勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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私の能力ではこれが限界なのだ、すまない

前話の現場サイド




 戦力を求めて(化かし合い)

「秘密兵器?なんだね、それは」

 

「隠す理由は理解できます

しかし、我々にとって必要なものなのです」

 

「無いものはない」

 

「ある筈です

ロード・ジブリールが戦争を終わらせる為に用意した決戦兵器が」

 

「…何の事かね?」

相手の表情が少し強張った事を見てとった私はやはりあるのだと改めて確信したのだった

 

 

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私は会議の後、件の兵器を自分達のものとすべく動き始めた

何せ今ならばまだ隙があるのだ

 

農耕?建設用重機とやらの生産にかまけている人物のやり方に不満を抱いている者は多いはず

となれば、その牙城を崩すのは容易いとは思えないが決して不可能では無い筈

 

 

狙うはかのジブリールが北アフリカや宇宙において重要視した兵器

名前やその詳細については残念な事に厳重な情報統制がされていた為に判明しなかった。しかし同時期にザフト地上軍に壊滅的な被害を与えた凶鳥(空の厄災)crazy(狂える魔物)海鳥(海の支配者)などと同列に語られる事すらあるとされるもの

残念な事だが、先に挙げた兵器群はその管理体制が厳重な事と運用する部隊や場所、施設を持たない我々では持て余すだろう

 

それに比べ、かの兵器の運用法は分からないものの運用していたのが輸送船や輸送艦だった事から特別な設備が不要だった事が窺える

 

 

如何に軍内部の部隊を軒並み失ったとしても、それなりに影響力は存在するので輸送船くらいならば、確保できる

 

そう判断したからこそ、私は件の兵器を求めて動いているのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

「何度も言う様だが、そんなもの(君の思う様な秘密兵器)は存在しない」

 

「そんな事はない。我々の求める兵器(MSすら凌駕する兵器)は存在するはずだ」

半ば言い争いの様にして何とか情報を手に入れるべく粘り続ける

目の前の人物は必ず知っている

先程の不自然な表情がそれを物語っているのだから

 

そんな中

 

「…む?

少し失礼」

相手はどうやら電話がかかってきたらしく、席を外した

 

あまり好ましくない状況だ

せっかく多少なりとも興奮させる事で口を軽くしようとしていたのに、これでは冷静になる時間を与えてしまう事になるのだから

 

とは言っても、流石に向こうの都合も考えないのでは交渉の席にすら着けないだろうからどうしょうもない

 

 

「…上に話したところ、私ではなく別の者が対応する事になる

今その者が此方に来るので少し待ってもらうが、構わないかな?」

相手のその言葉に私は内心ガッツポーズをする

存在がないならば、このまま叩き出せば良い。それをしないどころか、更に上の人間が出てくると言う事は

 

 

私は自身の考えの正しさが今まさに証明された事に内心喝采の声を挙げてしまう

これで漸く一歩前進したのだと

 

私はこの交渉が上手くいくと確信し、高揚感を感じたのだ

 

 

 

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「…さて、何やら面白い事を仰っておられると聞いた

何でも今は亡きジブリール氏が頼りにしていた超兵器(兵器の枠に収まらないもの)とか」

通された部屋は明らかに役員などが使う様な部屋

 

此処が正念場と自身を奮い立たせると相手の言葉に同意する

 

「その通りです。我々はその兵器(戦局を変えられる兵器)を求めているのです」

 

「…なるほど」

相手は優雅な仕草でこれまた高価なカップに注がれている紅茶に口をつけ、ソーサーの上に戻す

その所作は洗練されたものであり、今となっては殆ど存在しないと言われている貴族を思わせる雰囲気を醸し出していた

 

「仮に

…そう、もし仮にそんなもの(君達の空想の産物)があったとしよう。それを素直に出せると思うのかね?

君の言葉を借りるならば、かのジブリール氏すらも戦争を終わらせる(自身を破滅させる)為に必要とするものなのだろう?」

相手は私の言葉を否定する事なく問いかけてきた

やはり存在するのだ、その様な兵器が

急ぐ自分の心を必死に押し留めながら、言葉を選ぶ

 

「思えません

勿論対価は支払うつもりです」

 

「…ふむ」

私の言葉にも全く動じない

 

「対価、か

どうやら君の認識を正す必要がある様に思えるな

かの(・・)ジブリール氏がプラント本国攻略の鍵(と勝手に思っていた)。そう位置付けていた兵器

此方としてはその存在について明言出来(ありもし)ないそれを

何故今日初めてあったばかりの人物に話せると思うのかね?」

 

「…それは、確かに道理ですな」

つまりこの人物はこう言っているのだ

 

関係を深めたならば、その限りではない

 

「また機会があれば話をする事もあるだろう

その時に」

 

「…分かりました。また日を改めて連絡します」

そう頭を下げると私は退室した

 

 

 

この繋がりを絶やす訳にはいかない

 

そう改めて決意しながら

 

 

 

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「…やれやれ」

男は紅茶を飲みながら先程まで相手をしていた人物の事を思い返す

 

「迅速果断と評したいところだが、残念な事に及第点もやれないな。あれでは

『兵は拙速を尊ぶ』とは偶に聞くが、それはあくまでも事前準備などを手抜かりなく行なった場合の事」

此方から言質を取ろうとするその気概は評価するに値すらだろう

だが

 

「足元すら碌に見えぬ影に潜んでいる者達が、腰を据えて出来る訳もないだろう?」

男は皮肉げに笑い

 

「さて、頼まれた様に精々言葉遊びにて翻弄してやるとしよう」

相手は焦っていた。となれば必ず何処かで焦れてくる

その時にこそ、教えてやるとしよう

 

「…先人達も良い教材(・・)を残してくれたものだ」

彼は建物の裏側で稼働しているであろう、耕作重機の姿を思い浮かべながら、持っていたコーンパイプを吹かせるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後に交渉がいつまで経っても進まない事に痺れを切らした人物に絶賛稼働中のソレを見せて

 

 

「さて、お望み通りお目にかけた訳だが

…どうするかね?」

と満面の笑みで煽る紳士の姿があったとか

 

 

 

稼ぎ出した時間は4ヶ月であった




と言う訳で認識の差を使って相手を翻弄する紳士でした

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

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  • いらん
  • それより本編でしょう?
  • ifstory補完しろよ
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