
「大丈夫。そっちは?」
「リアクティブアーマーでダメージは無い。
・・・・ふう。
飯作るから待っててくれ。ついでに大事な話がある。」
そう言って台所に立ち、料理を始めると、フェイトが入って来た。
「手伝って、良い?」
「?良いけど、経験は?」
「・・・・(フルフル!)」
・・・無いみたいだ。
「OK、じゃあその野菜を洗ってくれないか?」
その言葉から始まり、この日はフェイトと一緒に料理をした。
そして、飯を食べ終えてから。
「で、翔真。話って何だい?」
目の前の席にフェイト、アルフを座らせ、話を始める。
「実は、管理局に協力したいと思う。」
「えっ!」
「アンタ、裏切るのかいっ!」
そう言って、アルフは俺の胸倉を掴む。
「違う、これはフェイト達の為だ。二人とも気付いているだろ、プレシアが可笑しいって。」
「あの鬼婆は最初から可笑しかった!」
「フェイトは?前に急に”可笑しくなった”って言ってなかったっけ?」
俺が問いかけると、フェイトは下を向き小さく頷く。
「実はこの前、時の庭園で色々あってな、それで管理局の力が必要なんだ。
色々についてはフェイトと管理局、両方一緒の時に説明する。」
「私はわかった。 アルフは?」
「私はフェイトに任せるよ。
私のご主人様だから。」
そう言って胸倉から手を放す。
・・・・正直、苦しかったし怖かった。
「じゃあ、管理局に連絡するぞ。」
空中に浮かぶディスプレイにはリンディ艦長とクロノが写っていた。
「・・・・と言う事でなのはさんとユーノ君は協力するって事になりなしたが翔真君はどうするんですか?」
やっぱり二人は協力するか・・・。
「協力はしますが、幾つか条件が有ります。」
「条件とは?」
「まず、俺の能力全てとデバイスに関して一切調べないでください。
それから、そちらにさっきの黒い服の少女、フェイトと使い魔のアルフも連れて行きますが拘束等は無しで。
後、そちらの端末に送りたい情報があるので端末と接続でいる様に手配を。
また、それに伴い会議室の手配をお願いします。」
「ちょっとまて!」
クロノが何か叫ぶが、リンディ艦長は彼を黙らせ、考え込む。
「良いでしょう。そちらの条件は呑みます。
しかし、情報とは?」
「それに関しては、クロノ。執務官って事は色々調べれるんだろ?
リンディ艦長も提督権限で調査できますよね?」
「ええ、可能よ。」
「分かりました。では、続きはそちらに来てからで。」
そう言ってディスプレイを閉じた。
「と言う事でフェイト、アルフ。
拘束無しって約束を取り付ける事が出来た。
ついでにイマジンに証拠を残している。」
「わかった。
で、どうやって行くの?」
フェイトの問いに俺は固まった。
「・・・・・・・・・ごめん、忘れてた。」
とても居た堪れない気持ちになった。
その後、もう一回通信を繋ぎ、方法と場所を聞いた。
「あっ!
翔真君・・・・てフェイトちゃん!」
「えっ!」
「来たか。」
三者三様の反応をしていた。
「え~と、高町なのは?」
「なのはで良いよ。
フェイトちゃん。」
「翔真、なんで彼女が?」
「クロノ・・・言って無かったのか。」
「済まない。言わない方が良いと思ってね。
さあ、会議室でかあ・・・艦長が待っている。」
クロノに続き、俺、アルフに睨まれながらユーノ、アルフ、なのはとフェイトと続いた。
「艦長、全員来ました。」
会議室に入るとリンディ艦長と知らない女性が居た。
「私はエイミィ・リミエッタ。この艦のオペレーターをやってます。
気軽にエイミィで良いよ。」
「よろしくお願いします。早速ですが、エイミィさん。
通信の方は?」
「準備OKだよ。約束通り、何も調べてないから。」
ふう、約束は守ってくれているようだな。
「翔真君。これから何するの?」
なのはは気になってしょうがないのか、さっきからフェイトやクロノに聞きまくっていたが此処で俺に変わったみたいだ。
「ちょっと待ってよ・・・・このデータだ。」
そう言って会議室のディスプレイに色々と表示される。
「これから話すのは、ジュエルシードを巡るなのは達の裏・・・主にフェイト達に起こっている事件について話す。
フェイト、お前のジュエルシードを集める理由を言ってみろ。」
「私は母さんが研究で必要だからって願いで・・・。」
「では、そのフェイトのお母さん。
プレシア・テスタロッサにジュエルシードをなぜ集めるのかを聞きに行った。
その時、フェイトは全部集めれなかったからと言ってプレシアから虐待を受けていた。
まあ、途中で俺が止めに入ったけどな。」
一度話すのを止め周りを見てみる。
なのは、エイミィさん、リンディ艦長は信じられないって感じでいて、クロノ、ユーノは顔をしかめ、フェイト、アルフは下を向いていた。
「実は、俺は初めてプレシアに遭遇した時から有る反応があって怪しんでいた。
そこで、俺はプレシアのパソコンをハッキングして情報を集めた。
それで面白いことが分かった・・・が、まずはなのは以外にこの世界に居る超能力者について説明しよう。」
「超能力者?エスパーみたいな奴?
透視したり、念力で何かしたりってあの?」
「エイミィさんが言っているのは間違いではありませんが、この世界では違います。
この地球の日本には学園都市と言う人口230万人、
その内8割を学生で占める町が有るんだがそこは超能力者を育成する完全独立教育研究機関で、
そこではレベル0からレベル5の6段階で能力のレベル分けされている。
レベル5は単独で軍隊を相手に出来るぐらいで、全体で7人しかいない。
実は俺も非公式って言うかそこに属していないからだけど、レベル5級の能力を使えるから。」
「で、それがどうしたんだ?」
「そう早まるなクロノ。
・・・・。
探知したんだよ、プレシアから・・・いや、屋敷全体から。
能力者が体から発するAIM拡散力場って言う力のフィールドが二つ。
一つは屋敷の中の一カ所から。
もう一つは、プレシアの体から。」
「それがどうしたの?別にプレシアが使える様になっただけじゃ?」
エイミィさんが普通なら当然の理屈を言う。
「普通のエスパーならね。能力は脳を人的に構造を変える。
能力を生まれた時からもっていない限りあり得ない。
俺はそれだけど、更にこの世界では能力は一つだけしか持てない。
魔法と能力、二つも持てない。
俺はそこにデバイスの補助で使える様になっているけど、それは後ほど。
じゃあ、そのAIM拡散力場は何だ? ってなるけど、
詳しく解析したら面白いことが分かったんだ。」
「面白いこと?」
俺はデータを開く。
「まず、屋敷から感知した能力は
レベル4の『座標移動』
これは、物体を遠くへ移動させる能力で距離に制限はない。
そして、プレシアから感知したのは
レベル5の『心理掌握』
要は精神を操る能力で記憶の消去、洗脳等精神に関する事なら殆ど出来る。
・・・・ここまで言えばクロノも理解するよな?」
クロノの方を見ると、クロノは頷いて見せた。
「つまり、プレシア・テスタロッサは能力者に操られている。
それで、フェイト・テスタロッサに虐待をしたのか。」
「そんな・・・じゃあ、あの鬼婆はっ。」
アルフは、まさかっ!って感じになっている。
あっ、フェイトもか。
「つまり、プレシアを助けるために協力してくれって事だ。
なのは達は一度外に出てくれないか?フェイト達も。」
「うん・・・。」
「わかった。」
「・・・。(コクリ)」
「行くよフェイト。」
四人とも部屋を出ていく。
そしてクロノが不思議そうに口を開く。
「なんで四人を出したんだ?プレシア・テスタロッサを助ける話なのに?」
「何でかって?
それは、
ここからが本当の真相で俺が頼みたい事の話だから。
四人には聞かれたくない。」
そう言って俺は例のレポートや日記のデータを出した。