勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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今回微妙なところが多々あると思います
「ま、そんな考え方とあるか」と適当に流していただけると嬉しく思います


…え?パンジャンとか出しておいて今更




ソウデスネ


 after STORY 微睡の中で

カズイは早起きである

 

それは彼がカズイ・バスカークとしてこの世に生を受けるよりも前

所謂旧世紀に生きてきた頃からの癖であった

 

 

例え1時間も眠れないとしても、それでも長年付き合ってきた体内時計は正確に彼を覚醒させる

 

 

 

時刻はa.m4:00

 

カズイの1日は始まる

 

 

 

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如何に此処が終わりの地であろうとも、最低限のルールは存在する

 

 

その中の一つが、男女別に分けられたログハウス

各人に一部屋ずつ与えられた良くも悪くも一般家庭のそれと然程に変わる事はない

 

…いや、このご時世(C.E)にあって、完全に木材を材料として造られたログハウスはある意味では稀少なのかもしれない

 

 

食事は大抵屋外で食べる為に、基本的に就寝するなど以外はあまりログハウス内にいる事はない

 

ログハウス内にはナタルが実家から持ち込んだ様々な書籍や必要に応じてとの枕詞を上手い具合に利用する金髪の実業家兼食えない理事や元大統領等から送られた様々なジャンルの書籍が手製の本棚に収められている

 

 

この本棚を作る時、割と大騒ぎだった事をカズイは思い出して少し笑った

 

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「だから真っ直ぐ切れって言ってるだろうが!」

 

「…ちぇ、真っ直ぐ切ったつもりなんだけど」

 

「だから定規かなんかを使えって言ったじゃんか」

オルガ達は本棚を切り出す時に大騒ぎするし

 

「ステラ交代だ。流石に危なっかしくて見てられねぇ」

 

「…ごめんなさい」

 

「ノコギリって使いづらいんだよなぁ」

とスティング達は仕切り板の切り出しにやはりてんてこ舞い

 

 

「ちょっと待てって、ラクス

流石に手袋して塗らないと」

 

「…そうでしたか」

 

「流石に肌に着いたら大変なんだからキチンと着けなさいって」

 

「あまり良い匂いではないのね」

 

「そうですね」

と切り出した部品に塗料(ペンキ)で色を塗っているカガリ達

 

 

 

「…これは流石に予想外」

 

「ラクスやニコル、ロミナさん意外と不器用なんだ」

 

「そうでは無いだろう、マユ。慣れていないからだと思うが」

 

「怪我しないだろうな、アイツら」

身体能力や飲み込みの早さを知っているから、さして問題視していなかったカズイは目を丸くし、コーディネーターである彼女達の意外な一面に驚くマユ

そんなマユにフォロー(?)するナタルとオルガ達のスティング達の危なっかしさに心配を隠せないシン

 

 

なお後で

 

「でもな、マユ

よく考えてみろ?

シンって器用だったか?

 

「…そうだった。別にコーディネーターだからって器用な訳じゃなかったんだね!」

とのやり取りがあったそうな

 

 

 

「…俺だって

…俺だってやってみせる!」

と2人の言葉にその日の夕食作りに参加したシンであったが

 

 

「シン…邪魔よ」

とフレイに一言で切り捨てられていた

 

 

 

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そんな本棚にある沢山の書籍

その中に明らかに包装の違う物を見つけたカズイはそれを思わず手に取ってその日の事を思い出す

 

 

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「なぁオルガ」

 

「あぁ、んだよ?」

いつもの様に地面に仰向けになりながら小説に目を通していたオルガにアウルは声をかける

 

「お前って本が好きなんだよな?」

 

「…まぁ、そうだな

つっても以前ほどじゃないな」

オルガ・サブナックがジュブナイル小説を好んだのは、何もかも自由にならない自分。そのもどかしさを小説というものを通じて少しでも忘れようとしていたからだ

今思えば現実逃避以外のなにものでも無かったが、そうでもしなければおかしくなりそうな環境に自分達はいたのだ

 

だが、今は違う

 

毎日皆とバカやって笑い合い、何かを見つけながら過ごす日々

だから今となっては、どちらかと言えば知識を求める手段として読書を楽しんでいる部分の方が多いと感じている

 

 

まぁ、同じ読書家であるカズイやナタルと本の感想を言い合ったり、オススメを語り合ったりするのもオルガとしては楽しい時間なのだが

 

 

「んで、突然どうしたんだ?」

 

「なら本を書いて見ないかって話になってな?」

 

「はぁ?」

アウルの唐突な話にオルガは身体を起こして、アウルの顔を見つめた

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだそりゃ、ただの日記じゃねぇか」

オルガは呆れた様な声を出してしまった

詳しく話を聞くと、楽しい日々の記録をつけたい。そうステラが言い出し、それにクロトやシャニ。ニコルも賛成したと言う

 

「まぁそういうなよ、オルガ

ステラにとっては日記も本もさして変わらないんだろうさ」

とフォローをするスティングに

 

「そりゃあ別に構わねえとは思うがな

やるならせめてキチンとした形にするべきだと俺は思う」

とオルガなりの助言をする

 

「形という事は日記帳みたいなものを用意するんですか?」

ニコルの問いに

 

「その方が見栄えも良いだろうが

何なら絵をつけて絵日記にするとより詳しい思い出が残せるんじゃねぇか?」

 

「…となると何か絵を描く道具が要りますわね」

 

「そんなのあったか?」

と何処から聞きつけたのかラクスとカガリもちゃっかり話に加わっていた

 

「お前らいつもどっからか湧いてくるよな?」

 

「まぁ、失礼ですわ

私もカガリさんも色々な事に挑戦したいと思っているだけですのに」

 

「…まぁ、そうなんだけど」

オルガの呆れた様な言葉にラクスは少し拗ねた様な言い方で抗議し、カガリはしょっちゅうラクスに振り回されている事から少し疲れた様な影を背負った表情をして肩を落としている

 

「…大変だな、アンタも」

 

「なら変わってくれるか、スティング」

カガリの苦労を思い労うスティング

 

「いや、それは勘弁だ

ラクスの担当はアンタかカズイだろ?」

 

「お前なぁ」

 

 

 

そして次の輸送艦はマジックやクレヨンを持って来た

 

 

クレヨンとか正気か?と思ったものの、実際ステラが描いた絵は決して上手とは言えなかったが、何というか妙な温かさや懐かしさを感じるものだった

 

ラクスやカガリ、ロミナまで夢中になって「今日は何を描く?」と話し合っている様子を見ていると

 

 

これはこれで良いのだと

そう自然に思えた

 

 

 

 

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a.m4:30

カズイは日記を本棚に戻すと、今日の当番に声をかける為に足を動かす

 

 

 

 

 

「シン、起きろ」

 

「…ん」

 

「ほら、今日は朝の水やりの当番だぞ」

 

「ん。…あ、カズイ

ふぁぁぁ、おはよ」

カズイが揺すりながら声を再度掛けるとようやくシンも目を覚ました

 

「支度したら降りて来いよ?」

 

「…うん、わかった」

寝起きのシンは昔の頃と変わらないな

そう思いながら、俺はもう1人を起こす為にシンの部屋を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フレイ、朝だぞー起きろー」

 

「…あと2分」

 

「2分と言って起きた事が無いのでダメです」

 

「…んー、かずい?」

目を擦りながら呂律の回ってない声で俺の名前を呼ぶフレイ

 

「はいはい、カズイですよー」

 

「…おはよ」

恋人だからと、自室の鍵を当番の前日に渡すフレイ。最初は断ったが「別に良いのでは?」という空気を皆を巻き込んで作り出したフレイに最終的に膝を折ったカズイであった

 

フレイは寝間着のまま、カズイに抱擁(ハグ)を求め、カズイもそれに応じる

いつもより少し高い体温。その他諸々の情報により、割とアレな事になってしまうが、フレイはそんな事は気にする事なく恋人との交わりを堪能するのだ

 

「…起きたか?」

 

「ええ、おはようカズイ」

そして、抱擁(ハグ)を終えたフレイと笑い合いと

 

「じゃあ先に行くからな」

とフレイの部屋を後にする

 

「…もう少ししてても、良いじゃない」

恋人の少し拗ねた様な声を聞かなかった事にしながら

 

 

 

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a.m5:20

 

 

「準備出来てるよ、カズイ」

フレイとの逢瀬(ふれ合い)を済ませたカズイが庭に出るとザウートとプロトジンを移動させたシンが苦笑しながら迎える

その笑みは

 

「ったく仕方ないよな」

と言っていると長年の付き合いからカズイは理解しているのだが、まぁそれはそれとスルーしている

 

 

 

 

なお、フレイとの逢瀬については皆が知るところであるが、これに関して文句を言うものはいない

カズイとフレイが恋仲なのは周知の事実であるし、基本的にカズイもフレイも人前では殆どイチャつく事はない

 

…と言うよりも

 

「あんまりやり過ぎると動いてくる可能性のある奴がいるもの」

との事

 

アークエンジェル時代やオーブの時はカズイを支える為に最悪他の女も許容したが、今となって独占欲が出てきたフレイであった

 

カズイはこれに関しては一切口を開かない

彼は難聴系(ラノベ)主人公ではないので、自分に向けられている好意は理解しているものの、自分の手で愛する事の出来る異性は1人だけであると思っているから

 

 

余談ではあるが、フレイの事を知ったステラはカズイに添い寝や起こしてもらいたいと口にした為、フレイ、ナタル、ロミナ、カガリ、ラクスにマユ

女性陣総出でステラの説得にあたっていたりする

 

結果、ステラの希望は叶わなかった事もあり、日常的なスキンシップが増えてしまったのはご愛嬌と言ってしまって良いのだろう

 

 

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a.m5:30

 

 

「ごめんなさい、シン」

 

「…別に良いけどさ」

身だしなみを整え作業服を身に纏ったフレイは庭に出てくるとシン(義理の弟)(本人は拒否)に軽く頭を下げる

 

何があったのか知っているシンは少し拗ねた様に顔を背けながらそう口にする

 

MSサイズのじょうろを持ったプロトジンと散水用の拡散式切替型ホースを砲身に取り付けたザウートを朝は使用する

最初は規模が小さかった為、人海戦術で水やりをしていたが耕作面積の拡大によりMSによる水やりに切り替えていた

とは言え、どちらにせよかなりの微調整が必要となる為に割とシビアな操作難易度であったりするのだが

 

 

何なら全ての作業の中でもこれが最高難易度と言っても過言ではない

 

 

因みに照度調整が地上と同じ様に管理されている為、地上と同じ様な感覚で野菜を育てられる環境となっている

その為、オーブで家庭菜園をしていたカズイやシンとマユにとって助かる事であった

 

 

「じゃあ、やるか」

カズイの声に2人は楽しそうに頷いた

 

 

 

 

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a.m6:30

 

 

今日の朝食当番であるシャニ、アウル、ニコルそしてカガリ

 

4人が作った朝食を庭先で思い思いに食べる

今日はカリカリに焦げ目のついたトーストに焼き加減の違う目玉焼きとやはりカリカリに焼いたベーコン。それとミネストローネスープ

 

 

と言うのも、既に朧げなものとなりつつある前世の記憶を持っているカズイがまだオーブで平和に暮らしていた頃シンやマユ。そして両親達と共に食べていたもの

そう少し前に聞いた話の中であったからこの際再現してみようとの話になった訳だ

 

トーストの上に目玉焼きを乗せて、そのまま一緒に食べる

…そう旧世紀の日本では割と知られている某アニメで主人公とヒロインが坑道内で食べていたアレである

 

 

決して上品ではない食べ方だが、当時の事を話す3人の姿が印象的だった為皆揃って真似をしていた

レシピと言うほどのものではなかったので、多少バランスを考えて用意したミネストローネスープ以外は然程に手間はかからない

 

 

…まぁそれでも

 

「うまっ

これ黄身が合わさって美味しい!」

 

「別にトロトロの黄身じゃなくても美味しいと思うのだが」

旧世紀から続いてきた『目玉焼きの黄身は半熟であるか否か?』と『目玉焼きに最も合う調味料は何か?』という答えの出るはずのない命題に向き合う事になりはしたのだが

 

 

 

 

 

余談ではあるが、常に論争のテーマとなる『山と里』

これはC.Eにおいてもその存在を高らかに示しており、東アジア圏においては一種の禁句(タブー)とされる事になっていたりする

 

「どちらも美味しいんだから、それで良い」

との両派閥により緊張緩和(デタント)が進み、袋サイズではなく小箱にも同封される事になっている

 

なお、その論争において第3の勢力と目されている『中までたっぷり』もお菓子業界におけるレジェンドとして君臨していたりするのだが、今は然程に関係のない話だろう

 

 

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a.m8:00

 

 

 

「今日も草むしりかぁ」

 

「なぁカズイ。草刈りじゃあ駄目なのかよ?」

 

「根っこが残ってはまた生えてくるので、駄目です

よく言うだろ?『根こそぎ』って」

 

「…確かに良くある言い回しだな」

クロトとアウルの軽口にカズイも笑いながら応える。オルガはそんなカズイの言葉に小説で良く使われている表現だと少し感心した

 

「言い回しってのは大体何かしらの語源とかがあるもんさ

やっぱり人だからな。無から有は生み出せないし、積み重ねが大事って事さ」

 

「そうだな。例えば宇宙に生身で放り出されてしまえば立ちどころに生命は機能を停止する

これは真空という何も無いが故に起きる事と言われている訳だが、それもまた『人は何かが無ければ生きていけない』も考えるのも面白いかも知れないな」

と麦わら帽子を被ったナタルが口にした

 

ナタルだけではなく、女性陣は全員麦わら帽子を被って草むしりに取り掛かっている

 

これはシャンバラ産の野菜に対する返礼品の一つとして、東アジア圏の文化に明るいと聞いた張共和国付き軍事相談役が送られてきたものだ

 

 

 

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張は東アジアでは現首相と元首相以外で、此処の内情を知る限られたメンバーの1人であり、知己の間柄であるサザーランドが個人的に彼へとシャンバラ産の野菜の一部を送っている

…勿論、その結果自分達の取り分が無くなるなどと言う下手はしないのが先の戦争にて大西洋連邦軍の兵站管理に携わっていたサザーランドという男だった

 

割と自由に動き回っているアーヴィング(元大統領)の居場所を把握しつつ、スポンサーである新旧ロゴスメンバーに不満のない程度に野菜を送るその手腕は確かなものであったのだった

 

なお、現大統領であるコープランドとその補佐役を務めているハルバートンにも量こそ少ないがシャンバラ産野菜が届けられているのは最重要機密(トップシークレット)である事を知る者は殆どいない

 

 

最近のブームはアークエンジェルⅡ発祥(正確には異なるが)の焼きとうもろこしであり、特に諸々の事情から(毒殺などに警戒しなければならない)コープランドや新旧ロゴスメンバー達からは好評だった。特にロゴスメンバー達は手の込んだ料理ばかり食べていた為に素材の味を活かした焼きとうもろこしにどハマりする事となり、最終的にはロゴスメンバーが一同に会する会議場ですらも、食べる様になる

 

真剣な話をしながら、時には敵を陥れる謀略や策略を練りつつ、焼きとうもろこしを食べる姿はかなりシュールな物であったが、彼等は誰1人としてそれに異議を挟まなかったという

 

 

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因みにとうもろこしの栽培に大量の水が必要と伝え聞いたアズラエルは旧ロゴスメンバーを臨時に招集。その席で焼きとうもろこしの実食後にシャンバラに対する水の供給量を増やす事を提案

全会一致で可決される事となった模様

 

結果、カズイは微妙な気持ちになりながらも待望の稲作にも挑戦する事となる

付け加えるとそれに伴いパンジャン改良型(稲作カスタム)がロゴスメンバーの1人、通称パンキチから贈られる事となった

このパンジャン(稲作カスタム)は主に東アジア全域で活躍しているパンキチ氏自信の1つ

 

 

「…いやまぁ、ありがたいんだが、何だかなぁ」

とこれを見たカズイは顔を引き攣らせていたそうである

 

 

 

英国面による世界制覇は順調に推移しつつあった

 

 

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カズイ、ナタル、オルガは共通の趣味として読書を好んでいる

特にオルガは此処へ来てから趣味のジュブナイルだけではなく、専門書やカズイが愛読している宗教論や思想学などの多岐にわたる本を暇を見つけては読み耽っている

その為、知識面においてはクロトやシャニよりも広いものを持つようになった

 

シャニはラクスとニコル。そしてロミナとの演奏会などを通じて感受性を高めていた

クロトはどちらかと言うと人と関わる力。つまり他者とのコミュニケーション能力に秀でる様になっていった

 

 

ステラ達による日記は定期的に宇宙再開発機構にいるアズラエルの元に送られているが

 

「そう、ですか

…いやいや驚きましたね。彼等もどんどん変わっていく

彼等や彼女達の成長に世界が遅れては流石に情けないものがありますねぇ」

と日記を読んだアズラエルは内心闇で蠢いている者達に対する戦意を高める事となった

 

 

「ちょっと、アンタ達。手が止まってるわよ!」

 

「もう、皆さん。まだやる事はあるのですから」

とフレイとラクスに注意されたカズイ達は苦笑いすると、草むしりに戻っていく

 

 

因みに草刈りをしない理由としてはもう一つある

草刈りとなると人力でする場合、手鎌などが必要となる。当然取り扱いを間違えたり、手元を狂わせたならば容易に怪我をする原因となるだろう

医療施設はどうしても整備出来ない関係上、リスクは減らさねばならない。仮に草刈機(刈払機)を使用すれば手早く終わらせる事も出来るのだが、燃費の問題と使用時小石等に接触すると思わぬ怪我の原因ともなる

…というか、そこまで雑草が伸びる前に処理するので草刈機の出番はないと言えるのだが

 

 

なお、カズイは一瞬脳波コントロールで動く草刈機を想像したのだが

 

『フハハ、怖かろう』

と何やら鉄仮面を被った人物の声が聞こえた様な気がしたので、その考えを即座に打ち捨てた

 

真パンジャンを見た時も

 

(いやこれ、どっかのサイド2国家の兵器がそのうち出て来ないよな?)と大量の冷や汗をかいてしまい、すぐ隣に居たフレイに心配されていたりする

 

 

願わくば、その様なもの(兵器)が出て来ない事を祈るばかりだ

 

 

 

 

騒がしいながらも、皆で草むしりを楽しむ事となる

 

 

 

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a.m11:50

 

 

草むしりを終えた皆はそれぞれの時間を少し楽しんだ後、いつぞやの様に焚き火を囲み座った

 

そこにカズイとラクスが切った肉や野菜、そして鉄串が用意されると各々が自分の好みに合わせて肉や野菜を鉄串に刺していく

そしてそれを焚き火の上に置いた鉄板の上でじっくり焼く

 

…そうセルフサービス型のバーベキューであった

 

 

 

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シャンバラ産野菜の出荷(・・)はこのコロニーの運営費を出しているアズラエル達にとっては予想外のものであった

しかも、無理のない範囲とは言え出荷量は少しずつ増加している。元々完全に予算度外視(赤字前提)で行なう予定であったシャンバラに対する支援。これに対してカズイ達住民側は多少なりとも自分達に対して出来る事をしている

しかも、自分達にとっては盲点であった食事のあり方を示した上で

 

 

既に旧ロゴスメンバーの一部は焼き芋や焼きとうもろこし以外にもこの様な食べ方に相応しいものを探しており、それは間違いなく新たな商機(ビジネスチャンス)となるだろう

加えて地球全土において、緑地化や農業推進の動きになっている事から新たな消費法の開拓はそれらの動きと合わせる事で相乗効果も期待出来ると判断

となれば、その種を提供したカズイ達に対して何らかのキックバックをしないと言うのは彼等の商売人としての矜持(プライド)が許さなかった

 

故に保存に困らない程度に物資の量を増やす事を彼等は決定する

 

借りを作ったままと言うのは彼等にとって好ましくないものだから

 

 

なお、これにより食文化方面に対する旧ロゴスメンバーによる梃入れ(支援)が行なわれる事となり、旧世紀に失われた料理の再現なども世界各地で行なわれる様になった

 

 

 

なお、彼の地においては星を仰ぎ見る(スターゲイジー)パイが時を超えて現出する事となり、関係者達の表情を凍り付かせる事になった事も合わせて明記する

物事にはやはり負の面もあるという事なのだろうか?

 

 

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p.m1:00

 

 

この日は待ちに待った収穫の日であり、皆気合を入れてそれぞれ籠を背負っていた

 

勿論中には衝撃に弱いものもある為、その辺りは注意しなければならない

 

 

「カズイ!俺、さつまいも掘りやりたいんだけど!」

アウルは目をキラキラ輝かせてカズイにアピールする

 

「そうだな。…じゃあ、クロト。お前も頼むわ」

 

「はいはい。アウルがやり過ぎない様に見てれば良いんでしょ?」

 

「頼めるか?」

 

「ま、仕方ないよね。アウル、さつまいも掘りになるといっつもやらかすからさ」

カズイの言葉にクロトは両手を頭の後ろで組みながら快諾する

 

 

「なら、俺とシャニにオルガはきゅうりとなすの収穫を任せてもらいたいが」

 

「…だな。きゅうりはスティングが、ナスはシャニが見極めるの得意だったな、確か。オルガは」

 

「分かってる。2人が摘み食いをあまりしない様見張ってるって」

オルガは木に寄りかかりながらカズイの言いたい事を理解した上でそれを引き受ける

 

スティングとシャニはどちらかと言うと菜食主義者(ベジタリアン)であり、特に収穫したばかりの瑞々しいきゅうりを丸齧りするのを好んでいた

それ故にきゅうりに対する感覚は他の追随を許さぬ程に敏感なスティングであった。シャニはナスを両断して焼き色が付くまで焼き、その間に短く切ったパスタを挟む料理が殊更好きだ。その為やはりナスに対する知識と感覚は非常に優れている

オルガはそんな2人のストッパーであり、野菜の出荷量について話し合うメンバーの1人でもあった

 

 

「…あとはどうしたものか」

 

「なら私とニコル。それにシン君とマユちゃんで苺を担当しても良いかしら?」

悩むカズイにロミナはそう提案する

ロミナは籠を下ろし、手に大きな竹で作った入れ物を持っている

 

「…いやロミナさん?それ持っている時点で苺担当する気満々じゃないですか?」

 

「…そうね、ふふっ」

カズイの言葉にも彼女は動じる気配を見せない

 

「収穫してから色々と作るつもりなのよ?

…もし良かったらナタルも借りて構わないかしら?」

 

「私としては構わないが、どうする?」

ナタルの問いかけに

 

「そう言えば言ってましたね。今度向こうに出す物を作りたいって

分かりました。シンは力仕事担当をさせたら良いと思うんで

…ああ、くれぐれも味付けとかさせたらダメですから。ほぼ確実にやらかします(・・・・・・)ので」

 

「…なぁカズイ。確かにそうなんだけど

……もっと、こう、ないのかよ?」

 

「ないです」(無慈悲)

カズイのあんまりな言い方にシンは表情を暗くして抗議するも、そんなシンに構う事なく一刀両断する

何せ『シン・チャレンジ』(シン・アスカによる無謀な試み)は数多くの犠牲(失敗料理)を生み出した

 

余りの惨状の数々にさしものカズイ(シン大好きお兄ちゃん)も匙を投げたし、シンの母親と妹であるマユも盛大な溜息と共にシンに対して厨房への一切の立ち入りを禁止していた程

 

 

過ちは、繰り返させない!

とまぁ何処かの荒廃した世界で力強く生きる少年の様に固く決意をしたものである

 

確かにカズイは弟としてシンを愛しているし、それこそ出来るだけ彼のわがままだって聞いてやりたいと思っている

いるが、流石にシンの作る料理は食べられたものではない

などと言うレベルではない

 

何故か炭化してしまう(カーボンとなる)のだ

 

何をトチ狂ったのか?シンは火力至上主義者らしく、弱火でじっくり時間をかけるところを強火により短期間で仕上げようとする謎ムーブを良くやらかす

 

故にカーボンとなり、食べることすら不可能となるのである

その為、カズイはシンに対して『二代目マスターカーボン』の名を襲名させようとしている

 

「何だよ、マスターカーボンって

と言うか、何で二代目なんだよ!」

と当時カズイにツッコミを入れたものだ

 

 

なのでこれに関してはカズイも塩対応となるのだ

勿論シンとて全部が全部失敗する訳ではないのだが、逆にそれの方がより性質(たち)の悪いものであった

 

成功率5割(ハーフ&ハーフ)

まるで何処ぞのピザ屋のメニューの様な確率

 

カズイとしても流石にこの様な状況にあっては、食事の(フード)ロスを許容出来なかったし、かと言って料理中いつもシンに付いている訳にもいかなかった

 

 

その為少し手荒ではあるが、キツい言葉を投げ掛ける事でシンに対する一つのカンフル剤としようとしている

 

「…流石に甘過ぎるわよ、アンタ」

 

「…まぁそう言うな。フレイ

カズイがこういう人物なのは他ならぬ君が1番知っているのではないか?」

 

「…………まぁ、そうですよね」

とナタルに嗜められて、フレイは何とも言えない様な顔をしたものだ

 

 

 

「となると、残りのメンバーは」

 

「私にラクス(じゃじゃ馬)カガリ(元祖じゃじゃ馬)。それにステラかしらね?」

 

「…なぁフレイ

何か含むところがなかったか?私にはそう聞こえたんだが」

 

「カガリさん。それは仕方のない事だと思いますわ

ですが、毎日新しい経験ばかりで私は楽しいので構わないと思うのです」

フレイの言葉にカガリは不満そうな声を上げるが、ラクスはそんな事にお構いなしと笑う

 

「カズイさん。では私達はトマトやとうもろこしなどの収穫ですわね?」

 

「そうだけど、あまり摘み食いは無しの方向で」

 

「ええ。分かりましたわ」

カズイの言葉にラクスはやはり楽しそうに頷いた

 

「…トマト食べちゃ、駄目?」

 

「……しっかり洗って収穫が終わってからな?」

ステラのお願いにカズイは苦笑いしながらそう答えたのだった

 

 

 

 

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「はっはぁー!やっぱり芋掘りは楽しいぜ!」

 

「あんまりやり過ぎんなよー。収穫し過ぎても後が大変なんだからさぁ」

 

「わかってるって!」

コイツ絶対に分かってないな?

意気揚々とさつまいもを掘ることに夢中になっているアウルにクロトは内心ツッコミを入れながら、アウルが収穫したさつまいもを籠に放り込んでいた

 

…なおやはりと言うべきか、予定の範囲よりも多く収穫しそうになったアウルを獲物(ハリセン)でどついて止めるまで後1時間

 

 

 

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ポリッ

そう小気味良い音を立てているのは、スティング達が収穫したばかりのきゅうり

少し前から供給量の増えた水を利用して循環式の水路をアークエンジェルⅡのクルー達と共に新たに作り、その水路で洗ったきゅうりをそのまま齧るスティングとシャニ

 

少々行儀が悪いのは分かっているが、この収穫したばかりのものでしか味わえない瑞々しさと歯応えが2人は好きだった

 

「お前らなぁ」

それを横目で呆れた様に見ながら、手元の何かに付けて食べるオルガ

 

「あ、オルガお前っ」

 

「…ズルい」

そんなオルガに気が付いた2人はオルガに抗議すると

 

「…ちっ、あんまり量が無いんだからな」

と渋々オルガもソレを2人にも使える場所に置いた

 

それは東アジアの張が手配した味噌

 

(わり)ぃな、オルガ」

 

「スティング謝らなくて良いって。言わなかったらコイツ(オルガ)絶対1人だけで楽しんでたんだから」

味噌を付けたきゅうりを楽しむ3人だった

 

 

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「ジャム、か。なるほど手製というのはあまり見ないな」

 

「ええ、せっかくだもの。色々試してみたくなって」

 

「良いと思います。こうやって新しい挑戦するのは楽しいですし!」

 

「手間がかかる分だけ楽しみになりますね」

 

「どうしても量が必要になるのが気になるところだけどな」

ロミナ達は雑談をしながら、レシピ本に従ってジャム作りに挑戦していた

 

勿論最初から大量に作るつもりはない

試行錯誤を重ね、経験を積みつつ少しずつやっていくのだ

 

 

時間はいくらでもあるのだから

 

 

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「やっぱりトマト美味しい」

 

「そうですね。瑞々しくて」

 

「ほんのり甘いのも良いよな。癖になる」

 

「…はぁ、アンタ達ねぇ。ステラは仕方ないとしても、ラクスにカガリ。口の周り凄い事になってるわよ?」

 

「食べるなとは言わないが、食べる時は布巾やウェットティッシュなどを用意してから食べような」

ステラとラクスにカガリは収穫したのトマトを水路につけて置いて、収穫が終わってからそれを口にしていた

3人とも笑顔であったが、フレイの言葉とカズイ(意識している相手)からの言葉に

 

「分かった」

 

「…はい」

 

「…うん」

ステラは素直に

ラクスとカガリは恥ずかしさで顔を真っ赤にして俯きながら、小さな声で応えたのである

 

 

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p.m5:30

 

 

それぞれ収穫が終わり、新たに新設した出荷前の倉庫と自分達用の倉庫にそれぞれ収めると夕食の準備などに取り掛かる

 

 

「今日はラーメンか」

 

「だがそれにしてはスープが薄くない?」

 

「俺、豚骨とか醤油が良いんだけどさ」

 

「の割にはそんな匂いはしないな」

 

「馬鹿だな、お前ら

あれはラーメンじゃなくてうどんだっての!」

オルガ、シャニ、アウル、スティングは麺を使う料理と聞いていた為に真っ先にラーメンを思い浮かべながら、野菜の形や重さによって出荷前の仕分けをおこなっていた

だが、その割にはラーメンの様な濃いめの匂いがしない事に不思議そうな表情を浮かべ、困惑している

クロトは今日の献立をカズイに引っ付いて聞き出していた為に、それを自信満々に口にした

 

うどん

聞き慣れない料理の名前にオルガ達とクロトは期待しながら作業を進める事となる

 

 

 

 

 

「足で材料を踏むというのは初めての経験ですね」

 

「そ、そうね。疑う訳ではないのだけど、ナタルこれで良いの?」

ニコルは少し楽しそうに、ロミナは困惑した様な顔でナタルに問いかける

 

「ああ、問題はない。キチンと足も清潔にしているし、それ専用の布の上から踏んでいる

シンの様に力で捏ねる方法もあるが、慣れないうちはこっちの方が良いだろう」

 

「と言っても流石に心理的抵抗はあるわね、これ」

 

「何と言うか、凄いですわね」

 

「食に対する私達の先祖のこの執着は本当に凄いと思うな」

 

フレイは苦笑し、ラクスとカガリも慣れない事に困惑しながらも、懸命に材料を踏む

 

 

 

 

ビダン!(パイロットではないよ?)

そう音を立ててうどんのたねが叩きつけられる

 

「なぁ、カズイ」

 

「お、どうした?」

 

「本当にこれで出来るのかよ?」

叩きつけてそれを捏ね、また叩きつける

そんな工程を繰り返しているシンは思わずカズイに聞いてしまう

 

「でも、シン。カズイは嘘言わないよ?」

と同じ事を隣の台でしているステラはシンにそう声をかけた

 

 

「まぁ騙されたと思ってやってみ?」

 

「私もやってみたかったなぁ」

 

「悪いな、マユ。でも出汁を作る事も必要な事だから」

 

「大丈夫!兄さんの頼みならドンと来い!だからね」

と雑談しながら、うどんの出汁を作っているカズイとマユ

 

流石に人数が人数だ

とてもではないが、カズイ1人で出来るものではないのでカズイにとって1番(料理の経験と息の合う意味で)頼りになるマユにも頼んだ

勿論マユは喜色満面でそれを快諾。何せオーブでそれこそマユが物心ついた事から少しずつ料理の手伝いをしてきたのだ

母親とカズイの背中を追い続けてきた彼女にとって、カズイに頼られる事は嬉しい事以外の何物でもなかった訳だ

 

大きな寸胴鍋2つで出汁を作っているカズイの隣にいるマユはそれはもう輝かんばかりの笑顔だったと後にシンは語る

 

 

 

 

----

 

 

「いただきます」

 

声を揃えて皆でうどんを食する

 

ズルルルルル

そう音を出して食べるカズイとマユにシン。そしてナタルの姿に他の者達は唖然とした

…いや、ステラはその姿を見てすぐ音を立てながらうどんを啜る。フレイもそういう食べ方をして良いものだと理解するとうどんを啜った

 

 

「あ、あの

カズイさん。…その」

あまりの光景に思わずラクスは声を掛けるが

 

「…へぇ、そういう食べ方なんだ」

 

「確かに麺一本一本が長いから噛み切るよりは良い、のか?」

 

「面白れじゃねぇか。そういう食べ方もアリって事か?」

とシャニ達は興味深そうにうどんを見つめる

 

「…ん?ああ、確かに下品に見えるかもな

まぁこうやって食べる事もあるって事で。別に食べ方をとやかく言うつもりはないからさ」

と困惑するラクス達に声をかけてまたカズイはうどんを啜り始める

 

そのカズイの言葉でシャニ達はうどんを食べ始める

 

 

 

 

「…」

が、ラクスはあまりの衝撃に手が止まってしまっていた

所謂『良い所のお嬢様』であったラクスはそれなりにマナーも言われてきた

 

「別に私達も立場が違うとはいえ、そういうものでは無いのだがな」

と父シーゲルは苦笑していた

 

しかし、どうしても『プラントの歌姫』や『シーゲル(最高評議会議長)の娘』として見られる事を意識しなければならなかった彼女は彼女の周囲にいる者達から『斯くあるべし』と一種の理想を押しつけられる形となっていた

それは彼女の見えない鎖となって、今もまだ彼女を縛り続けていたのである

 

少しずつ、それも無くなりつつはあったが

 

 

「…良いのでしょうか?」

ラクスは躊躇してしまう。恐らく彼女の葛藤をカズイが知れば

 

 

「そんな深く考えんでもろて」

とでも言いそうなものであったが、彼女にとっては大きな問題

 

「…どうしたんだ、ラクス

早く食べないとのびるぞ?」

 

「…えっ?」

そんな彼女に声をかけたのはやはりカズイだった

 

…まぁ、その手には空になった器があり明らかにおかわりをする為に席を立ったと丸分かりなのだが

シャニ達はうどんに夢中であり、それはニコルやロミナにカガリも変わらない

 

シン達は様子のおかしいラクスに気付いていたが、カズイに任せて良いだろうと目で会話するとうどん攻略に戻っている

 

 

----

 

 

 

「まぁショックかも知れんわな」

 

「…そう、ですね」

カズイは俯いたラクスの隣に腰を下ろすとラクスに話しかける

 

「…でもそんなもんさ」

ラクスはカズイの声にはっと顔を上げ、カズイの顔を見る

 

「皆違う。それは人種や主義思想、生き方も

これの食べ方だって違うだろ?」

カズイの言葉にラクスは頷く

 

「『みんな違って、みんな良い』

それで良いんじゃないか?」

 

「…」

 

「周囲の思うラクスとラクスの考える自分らしさ

それが一緒なら良いさ。でも往々にして、違う事はある」

 

「…ええ」

 

「自分らしく生きる事を優先して良いんだ」

 

「っ!」

ラクスは息をのんだ

それは自分にとっての

 

「周囲の期待に応えなきゃ、なんて背伸びした結果どうなったか?その悪い例がラクスの目の前にいるんだからさ?」

カズイはそうおどけてみせる

 

「…そうですね」

ラクスは少しだけ小さく笑うと

うどんを啜り

 

「でも、カズイさん」

 

「ん?」

 

「あまり自分の事を悪し様に言うのは感心しませんよ?

そんな貴方を好ましく思っている人も居るのですから」

そうカズイに笑いかけた

 

「だな」

カズイはそう照れ臭そうに笑うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてまた変わらぬ、しかしかけがえのない日々は続く

何かを変え、何かを求め、何かを掴みながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なお、ラクスとのやり取りはうどんを食べている最中の事である

うーん、この温度差よ









昨日ハーメルンで大規模な事が起こりました
その結果アクセス出来ない時間が長く続きましたが、改めて実感しました

こうやって小説を書いたり、感想を読んだり、他の方の作品を読んだりするのが私は好きなのだと
なので、筆を折る事なくゆかりん王国と一族との決着をつけるまで書き続けたいとおもいます

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

  • いる
  • いらん
  • それより本編でしょう?
  • ifstory補完しろよ
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