ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら   作:名無しの妖精

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三百万

三週間で三百万円の用意。

結果から言えば、怪盗団の成果はマイナスにしか思えないソレだった。

原因は自分一人で金城を追おうとした真と、それを助けようとしたが故の浅慮だった。

その経緯を聞いた真白はいつもより冷たい表情で真を見つめた。

 

「……君はいつもそうだね、真?一人でなんでもしようとして、何もできやしない。」

 

真は見た。

こちらを覗き込むその瞳がこちらを嘲笑うように歪む様を、彼女の瞳が、深い青色へと変わる瞬間を。

 

「ただの、()()()──」

「言い過ぎだ」

 

蓮の呼び掛けで真白はハッとしたように瞳を瞬かせた。

次の瞬間、真白の瞳は元の色に戻っていた。

 

「ごめね、少し……言い過ぎたよ、ここの所色々あってね。まぁ何はともあれ、これで君たちは金城のお客様になったわけだから、あの銀行にも入れるだろうね。……万が一失敗しても、三百万()()()ならボクが立て替えるとも」

「すげぇ、金持ちじゃん」

「ふふん、そうだとも!金持ちパワーを舐めないほうがいいよ?」

 

ぼそっと呟いた竜司の言葉に、フフンと胸を張る真白。

モルガナはそれを見て呆れたようにため息を吐いた。

そして、一向はイセカイへと向かう。

 

───────────────

 

カネシロパレスへ入ると、前までは浮かんでいて入ることすらできなかった金城の銀行が低空へと移動し、真を迎えるように足場を形成した。

嫌味のようにそれを称えた真白を軽く睨みながらも真と怪盗団のメンバーは銀行へと向かった。

 

『若い女は便利ですねぇ。力が無くて、頭が悪い。強いものに食われるためにあるようだ。それが有史以来の掟なのかもしれませんね』

 

銀行へ向かうと、金城のシャドウは怪盗団を奥の部屋へと案内し、一日1割という法外な利子を突きつけた挙句そう言い放った。

 

「へぇ、そうかい?それでも君はその()()女を相手にモニター越しの会話で済ませるわけだ、見上げた警戒心だね。ボクでもそこまでは考えが至らなかったよ!いやはや、ボクたちも未だ未熟者だと実感させられるなあ」

「──っ!黙れコソ泥風情が!ここは最新のセキュリティを施した俺の城だ。誰だって金を渡せば何だってする、お前らの命くらい息をするように奪う」

 

真白はわざと相手の怒りを煽るかのように、わざとらしく大きく芝居がかった仕草で金城を挑発した。

金城はそれに青筋を立てて警備員のシャドウをけしかけた。

怪盗団は全員で相手をするが、警備員シャドウは数が多く徐々に押され始める。

 

「マシロ!何で挑発したんだよ!?」

「考えがあるからだとも!」

 

怪盗団が新島真を連れて銀行の入り口付近にたどり着いた時、周囲から一気に警備員シャドウが出現し、彼らを囲んだ。

すると、金城のシャドウが彼らの前に現れ、先ほどの意趣返しのように挑発するような言葉を繰り返す。

しかし、その矛先は新島真に向いていた。

姉を奴隷にし、飽きたら売ると言った金城に真は動揺を見せる。

 

「お姉ちゃんは関係ないじゃない!」

「なら、明日から客を取れよ。我慢していいなりになってればいいの」

 

「……我慢……言いなり」

 

金城の言葉を復唱した真の肩が震え始める。

 

「お前なら、三百万くらいすぐに稼げるよ」

「その頃は、お前の人生も何もかも滅茶苦茶になってるけどな!」

 

嘲笑う金城を前に、真は顔を上げた。

そして

 

「さっきから黙って聞いてりゃ……」

 

「うぜぇんだよ!この成金が!」

 

先ほどとは打って変わった様子に金城が唖然としているその時、真の脳内に声が鳴り響く。

 

『……戦う、覚悟はできましたか……?』

「いいわ、来て!」

『それなら、速やかに契約に移りましょう』

 

ドクン、と心臓が高鳴り、激しい痛みが真の思考を塗りつぶす。

苦痛に呻く真に、声が語りかける。

 

『我は汝……汝は我……』

 

『せっかく見つけたあなたの正義、どうかもう…見失わないで』

 

真の踏み出した足が、銀行の床のタイルを踏み破る。

金城を睨みつけたその顔には、重厚な鉄の仮面が張り付いていた。

 

『今日は偽りの自分からの卒業記念日です……』

 

真が張り付いた鉄仮面を無理やり引き剥がすと、真は青い炎に包まれ、炎と光が止むとそこには、怪盗服とペルソナを手に入れた真がペルソナに()()()いた。

 

「……ペルソナ?」

「いやあれ…バイクだろ」

 

戸惑うような感想を口にする仲間たちを他所に、真白は楽しそうな笑みでそれを見つめている。

 

「伝わってくる。これが『私』…」

 

真は迫る警備員シャドウ二人を轢き飛ばす。

すると、金城は警備員シャドウに脅し文句のような発破をかけて真へと向かわせる。

 

「もう、絶対に弱音なんて吐かない。飛ばすだけ、飛ばすから!」

 

「いいよね、ヨハンナ!」

 

彼女のヨハンナが蒼炎と共に駆けるたびに警備員シャドウが蹴散らされてゆく。

一人の警備員シャドウがその隙を見つけ、警棒を振りかぶろうとしたその時、背後から警備員シャドウの首へ黒い大鎌が迫り、その首を刈り取った。

 

「……油断しないでくれたまえ、生徒会長?」

「……うっさい。それよりも脱出でしょう?先に行ってるから!」

 

彼女のヨハンナが銀行の扉を突き破って外へと駆けて行った。

 

「オマエ、何でそんなにマコトと仲悪いんだ?」

「性根が真反対だからね、仕方ないよ」

 

そうして、怪盗団は銀行への侵入ルートを手に入れてカネシロパレスを脱したのであった。

 

 

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