ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら 作:名無しの妖精
先日、高巻から伝えられた奇妙な現象も、それより前のカモシダパレスでのシャドウの不可解な挙動も、彼女が何か知っている気がしていた。
もしかしたら何かわかるかもしれないという打算とは別に、心のどこかが彼女に惹かれていて、だから声をかけた。
「……は?ボクと話したいって?」
困惑の目線でこちらを見る真白に頷いて返事をすると、彼女は大きくため息を吐いた。
「変わり者だね。……まぁいいか、ちょうど知り合いから紅茶が届いたところだし、ボクの家で飲もうじゃないか」
そう言って案内されたのは、どこにでもあるような平凡な一軒家だった。
しかし、少しの違和感がある。
よく見回せば、さまざまな家具が家族用のものでは無いことに気がついた。
椅子は高そうなものが一つと来客用らしいものが一つ、机は二人分の食器をギリギリ置けるかどうかといったサイズだった。
「気がついちゃったかな?そう、ここにはボク一人しか住んでいないよ」
「両親は?」
もしかしたら踏み込んではいけなかったのでは、そんな思考よりも早く言葉が口を突いて出た。
すると、彼女はいつも通りのにこやかな笑みのまま
「死んでるよ、ずっと昔にね。」
そう言った。
「……たしか、十数年前かな。その事故でボクも昏睡して、目覚めたら残っていたのは莫大な遺産と保険金だけ。そこからはずっと一人さ……、君を信頼しているから話すんだよ?口外しないように」
まだ付き合いも浅いが、彼女は自身の秘密の一つを打ち明けてくれたらしい。
彼女からの信頼が芽生えたのを感じる……
頭の中に声が響いた。
汝、ここに新たなる契りを得たり
契りは即ち、
囚われを破らんとする反逆の翼なり
我、詐称者のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
自由へと至る、更なる力とならん…
「さて、紅茶を淹れてくるよ。少し待っていて」
そう言われて客人用の椅子に座って待っていると、キッチンの方から携帯の着信音が聞こえてきた。
どうやら、真白の携帯に誰かから電話がかかってきたらしい。
彼女が電話の相手と話している声が切れ切れに聞こえてくる。
「久しぶり──さん。…ボクは元気だとも、友人も最近できたしね。そっちはどう?────ワーカー、だっけ?順調なの?……そう、それはよかった。うん?あぁ、─────ば顔を出すよ。…………その件はもういいんだよ。何も────。それじゃあ、またね」
しばらくして、真白が二つのティーカップを持ってやってくる。
彼女の持ってきた紅茶は、香り高く素人でも高いのだろうとわかるほど美味しいものだった。
無言でいるのも躊躇われ
「……さっきの電話は?」
と、聞くと
「この紅茶を送ってくれた人だよ。いろいろと縁があってね、夏休みあたりにこっちに来るらしいから、少し会いに行こうかなって話してたんだ」
真白は少し嬉しそうだ。
その日は、もうしばらく二人で紅茶を飲んで解散した。
真白ちゃんは物心ついて少し経ったくらいの年齢で昏睡してます。
その他は考えてることぶちまけそうなので言わないです