勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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事実は小説より奇なり

コーディネーターすら裸足で逃げ出す方も世の中にはいたのです


やられっぱなしで終わる程地球の者達は素直ではない



そして広がる誤解と謎の求心力


割とアレな表現もありますので御留意下さい

多分お気に入り減るんだろうなぁと思いつつ投下


 OMNI phase 我らの進む道

「どうだ?」

 

「何が俺達よりも劣る、だ

あの馬鹿どもふかしやがって」

 

彼等はユーラシア連邦軍に所属するコーディネーター

彼等はどこかやさぐれた様な雰囲気を纏っていた

 

 

『アルテミスの守護者』

ジェラード・ガルシアの元に彼等は行きたかったが、ユーラシア連邦軍総司令部から

 

「我々の、そして君達の未来を拓く為には是非とも君達の協力が必要なのだ

…協力しては貰えないだろうか?」

と直々に懇願された為にユーラシア連邦軍兵器開発局に配属された者達である

 

彼等に与えられた課題は

 

『MSに頼る事なく、ザフトのMSを撃破可能な兵器の開発』という中々に難しいものだった

 

 

いくらなんでもそれは無茶が過ぎる

と彼等は思ったのだが、何を思ったのかとある連邦軍士官が古い兵器のデータと映像データを持ってきたのである

 

「もしかしたら、参考になるかと思いまして」

との事

 

彼等としては甚だ不愉快な事だが、砂時計の連中が好き勝手やらかしたせいで地球での自分達の扱いがとても難しくなった事を良く理解している

それはユーラシア連邦軍に所属してもやはり少し良い変化はあったが、どうしても隔意を持たれるのは仕方ない事だった

 

そんな彼等に資料を持ってきてくれたのだ

 

「見るか?」

 

「見るべきだろうよ?

せっかくの好意を無為にするなどあの連中みたいじゃないか」

 

「…そりゃ勘弁だ」

そう言って古い、旧世紀の頃の戦闘記録を彼等は見た

 

 

 

----

 

「化け物だろ、俺達があんな事出来るか?」

 

「言わせんなよ。無理に決まってる」

彼等は映像を見た後、顔を盛大に引き攣らせていた

それは旧世紀において起きたとされる世界規模の戦争の記録

 

当時ユーラシア連邦はいくつかの国に分かれており、その国同士が争っていたという

 

「『空の魔王』

誇張表現じゃねぇぞ」

 

「しかし、この戦法は使えなくないか?

…流石にこの人物程のレベルには出来ないだろうが」

彼等はとある国家に在籍していたとある大佐の戦闘記録、しかもかの人物が所属していた国家とそれに敵対していた国家の双方のもの

それを中心とした映像記録を見たのである

 

 

「これが旧世紀の軍人?

化け物ってのはコイツらじゃないのか?」

同時期、既に銃どころか機関砲すら存在していた時代に

何を思ったのか『楽器を使い士気高揚を図りながら、もはや時代遅れも甚だしい弓や剣で戦った挙句、敵の拠点を制圧した』という意味が全くわからない様な軍人もいた事を知り

 

「…なぁ、遺伝子を弄って能力を得て粋がってるコーディネーターって何なんだろうな?」

 

「…言うんじゃない。悲しくなるだろうが」

と少しの間途方に暮れたという

 

 

----

 

そして開発されたのが『MS絶対殺す攻撃機』と言われたユーラシア連邦軍において『空中の悪夢』とザフト兵から恐れられたものだった

 

これは機体下部にある爆弾倉に斜め下方方向に固定された28門の中口径重機関砲を装備

『地上に対する一斉掃射』を行いながら飛行するというある意味狂った機体である

 

その名も『crazy(気狂い)

 

 

「砲撃が当たらない?

なら砲門数を増やして地上に砲弾の雨を降らせてやれば良いじゃないか!」

という何とも頭の悪い(失礼)コンセプトの元に開発されたもの

 

 

なお、本機の運用法は『6機で一個小隊』という中々に恐ろしいものを採用しており、『気狂い集団が来たら隠れろ』とまでザフト側に言われる事となる

 

…なお、余程な事がない限りその直後に徹甲弾を転用した貫通型の爆弾を搭載した爆撃機が僅かな時間の後に現れる様な運用法をユーラシア連邦軍は採用している

 

「隠れたいなら、どうぞご勝手に

そのかわり地の底で君らは永遠の眠りにつく事になる」とはユーラシア連邦軍空軍将校の言葉だ

 

 

なお、本機が運用される場合のタイムラグは僅か数分

ザフトが少しでも恐怖心に負けてしまえば、その時点でその者達の運命は定まる

というザフト側にとっては大西洋連邦の戦略爆撃機と並ぶ程の恐ろしい相手となった

 

 

なお、財務担当は涙を流しながら必死に戦費の確保に奔走したと言う

 

 

 

----

 

「機長、反応あり

感1、方位は8時の方向」

 

「懲りない奴らだ

まだ死にたいと見える」

 

「またコイツに新しいマークがつきますね」

 

「どうやら砂時計の連中は此処が地球と分かっていないらしい

此処は奴らの海ではない。『我等の海』である事を思い知らせるぞ!」

 

「「「了解!」」」

アジア方面にて哨戒任務に当たっていた東アジア共和国の試作対潜哨戒機は単独で眼下の海中を航行しているザフトのボズゴロフ級潜水艦を捕捉した

 

東アジア共和国はカオシュンを一度失陥していたが、既に大規模な奪還作戦が秒読み状態であり、共和国軍全体の士気も非常に高い

 

「おおかた近くの軍事施設のある軍港への偵察が目的なんだろう?

なら、俺達がその場所に案内してやろう」

機長は不敵に笑うと

 

「投下!」

対潜爆雷を投下させる様に指示を出した

 

----

 

「艦長!至近に着水音

爆雷です!」

 

「慌てるな。ナチュラルの攻撃などそうそう当たるものでもない」

ソナー員の報告にも艦長を務める人物は冷静に言葉を発した

 

そして

 

「…妙だな?確かに当たりはせぬが」

違和感に気付く

 

そして

シャッ!

艦の至近で聞きたくない音が聞こえた

 

「か、かい」

艦長の言葉は最期まで発せられる事なく、ボズゴロフ級とそれに搭載されていたMS達は新たな魚礁へとその役割を変えることとなった

 

 

----

 

「反応消失!

…どうやら手柄は持っていかれましたね」

 

「構わんさ。大事なのは敵を残らず沈める事

誰が沈めたか?など些細な事だ」

 

「しかし、防潜網の側に感知式の魚雷ですか

…いやはや俺なら近づきたくもないですね」

爆撃担当の男は楽しそうに笑う

 

「真新しいものばかりが必ずしも使える訳ではない

要は使い方次第なのだ」

機長はそう言うと

 

「さて、そろそろ基地に帰投するぞ

これから奴等をどんどん沈める事になるから覚悟しておけ」

 

「魚達も新しい住まいが増えて、さぞ大喜びでしょうな」

操縦席からの言葉に機体内は笑い声で満たされた

 

 

----

 

「…では私達に第八艦隊へ合流せよと?」

 

『それは正確ではないな

君達が合流すべきはアークエンジェルだ

アークエンジェルと新型機であるストライク。それを無事に此処アラスカまで護衛してもらいたい』

 

「それは構いませんが、宜しいので?」

 

『何がかね?』

モニターの向こうにいる人物へ疑問を口にする人物

 

「私や私の部下はみなコーディネーターです

それが新型艦や新型機の護衛となると」

 

『無用な心配だ

我々大西洋連邦を始めとした国家は君達コーディネーターであろうとも秩序を守る者に対しては寛容だ

…キャリー少尉。君も複雑な思いを抱えながら我々に協力してくれているのをよく知っている

問題はないし、させるつもりもない』

通信相手はそうあっさりと言ってのけた

それに対してキャリー少尉と呼ばれた人物は

 

「…分かりました

そこまで言って頂けるなら、私達に異存はありません

必ずアラスカまで護衛して見せましょう」

と力強く答えた

 

『…うむ。頼む

それと君達にとって朗報になるかも知れぬ事がある』

 

「朗報、ですか?」

 

『君の部下にオーブの人間がいただろう?』

 

「ええ」

キャリーは要領を得ない相手に戸惑ってしまう

 

『『真のコーディネーター』に会えるやも知れぬ

しっかりな』

 

「っ!

はっ、ジャン・キャリー少尉拝命しました!」

相手の言葉に男は少し興奮した様に敬礼をした

 

 

『真のコーディネーター』

とはファーストコーディネーターであるジョージ・グレンが求めたとされる『調停者』としての役割を

つまりナチュラルとコーディネーターの間を繋ぐのではないか?とオーブの一部のコーディネーターから密かに期待されている人物の事であった

 

コーディネーターの少年を守る為にその命すら賭けたナチュラルの少年

 

 

それは地球に住むコーディネーターが一度は夢見たある種の理想

届かぬ筈の、自分達の想像の中の存在

 

それが実際にオーブで起きたと言うのだから、キャリー自身も決して普段通りとはいかなかった

 

 

『優秀であれ、などとは言わない

…ただ私達を同じ人間として見て欲しい』

それは彼等にとって余りにも遠過ぎる光だった

 

それをオーブの少年は生まれながらに手に入れているという

…羨ましくないと言えば嘘になる

 

だが、それ以上にこの目で一目だけでも見てみたいのだ

 

 

「もし、それが本当ならばどれだけ心強いか」

ジャン・キャリーとてかなりの年を生きてきた

だが、未だにその様な人物と巡り合う事はなかった。盲信するつもりも、だからといって崇拝するつもりもない

 

ただ知りたいのだ

『何故君はそこまで出来るのか?』

 

 

 

なお当の本人がこの話を知った場合

 

「あ、誰の事よそれ?

…は?俺?

……勘弁して、ほんとマジで」

と頭を盛大に抱えるだろう事は間違いない

 

 

 




実はシンの話を書いていたのに、途中から

「ないわ、これはない」
と内なる自分が声高に叫ぶのでクッション代わりに挟んでみる

ただ、年内には一度シンをしっかり曇らせたいと思っていたり(外道)


大西洋連邦にも、ガルシアにも、プラントにもラクスにさえ曇って貰ったのですからやはりシンにも曇ってもらわないと平等ではないと思うのです(意味不明)

 本作のヒロインは?

  • 大天使ナタル
  • 妹系少女マユ
  • フレイ
  • 猪突猛進娘カガリ
  • キラ
  • シン
  • その他
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