ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら   作:名無しの妖精

3 / 25
妖精王。色欲の城

屋上での会話により、黒澤真白が協力者となった次の日の放課後。

 

「…蓮、ちょっとこっち来てくれ。」

 

そう言って竜司は蓮を秀尽学園の校門の前にある路地に連れ込んだ。

そうしてそこで話したのは昨日の城のこと。

不思議で、夢としか思えない体験だったが、同じくその存在を知る真白が居たことで、実在はほぼ明らかだからこそ、鴨志田に関係があるならば少しでも調査したいという旨だった。

そして……

 

「なんか知ってるっぽいし真白の協力は必要だ。けど、完全には信頼できねぇ。だから、少し様子を見ねぇか?」

「少なくとも、悪いやつじゃないように見えたが?」

「アイツには噂が何個かあるんだよ。……アイツのことを『王子様』って呼んでる奴らにアクセサリーを貢がせてるとかな」

 

そんな噂があるなら、と蓮もそれに頷く。

その後、二人で昨日の登下校の道を辿ったが、古城に辿り着くことはなかった。

しかし、蓮のスマホにインストールされていた謎のアプリ『イセカイナビ』を起動させ、履歴の一つをタップすると気がつけば目の前に先日の古城が聳えていた。

すると

 

「あれ?もう来たのかい?君たちが来ないうちにボク一人で軽い斥候くらいは完璧にこなしておこうと思ったのに」

 

白を基調色とした外套と、中世風の服に身を包んだ真白が視界の外から現れる。

 

「うぉっ!?蓮だけじゃなくてお前もかよ!?それどうなってんだ?」

「細かい原理はわからないかな。でも、似合ってるだろう?」

 

蓮と真白の変化した洋服について話していると、モルガナがやって来る。

モルガナとの会話中に響き渡った奴隷の叫び声に、奴隷たちの元へ案内して欲しいと頼んだ竜司にモルガナは

 

「いいぜ。そこの二人が付いてくるならな」

「わかった」

「いいとも」

 

蓮と真白の快諾によって二人は古城の奥、地下牢を目指す。

 

「……斥候をしていた時に入ったけど、なんとも趣味の悪い城だね」

「鴨志田の城だぜ?趣味悪いに決まってんだろ」

「まぁ、そうだよねぇ」

 

そんな二人の雑談に時々蓮とモルガナが会話に加わりつつ歩いていると、地下牢にたどり着く。

 

「なんで誰もいねぇんだよ…」

「移送されたんだろうな」

 

奴隷は移送された後だった。

辺りを見渡すモルガナと蓮、そして真白。

すると少し遠くまで確認しに行っていた竜司が焦り気味で戻ってくる。

 

「やべぇぞ、足音が近づいてくる!かなりの数だ!」

「おい、とりあえずこの部屋に入れ!やり過ごすんだ!」

 

モルガナは、蓮たちにパレスや今いるセーフルームに関する説明をした。

番兵をやり過ごす間の待ち時間。

モルガナが言う

 

「仲間内で懸念があるなら、言うのは今のうちだぞ?なんかあるんだろリュージ」

 

先程から真白のことを気にしている竜司にモルガナは言う。

すると、しばらく考えてから竜司は少し言いづらそうに真白に言う。

 

「なぁ、お前は知ってんのか?その……噂とか」

「……噂?ボクについてのものかな?どの噂のことか言ってくれないとわからないな。ほら、ボクの噂は多いだろう?根も葉もないものから、少し合ってるものまでね」

 

真白はクスクスと口に手を当てて笑いながら言う。

 

「少しあってるやつもあんのか……、俺が今一番聞きたいのは、お前が女子にアクセサリーとかを貢がせてるって噂だ」

「あ〜、知らないうちにそんな噂になってたんだ。──半分は本当だね」

「……半分?」

「そう、半分。ボクはしっかり無理して渡さないでね、とか渡されても校則的に学校では付けられないよ、とか言ってるのに気がついたらバックに詰め込まれてるだけだからね」

「どっちかって言えば被害者だろそれ……」

 

その会話を聞いていたモルガナが少し困惑気味な様子でそう言うと、真白はようやくそれを話せる相手ができたからか、少し嬉しそうな顔で

 

「そうなんだよ!……想像してくれたまえ、いざ帰ろうとバックを持ち上げると少し重いんだ…、それで中を確認すると値段も種類もまちまちの装飾品や日用品、果てにはお菓子まで雑多に詰め込まれた地獄のような詰め合わせが完成してるんだよ……!」

 

これまで見たこともないほどに眉に皺を寄せて言う真白。

その様子は、真白を疑っていた竜司も同情を禁じ得なかった。

真白はさらに

 

「それで彼女たちに驚くからやめてくれと言ったらどうなったと思う?……バックにね、付箋が貼ってあるんだよ。『私たちからのプレゼント入りです♡』……ボクは入れるなと言ってるんだ!」

 

思い出しただけで彼女の内面にダメージが入ったのか、ついに真白は机に両肘を突いて頭を抱え出した。

 

「……悪かったよ、でも邪魔なら売ったり……」

「出来ると思うかい?邪魔だとしてもアレは、彼女たちなりに心を込めてボクに送ってくれたものだ。それを売るなんてボクには考えられない」

「……思ってた数十倍良いやつだな、お前」

 

竜司は真白に対しての印象を改めつつ、ふと疑問を投げかける。

 

「ちなみに、今までどれくらいもらったんだ?」

「……部屋一つ埋まるくらい」

「もう受取拒否した方がいいだろ」

「やっぱりそう思う?」




読んでいただきありがとうございます
次回は高巻さんのあたりまで行こうと思います
のんびりお待ちください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。