のんびりと参りましょう
西暦の最後に行なわれた再構築戦争、または第三次世界大戦と呼称される戦争。
それにより国家の枠組みが大きく変化した事と再構築戦争が一応の終結を見た国連により制定された新たな
再構築戦争のきっかけは、石油資源などの地下資源の枯渇が目に見えてしまった事や環境汚染の深刻化。世情が不安定となった事も相まって、宗教紛争や民族紛争などが頻発した。
それに対して各国は
新暦となるC.E1年には中央アジアカシミール地方において『最後の核』と呼ばれる事件が起き、それから8年後のC.E9年に再構築戦争は終結した。
奇妙な話だが、C.Eは戦中において統一歴が制定されるという前代未聞の事態だった
終戦後、世界は大きく変わり
アメリカ、カナダ、アイスランド、アイルランド、イギリスから成る大西洋連邦
EU諸国とロシアから成るユーラシア連邦
日本、韓国、北朝鮮、中国、台湾、モンゴルから成る東アジア共和国
ラテンアメリカ諸国による南アメリカ合衆国
北アフリカ諸国によるアフリカ共同体
南アフリカ諸国による南アフリカ統一機構
スカンジナビア半島国家群によるスカンジナビア王国
中東・アラビア半島国家による汎ムスリム会議
東南アジア、南アジアからなる赤道連合
オセアニア諸国による大洋州連合
ソロモン諸島からなるオーブ連合首長国
の11の国家に再編される。
C.E11年には再構築戦争の影響により開発が凍結されていた国際宇宙ステーション『世界樹』が完成
前年のC.E10年頃からコロニー構想による宇宙開発の機運が高まり、世界樹の建造と同時進行で月面に『コペルニクス』市の建造も行なう。コペルニクス市はC.E12年に完成。宇宙初の民間人居住地としてその機能を発揮し始める
宇宙開発の高まりを受けて、大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国は宇宙艦隊の整備に着手した
人類は新たな新天地として宇宙の開発に取り組む事となる
C.E15年、ジョージ・グレンは自身の設計した大型宇宙探査船による木星探索の旅に出る直前
自身は遺伝子操作により生まれたコーディネーター
である事を公表。その
彼の真意は定かではないが、この発表は彼の今までの様々な功績が『遺伝子操作』による影響を少なからず受けていたのではないか?という疑問を人々に持たせる事になる
生命工学関係者は『第二・第三のジョージ・グレン』を目標にコーディネーターの研究に邁進する
だが、その研究は生命倫理的にタブーとされていた技術であり、反発も酷いものとなる
既に遺伝子組み換え作物などは受け入れられていたが、『意図的に能力を向上』させる事のできる技術は『命の選別』に繋がるとして多くの者から不安視されていたのである
結果、コーディネーターの技術を研究しているとされる組織や研究所などがテロの被害に遭うという事件が頻発
一時はコーディネーターについての規制法などにより、この問題は鎮静化すると思われた
しかし、更に上を目指すという御題目を得てしまった一部の者達は止まることをよしとせず、研究などを極秘に継続
結果、C.E40年頃にはスポーツ、芸術などあらゆる分野で多くのコーディネーターが活躍する事となってしまう
『生まれついての
多くの関係施設やコーディネーター個人も襲われる事態へと発展する
この時期には既に宇宙においてコロニー群が建造され、実際に居住する者達もいた
地球に比べると厳しい環境故に彼等の多くは自分達の子供には苦労してもらいたくないと考え、自身の子供をコーディネーターとする事を選ぶ傾向にあった
ある意味では親心
しかし、そういったコーディネーターを求める者達もまた襲われる事態となってしまう
結果コーディネーターの多くやコーディネーターを求める者達はコロニーに移住する事を選択した
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「やれやれ。いつの時代も差別、戦争の絶えない事で」
コロニー『ヘリオポリス』のベンチでは来週提出予定のレポートの草案を眺めながらぼやく
俺はカズイ・バスカーク
誰だ!?オマエ?
そう聞きたい人も多いだろう
C.Eを舞台にした作品はガンダムSEEDとその続編にあたるガンダムSEEDdestiny。それに外伝作品となるアストレイシリーズなどがある
その中で俺ことカズイはSEEDのみ。しかもある意味インパクトのあるトールや昼ドラめいた事をしたサイと違い俺は途中離脱組だ
アークエンジェルがアラスカからオーブに逃れ、オーブに辿り着いた際に恐らく退艦したと思われる
その程度の扱いだ
ぶっちゃけると、ネームドであっても『名前付きのモブ』程度の扱いだろう
今年行われるであろうGシリーズ強奪の際に戦死するであろうザフトの赤服ラスティ君よりかは存在感あるかも知れない。でも本編ではちょい役でもアストレイシリーズでは結構美味しい役どころだった
別に構わんけどな!
そもそも、ガンダム世界ってのは兎にも角にもモブには厳しい世界
しかも、遺伝子操作が割とデフォなC.Eなら余計に
いやまぁ、頭ん中で種の弾ける連中は論外としても、鷹さんやフラガの亡霊に薬漬け三人衆
奴等は絶対頭おかしいわ(白目)
今更だが、どうやら自分は転生?とやらをしたらしい
神様とかには会ってない
つか、無神論者だし。会ったとしてもどこかの幼女の中身みたいな反応しか出来んと思いますわ
ま、駄女神様やパッド入りの女神様であれば妄信するのもやぶさかでは
…いや無理だわ。あっちの世界も大概だし、そもそも論ファンタジーとSFの違いはあれど危険度は然程に変わらないと見る
原作改変などという大それた事を目指す事なく、慎ましく生きていけたら良いと思うのですよ、カズイさんとしては(白目)
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なんですけどねぇ。どうにも世の中ってのは上手くいかないみたいでして、ウチの両親の知り合いに『アスカさん』が居たんですわ
うん
そこの子、シン・アスカとマユ・アスカって言うんですよ?
やってられるか、コンチクショウ!!
知り合いでないなら、どれだけ言われても放置一択ですよ!?
でも、物心ついた頃からの付き合いであるシンとマユちゃん放置しておけますか?
無理ですわ
シンは昔は俺の後ろを「カズ
今でこそ、反抗期なのかツンケンしてますけどね?
でも久しぶりに連絡すると、微妙に表情が明るくなるんですよ!?
んな素直じゃない弟分が
アンタって人は!!
なんて心の底で涙しながら敵と自分を傷つける事を許せる訳ないじゃないですか!
いつも楽しそうにシンやこんな自分と一緒にいるマユちゃんが死ぬのを許容出来ますか?
否!断じて否である!!
お兄ちゃんは絶対に許しませんよ!?
ヘリオポリスに来てしまった以上、既に退く事は出来ない
しかも頭ん中お花畑のアスハのクソ親父が未だに居座っている我らが故郷
戦争してるのに、いつまでも中立が許される訳ねぇでしょうが!!
しかもその中立を標榜している国のコロニーで連合の新型機の開発するとかさぁ!?
世界線が違ったら纏めて核ミサイルで焼き払われても仕方ない話なんですけどね
中立なんて言ってるけど、オーブ単独で国を維持できるだけの物資が調達出来ないんだからどうにもならんやん?
現実路線のサハクと理想主義のアスハで対立してる現状。しかも現首長すら
終いには
何が正しいなんて、人それぞれ
正義の反対は悪ではなく、別の正義
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C.E70現在黄道同盟から始まったプラント独立運動はついに双方の武力抗争へと発展した
元々プラントなんて名前からわかる様にコロニー群の役割は地球向けの工業製品などの生産拠点だ
食糧生産などは制限されており、それが地球側からすれば安全弁となっていた。まぁプラントには地球で排斥されたコーディネーターが多く移り住み、さながらコーディネーターの集まりと化していた部分はある
地球において、コーディネーターの製造は違法行為なのだから
しかし、プラントにおいては「地球のルールなど知ったことか」と言わんばかりにコーディネーターは生み出され続ける
…正確には「
ナチュラル
それは遺伝子操作により生み出されたコーディネーターと対義語とでもいうもの
が、ことコーディネーターがこの言葉を口にする時はほぼ差別的表現となる事が多い
ま、シンみたいな優しい子は例外だがなぁ!
…うちの学校の同じゼミ仲間にもコーディネーターはいる。基本的に俺はシン以外のコーディネーターと関わるつもりはないが
シン曰く
アンタみたいな奴なんて、殆どのコーディネーターからすれば鬱陶しいだけだから
との事である
それでも事あるごとに頼ってくれる弟分にお兄ちゃんはひたすら構い倒したくなるのです!シンには不器用だけど確かな優しさがある!その温かな光をどうして絶やそうというのか?
否!断じて否であるっ!!
マユちゃんやご両親も複雑な年頃になったシンには色々思うところがあるらしく、ある意味態度を変えない俺の存在は大きいらしい
聞いた話では、シンは生まれられるか分からない位だったくらい病弱だった為にご両親はシンをコーディネーターにしたとかなんとか
実際問題として、コーディネーターに寛容なオーブであってもコーディネーターを生むとなると些か以上にハードルは高い
当然かかる費用も高くなるし、なんだかんだ
それでも息子に生きていて欲しいと願ってシンをコーディネーターにしたシンの両親の愛情には本当に頭が下がる
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原作においても、SEED世代の
代表以外にも高度な知識や経験を持つ者達の子息ともなれば、自身の子供にかける期待も相応のものになったであろう事は想像に難くない
コーディネーターはかける金額によってその潜在能力に差が生まれる。故に『どれだけ金をかけたか』によってコーディネーターというものはその優劣が決まってしまうらしい
…詳しくは知らんし、興味もない
そもそも俺の周りにいるコーディネーターはシンのみだし、能力は高いかも知れないが、だからと言ってシンは俺達をバカにするわけでもなし
本来であれば、此処ヘリオポリスに来るつもりは全くなかった
のだが、ウチの両親がまさかモルゲンレーテ勤めとはかけら程も思わなかった
クソがよ!
いやちょっと待ってもらいたい。
仮にも物心つく頃からの付き合いなんだから、カズイ君としては凄く胸が痛かったのですが?別に何処ぞのスーパーコーディネーターみたくプログラミングなどの高いスキルがある訳で無いのは他ならぬ我が両親が1番よく知っていると思うわけです
ついでにコロニー暮らしなんてした事もないし、するつもりもねぇ訳でして、息子としてはさっさと本土に帰りたいと思う次第。というか、アスカさんのご両親やシンやマユちゃんからの届くメールの内容が辛い訳ですよ?
マユちゃんは「いつ帰ってこれるの?」とストレートに聞いてくるし、シンはシンで「マユが寂しがってるんだから戻ってこれないのかよ?」と言ってくる訳です
これをシン・アスカ専用翻訳機にかけると
「妹が寂しい思いしてるし、俺も少しは寂しいんだから早く帰ってこいよ」
となる訳でして、2人の兄貴分としてはとても、とても辛い訳ですよ!
確かにヘリオポリスでの生活もそれなりには楽しいですよ?
でもねぇ?
トールとミリアリアとは上手くやっている気もしますが
…うん、その
キラ・ヤマト氏と上手くやっていける気がしませんのですよ、カズイさんとしましては
早く本土に帰りたいですわ
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キラ・ヤマトにとってカズイ・バスカークという人物は何と形容すれば良いのか分からない人物だ
オーブ本土から引っ越して来たらしいのだが、社交的とは言い難い。勿論キラ自身もそこまで他人の事を言える程に社交的とは言えなかった。しかし、そんなキラでも「大丈夫なのかな?」と首を傾げたくなる程にカズイの交友関係は狭い
キラとカズイの共通の友人であるトール・ケーニヒが言うには
「カズイも誤解されやすいけど、良い奴なんだよ
キラも話してみれば分かるって」
との事だが、キラからすればトールこそ良い奴の代名詞だと思っているのでどうしても話しづらい
何せキラはコーディネーターだ
此処ヘリオポリスでもかなり珍しいが、オーブ本土から来たカズイがコーディネーターに対してどの様な感情を持っているのか分からない
流石にブルーコスモスみたいな『コーディネーター排斥派』ではないと思いたいが、その可能性は決してゼロではない
蒼き清浄なる世界の為に!
と彼等は言っているそうだが、キラとしては
望んでコーディネーターになった訳ではないんだ!!
と大声で主張したいくらいだ
確かに親友のアスランは同じコーディネーターだ。でもプラントに住むアスランとオーブに住むキラでは全く環境が異なる
かと言ってキラはプラントに行きたいと思っている訳ではない
コーディネーターはプラントに住むべきだ
そういった風潮があるのはキラも承知しているが、プラントのコーディネーター達と上手くやっていけるとは思えない
彼等はいつもナチュラルを見下している。能力面では確かに自分達コーディネーターは勝るかも知れないが、彼等のそれは『自負』ではない。『増長』だとキラは常々思っている
技術面でコーディネーターが常に先を行っている
そう彼等プラントのコーディネーターは言う
しかし、本当にそうなのだろうか?
キラはそれに疑問を持っている
ファーストコーディネーターであるジョージ・グレンを生み出した技術は誰が生み出したのか?
それを更に発展させたのは果たしてプラントのコーディネーター達か?違う。それらを生み出したのは彼等が見下しているナチュラルと呼ばれる人達だ
現在でこそ、MSという新技術を擁しているプラントが優位に立っているが、それとて地球への侵攻作戦の第一陣『第一次ビクトリア攻略戦』においてプラント側は連合相手に大敗を喫している
『血のバレンタイン』の報復を彼等は声高に叫んでいるが、プラント側も『エイプリルフールクライシス』と呼ばれる史上最悪の事態を引き起こした
彼等は言う
24万3721名もの同胞が殺された
と
ではエイプリルフールクライシスで10億人とも言われる人達が被害を受け、そのうちの何割かの人達は死んだとも言われている
仮に1割だったとしても1億人
命の価値を論ずる事がどれだけどうしようもない事か。それくらいキラも理解している
だが、地球にもコーディネーターは少なからずいたにも関わらず、プラントのコーディネーター達はその様な凶行に及んだのだ
しかもその作戦を主導したのがプラントでは
「もう
と叫びたくなる
お陰で地球に住むコーディネーターの立場が悪くなったのだ。キラとてそれは無関係ではなかった
キラはその時には既にヘリオポリスにいたから被害を免れたが、コーディネーターに寛容なはずのオーブ本土ですらコーディネーターに対する不満が爆発し、オーブ国内のコーディネーター達に危うく危害か及ぶところだったとも聞いた
それを聞いたキラをトールやミリアリアは心配してくれたのだ
キラからすれば、地球に住む
キラの様に地球にいるコーディネーター達は彼等なりの繋がりを密かに持っているが、ほぼ全てのコーディネーター達は自分達の家族や友人達を守る為に留まる事を選ぶらしい
身内や友人達を勝手な理屈で傷つけられた地球に住むコーディネーターからすれば『血のバレンタイン』に同情こそしていたものの、それ以上の惨劇を引き起こしたプラントに好意的になれるはずもなかったのだ
キラは知らない事だが、エイプリルフールクライシスにおける騒動においてシン・アスカもその迫害の対象となりかけた。が、アスカ夫妻やカズイの我が身を顧みない行動により、シンへの危害が及ぶ事はなかった。この騒動により、カズイは片肺を失う程の重傷を負ったが、カズイは全く気にする事はなかった
「兄貴が弟を守るのに躊躇する理由はないだろう?
こんな怪我をしたのは俺が間抜けだっただけ。気にするな」
と病室で顔を真っ青にしたシンに向かってカズイは言ったそうな
シンはその様子を見て自分の力の無さを嘆くと共に、いざという時の為に
コーディネーターと言っても、地球に住んでいるコーディネーターとプラントという閉鎖空間に住むコーディネーターではまるで社会性が違う
ナチュラルを見下す事をコーディネーターの
キラ達からすると
「誇りじゃなくて、
と言いたくなる
地球に住んでいるコーディネーターは同じ人間として対等に付き合う事を望んでいる
苦労もある。理不尽な目に遭うこともある
だが、それが社会なのだ。彼等はそう理解して、少しずつでも歩み寄れる様に努力していっていた
S型インフルエンザの変異型であるS2インフルエンザの際にプラントは人道支援として、大量のワクチンを生産し地球側に提供している
が、その一方でその生産についてはプラントが独占している状態であり、一部のプラント側のコーディネーターの中には
「これを用いて地球側に譲歩を強いるべきだ」
という意見が少なからず反映された形だった。言わんとする事はわからなくも無いが、それにより犠牲となった者達の知人や家族が
「プラントのコーディネーター達の待遇をもう少し良くすれば良かったはず」
などと言えるはずもない
寧ろ
「なんでプラントはワクチンをもっと作ってくれなかった!?」
となる方が自然である
しかも、このS2インフルエンザによるコーディネーターの死者は皆無。つまりプラント側にとって『全く脅威足り得ない』ものだったのだ。当然ながらプラント側としては全くと言って良いほど真剣みに欠ける対応に終始していたのだからどうしようもない
結果として多くの市民が命を落とす事になったのだ
その結果、影響力を落としていた宗教界は『反コーディネーター』路線で支持を集めるべく動き出した
如何に崇高な理念があったとしても、
そしてS2インフルエンザという目に見える形での脅威からヒトは
結果受け皿たる宗教側が現実に即した変化を認めるしか生き残る手段は残されていなかったともいえよう
しかし、『環境保護団体』としての活動を行なっていたブルーコスモスとこの変化を受け入れざるを得なかった宗教界は最悪の形で一つの図面を描いてしまった
コーディネーターに対する無差別テロである
キラ自身は月面都市コペルニクスにいたからそこまでの実感はないものの、S2インフルエンザ以降それは少しずつ増え始め、エイプリルフールクライシスによってその危険性を更に増してしまったらしい
更に言えば、このテロの対象に『コーディネーターと親しくする者』も含まれているらしく少なくない
つまり、この戦争はザフトや連合が言うところの『コーディネーターとナチュラルの戦争』とはなり得ていない
…事実、一部の国家はプラントと組む事を許容しているのだ
まぁ、だからといって横暴極まるザフトの兵士と協力している国家の兵士の間の連携が上手くいっているとも思えないが
(いったいどうなるんだろう?)
キラとしては戦争など何の意味もないと思うので早々に終わって欲しいと言うのが偽りの無い本音だ
たとえ世界の何処かで戦争が起きたとしても、それは遠い世界の事
そう彼等は信じていたのだ
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「アデス、用意はいいか?」
「はい。隊長
…しかし宜しいので?
確かに必要なのは理解出来ますが」
アデスは明らかに不満、いや不安そうな顔をしていた
「分からんでも無い。が、これは上からの命令でもあるのでな」
「…彼等が優秀なのは分かります
ですが、戦争を始めたのは我々大人であって守るべき子供すら戦場に立たせるなどというのは」
アデスに隊長と呼ばれた人物は苦笑すると
「確かにな
だが彼等もまたその覚悟あってザフトに志願してきたのだ。その決意を無碍にする訳にもいかないだろう。それに戦力が足らないのも事実だからな」
そう苦い顔で嗜めた
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当初プラント指導者達は新型兵器であるMSの投入や電撃的な地球への侵攻作戦により大西洋連合など所謂『プラント理事国』との武力衝突を可能な限り早期に終わらせるつもりであった
確かにそれは彼等のフィールドである宇宙においては上手く行ったと言えよう
…だが、彼等は理解していなかったのだ
なにゆえ彼等が今もって『大国』として世界に確たる勢力を持っていたのかを
第一次ビクトリア攻略作戦において、プラント側は軌道上からの降下作戦を実施
当然、ザフトのMSをそれなりの数動員する事により、プラント議会は容易く攻略出来ると予想していた
正しく『机上の空論』ともいえるソレを彼等は本気で実現しようとしていたのである
が、地球侵攻作戦の鋒たるビクトリア攻略作戦は地球軍の猛反撃により多大な犠牲を出すというプラント最高評議会からすれば最悪の結果に終わった
というか、だ
降下作戦を行なうにせよ、彼等の軍事オプションは『ビクトリア基地の制圧』が前提となっていた為に他の地域への撤退すらままならなかった。逃げる場所もない上に、彼等コーディネーター
…いや
その為、自分達も同じ様に扱われると感じた者は多く地球軍からの降伏勧告に従う事なく最後まで徹底抗戦を選んだ者が続出
結果、第一次ビクトリア攻略作戦におけるザフトの被害はプラント最高評議会の面々の予想を遥かに上回るものとなってしまう
その様な事により、ザフトは兵を失った訳だ
その後地球への降下作戦を成功させた事や親プラント国家にザフトの基地を建設するなどした事により、ザフトの勢力範囲が拡大した。ビクトリアも制圧できた
が、失った人員は帰ってこない
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プラント上層部、つまり最高評議会としては
彼等はプラントにいるコーディネーターだけではなく、地球にいる
…いや、確信していた
だが、彼等が思う程に地球からプラントに渡ってきたコーディネーターは多くなかったのである
『血のバレンタイン』への報復として行なった『オペレーションウロボロス』
その結果地球に設置された
これによる被害は先のプラントが受けた血のバレンタインを遥かに凌駕するものであり、尚且つ暴走した一部ザフト士官らの独断により本来投下予定になかった地域にまで被害を広げる結果となる
地球における反コーディネーター感情は危険なレベルにまで高まったが、その中でも
「プラントのアイツらとアンタ達は違うからな」
と言った一部の良心的者達との関わりが強かったコーディネーターや勝手に同胞扱いされたにも関わらず、その同胞すら窮地に追いやりかねないやり方を平然と行なったザフトとプラントに反発する地球で生活しているコーディネーター達。彼等はザフトやプラントの傲慢ともいえるやり方に反発し、中には連合軍に参加してでも友人や家族を護ろうとする者も現れる事となってしまう
これにより地球側は予期せぬコーディネーターの兵士を得る事となり、プラントは逆に地球からプラントに
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戦線は拡大したのに、人員は確保できない
それではどれだけ優秀な
それ故に彼等は苦肉の策を実行するしかなかったといえるだろう
『動員年齢の引き下げ』である
ザフト士官学校『アカデミー』
そこでザフトの次代を担う者達の教育が行われているのだが、彼等は本来充分な教育を受けてから実戦に出る事となっている
当然だろう。プラントにとっても、ザフトにとっても人は余りにも貴重すぎる
ましてやコーディネーター同士の子供となると出生率はそこまで高くない。これがプラントの人口増加に対する大き過ぎる障害となっていたのであった
一部からは
「遺伝子検査による配偶者決定を進めるべきではないか?」
との意見すら挙がる程深刻な問題だ
人口問題はプラントにとって決して軽いものではない
にも関わらず、プラント最高評議会は地球侵攻という底なし沼に全力をかけようとしているのだ
アデスの様に今のプラントやザフトのやり方のままでは自分達の未来が決して明るく無い事を危惧する者も実はかなりの数いる
だが、プラントにおける広報は常にザフトの勝利を声高に喧伝しており『ナチュラルを屈服させる為にザフトやプラント最高評議会への協力』
を求める始末
仮にプラントの現状をカズイが知っていたならば
「プラントってかつての〇本〇ではあるまいか?」
と首を傾げる事だろう
事実プラントにおける熟練工などの生産を支える重要な人材の多くがザフトに徴用されており、既にプラントの生産計画の一部に遅れが出ていた
上層部やザフトの者達が思う以上にプラントの将来は危ういものとなりつつあったのである
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「懸念は分かるが、今回ばかりは見過ごす訳にもいかんだろう」
「確かに
もし仮に地球軍がMSの開発に成功したとなるとこれから更にこちらの被害は増えるでしょうから」
仮面をつけた隊長の言葉にアデスも頷くしかない
現在ザフトが地球軍に対して優位に立てているのは間違いなくMSという新兵器の存在が大きいのは前線指揮官でもあるアデスにも痛い程理解できる事
「現在の地球軍の宇宙戦力の主力はメビウスだ
であれば此方のジンで圧倒できる。だが、メビウスゼロとなると話は変わってくるだろう」
メビウスゼロ
地球軍宇宙の主力であるメビウスに戦闘用のガンポッドを4基搭載したカスタム機とでも言える機体だ
その程度と侮る事なかれ
そう侮ったザフト兵士の多くがその命を落としているのだから
決してメビウスに比べて格段に性能が高いわけでは無いし、ジンと比べて優位な訳でも無い
だが、4基の有線式ガンポッドによる攻撃は中々に強力なものでありジンの装甲であっても数を頼みとして撃ち抜いてくる
「エンデミュオンにおいて多数のメビウスゼロを撃破したと聞きましたが?」
「それで全滅していれば良いのだがな
希望的観測の可能性はあるだろう?
何せザフトの諜報部はまるで機能していないのが実情なのだからな」
「そうですね」
仮面の男、クルーゼは副官であるアデスにそう告げる
クルーゼはザフト軍屈指のエースであり、また数少ない
ザフト軍とはいうものの、民兵組織の延長線上にあるのがザフト
そこに明確な階級というものは存在せず、階級の代わりに服の色でそれを示しているのが現状だ
一般兵は緑服
アデスの様に艦を預かるものや副官などは黒服が多い
クルーゼの部下にいるアスラン・ザラ、イザーク・ジュール、ディアッカ・エルスマン、ニコル・アマルフィ、ラスティ・マッケンジーはザフトの士官学校において優秀な成績をおさめて卒業。ザフトに入隊している事から『ザフト・レッド』とも言われる事のある赤服の着用を許されている
そして、クルーゼの様に大きな戦功を挙げた者には白服の着用が認められる
…まぁ、地上戦線にいるエースや指揮官達はその限りでは無いのだが
実際にはクルーゼの部下であるミゲル・アイマンの様に緑服でありながらエースクラスの活躍をする者もいる
はっきり言えば、部隊を束ねる側からすると至極面倒だと思えるシステムだ
クルーゼの部下達、オロールやマシュー達も決して弱兵ではない
寧ろザフトの平均水準より上の筈
だが、制度的には士官学校を出たばかりのアスラン達の方が発言権などで優遇されていたりするのだから困りものだ
それらをクルーゼの副官としてまとめねばならないアデスや僚艦であるローラシア級『ガモフ』の艦長であるゼルマンの気苦労は絶えることがない
実力はある
だが、戦場を何処か甘く見ている節のある彼等を見ているとアデスはやはり子供達を戦争に出すべきでは無い
と改めて思ってしまうのだ
「とにかく彼等が地球軍の新型を奪取出来る事を期待するしかあるまい」
「…はっ」
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はてさて、どうやら今日この日が運命の分岐点らしい
我等がカトウゼミにお客さんが来ている
カガリ・ユラ・アスハ
愛すべき我等がオーブの猪突猛進姫である
個人的には彼女が嫌いでは無い
が、実際彼女に命を預けられるか?と聞かれたならばノーだ
オーブの首長一族であるアスハ家の現時点での後継者が彼女だ
前代表ウズミ・ナラ・アスハの娘である
何だが、その立場を理解していない様な立ち振る舞いが多過ぎるのが問題だ
しかも致命的なものが多いのだから
地球軍の新兵器を開発している疑いがあるからと此処ヘリオポリスまで来た。はっきり言って迂闊にも程がある
サハク家の人間の様に高い自衛手段を持つならいざ知らず、彼女のそれは一般的なコーディネーター相手でも厳しいだろう
アスランと孤島で2人っきりになっておきながら、無事であったのは彼が軍人としての自覚に乏しいからだろうと思う
「あの、何か御用ですか?」
「…気にしなくていい」
するわボケ!
と思わず口から出そうになったが、自重しよう
…あーあ、みんなやり辛そうにしてるわ
そりゃそうだよなぁ、部外者がなんか言いたそうな顔をして見てるんだから
…さて、こうなるとどうやら覚悟を決めなければ成らんわな
この先生き残る事が出来るといいんだが
…トール、どうにかせんとなぁ
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異分子が混ざる事から始まる新たな物語
原作知識があろうとも、それを活かすことが出来なければ意味はない
カズイの明日はどっちだ!
という訳で種キャラの中でも恐らくあまり印象にないであろうカズイを主役にするという暴挙