だが、優秀でないと思うからこそ策を巡らすのだ
「シュラの具合はどうか?」
「…あまり良いとは言い難いかと
一応別の人員を派遣する事も視野に入れておくべきかと思いますが」
男の発言に
「ふむ
しかし困ったものよ。それで、地球軍のMSについての詳細な情報を手に入れるのは難しいのだな?」
「…どうにも防諜体制を強化している様で」
「…奴等め。暗躍するのは勝手だが、こちらの足まで引っ張られてはかなわん」
ファウンデーション王国の女王アウラ・マハ・ハイバルは不快そうに顔を歪めて吐き捨てるかの様な言い方をする
一見すると童女の様な外見ではあるが、その尊大とも言える態度は正しく支配者の風格を醸し出していた
…まぁ中身は
昨年彼女を養女として迎えた先帝の崩御に伴い、アウラがその跡を継いだ形
「どうにも高度な情報撹乱によって、拠点を失ったとか
詳しい事はまだ分かっておりませんが」
そうアウラに報告する金髪の少年はオルフェ・ラム・タオ。このファウンデーション王国の宰相である
若くして一国の宰相となったオルフェは自身の敬愛するアウラを支えるべく、ファウンデーション王国の国力を高めるべくあらゆる努力をしていた
彼のその努力により政庁である宮殿付近では現在高層ビルの建設が開始されており、これらが完成すればファウンデーション王国の国力が決して小さなものではない事を世界に示す事が出来るだろう
だが、このファウンデーション王国は極端なまでの実力主義であり、能力があれば多少人格に問題があろうとも上に行けるが、そうでなければマトモな扱いをされる事すら稀という歪な国家でもある
「ところで、MSの開発はどうじゃ?」
「…難航していると」
如何に個々の実力が高かろうと、兵器の質が劣っていては戦争にもならない。それはアウラやオルフェにも分かっている
その為にMSの開発を王国でも進めているのだが
「…現在秘密裏に入手したジンの解析を行なっております
それが完了次第、MSの新規開発に取り掛かると」
「むう。地球軍のMSは入手出来なんだのか?」
「先に成立した条約によりMSの管理体制が更に強化されております。ジャンク屋が機能していたのならば、或いはと思ったのですが」
オルフェは苦い表情を浮かべる
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戦時中、ジャンク屋による無秩序な兵器の拡散に繋がるやり方に不満と不信感を抱いた理事国は幾度となく活動の自粛を求めていた
が、当時はまだジャンク屋組合は構想段階であった事もあり、明確なまとめ役が不在であった事もあり、それがジャンク屋側に受け入れられる事はなかった
その為不承不承ながら、
当然、発足した以上ジャンク屋に対する管理や周知徹底も義務付けられる事となり組合発足の功労者であり責任者となったリーアムは現場と各国の間で苦労する事となる
が、遅々として進まないジャンク屋の統制に対して理事国は戦場跡に対する侵入とジャンクの回収の禁止を決定
これが誠実に履行されていたならば、多少は理事国も態度を軟化させたのだろう。しかし、オーブにおけるM1アストレイのジャンクの不法入手やそれの売買を行なった事でジャンク屋に対する心象は急激に悪化。結果ジャンク屋の行動に対してかなりの制限が課せられる事となった
これはファウンデーション王国にとっても痛手となる
ジンは優秀な機体ではあるのだが、流石にそれ以上の性能を持つであろう量産機であるストライクダガーやその高性能機であるロングダガーに比べてしまうとどうしても見劣りしてしまう
戦力としてあてにする以上、他国のMSよりも高性能である事は国力や人員において劣る王国にとって至上命題
そこでオーブへと半ば幽閉される形となったあるザフトの技術者を訪ねたのだが
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「新型MS?
…ああ、お帰りはあちらですよ」
とにべもなく断られている
曰く
「状況が許さなかったとは言え、ザフトは負けたんです
なら私なりに出来る形で
…ああ、失礼。巣穴にこもって何も見ていないあなた方に言ったところで無駄ですね」
との事
開発のトップであり評議会議員でもあったユーリ・アマルフィの理不尽とも言える死。彼を知る技術者の多くはその時点で愛想を尽かせていた。余りにも往生際が悪い一部の連中に不快感を抱いたこの人物はプラントをエザリアを傀儡として操ろうとした者達から援助を引き出し、密かにフリーダムを完成させた
そしてユニウスセブン落としなどと言う蛮行を行なう事を掴んだこの人物は密かにクルーゼと接触
フリーダムをクルーゼに託したのである
その後、ユニウス破壊の代償としてフリーダムは戻る事はなく彼の戦争は終わり、プラントへの義理も果たしたと地球への移住を決め、移住後は自身の携わった傑作機を打倒した地球の兵器群を見て
「理解出来ない。…が、これもまた戦争なんだろうな」
と呆れと諦めの同居した様な不思議な感情に支配される
「しかし、負けたままと言うのも癪な話
彼等の土俵で打ち倒すとしよう」
と民生用の重機開発に邁進する事となる
彼の名はアルバート
ただのアルバート
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「基礎研究からとなると思われますので」
「…
仕方がないの」
オルフェの力の無い瞳を見たアウラは彼の判断もやむなしと受け入れる事になった
なお、余談ではあるがファウンデーション王国が秘密裏に入手
MSを動かす為のOS
これがかつてキラが書き換えたストライクに搭載されていたバージョンに書き換えられていたのである
…そう、キラが
「無茶苦茶だ。これだけの機体をこんなOSで動かすなんて」
と散々に酷評された
同じ様なOSが搭載されていたであろうイージス、デュエル、バスター、ブリッツも離脱前に書き換えていた事から推察するにそういう代物だったのだろう
重要なのはキラのみではなく、アスラン達もOSの書き換えを行なえたという事実。十全に動かせたかどうかはまた別として
…そう。悲しい事にコーディネーターすらも上回るファウンデーションの軍関係者アコードの者達はそれでも書き換えすれば動かせてしまうだろう事は想像するに容易いだろう
しかし、根幹となるOSがその有様であっても『コーディネーターの軍隊』であるザフトならば動かせてしまう(無論細かい調整などは必要かも知れないが)
そうファウンデーション王国のMS開発関係者が考えたとしても決しておかしくは無いだろう
何せその専門家がいないのだから
そして将来、この異物がファウンデーション王国にとって災厄の目となる事を
彼女達が知る事はなかった
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時は少し遡り、
「恐らく彼等は戦乱の火種としてMSを欲するでしょうな」
『しかし、MSの保有は条約にて厳重に管理されている』
『そしてジャンク屋に対する監視体制や締め付けも強化されつつある』
「となると、頼れる相手は限られますな」
『ならばそこに網を張るか?』
嬉々として情報を整理しつつも、効果的な対策を模索していく新旧ロゴスメンバー達
何せこういった駆け引きは商取引などにおいても頻繁に行われるものであり(…なにそれ、こわ)、騙される方が悪い。とすら言われてしまう様な世界で彼等は生きているのだ
それこそ、多少
『網などと手緩いのでは?』
「ならば一計を仕掛けますかな?」
「…と言うと?」
メンバーからの視線が集中した人物は
「かつて新型Gに搭載されていたOS。あれと今危機感を最も持っているであろう国家を使いたく」
口元を邪悪に歪めながら、そう発言した
『なるほど』
「中々良い手ではないか?」
「彼の国は間違いなく勢力を伸ばしつつあるあの国に対して、そしてそれを後押ししている旧理事国への不満を高めている」
『それを利用して毒入りの物を相手に流させる、か』
「多少の
『仮に食い付かなかったとしても、彼の国がMS開発を進めるとしても足枷となるな。悪くはない』
こうして、宇宙艦隊まで擁する事となったアフリカ統一機構の存在に対抗心と危機感を抱いていたアフリカ共同体にある取引が内々に持ち込まれる事となる
『共同体にMS供与を求める組織に供与するMSの指定』
共同体政府としても、いつまでも連合主要国との関係を改善しなくては今後国際的地位が低下。最悪アフリカ統一機構に飲み込まれかねないとの不安もあり、これを受け入れる
片方の手で相手を刺しながら、片方の手で相手と握手する
それは旧世紀から続いている外交のあり方の一つであったのだから
そして、それはファウンデーション王国に牙を剥いた
それだけの事
余談ではあるが、アウラやオルフェが探し続けている人物は未だに影すら掴めてない模様
悲しいね
(悲報)ゆかりん王国新型機開発停滞中(知ってた)
なお仮に新型機が出来たとしても原作には程遠い性能になる模様
世界的に見てもMS研究レベルが低いからね、仕方ない
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
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いる
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いらん
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それより本編でしょう?
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ifstory補完しろよ