その果ての終局だ。もはや止めるすべなどない!
そして滅ぶ!
自ら育てた闇に食われて、滅びるが良い!
ジャンク屋組合本部に対する主要3カ国軍による制裁
更にファウンデーション王国に対する武力行使が決定された
これを見て世界中の人々はやっと平和になるのかと疑問に思う一方、軍人を家族に持つ者達は漸く家族が帰ってきた事で平和が少しずつだが近づいている事を実感する
…しかし、まだ諦める事なく今まさに刃を振り下ろさんとしている者達もいたのであった
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コロニー
ヘリオポリスⅡ
先のプラントと地球による武力衝突における1つの転換点とされ、地球に住んでいたコーディネーターの意識が決定的に変化したコロニーの名を引き継ぐ場所
そこにおいて、遂に動き出そうとする者達がいた
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「地球軍め!自分達の意にそぐわない者は全て滅ぼすつもりか」
「今ならば地球軍の目は地上に向いている!
我々が立つべき時が来たんだ!」
そう士気を上げる者達
彼等は元ザフトの人間
と言っても最前線で戦っていたパイロットや艦のクルーなどではない
彼等は当時のザフト司令部やサトーなどと言った前線指揮官から『使えない』との烙印を押された者達
ザフトの名を借りて蛮行に走る可能性の高い兵達
だった
しかし彼等は自身の能力を微塵も疑っていない
自らの実力を『黄昏の魔弾』ミゲル・アイマンに匹敵するとさえ豪語する者すらいた程
本来ならば、ザフト屈指のエースである筈のクルーゼやサトーの名前が挙がって然るべきなのだが、悲しいかな
彼等はヘリオポリスⅡの住民達にとって唾棄すべき裏切り者
アスランやイザーク、ディアッカはナチュラルに負けたコーディネーターの恥晒し
途中で後送されたニコルは父ユーリの事から、プラントを敗北へと追いやった大罪人
とされている
そう旧ザフト関係者が率先して吹聴していたのだ
そうする事で自分達に対する負のイメージを払拭し、新たなザフトを創れると信じたから
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この動きに対してヘリオポリスⅡ自治政府(彼等も旧プラント市民)は見て見ぬ振りをし、宇宙開発機構に対する定時連絡においても「異常なし」と報告している
ヘリオポリスⅡの郊外にはかつての惨劇の場所となったモルゲンレーテの工場跡を偲ばせる公園が用意されていた
そこにヘリオポリスⅡの保有するMSが結集しているのは何の皮肉だろうか?
その内訳はジンが8割、シグーが1割
そして、M1アストレイが1割だった
ジンについてはジャンク屋による良品の持ち込みが多く、シグーはパーツが多かったがそこは元プラントの機体
データを隠し持ってヘリオポリスⅡへと来た者がいた為にあっさりと復元する事に成功している
その代償として少なからぬインフラ設備などを解体、転用しているが彼等からすればプラント本国を取り戻しさえすれば何とでもなる話
寧ろ
ナチュラルどもが作り上げたものなど必要ですらない
こんな暴論めいた主張すらなされるのが今のヘリオポリスⅡだった
M1アストレイについてはジャンク屋達がオーブ復興のどさくさに紛れて持ち去ったもの
しかも彼等は元モルゲンレーテの技術者からM1アストレイの詳細なデータまで入手し、それを売りつけたのだ
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少し前にアスランを訪ねたアスランの元上司ともう1人の人物
彼はMSの解析作業を行なっていたのだが、『M1アストレイの詳細なデータ』という現状必要不可欠なものがこんなタイミングで手に入る事に疑問すら覚えない脳天気な連中の姿を見て、見限ったのだ
普通に考えれば裏がありそうなもの
そう考えたから
まぁ彼の考えとは裏腹にそれは確かに正規のデータではあった
しかし、彼の懸念は別の意味では正しかった
これはオーブが用意した撒き餌であり、当然ながら主要3カ国政府と軍司令部にロゴスと宇宙開発機構も関与した謀略の1つ
はっきり言おう
プラント本国ならば、少なからず注目されているからこそ、強硬策も取りづらい
…しかし、先の武力衝突の際ヘリオポリス崩壊が大きく注目を集めたのは時間がかなり経ってから
勿論、オーブ国民や大西洋連邦などの軍関係者の中ではそれなりに知られた事であったのだが、多くの市民の知るところではなかった
ヘリオポリスⅡの管轄は宇宙開発機構であり、厳密に言えばロゴスの所有するコロニー
ましてや、プラント市民の行く先について地球市民の多くはオーブの諸島に分散していると思っている者が多い
そして、彼等を
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今更の話であるが、コロニーとは宇宙という生身の人間の生存を決して許さない空間の中にあるものだ
そして、ヘリオポリス崩壊を見るまでもなくコロニーの例え
斯くも人の力とは凄まじく
斯くも人の力とは無力であった
そして彼等コーディネーターは人の力により生み出されたもの
地球に生まれて、育ったコーディネーター達は自然という人知の及ぶ事の無い存在を知り、自分達が優秀であろうとも出来ぬ事があるのだと嫌でも自覚する
されど、プラントで生まれ育ったコーディネーターは違う。コロニー内の気象は常にコントロールされ、あらゆるものがコーディネーターの力によってうまく機能する
まるで、自分達が全知全能の存在であるかの様に思えてくるのだろう
そして、コーディネーター同士でも能力の差はあるが、例外こそ多少あれどコーディネーターの能力というものは
如何に資金や手間をかけたかによってその能力が違う
故に自身の能力が足りないのは『自分を産み落とした両親』の
そう言い訳が出来てしまう
人間関係においてすら、能力の高さ低さが頻繁に出てくる事すらあるプラントのコーディネーター
そのプラントのコーディネーターと言えど、彼等とて最初は地球に住んでいた
しかし、理不尽な扱いを受けたが為にプラントに理想郷を求め、そこで自分達の思い通りに生活が出来るようになっていくに連れて、彼等は地球での生活
思い通りにならなかった事は全てナチュラルによるものと無意識のうちに責任転嫁する事となる
生まれが人を形づくるのではない
環境こそが人を作るのだ
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アスランはもう止まらない状況にあって、非情の手段にうって出ようとしていた
このヘリオポリスⅡにある稼働するMS全てを破壊するのだ
その為には
「…この、裏切り者が」
「すまない」
MSを確保せねばならない
アスランはM1アストレイに初めて搭乗したのだが、その機体の完成度に驚かされた
彼が搭乗した事のあるMSはジンとイージスのみ
「…この機体にすら勝てる機体を用意出来ていたのか、地球は」
故にこそ彼は改めて地球軍の恐ろしさを理解する事となる
あの時は余りにもお粗末なOSにばかり目がいっていたせいで気にも留めなかったが、今思えばイージスはOSを少々手直ししただけで実戦投入出来たのだ
その完成度の高さを見て自分達は地球軍の恐ろしさを理解すべきだったのだろう
…もう過ぎた事
取り返しのつかない事ではあるが
しかし、だからこそ
これ以上の間違いは許されるべきではない
それが例え血に染まった道を歩むのだとしても
アスランはそう決意して、機体を動かした
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ヘリオポリスⅡの一番最初の目的はヘリオポリスⅡ至近に存在する地球側の拠点の
何せヘリオポリスⅡからプラント本国までは遠い
輸送手段すら無い現状、何処かから輸送艦なりの艦艇を確保しなければどうにもならないのだ
しかし、なんにせよ直ぐそばに敵の拠点があったとなれば問題が起きる可能性は高い
そう彼等は判断し、ヘリオポリスⅡの外へ続くハッチを開放する
…だが
『…馬鹿どもが』
そこには確かに漆黒があった
しかし、
MSのソレであった
彼等が最期に見た光景は、自分達に銃口を向ける黒い機体
そして彼等は自分達の野心と共に宇宙へと還った
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ブリッツ
地球側がプラント本国から接収し、密かに宇宙開発機構に確保されていた地球側の切り札であった
実のところ、ヘリオポリスⅡ至近にある拠点はヘリオポリスⅡの注意を集める為のものであり、彼等が武装蜂起した場合における緊急展開用の戦力であった
彼等の多くは自分達が負けると
負けたと思っていない者
ならば、彼等の目の前で現実を突きつけてやり、それをもって最後の篩としたのである
如何にコーディネーターが優秀であろうとも、生身でMSに対抗出来る筈もない
彼等の聡明な頭脳がそんな事は不可能だと結論づけるのだから
…しかし、かの武力衝突において地球ではそうではなかった
携帯型のミサイルや大型バズーカなどによりジンを無力化し、そのまま撃破したという例がほんの僅かながら存在する
プラントの者達にとって、MSの敵はMSにしか務まらない
という固定概念があったのだろうか?
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突如として現れたブリッツに対してマトモな実戦経験のない新兵未満とも言える程度の練度と心構えしかない者達は次々と屠られていく
更に付近の拠点や巡回していたパトロール艦などからも次々とストライクダガーが増援として駆けつける
僅かにいた元ザフト兵は必死に抵抗するが、何せ友軍機が邪魔になってしまい抵抗すら出来ぬままに撃破されていくだけ
ハッチ付近での戦闘という名の屠殺を終わらせたMS隊は速やかにコロニー内へと進出する
それはまるでかつてザフトが行なったヘリオポリス襲撃の様であった
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先発した部隊からの連絡が途絶えた事に不審を抱いたヘリオポリスⅡMS隊だったが、突如コロニー内へと侵攻してきたブリッツとストライクダガーの姿に動揺し
発砲してしまう
…そう、コロニー内での戦闘を彼等は選択したのだ
「マズイっ!」
アスランはその姿を見て、即座にマシンガンを放った
ジンに対して
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ヘリオポリスⅡにおいて起きた武装蜂起は多数のヘリオポリスⅡの住民の犠牲を出し、終わりを迎えた
目の前で
ヘリオポリスⅡ行政府は降伏を申し入れ、沙汰を待つ事となった
一連の戦闘の中でアスランは一貫してヘリオポリスⅡの部隊への攻撃を行なっている
アスランとしてはそれでも同じコーディネーターであり、元プラント市民だからと殺さない方法をとっていたが、ブリッツやストライクダガーは『対コロニー内戦闘用』にカスタムされたマシンガンやショットガンにより問答無用で撃破していく
だが
『こ、降伏する!』
『もう抵抗しないから!』
『や、やめろ!なんでまだ攻撃するんだ!』
武装蜂起し、MSに搭乗していたパイロット達はそうオープンチャンネルで必死に伝えようとする
だが、相手はその様な事に一切興味がないかの様に
ただ無慈悲に全てのMSを狩り尽くそうとする
例外は
彼等は理解していなかった
自分達のしている事は武装蜂起であり、それはテロ行為と変わらぬ処置が取られるのだ
そして、このヘリオポリスⅡ自治政府はこの事を報告していない
…ならば、彼等は全てテロ行為に加担した。或いは幇助する者達
武器を取っていない者達にまで罪を問う事こそないが、武器を取りあまつさえコロニー外へと出ようとした者達に対する慈悲などありはしない
漸くヘリオポリスⅡ住民は思い知る
これが、戦争なのだと
全てはもう遅かったのだが
そして、ヘリオポリスⅡ住民は漸くその膝を折る事となる
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
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いる
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いらん
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それより本編でしょう?
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ifstory補完しろよ