自分達を『ナチュラルより
間違いなく個々人の能力において、一部の例外を除けば勝っていたはずのコーディネーター
ある者達は言うだろう
「
また別の者は賢しらにこう口にするだろう
「当初あったはずの優位性を活かせなかったから」と
優秀な者
これらは確かに素晴らしいものであるだろう
しかし
嗚呼だがしかし
1人では何も出来ない。集の中にあって、声をどれだけ張り上げたとしてもその声が大衆に受け入れられる事はないだろう
技術を
構想を
情報を
意識を
如何に共有し、他者に認めさせるか?
これ無くして前に進む事はない
プラントは、ザフトは技術面において圧倒的優位に立ちながらもそれを活かしきれなかった
そのまま押し切れると考えた者
更なる技術発展をすべきとした者
それらの意見をまとめる事が出来なかった
故に時間が過ぎ、地球軍のMS開発を許してしまう
彼等は
何とも皮肉な事であろうか
ヘリオポリスⅡで何とかしようとしていたアレックスの元に2人の人物が現れた
「…久しぶりだね、アレックス君」
「お久しぶりです」
アレックスを訪ねてきたのはかつての上司であった
「…そうか。君
アレックスからの話を聞いた元上司はそう重々しく呟く
「そりゃマトモな感性があって戦場の空気を知るなら気付くでしょうよ?」
それとは違い元上司の言葉にさも当然であると言い切る男性
「…貴方は?」
「…あー、実はつい先日までMSを弄ってたんだが
余りにもバカらしくなって抜けてきたんだ」
「なっ!?」
苦笑混じりで口にした言葉にアレックスは驚愕した
当然だろう。このコロニーにMSがある事を公言したも同然であり、しかもそれを全く気にしない様な態度だったのだから
「私も彼から話を聞いた時は驚いたものだ
そして近頃君がコロニー内で必死になって何かを探していると聞いたものでな。こうして君を訪ねたという訳だ」
アレックスの驚きを他所に此処に来た経緯を苦笑混じりで話す元上司。そして今も軽く笑っている男性
「分かっているんですか!今俺が聞いた事がどれだけ危険な事なのか」
アレックスは寧ろ何故目の前の2人が全く慌てていないのか理解出来ない。これが公になれば間違いなくとんでもない事になる
それを理解しているとは2人の様子から到底思えないのだ
「とは言ってもMSの保有など当たり前の事ではないか?
それこそかつては数えるのも馬鹿らしくなる程にあったじゃないか?」
「ジャンク屋から購入したのならば、問題はないと思えるが」
アレックスは2人の言葉を聞いて愕然とする
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現在のヘリオポリスⅡでは余程の例外がなければ、自分から自治政府に望まない限り、地球の情報は手に入らない様になっている
これは偏に自治政府側の都合であった
何せ地球で決まった事など、自分達には関係のない話
そう彼等は本気で思っていたのだから
当然そんな
自治政府関係者はかつて『アークエンジェルの口撃』を真に受けてコロニー内で暴動が起きた事は知っていた
自分達は『地球側の都合』で此処に移住
そう考えていたのである
その数少ない例外がアレックス
彼は地球からヘリオポリスⅡに送られた訳だが、オーブや大西洋連邦にいた時痛感した事があった
どれだけ自分達プラントの人間は地球の事に無関心であるのか
という事を
勿論それを自覚した頃には終戦宣言がされており、当時アスランが話せる相手は居なかった
何せカズイはオーブで受けた傷や昏睡状態に投薬にてされていた為に、それらを含めた治療や今後についての話し合い
フレイは父ジョージの遺した遺産はアズラエルに
シンとマユはカズイの説得や両親との話し合いなど
暇な者などいなかったし、いたとしてもアスランと話をしようという考えはフレイ達は勿論、カズイにすらなかったのだから
移送中に親しくしてくれた人物から地球側のテレビを一部視聴出来る端末を譲り受ける事になる
この人物はコーディネーターであり、その為アスランとしては話を聞きやすかったといえたのだ
まぁ、尤もアスランがそうであったとしても相手がそうである訳ではなく、寧ろアスランを移送するメンバーの中で彼女は1番ザフトに所属していたアスランに隔意と憎悪を抱いていたのだが
アスランがそれを知る機会はなかった
端末を送った理由については
アスランは気付かなかった
一般市民の知らない。そして自治政府に聞かなければならないはずの情報を知っている
それが
どの様な意味を持つ事になるのか、を
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「…まさか」
「流石に考え過ぎではないか?」
アレックスから地球の事を聞いた2人は不審げにアレックスを見つめるだろう
何故、その様な事を彼が知っているのか?
それが分からないから
だが、焦りに支配されたアレックスが気付くことはない
故にアレックスは貴重な協力者たり得た者達を逃してしまったのだ
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「アスラン・ザラ、か
プラント最高評議会議員で国防委員長であるパトリック・ザラの息子であり『プラントの歌姫』ラクス・クラインの婚約者
…そしてザフトレッドであり、かのヘリオポリス襲撃の実行犯か」
時は終戦宣言が出された直後
たった一年ほどの戦争の為に多くの
…多過ぎる程の犠牲を生んだ地球、プラント間に発生した武力衝突は終わりを見せた
言うまでも無い事だが、それだけの犠牲者を出したものを再び経験したいと思う者は少なくとも当時の政府や軍首脳部には居なかった
武力衝突の引き金となったユニウスセブンに対しての核攻撃
正当性はともかくとしても、これをきっかけとして夥しい数の犠牲者が
発生した事は認めねばならない
軍や政府関係者の多くはMSを独自に開発し、地球全土に対して多大なる被害と犠牲を生み出したプラントを滅ぼすべきと考えていた
だが、悲しい事に親しい者や近しい者を失っていない者達の中には先のオーブ攻撃を例としてプラント本国に対する攻撃をすべきでは無い。との論陣を展開。
結果一部の
オーブ攻撃により夥しい数の犠牲者が出た
罪もない一般市民が地球軍の攻撃によりその命を落とした
と言った事を声高に叫んだ
各国政府関係者や軍首脳はこれに対して
「…彼等は私達とは異なる世界で生きているのか?」
と最早怒るのも馬鹿らしくなり、呆れてしまった
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オーブ攻撃は当事者であるオーブ側も承知した上で行なったもの。その目的はオーブに風呂場などにこびりつくアレの様な連中を徹底的に排除する事だった。勿論地球軍や理事国政府としても出来るならばやりたくない事。何せ破壊して「はい終わり!」と言う訳にはいかなかったのだから。オーブ再建をオーブ独力でさせたとなればいつまでかかるかわかったものではないし、その結果オーブ攻撃に不満を持つオーブ国民が世界中に広まってしまえば本末転倒
迅速なオーブ再建が求められる
ただでさえ理事国も戦火にさらされた地域やエイプリルフールクライシスで被害を受けた者達に対する支援も完了していない。この上オーブ再建となればどれだけ負担になるのか考えたくもなかった
が、それを知ってなおやらなければならない程にオーブの持つ危険性は放置出来なかったのだ
事前に通告し、オーブ側の避難先であるアメノミハシラに対して一切干渉だってしていない
結果オーブ攻撃によるオーブ側の死者はその被害とは見合わない程に少ないものとなった
更に言えば、オーブ本土に残した民間人の選定はオーブが行なったものであり、攻撃側からすれば関係のない話
此処までオーブ側に対して配慮したオーブ攻撃で市民やマスゴミ達から批判されるのはこの上なく事情を知る関係者達にストレスと不快感を与えた
仮にプラント本国に対する攻撃をしなかったとして、その場合どの様な形で終わらせられると言うのか?
当時この問題について議会で野党議員の1人がプラント攻撃について口にしている
アーヴィングは議会終了後、野党党首との話し合いの場で
「余程君達は暇と見える。無責任な連中の言葉を鵜呑みにするのだからな
プラント本国に対する攻撃を批判するのだ。勿論、代案はあるのだろうな?
……無い?おかしな事を言うものだ。あるだろう?まさか批判だけ声高にしておいて、後は我々に丸投げするつもりなのかね?
我々は諸々の問題を考えた上でプラント本国に対する攻撃が最も適した解決策としているからこそこれを是としようとした」
「世論を気にしないつもりはない
が、その世論よりも優先せねばならぬ事があると思ったからこそ反発される事を覚悟してプラント攻撃について議論すべきとしたのだが
君達には伝わらなかった様だな」
アーヴィングの言葉に対して和睦や和平ではダメなのか?と野党党首ら口にするが
「一度武力で自分達の意思を押し倒そうとした者達だぞ、プラントは。正気かね
和平や和睦、休戦などしてみろ。間違いなく彼等は更なる武器を携えてまた地球に嬉々として乗り込んでくるぞ
…いや、それとも隕石なりコロニーなりを落としてくるかも知れん」
アーヴィングの言葉に青褪めながらその様な事をする訳がない。そう反論するが
「Nジャマーの地球全土に対する敷設
私の記憶では当時、プラントの積極的中立勧告とやらを受け入れていた国もあったと思う。まだプラントに対する態度を鮮明としていなかった国家もあった
その上で彼等はあの様な蛮行を行なったのだ。何を信じろと言うのかね?」
と言っている
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プラント攻撃と言っても最初から人の住んでいるコロニーを狙い撃つつもりはない
完全に軍事用とされているコロニーから潰していくつもりだった
勿論本音としては根絶やしにした方が後々問題にならないと思ってはいたが、今後の世界情勢を考えるとそれも難しい
その後ユニウスセブン落としという人類未曾有の暴挙を受けて終戦宣言という形にせざるを得なかったのである
結果として後顧の憂いを断つ事は叶わなかった軍や政府としては、ならばせめて彼等の態度を見て今後の事を決めようとした
が、プラント市民の中には未だに現実を見ていない者が多くいると判明した為に彼等は非情の手段を用いる事に合意する
ヘリオポリスⅡ市民の命を薪とする事を
しかし、終戦間際のプラントの状況を考えると少々
叶うならば、問題は一気に解決するべきだろう
間違いなく、ジャンク屋達を焚きつける者が出てくるだろうし、ジャンク屋も一部がそれに乗る
そしてヘリオポリスⅡが武力蜂起すれば、それが踏み絵になろう
南アメリカか、大洋州か、共同体か?
それともスカンジナビアか、オーブか?
それらを準備している戦力で叩き潰す
慈悲も遠慮も要らない
戦争を、混乱を求めたいなら止めはしない
己が血でその浅慮を悔いる事になるだろうから
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アスランは平凡とはかけ離れた立場に生まれ、またその能力も非凡と言って良いものだろう
そして彼の近くにいる者もそれと似た様な者ばかり
だからこそ、分からないし、気づけない
協調や調和がどれだけ大切なものか?
他者を変えるよりも自分を変える方が遥かに容易い事に
軍はキラとアスランの戦闘記録からアスラン・ザラは自己主張が強く、感情的になりやすい人物と判断している
そして、北アフリカにおけるやり取りから、年齢相応の未熟さの残る少年であるとも
そもそも皮肉をこめたヘリオポリスⅡに移住しようと言う考え方自体軍関係者からすれば理解出来ない
たとえ作戦であっても
罪悪感はあるはずなのに
それがアスランの選択から見られなかったが故に、アスランをコロニー内の不和の種としようとしたのである
「名を偽り、姿を変えたとしても
心の弱さは守れないのだよ、アスラン・ザラ」
過去から送られた刃。それは今もアスランを苦しめるのだ
そろそろお片付けの準備を始めたいと思います
休んでいる皆さんには順次声をかける予定
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
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いる
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いらん
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それより本編でしょう?
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ifstory補完しろよ