ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら   作:名無しの妖精

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なんかめっちゃ文章量多いです。
今まで1,000~1,500くらいが平均だったのに
今回は3,918文字あります。
いつも通りの感覚で読もうとすると、予定以上の時間が飛ぶので
お気をつけてください。
よろしくお願いします


色欲の城、落城

鴨志田パレスへと侵入し、オタカラである巨大な王冠を盗もうとした雨宮達。

しかし、その前にシャドウの鴨志田が現れ、それを妨害する。

オタカラを盗もうとした人物の中に、一人仮面で顔を隠していない真白を見つけた鴨志田は苛立ちを隠さずに言う

 

「また貴様か、黒澤。お前はいつもそうだ、正義の面して俺の邪魔ばかりする。お前がここに来てから何度俺の邪魔をした?──ククク、しかしこれも今日までだ。お前とお前が連れてきた馬鹿ども、まとめて始末してやる」

「こっちのセリフだセクハラ野郎!」

「ふん、勝手な勘違いだな」

「勘違い?どこがよ!人に言えないようなことしてたくせに…!」

 

竜司の言葉を勘違いと鼻で笑った鴨志田に、高巻が吠えた。

すると鴨志田は意地の悪い笑みを浮かべた。

 

「隠してくれたのは周りだ。俺の実績にあやかりたい大人や勝ち組願望の強い生徒…。そいつらが進んで俺様を守ったんだ、得をするためにな。わからないバカが多すぎるんだよ、貴様ら青臭いガキどもも!ひたすらお前たちを庇ったそこの女もな!」

 

鴨志田が真白を指差すと、雨宮たちの視線も真白へと向けられる。

彼女が自分たちを庇っていたとは知らなかったからだ。

 

「そんなこと、したつもりは無いよ」

「嘘をつけ、俺様がお前のお仲間を退学させようとしても校長は動かなかった。お前が裏で金を渡したからだということくらい知っている」

 

そう言うと、鴨志田は突然笑い出す。

 

「……だが、お前自身が本当に狙われるとは思ってなかったみたいだな!喜べ、明日からお前の席はあの学校にはないぞ?校長も無駄に権力を持ってたお前を煙たがってたからな」

「あ、そう。手続きが楽になったよ、ありがとう」

 

鴨志田が告げた衝撃の事実に、真白はいつも通りの笑みを崩すことなくそう言ってのける。

 

「……っ!偉そうにするなよ、取り柄もない凡人が!俺様は、お前とは違う本物の天才なんだ、他の人間とは違う!」

「そうだね。キミは、他の人間よりも一層醜い悪魔だ」

「くくく……、そうだ、俺はお前たちと同じナンカじゃない!俺は世界を支配する悪魔、本物の王だ!」

 

そう言った途端、鴨志田の姿が醜く醜悪な悪魔そのもののような見た目へと変わってゆく。

頭は大きく、体は大きいながらも細く、腕は四本に増えて口からは長い舌が伸びている。

 

「遂にカモシダとの直接対決……、ミンナ、やっちまおう!」

 

その言葉と共にモナが召喚したペルソナによって、カモシダへと暴風が吹き荒れる。

カモシダがよろめいた隙をついて高巻が鞭で一撃を加える。

するとカモシダは、目の前に置かれていた巨大なトロフィーから、自身の持つナイフで女体のような姿をした何かを突き刺して取り出し、そして食った。

 

「くぅぅう!回復ぅうう!」

「回復だと……?あの中のやつ食ったからか…?」

「それなら秘策の出番かな?」

 

真白はそう言うと、一つの球体をトロフィーの中──女体でぎっしりになったその隙間──に投げ込む。

 

「何投げたんだ?」

「なんてことない、ただのグレネードだよ」

 

それと同時に爆発音が響き、巨大なトロフィーが内側から粉微塵になって消し飛ぶ。

 

「あぁぁあ!?嘘だろ……全日本で…優勝の時の……。真白、またお前か!またお前が俺様を邪魔しやがるのか!?いつもいつも、その見下した目はなんだ!」

「──自分の宝物を傷つけられただけでソレなのに、人の宝を……友人を死に追いやろうとしたのかい?随分と、醜いな」

「……うるさいうるさい!奴隷ども!アレ持ってこいっ!現役のときブイブイいわせてた、俺の必殺スパイク!『必』ず『殺』すスパイクだ!本気で行くぞ!さっさと来い!」

 

すると、広間の奥から鈴井がやって来る。

 

「カモシダ様、ボールをお持ち致しました」

「いーい子だ、鈴──」

 

しかし、その鈴井の首筋に横合いから矢が突き刺ささり、鈴井は黒いチリになって消えた。

 

「仕込み吹き矢、暗器の類だけど用意した甲斐はあったな」

「ちょっと!?アンタ───!」

「どうせ認知のハリボテだ、不快なチリは消すに限るだろう」

 

認知存在の鈴井を消した真白に一瞬抗議の声を上げるが、真白の言葉に一蹴される。

その時、雨宮が真白に

 

「真白、カモシダの頭にあるオタカラを狙いたい。行ってくれるか?」

「搦手だね?いいとも!注意は引いておいておくれよ」

 

真白は二つ目のグレネードを取り出し、ピンを抜いたかと思えばカモシダの顔目掛けて投げつける。

それは、煙を吹くスモークグレネードであり、カモシダは思わず目を瞑る。

その隙に真白は柱の裏に隠れ、カモシダの視線から逃れた。

 

雨宮たちが注意を少し逸らしている隙に真白はどんどんとオタカラに近づいて行く。

 

「!?一匹、あのクズがいない!?どこに行きやがった!」

「ここだよ」

 

真白はカモシダの頭の真横にあった足場から飛んでカモシダの頭頂に輝いていたオタカラを蹴り落とした。

 

「今だよ!」

「っうん!踊れ、カルメン!」

 

それによって動揺した隙を見逃さず、高巻がペルソナによって一撃を加えた。

カモシダは倒れ、元の裸の王様のような姿に戻った。

転がったオタカラを雨宮が拾おうとしたその時、鴨志田はバレーボールプレイヤーとしての瞬発力を存分に発揮してオタカラを掠め取る。

が、しかし鴨志田が逃げた先は行き止まりのバルコニーだった。

 

「どうしたの?逃げないの?逃げたらいいじゃない。運動神経、バツグンなんでしょ?」

「……っ、昔からそうだ、ハイエナ共が、期待という名の押し付けばかり……!そいつらの分までやってやってるんだ!見返りを求めてなにが悪い!」

「言い訳かよ。お前のその歪んだ心、俺らがなんとかしてやるよ」

 

高巻と竜司に言葉で詰め寄られ、鴨志田は狼狽える。

すると、高巻がさらに言葉を重ねる。

 

「怖い?今アンタは、志帆と同じ景色を見てるんだよ。きっと志帆も怖かった…、真白がいなかったら飛び降りるとこだった…!」

 

高巻が、強く拳を握る。高巻の背後で、彼女のペルソナの両掌に炎が灯る。

 

「飛び降りる?それとも、ここで…死んでみる?」

「一思いに殺すかい?いいよ、ボクは見守ってる」

 

高巻から距離をとって、いつもより少し深く、そして悪趣味な笑顔を浮かべるが、それを見ているものはここにはいない。

 

「やめてくれ!頼む!やめてくれぇぇ!」

「みんな、アンタにそう言ったんじゃないの!?けど、アンタは平気で奪ってったんだっ!」

 

高巻のペルソナから発された炎が鴨志田の頭上スレスレを掠め、背後の柱を焦がした。

鴨志田は腰を抜かして

 

「わ、分かった……、俺の負けだ!」

 

そう言って雨宮にオタカラを投げ渡した。

 

「トドメをさせよ。そうすれば…『現実の俺』にもトドメをさせる。勝ったお前らには、その資格がある」

 

そう言って俯いた鴨志田に、高巻は炎を放つ。

 

「──杏っ!」

 

竜司が叫んだ。

しかし、炎はただ鴨志田の真隣に着弾し、鴨志田のマントをはためかせるのみに終わった。

 

「廃人になられたら、罪が証明できなくなる…」

「アン殿は優しいな……」

 

鴨志田はさらに俯く

 

「俺は、負けた。負けたら、終わりだ……。これから、どうすればいいんだ……」

「罪を償え」

 

雨宮が一言そう言うと、鴨志田は顔を上げた。

そして、光に包まれ始める。

 

「わかった…俺は、現実の俺の中に帰ろう」

 

そう言って鴨志田が消えた途端、城が大きく揺れる。

 

「おわっ!?ちょっとモナ?これは聞いてないよ?」

「言ってなかったからな。長話する暇ないぜ、ここはもうすぐ崩壊する!」

 

そのセリフと同時に城の揺れが大きくなり、全員がほぼ同時に走り出す。

 

───────────────

 

パレスからなんとか脱出したあと、路地裏で四人と一匹は

 

「ハァ、ハァ、…キッツ……」

「……準備しててよかった……水」

 

息を上げる高巻と、その隣でゴクゴクと水を飲む真白。

すると、竜司が

 

「ナビ見てみろ!」

『目的地が、消去されました』

「本当だ、行けなくなってる」

「オタカラは!?」

 

モルガナに言われて雨宮がポケットから取り出したそれは、金メダルだった。

 

「……メダル?え、あの王冠は?」

「カモシダにとっての欲望の源が、それだったってことだよ。やつの中じゃ、このメダルがパレスで見た王冠くらいの価値ってことだろ?」

「これ、オリンピックのだろ。あの変態野郎、過去の栄光ってのにしがみついてただけってことか」

「でも、これで鴨志田の心には変化があった。そういうことだよね?」

 

真白が尋ねるとモルガナは

 

「……たぶん。ワガハイにとっても初めての成功例だ。どうなるかはわからんが、カモシダの人格に相当な影響を与えたのは間違いない。パレス丸ごと消えてなくなったんだからな?」

「でも、鴨志田が解散しても、真白の退学が決まったって……」

 

高巻のその一言で周りの空気が一気に落ちる。

戦いのゴタゴタで流されていたが、彼女の退学がすでに決まったと鴨志田は言ったのだ。

 

「……ハイハイ三人とも落ち込まない!ソレは元々考えてたしね、手間が省けただけだよ。それよりも、ボクたちの生還と大成功を祝おうじゃないか!少なくとも、ボクたちのお陰でこれ以上の被害者は出なかったワケだしね!」

「……退学考えてたって、どういうこと?」

「ボクって、結構お金持っててさ、資産運用とか投資とかで一生遊んで暮らせそうだから、もういいかなって思えてきてさ」

 

真白らしい答えだ、と雨宮は思った。

まるで掴みどころがない蝶のような彼女は今、翼を広げ繭を突き破ろうとしているのだろうと、そんなふうに思った。

 

「まぁとりあえず、連絡先も交換してるし、学友じゃあなくなっても、親友だ。また会おう!」

 

そう言って背中越しに手を振りながら、真白は歩き去って行った。

 

「……じゃあ、私たちも帰ろっか」

 

その日、四人と一匹は少しの達成感を胸に帰路についた。




長かったのに読んでくださった方ありがとうございました
ペルソナ3Rを約束の日よりも前に全クリいたしまして
一昨日の深夜にTwitterを見たら、エピソードアイギス配信決定!
原作がプレイできてないのでので九月が楽しみです。
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