勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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という訳で終章までもう少し

みんなの力をオラに分けてくれぇ!(他力本願)


 道

ヘリオポリスⅡでの武装蜂起は迅速な対応によりあっさり収束する事となる

 

 

「…」

アスランは結局何も出来なかった自分に苛立つ事しか出来なかった

 

 

父パトリックが

婚約者の父であるシーゲルが

大切な婚約者だったラクスが

尊敬する上官だったクルーゼ達が

ニコルやイザーク、ディアッカが

ラスティやミゲルの様に死んだ者達が

 

 

守ろうとしていたのは、本当にこんなものだったのか?

そう彼の中に言いようのない感情が芽生えた

 

 

 

自分は確かに地球軍に負けた

それは言い訳のしようもない事実

 

そして、プラントも負けたのだ

どれだけ言葉を尽くそうとも

 

 

 

多くの犠牲者を出しながら、プラント本国は放棄され、地球へと降りた者と此処ヘリオポリスⅡへ移住する者に大きく分かれた

住まいを追われ、国を捨てた

 

これが敗北ではなくてなんだと言うのか?

 

 

…だが、生きていれば

前を向いていれば

 

何か変わったのではないだろうか?

そう思えてならなかったのだ

 

 

オーブで見た犠牲者の墓

プラントで見たユニウスの悲劇で亡くなった者達の墓

 

 

今となっては、アスランにはどちらも同じ様に思えてならない

 

 

 

 

----

 

「…アスラン・ザラだな?」

 

「…はい」

ヘリオポリスⅡの暴徒達を鎮圧したMS隊。どうやらアレは地球軍ではなかったらしい

 

宇宙開発機構所属と相手は口にした

 

 

…しかし、アスランにはそんな組織の名前に聞き覚えはない

 

(…そうだよな。僕達はあまりにも過去に囚われ過ぎた)

 

 

此処の住民の主張していた『プラントの再興』

そんな事を言う前に自分達はもっと周りを見るべきだったのだ

 

 

世界は未来()に進み続ける

自分達は未練がましく過去(後ろ)ばかり見ていて、何も変わりも進んですらいなかったのだ

 

 

 

 

「君はどうする?

これでもまだ此処に留まると言うならば、止めはしないが」

 

「…いえ、僕も地球へ行こう(・・・)と思います」

アスランの答えに

 

「…ふむ、降りるではなく行く、か

なるほど

良し、ならば直ぐに準備してもらえるだろうか?

我々も長居するつもりはないのでな?」

 

「はい!」

 

アスランは自ら道を定めた

 

 

父が望み、自身が母レノアを喪ったが故に選んだ時の様なものでは決してない

血に染まらぬ(誰も傷つけない)道を

 

 

(行ってきます、父さん母さん)

アスランは心の中で両親に別れを告げる

 

ユニウスで死んだ母

プラント本国で終わりを選んだという父

 

 

地球へ行けばもう墓前に花を手向ける事すら出来ないだろう

…だが、これで良いのだろう

 

 

 

 

その日アスランはヘリオポリスⅡを離れ、地上へと向かう

 

 

そして彼はこの先死ぬまで一度として宇宙へと上がる事はなかったのである

 

 

 

 

----

 

 

 

ファウンデーション王国に対するユーラシア連邦の攻撃はかつて北アフリカにて行われたもの(攻撃)に比べればまだ可愛げのあるものだったとされる

 

 

確かに準備砲撃として、周辺国内に展開した列車砲。その総数32門はその真価を遺憾なく発揮。ファウンデーション王国政庁を兼ねた宮殿を守る対空陣地を悉くうちのめした

 

更に準備爆撃として、低空から高速で侵入した爆撃隊と地上掃射隊にのる対空陣地への徹底的な攻撃。これによりファウンデーション王国は制空権を完全に喪失

ユーラシア連邦軍の思うがままに戦況は推移する事となる

 

なお、イングリット・トラドールは女王アウラの親衛隊でありながら対空陣地の援護に向かった為にこれらの攻撃を受け、乗機を失っている

シェスター・リリーはその王国に対する忠誠の低さから対空陣地での任務を言い渡されており、イングリットは友人であるリリーの身を案じて対空陣地援護に向かったと推測される

 

 

…さて、空の守りを失った王国側に対してユーラシア連邦軍は予定通りcrazy45機による絨毯爆撃を敢行

高高度からの爆撃であった為にその密度はさしたるものでは無かったが、それでも王国の誇る宮殿や宮殿付近の構造物は全て瓦礫の山と化す

 

 

そして止めに旧ザフト地上軍で使用されていた『レセップス』改め陸上戦艦『ベルリン』

『ヘンリー・カーター』改め強襲揚陸艦『カレー』が制圧用のMSストライクダガーを満載して宮殿付近に展開

その後輸送機により『除去作業仕様ザウート』が多数持ち込まれる事を見た暫定最高司令官オルフェは降伏を決断

 

此処にファウンデーション王国との戦争は僅か2日で終結する事となる

 

 

 

なお、アコードの中にも死者が出ており猛爆を加えてきたcrazyに対して無謀にも対空射撃を行なった結果リュー、ダニエル、グリフィンの3名が命を落とした

 

何せ一方的に攻撃されるなど彼等にとっては初めての事であり、MSに乗った事で好戦的となったダニエルが動き、リューもそれに続いてしまい、グリフィンは2人を止める為に爆撃の雨の中へと突っ込んでしまった

如何に彼等の操縦技能が優れていようとも、乗っている機体がジンのマイナーチェンジ程度の機体。しかも防御力はオリジナルよりも弱体化すらしていたのだ

それに爆撃のみに気をつければ良い訳ではない事を彼等は失念していたのである

 

 

 

 

リューは爆弾の爆風で体勢が崩れたところに爆弾が命中

元より『MSすら破壊できるだけの威力』と言うのが凶鳥や今回のcrazyの搭載していた爆弾の基準

軽装甲の上に体勢を崩した状態で咄嗟に盾を構えられる程にリューはまだ実戦慣れしていなかった

 

リュー(仲間)が死んだ事で頭に血が上ったダニエルは届くはずも無い射撃を継続

そのまま鉄の雨に押し潰される

 

2人を目の前で喪ったグリフィンはそれでも己をコントロールして安全なところへ退避しようとした

しかし、既に遅かった

 

彼がいる場所にも勿論爆弾は降り注いでおり、周辺の建造物にも深刻なダメージを与えていたのだ

 

そして爆弾を避ける事に気を取られていた彼は

 

 

倒壊してきた建物により押し潰される事となってしまう

 

 

 

----

 

 

 

オルフェは即座にアウラの元へ向かう事を選び、シュラとリデラードもそれに続いた

 

オルフェはこの猛爆撃が収まるまでは敵軍も侵攻出来ないと判断し、アウラの元へ向かう際に建物の残骸などの障害があると予想。近くにいたシュラとリデラードもそれに賛同して向かっていた

 

 

幸いと言うべきか女王アウラは軽傷こそ負っていたものの、何とか助け出す事は出来た

…しかし、その時3人は気が付く

 

グリフィン、ダニエル、リューの存在が感じられない事に

 

 

 

----

 

 

ファウンデーション王国は降伏し、抵抗の中でMSしかも明らかに既存の機体と異なる仕様となっていたジンをユーラシアは確保

 

これをもって今回の戦争に対する正当性を喧伝すると共にMSは例えファウンデーション王国程度の小国(・・・・・)であろうとも多数保有し、独自に生産体制を整えれば強硬姿勢を取る事が出来るもの

そう主要3カ国は結論づけ、地球連合総会において『MS拡散防止に関わる条約』が地球上の全ての国家が加盟し、守られるべきものであるとの見解で一致した

 

 

つまりファウンデーション王国は悪しき前例としてその名を歴史に残す事となるのだ

 

 

 

女王アウラや宰相オルフェに国防長官シュラは国家首班として重い処罰が下される事になるだろう

 

イングリットとリデラードのトラドール姉妹も先の3名程ではないにせよそれなりの処分が下される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつてファウンデーション王国の宮殿を守る対空陣地の跡地

 

 

 

その一画に十字架を象ったものがある

そして、そこには

 

Dear Lilly(親愛なる私の友達。どうか安らかに)

 

そう書いてあった事を知る者は誰もいない

 

 

 

 

 




という訳で、ヘリオポリスⅡとファウンデーション王国も手仕舞いです


まぁ元々書く予定があまり無かったからね、仕方ない(オイ)

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

  • いる
  • いらん
  • それより本編でしょう?
  • ifstory補完しろよ
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