ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら 作:名無しの妖精
『ヒットしました』
「……ヒットしたぞ」
「えっ…え?俺なんか言った?」
パレスに入るためのキーワードを探していた雨宮たち。
不意にヒットしたワードはおそらく、〝渋谷全体〟だろう。
「……ねぇ、コレって何をしているの?」
「しーっ、待っていたまえ。もうそろそろ案内したい場所に辿り着くよ」
何も知らない真からすれば意味不明の光景に、思わず真白へと質問をするが、真白はそんな真を静止して雨宮たちを眺めている。
「金城が『銀行』だと思っている場所は、『渋谷全体』だ」
「は?街全部…ってこと?」
「なるほど、確かに『被害者の居場所』だな」
「キーワードが出揃ったなら、生徒会長サマをご案内しようじゃないか」
「……そうだな」
真白の提言に、いまだに完全には納得できていないながらもそれを認めた竜司は不承不承ながも頷く。
『ナビゲーションを開始します』
その音声と共に、世界が歪む。
「──なに、これ?何その格好!?」
「ここは簡単に言うならば、金城潤矢の心の世界。彼の歪み切った認知が生み出した、妄想と固執に蝕まれた現実だ」
驚く真に、真白はこの世界の仕組みを一から十まで解説する。
すると、真はまだ疑うような目を向けつつもなんとか理解したような素振りを見せた。
「信じられないけれど、コレが現実なのよね。……黒澤さんが催眠術か何かを体得していなければだけど」
「……ボクってそんなに怪しい?」
「秀尽にいた時の女子からの好かれ方、尋常じゃなかったでしょ?一度疑ったのよ、そういう手口があるのかもって」
「そっかぁ……」
遠回しに、しかしわかりやすいように面と向かって〝怪しい〟と言われた真白は、少し肩を落とす。
するとその時、それを見た高巻が
「……あれ?その羽って、前は戦う時だけじゃなかった?」
真白の背中で不規則に羽ばたいている蝶のような羽を指さしてそう言うと真白は少し嬉しそうに
「おっ、気がついたかい?ボクの力が強まった証拠だよ。雨宮くんの手柄だ。……まぁ、それはそれとして、上を見てごらん」
真白が指差した方角を見ると、そこには空飛ぶ銀行が存在していた。
「空中か」
「『足がつかない』ってことか……」
「それで、どうやってあそこまで行くわけ?モナってヘリとかになれんの?」
モナが横に首を振ると、高巻は真白に目線を移した。
「…………妖精の粉?」
「言うと思ったよ!……言っとくけど、ボクは本当にそんなモノ持っていないからね!認知の改変を応用しても物理法則に抗うのは難しいんだ。なんたってそれは人の認識ほとんどのものの基礎となる認知だからね。とりあえず、生徒会長サマにボクらの仕事を認識してもらったわけだし、今日はここで退散としようか」
怪盗団の面々は真白のその言葉に頷き、撤退することとなった。
いつもより暗い色をした彼女の瞳に気付かないままに。