ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら 作:名無しの妖精
「……さて、思えばボクと君たちが怪盗団を始めてから数ヶ月、いろんなことがあったねえ」
真白は蓮の向かい側の席に腰掛けると、そう話を切り出した。
「ボク個人としての一番大きな出来事はまぁ、君からの説得だったワケだけれども」
真白は少し恥ずかしげに頬を掻きながらそう言った。
「今日君を呼んだのはね、前のアレを黙ってて欲しいなって思って。お願いをしたかったんだ」
彼女の願いに首を縦に振ると、彼女は少し悩ましそうに
「ありがとう。代わりと言っては少し物足りないかもしれないけど、これを君にあげよう」
彼女が差し出したのは先ほど取り出していた紅茶の茶葉が入った箱。
それと同時に、キッチンタイマーがジリリリと耳障りな音を立てた。
「ちょうど同じ紅茶だから、飲んで気に入ったら持って帰って」
立ち上がった彼女がキッチンから持ってきたのは湯気をたてる紅茶。
その時、ふと三つ目の楔のことを思い出した。
彼女にパワーアップしたのか、と聞くと彼女は微笑んで指を鳴らした。
次の瞬間、周囲の景色が壮麗な花畑へと変わる。
「気に入ってくれたかな?紅茶を飲むのには、こういう花畑の方が風情があるだろう?」
彼女はどうぞ、と二つのカップの片方を蓮の手元に寄せた。
受け取って飲んでみると、確かに美味しい。
蓮は現時点でコーヒーならばかなり美味く淹れられる自信があるが、紅茶の場合は彼女に勝つことは難しいだろうと思わされる味だ。
「満足したかい?」
彼女の言葉に頷くと、彼女は嬉しそうに頷いた。
その時、蓮の視界がぐらりと揺れた。
「満足したみたいでよかった。……ただ、これじゃあこれまでの協力に報いる報酬としては足らない、そうだろう?」
その時、歪んでいるのは自分の視界ではなく、この
次の瞬間にはそれが収まると、真白の手の中には先程まで無かった蝶の羽を模した飾りの付いたネックレスが握られていた。
「これはボクの力の一端を閉じ込めた物だ。認知を歪め、穴を作る……要するに、シャドウに見つからないようにしたり、壁を通り抜けたりできる代物だ。ただ、ボクの力も戻り切ってはいないから一度に使える回数は限度がある。大事に使っておくれよ?」
その日は、それを受け取って蓮は帰路に就いた。
「ん?そのネックレス、マシロから渡されたのか?なんだか、禍々しい……いや、少し違うな。しかし、寒気のする気配を感じるな」
モルガナはそのネックレスを見てそう言った。
「……ネックレス?贈り物か?物好きもいたもんだな」
惣治郎はそう言った。
蓮は受け取ったネックレスを少しの間見つめ、作業台の上に置いて眠りについた。
その日は、夢を見なかった。