ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら 作:名無しの妖精
あの後、鴨志田はしばらく学校にすら姿を見せない状態だったが、しばらく経つと自分から姿を現し、そして自分の罪を多くの生徒たちの前で告白して自首した。
これを一番に報告しなければいけないのはやはり、自分たちの盾となってくれていた彼女だろう、と考えた雨宮がそれを高巻と竜司に話すと、竜司は
「なら、お前が行ってこいよ。気になってんだろ?アイツのこと」
ニヤリと笑ってそう言った。
「……なんのことだ?」
「違うにしても、蓮が話に行ってよ。私たちをまとめてたのは蓮だしさ」
竜司と高巻の二人の言葉により、雨宮が真白へと様々なことを伝えに会いに行くことになった。何処かで会うように連絡をするべきか、それとも以前に招待された彼女の家に向かうべきかと悩んでいたその時、寄り道で寄った渋谷、その駅のすぐ外に彼女はいた。
こちらに気づいている様子はなく、壁に寄りかかっていつもとは違う笑みのない顔でスマートフォンを見つめている。
雨宮は話しかけようとするが、竜司から言われた言葉を思い出して足が止まる。
これまで全くではないが、ほぼ意識していなかった彼女との距離感をこれからどうするべきかと考えたその時
「あ、蓮クン、奇遇だね?」
彼女から声をかけられ、雨宮は思わずその場に固まる。
「……おーい、話しかけてるんだけど?」
「あ、あぁ、奇遇だな」
「もしかして、ボクのこと探してたかい?メールしてくれればよかったのに」
そう言った彼女に、とりあえず鴨志田に関する事の次第を伝えた。
そして、数日後に予定している打ち上げのことも同じように伝える。
すると真白は
「……よかった。ひとまずこれで一件落着だね。打ち上げにはもちろん参加させてもらうよ。この件はかなり頑張ったと自負しているからね……、脇役だからあまり目立たなかったかもしれないけれど」
「そんなことはない」
「ふふ、優しいんだね。その優しさに甘えるよ。──さて、時間があるならお茶でもどう?またご馳走するよ。今度は茶菓子もセットだよ」
雨宮は少し迷ったが、彼女の誘いに乗ることにした。
────────────(以下雨宮蓮視点)
真白に誘われて、前と同じように彼女の家へと向かった。
すると、彼女の家の前には金髪に蒼眼少女が佇んでおり、真白の表情が険しくなる。
「……ここでなにをしてるんだい?アイギス」
「あなたと、話をしたくて来ました」
「そう、じゃあ入りなよ。ちょうど彼とお茶をするつもりだったんだ」
アイギスと呼ばれた少女は真白に言われた通り、彼女の後について家に入る。
「……ごめんね、旧知の友人なんだ」
「構わない」
そう返答すると、真白は三人分の紅茶とそれを置くために追加で一つ机を持ってくる。
「さて、僕の認識だとキミは今桐条さんのところで色々やってたと思うんだけど、なんでここにいるのかな?」
「あなたの近況を聞きに、休暇を取ってきました」
「……へぇ?随分と気に掛けられてるんだね、ボクは」
「だってあなたは、桐条の───」
「ただの嫌味だ。その話を彼の前でしないでくれ」
「……わかりました」
真白は無言で席を立って台所の方へと消えていった。
すると、アイギスと呼ばれた少女がこちらに話しかけてくる。
「あなたは、真白さんの友人ですか?」
「そのつもりだ」
「なら、どうか彼女と仲良くしてくださいね。あなたは信頼されているようですから」
そういうとアイギスは玄関へと向かい、静かに去っていった。
それを椅子に座ったまま見送った直後、真白がマカロンを持って帰ってくる。
「アイギスは帰ったんだね?よかった。……これをどうぞ」
「いいのか?」
「もちろん!キミとこうしてお茶をするために買ったんだからね」
こちらに微笑んだ彼女の笑みに、息が詰まった。
確かに、俺は彼女に好意を抱いているのかもしれないと思うほどに魅了された。
「……どうかしたかい?」
「いや、なんでも」
「ボクの顔に釘付けだったりする?まぁ、イケメンだから仕方ないけれどね?」
「意外とナルシストなんだな」
「ははは、秀尽にいた時にそうやって褒められたんだよ。みんながそうだって言ってるのに、当の本人が否定しちゃダメでしょ」
そう言って笑う彼女は、先ほどと違って少しだけ目を伏せているように見えた。
「ここには俺とお前の二人だ、そうやって偽る必要はないと思うぞ」
「……!へぇ……、そういうこと言うんだ…へぇ〜」
妙に間延びした声と共に、彼女の瞳が怪しげに細められる。
俺は蛇に睨まれたカエルのように固まってしまった。
「あんまりそんなこと言わないほうがいいよ。誰だって、取り繕わなきゃいけない本性が、本音があるんだ。そんなことを言われると、全部吐き出してしまいそうだからね」
「それで少しでも力になれるなら、そうしてくれ」
「〜〜っ!!君って奴はもう、本当に……!調子が崩れるなぁ!今日は解散だ、また話そう。……次は、少しだけ腹を割って話すよ」
真白が少しだけ心を開いてくれた気がする……
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「次もちょっとしたお茶菓子を用意しておくよ。またね」
真白の声を背に、ルブランへ帰った。