『試合開始!』
エイミィさんのアナウンスが響いて試合が始まったのを俺、ユーノ、アルフがステージの端っこのビルの屋上で見ていた。
ステージって言っても海鳴市の洋上に結界を張って更に障害物(ビル)を置いたものだが。
「今の所はフェイトが押しているって所か?」
「当たり前じゃん。フェイトはクロスレンジが得意なんだし、砲撃特化のなのはとは相性は悪いさ。」
「けど、なのはは得意のミドル~ロングレンジの魔法で上手くフェイトとの距離を取りつつあるし、
クロスレンジ技も練習したし、まだ分からないよ。」
空中戦が過熱して来たのか、爆音がするたびにビルが倒壊する。
・・・いや、お互いに何か言いあっているみたいだ。
お互いに言い合って、意見がぶつかったりする度に砲撃やら、射撃魔法が飛び交っていた。
『戦闘宙域の魔力素濃度上昇中です。まさか・・・』
「多分な。あ、なのはがクロスレンジを仕掛けたな。
それをフェイトは・・・避けてからのフォトンランサーとの挟み撃ちか。」
それによって更に爆発が起き、どうやらなのはに掠ったようだ。
だが、フェイトもさっきの攻撃が効いたのが息が荒い。
「二人ともかなり消耗しているみたいだね。」
すると、呼吸を整えたフェイトの周りに幾つものスフィアが浮かんでいた。
「不味い、フェイトは本気だ!」
「・・・その本気を練習の時に食らった俺は何だったんだ?」
「なのは!今サポートを!」
『ダメ!アルフさんもユーノ君も手を出さないで!全力全開の一騎打ちだから。
私とフェイトちゃんの勝負だから!』
「でも、フェイトのそれは本当に不味いから!」
サポートを拒んだなのはは、フェイトの本気『フォトンランサー・ファランクスシフト』を諸に受けた。
ドォォォーン
遠くにいてもその爆音が聞こえる。
「なのは!」
ユーノが叫ぶと同時になのはが居た所からディバインバスターが発射される。
フェイトはそれを防ぐが、かなりボロボロだった。
更に、なのははレイジングハートを構えるとその先に魔力が蓄積されていく。
それは、段々と大きくなっていき、某サイヤ人の必殺技の様な球体になっていく。
「何なんだい・・・あれ。」
「ちょっとばかし不味いな、あれ。行って来るわ。」
「ちょっ!翔真、サポートはダメって。」
「サポートじゃない、終わった後の保護をするだけ。」
そう言って俺はスターライトブレイカーの余波を喰らわないギリギリまで近づく。
近づいた所でなのはがスターライトブレイカーを放った。
ドォォォォォォン!
爆音が響いた先にはスターライトブレイカーに飲み込まれるフェイトが見えた。
『ショックウェーブ来ます!5.4.3.2.1』
「プロテクション!」
プロテクションを構えたらとてつもない衝撃波が襲って来た
・・・例えるならガンダム08小隊のアプサラスの放ったメガ粒子砲を陸戦型ガンダムが防いだ時の感じ。
『フェイトが落ちます!』
「マジか!ブースト!」
一気に加速してフェイトに近づき、キャッチする。
「うっ、・・・翔真?」
「おう、お疲れフェイト。」
「フェイトちゃん、翔真君。!」
なのはも、少し遅れて来る。
あのまま、なのはに任せてたらきっとフェイトは海に落ちていただろうな。
「私、負けたんだ。」
「うん。」
「けど、不思議と悔しくない。
なのはの思っている事を知れたし、私も言う事が出来た。」
「私もだよ、フェイトちゃん。」
「二人とも仲良くなったのは良いとして、フェイトは早く降りろ。」
「えっ?・・・はっ、////」
おっ、面白いように顔が真っ赤になった。
自分がどんな状態なのかをようやく理解したみたいだ。
そう、フェイトはお姫様抱っこされていた。
「フェイトちゃん・・・ズルい(ボソ)」
ん?なのはがボソッと何か呟いた・・・ッ!
「えっ!」
「うそ!」
この感覚は・・・ジュエルシード!
『皆!急いでそこから離れて!ジュエルシードの反応が・・・嘘。』
「どうしたんですか!」
『最後の6つすべての反応がっ』
ドバァァァァン
突如、海が荒れたと思うと水の柱が6つ飛び出してきた。
「幾らなんでも6つ一気に相手は辛いぞ」
『恐らく、二人の魔力に反応して一気に暴走したのでしょう。』
水の柱・・・いや、竜巻が横薙ぎに払われたのをフェイトをお姫様抱っこしたまま回避する。
『大変だよ!ジュエルシード周辺に次元干渉型の魔法を感知!総数7!』
7?何故、7つも・・・っ!
「なのは!フェイトを頼む!」
そう言って俺はフェイトをなのはに放り投げて、俺はなのはの上に移動して叫ぶ。
「なのは、今すぐ俺の足にバインドを掛けろ!」
「えっ!でも!」
「早く!死にたいのか!」
「っ!」
俺の言葉に只ならぬ物を感じたのか、俺の足にバインドを掛ける。
『雄二!何をしているんだ!』
クロノが何か言っているが無視する。
タイミングミスったら高確率で死ぬ。
(イマジン、頼んだぞ)
『次元干渉魔法来ます!』
エイミィさんが叫んだ途端、6つはジュエルシードに、あと一つはなのはの所・・・俺の真上に現れた。
「イマジン!リミッター解除!」
叫んだ瞬間、飛行魔法特有の浮遊感が失われ、BJも解除される、
イマジンブレイカ-
・・・つまり『幻想殺し』が発動したのだ。
俺は右手を上に上げる。
足がバインドで固定されているから落ちる心配も無い、右手で触れなければいいのだから。
雷状の魔法が右手に触れた途端、
パキィィン!
と、割れるような音がして頭上に現れた魔法は消えた。
(恐らく、フェイトかなのはを狙ったんだろう。)
リミッターを再度発動させ、再びBJを纏う。
『ジュエルシード6つ反応消失。
封印されたのち、転送魔法で転送された模様、解析に入ります。
なのはさん達の回収に入ります。』
「・・・母さん。」
フェイトの呟きが聞こえた途端、アースラに転送された。
最後のは・・・あれですね。
身をもってなのはの技を受けた経験からで、装甲の薄いフェイトが落ちる事を予測していたからです。
プレシアの技を受けたあれも、幻想殺しが手の範囲外なら影響がない事を利用した捨身技です。