ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら   作:名無しの妖精

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竜司のペルソナ。真白の戦い方

休憩を終わりにしてセーフルームを出た雨宮達は、騎士達の会話から『修練場』と言われる場所へ辿り着いた。

道中でモルガナは、竜司が持ってきたモデルガンは有用であると言った。

 

「ここは認知、認識の世界だ。相手が本物だと認知する限り本物なのさ。幸い見た目だけはリアルだしな」

 

その話を聞いているのか無視しているのか、真白はしゃがみ込んでシャドウの持っていた剣を手に取った。

 

真白はその剣を片手で握り構えると、何もない場所へと向かって二度、三度素振りをする。

 

「すげぇ、様になってんな」

「あぁ、振り切った剣がブレずにぴたりと止まってる。剣道でもやってるのか?」

 

それを見て各々の感想をこぼす竜司とモルガナに、真白は少し誇らしげな表情で笑うと

 

「様になってたかい?それは良かった。剣道はやったことないね。趣味の映画鑑賞と普段のトレーニングの賜物かな?」

「トレーニング……。」

 

復唱するように呟いた雨宮。それに対して真白は

 

「こう見えて体型には気を遣ってるんだよ。筋肉ならまだしも、柔らかいお肉はあんまり付けたくなくてさ。コレを維持するのも大変なんだよ!」

 

と、わざとらしく怒ったような声色で言う。

そして、修練場の中に一通り目を通し、怒りと共に出口と思われる階段を上がると、そこでは不機嫌な表情の鴨志田が騎士を侍らせて待ち構えていた。

 

「暴力騒ぎで仲間の夢を潰した裏切りのエースが、偉そうだな?それに、何やら女どもに貢がせてると噂の王子様まで一緒とは……。気に入らん、まとめて殺せ」

 

鴨志田の号令と共に、シャドウ五体が一気に襲いかかってくる。

 

「ニ体はボクが引き受ける。残りは頼むよ!」

 

シャドウに囲まれたジョーカーとモルガナ、真白も同じく囲まれている。

ジョーカーとモルガナはそれぞれのペルソナで対抗しているが、真白はペルソナを召喚していない。

しかし、シャドウの攻撃は距離感を測り違えたかのように当たらず、真白は攻撃を空振ったシャドウへと攻撃を加えるヒット&アウェイでなんとか応戦していた。

 

「こいつは…ヤバイな……」

 

モルガナがそう呟いたその時、シャドウの一人がモルガナの背後から攻撃を加え、モルガナを跪かせる。ジョーカーも同様に膝を突く。

 

「ちょっと失礼!」

 

さらに追い討ちを掛けようとしたシャドウへと、横合いから槍が突き刺さり、シャドウの一体が消滅する。

囲まれた状態からの真白の精一杯の支援だったが、しかし

 

「……ぐ、マズったねこりゃ」

 

その隙をシャドウに突かれ、その攻撃をモロに喰らってしまう。

勝敗が決した後、倒れ伏す彼らを嘲笑うようにその場へとやってきた鴨志田は真白の腹を踏みつける。

 

「どうせ、貴様の思いつきで来て、こうなっちまったんだろう?え?」

「……やめろ」

 

ただその光景を見ることしかできない竜司に、鴨志田は語りかける。

煽るように、蔑むように言う。

 

「すぐ感情的になるクズ。この俺様に手を上げやがって。臨時とはいえ少しの間、陸上部の練習を見てやった恩を忘れたか?」

「あんなもん練習じゃねえ!体罰だ!単にテメェが、陸上部が気に食わねぇから……」

 

その試合を思い出し、怒りで地に拳を叩きつけながら反論した竜司にへと、鴨志田はその本性を露わにして、腹立たしげに

 

「目障りなんだよ!実績を上げるのは俺様だけでいい!クビになったあの監督も、救えないバカだ。正論言って楯突かなければ、エースの脚を潰すだけにしてやったものを……」

「何、だと…」

「もう一本の足もやってやるか?どうせ学校が『正当防衛』にしてくれる」

「……また俺、負けんのかよ……。こんなクソのせいで走れなくなって、陸上部も無くなって。」

 

悔しさで唇を噛み、拳を握りしめる竜司。

しかし、鴨志田はそんな彼の仕草を何一つ気にすることもなく、事もなげに

 

「こいつらを始末したら、次は貴様だぞ?」

 

そう言って笑う。

その時、一言。

雨宮がたった一言、竜司に声を投げかける。

 

「言われっぱなしか?」

 

竜司の目の色が変わる。

 

「……そうだよ。俺が、あいつに奪われたモン、もう帰って来ねえ、大事なモン…!」

「そこで大人しく見ているがいい、クズを庇って犬死にする救えないクズどもをな」

 

しかし、鴨志田は竜司の様子が変わったことすら気づかずに、いまだに薄ら笑いを浮かべて真白の腹を踏み躙って遊んでいる。

 

「お前の方だよ……。人を利用することしか考えてねえ…、お前の方こそクズだ、鴨志田ぁ!ニヤけたツラで、こっち見てんじゃねぇよ!」

 

《随分と待たせたものよ。》

 

竜司の脳内に、激痛と共に自分と同じ声が鳴り響く。

 

《力が要るんだろう?ならば契約だ。どうせ消し得ぬ汚名なら、旗に掲げてひと暴れ……。お前の中の『もう一人のお前』が、そう望んでいる》

 

竜司は頭に声と共に響く激痛に床をのたうち回る。

しかし、その痛みは己の内より出るもの、のたうち回ろうと逃れることはできない。

 

《我は汝、汝は我。覚悟して背負え、コレよりは、反逆の髑髏が貴様の旗だ!》

 

竜司の額に、髑髏を模した仮面が浮かび上がる。

 

「う…あ……うおおぉぉぉッ!!」

 

眩い閃光が辺りを覆い尽くし、それが晴れるともに、坂本竜司に覚醒したペルソナ、『キャプテン・キッド』が姿を現す。

思わず真白から足を離し、それを睨みつけた鴨志田から逃れると、真白は目を細め、その光景へと拍手を送った。

 

「ほんと、待たせちまったな。ぶっ放せよ!『キャプテン・キッド』!!」

 

リーダー格と思われるシャドウが騎士の姿から怪物へと変貌したのと同時に、先ほどの五体が再び襲い掛かろうと突進を繰り出すが、その五体の内四体が、何故かお互いにぶつかり合って消滅した。

 

「……は?」

「っははは、いきなりのことに気が動転して、訳のわからない()()()()()()()()。目の前に集中したまえ!」

 

あまりの光景に双方が一瞬呆気にとられたが、なんとかシャドウを撃破した。

そして、認知存在の高巻を侍らせる鴨志田を尻目に、雨宮達は城から撤退することになった。

 

「……何はともあれ、おめでとう竜司クン。コレで君も戦う力を得たわけだね。」

「お、おう。まあとりあえず、ありがとな猫!」

 

そうして、竜司たちは自身の計画の話をするモルガナを無視して現実へと帰還したのであった。




ストーリーを読み直したら、高巻さんはまだ遠かったです(汗)
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