ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら   作:名無しの妖精

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白い髪

何度目かのパレス探索から帰ってきた雨宮たち。

あれから数日が経ち、裏で真白が口添えしていたこともあって喜多川とのコミュニケーションは円滑に進み、マダラメパレスの攻略も順調に進んでいる。

彼女に依頼されていた楔も先ほど破壊したところだ。

しかし、喜多川との会話の中にも現れる……いつもならヘラヘラとした笑顔で雨宮たちの前にも姿を現すはずの真白は今日までその姿どころか連絡すら取れない音信不通の状態だった。

そんな時、雨宮のスマートフォンが震える。

 

『楔の破壊、ありがとう。〇〇-〇〇-〇〇ビル』

『一人で来てくれると嬉しいな』

 

メールの送り主は真白だった。メールには感謝の言葉と見知らぬビルの住所が記載されていた。

彼女は何らかの方法で楔の破壊を知ったと同時に雨宮にこのメッセージを送ったのだろう。

パレスに現れなかった彼女がどのようにそれを知ったのか、それを訝しみながらも雨宮蓮は伝えられた住所へと向かった。

そこは大きな商業ビルで、彼女に伝えられたのはその一角にある高級な料亭だった。

 

「やぁ、数日ぶりだね」

 

通された個室で彼女は、いつもよりも快活さに欠けるような雰囲気で彼を待っていた。

 

「……やあ、数日ぶりかな?元気だったかい?」

 

そう言って笑いかけた直後、彼女はとても激しく咳き込む。

口元を抑えていた手を離したその瞬間に見えた赤い色は見間違いであることを祈って、そして本当に大変なことならば話してくれるだろうと彼女を信頼して、雨宮は見なかったふりをした。

しかし、その視線を察した真白は、無情に彼女自身の現実を告げる。

 

「……見えてしまったかい?そうだよ。ボクはもう、そこまで長くない」

「……本当に?」

「あぁ、本当さ。だから、君たちの旅を最後まで支えるのは無理だ。だから、これからは君たちだけで……、できるかい?」

 

彼女はまるで昨日の晩御飯の話をするかのような気軽さで自分は長くないと言い放ち、病床に伏す親友を見舞うかのような慎重にこちらを伺う態度で今後を問うた。

 

「出来るけど……」

「あぁ、サポートの話かい?それはしっかりとやるから安心して。ただ、前線で戦うには少しコンディションが悪いだけだから」

「そうじゃない、()()を見殺しにはできない」

「……─〜っ、気持ちは嬉しいよ……けれど手遅れなんだ。だから、そんな顔をしないでおくれ。そうじゃないと、ボクの心が傾いてしまう。──ボクはね、決意も覚悟も、とっくの昔に済んでいるんだ」

 

そう言った彼女の瞳には、一切の迷いがなかった。

 

「……ボクが終わるその時までサポートはするから、みんなによろしく。──それと、もう二人きりで会うのはやめにしよう?どうせ死ぬ人間のために時間を使わないほうがいい」

 

こちらを気遣うようにそう言って勘定に向かったその背中は、いつもより随分と小さく見えた。

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