父はそれを複雑な思いで見送り、仲間達と共に自分達の正義を果たそうとしたのだ
親友と戦場で出会い、親友を謀った者や利用する者達を倒すべく少年達は奮闘する
しかし、婚約者を人質に取られ
自分達の歪みを指摘され
仲間同士でいがみ合い
そして、砂漠の中で少年は残酷な現実を見た
囚われた少年は現実から目を背ける
そして、守ろうとしたものは朽ちゆき
それを取り戻さんと剣を取った者達を少年は止めた
彼は何処へ向かうのだろうか?
「…は?」
アスランはまず目を疑い、その次に自分の正気を疑った
そして、目の前のコレが現実だと理解すると
こんな事をしている者達の正気を疑う事になる
----
ヘリオポリスⅡからオーブの宇宙拠点アメノミハシラへと移送されたアスランはその日のうちにオーブ本土にある宇宙港へと更に移送されていた
早朝からの強行スケジュールではあったが、仮にもアスランとて元ザフトレッド
その程度の事はなんでも無かった
形式上はオーブへ入国した事になっているが、アスランの入国については一時的なものである事から入国審査などについては全てパスされている
これは仮にもオーブのコロニーであるヘリオポリスを襲撃した実行犯のクルーゼ隊の一員であり、尚且つパトリック・ザラの息子であるアスランの身を案じての事
何せ数年前に
可能な限りリスクを回避したい、というのが現在のオーブ政府の本音だった
そうしてオーブの宇宙港から近隣の諸島への定期便のある港へ更に移送され、漸くオーブ近海にある島のひとつでアスランは身柄を解放される
そして彼の目の前にあった物に対する彼のリアクションが冒頭のものであった訳だ
----
そこには
余談となるが、正式には
尤も、ザウートの場合人型に変形する事は稀であり、基本タンク形態にて運用されるので人によっては
「…これ、人型か?」
と首を傾げる事になるのだが
とは言え、場所によっては駐機スペースが確保できない時などは人型形態にて駐機する事もあるので人型形態は必要であるからして、人型である事は間違いないのである(役所特有の変に長い言い訳じみた説明)
----
「…いや、ジンを改良した方が良いんじゃないか?」
と思わず口にしてしまう
「んな事したら、また碌でも無い事を考える奴等がいるって事だよ」
「…ふん、漸く来たか。……それで?ヘリオポリスⅡの連中はマトモだったか?」
「!?ディアッカ、イザーク!」
アスランの独り言に声がかかる
「…あのなぁ。なんでヘリオポリスⅡなんかに行く選択をしてんだよ
プラント本国にいなくても、あの醜態を見れば分かるだろ?」
「…だが、実際のところ俺も見るまでは信じたくはなかったのが本音だったからか。貴様の思いも分からなくはない」
「…そうだな。まさかあそこまで酷いとは思わなかったよ
それとイザーク。ヘリオポリスⅡは武装蜂起を試みて失敗した」
「おいおい。………はぁ、なんでそんな選択が出来るんだか
地球側があの時プラント市民を殺さなかったのは相手の思惑があったからなのにさぁ」
「武装蜂起か
…一応母上にも話は来ていたな。なんでも『共にプラントを取り戻そう!』なんて宣っていたが
…まぁ良い。一先ず案内してやる」
「ああ」
こうしてアスランは数年ぶりに戦友達と再会を果たした
(…ニコル。お前は生きているんだろうか?)
だからこそ、この場に居ない心優しい人物の事をアスランは考えてしまう
そして
(…キラ。もう君と会う事はないだろうが、僕も元気でやる
君も元気でいてくれ)
もう二度と会う事のない親友の事を、思う
なお、数年後オーブ本土に開発を依頼したところ
サイの興した会社が工事を受注する事となり、従業員となったキラと再会し複雑な思いをする事になるとこの時の彼は知らなかった模様
----
「…そう、ですか
貴方も辛い思いをしたのですね、アスラン」
「結局彼等は変わる事がなかったという訳か
態々言いづらいだろうによく話してくれた。ありがとうアスラン」
イザークとディアッカに連れてこられたプレハブ小屋
そこでアスランはエザリアとタッドに会い、ヘリオポリスⅡでの事の顛末を伝える事となる
「…ありがとうございます」
アスランの心情を慮る2人にアスランも頭を下げた
戦争責任を取り、プラント本国で最後を迎える選択をしたシーゲルにパトリック
そしてサトー達やアデスにゼルマン達
タッドもそうしようと思ったのだが
「エルスマン。君には息子がまだいるだろう?
私達は目の前の家族を悲しませるつもりはない。…生きてくれ、タッド
そして二度と私達の様な過ちをする事がない様に、この事を後世にまで語り継いでくれ
そうしてやっと、私達のいた意味があるのだから」
「エルスマン、流石の私とて息子と再会した父親に死ねとは言えん
…生きろ。責任は我々がプラント本国と共に滅びる事であの世へ持って行く
貴様には明日を生きる義務があるのだ」
とシーゲルとパトリックに諭され
「エルスマン議員
私は妻と息子を喪い、この道を選びました
部下の中には父や母を喪いこの道を選んだ者もいるのです
…どうか、御子息にその様な辛い思いをさせぬ様お願いしたい」
そうサトーに説得され、タッド・エルスマンは生きる事を選んだ
そしてエザリアと共にあの事を人々の記憶から風化させない様に活動している
----
「…しかし、アレはどうかと思うんだが僕は」
「実際乗ってみると農作業がやり易くて助かるんだぜ?」
「はっ、貴様もアレに乗ってみればそんな口はきけなくなるさ」
エザリアとタッドとの話を終わらせたアスランはディアッカとイザークに連れられて農作業の手伝いをする事とした
未だに首を捻るアスランにディアッカとイザークはまぁ仕方ないか
と思って内心苦笑していた
何せ他ならぬ自分達もそうだったのだから
----
「…ふっ!
確かに、これは辛いな」
鍬で地面を耕してみたアスランはその想像以上に身体へと負担のかかる作業である事を初めて知る
「…やり方が下手なんだよ
んな力だけでやったらすぐ動けなくなるぜ?」
そうディアッカは笑うと
鍬を振り上げ
「よっ、ほっ
そらっ、グレイトォ!」
そう軽快なリズムで大地を耕していく
「…認めたくはないが、これに関してはディアッカの方が仕事が出来るからな。貴様も少しは参考にしておけ」
「…ああ」
苦虫を噛み潰した様な表情をしながらもアドバイスするイザークにアスランは若干呆然としながら応じる
そして
「…あれは!?」
アスランは過去と相対する事になる
----
アスランはかつて北アフリカ戦線においてバルドフェルト隊の旗艦レセップス艦橋で地球軍の人物と話をした事がある
その際、少しではあるが防衛戦を展開していた北アフリカの港湾都市にある防衛戦の顛末を見た
その中で異色を放つもの
それが彼の目の前にあったのだから、彼の驚き様はかなりのものである事は仕方のない事だろう
…そして多くのプラント市民や旧ザフト関係者にとっても忘れる事の出来ない悪夢
がそこにあったのだから
----
プラント本国を市民達が離れる際、何も道中のんびりと移送した訳ではなかった
記録映像としてボアズ包囲戦やジェネシス攻略作戦の一部の映像やカーペンタリア基地の威容とその跡地などを編集した映像を流し続けていた。これは地球へ行く選択をした市民達が間違ってもアメノミハシラで爆発事件を引き起こしたラクス・クライン支持者の様な事をさせまいとする方策の1つ
勿論、悪戯に反発を生みかねない事をすべきではないとの異論もあったが、此処で何もしなければ後々までの脅威をオーブに残す事になると主張
結果、それが採用される事となりプラント本国を離れる選択をした市民達はその内容に驚愕する
そして殊更顔色を青くした元ザフト関係者の様子を見て、これが捏造ではなく事実だと理解した市民達は漸く自分達の敗北を受け入れた
故にこそ、農業用にカスタマイズされたコレが届いた時、殆どの者はあの時の事を思い出し、項垂れる
----
現在のロゴスの一員であり、ロゴスメンバーやアズラエルを始めとした旧ロゴスメンバーから
彼は確かに頭
故にパンジャンドラムを民生品として世界に広めると言うのは確かに彼の願いであるだろう
…しかし、それ以外にも一族などの未だに野望を捨て去らない者達に対する情報撹乱。当時コレを採用した事実による地球軍司令部に対する軽視。そして
直接或いは間接的にパンジャンドラムの被害を受けた。またはそれを知った者達に対する精神的な攻撃でもあったのだ
氏はやるつもりなど毛頭ないが、幸いにも民間に下げ渡された凶鳥やcrazyに氷山空母
これらは有事の際には一時的に各軍へ徴用される事となっている
となれば、思うだろう
と
可能性は時に人を進ませる事が出来るが、逆に人が足を止めるに足る理由ともなり得る
知らぬ者にとっては愉快な重機
…されど、知る者にとっては身近に構えられた死神の鎌
そんな効果を彼は企図していたのだ
そして、そんな真意を彼が口にする事はない
「紳士たる我が祖国が世界帝国であった所以
少しは理解出来るかな?新人類とやら」
時に狂人の仮面を被り
時に経営者としての側面を見せ
その本質は徹頭徹尾隠す
そして相手は霧の中で彷徨うのだ
----
同時刻
『アズラエル、それはどういう事だ?』
「言葉の通りですよ。アウラ・マハ・ハイバル達を彼処へ連れて行き隔離するのは反対だ
そう言ったのです」
そうアズラエルは深刻な表情で言い切った
戦乱は終わり、世界は安定を取り戻す
されど、まだ全てが終わった訳ではない
次回
勘弁してよ、マジで 後日談 戦争なき未来へと
最終話
いつか、君と
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
-
いる
-
いらん
-
それより本編でしょう?
-
ifstory補完しろよ