勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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プラントのコーディネーター視点

ところどころ歪んでいるのは仕様です


バルドフェルドさんにも割と辛口


 PLANT phase 狂った歯車

ラクス・クラインを巡る戦闘に参加した者達の多くは若年層である事は先に触れた通りである

 

彼等はオペレーション・ウロボロスで己の感情もままに動いた連中程ではないものの、その自制心については疑問が残るものであった

 

 

 

というか、ラクスの救出などというのは本来必要のない任務であり、はっきり言ってしまえば一部の部隊以外は何かしらに問題のある者達が多い

 

そうザフトの教育機関アカデミーの校長を務めていた特務隊隊長、レイ・ユウキは思っていた

 

 

不足するのがMSや機械の部品(パーツ)ならば何の問題もない

だが、そうではない

 

そうではないのだ

 

 

----

 

プラントにとって、

ザフトにとって何よりも危険な相手は地球軍ではない

 

一向に上向く事のない出生率と大半のコーディネーターが抱えている『肥大化し過ぎた自尊心(プライド)』なのだ

 

 

ユウキとてこの戦争がプラントの勝利で終わる事に何の疑問も抱いていなかった

最後の教え子となったアスラン達はザフトのベテランに比べても決して見劣りする事のない能力を有しているのだから

 

 

だが、ヘリオポリス攻撃とラクス・クラインの救出作戦で全て狂った

 

 

というのも、本来ならばプラント本国に届く筈のないあの通信

 

 

私達は完全に存在を無視(・・)していたが、どうやらアルテミス要塞の者達が動いたらしい

 

アルテミス要塞を中継して、一部のプラント市民に対してこの事実を知らせたのだ

 

 

「忌々しい裏切り者どもが!」

 

「全て地球軍の捏造であり、事実無根であると周知せよ!」

と必死で情報統制を行なっている

 

 

しかし、作戦から帰還した一部の兵士は余りの事に『周囲の者へと相談』してしまったのだ

 

ナチュラルを癌と言い切っていたミハイル・コーストは既にユニウスセブンの犠牲者達の遺族達に殺されている

 

「何が『ナチュラルは宇宙の癌』だ!

お前達のした事の方が余程癌細胞だろうが!!」

 

既に一部のコロニーでは市民と警察による壮絶な殺し合いすら発生している所もあると聞く

 

 

最高評議会はザフトの投入を要請したが、流石にそれは出来ない

 

 

 

それをしたが最後、ザフトはプラント市民の敵になる可能性が高いのだから

 

 

----

 

「…おい、聞いたか?」

 

「聞いたけど、あり得ないだろ?

データを見たけど、何の問題もなかったぜ」

 

「やっぱりナチュラルのやる事だな

すぐ分かる偽のデータを出したところでどうにもならんだろう」

 

「年末には地球に行った俺の友人も帰ってくるだろうし

いや半年後にはナチュラルなんてあっさり降伏してるだろ」

とプラントの市民はのんびり笑っていた

 

 

 

----

 

「…またか」

 

「ええ、今月に入って既に五隻目です

このままではどうにもならないかと」

 

「だがな、仮に我々が基地施設を制圧したとしてその後どうなる?」

 

「どう、とは?」

ザフト地上軍、水中部隊のトップエースであるマルコ・モラシムは部下に苦い顔で問い掛ける

 

「確かに一時的なものならば、我々とて敵基地を制圧できるだろう。それは否定せんよ

が、その後その拠点を維持出来るとも思えん

…それに貴様ら『凶鳥(まがどり)』や『気狂い』を相手に出来るか?」

 

「…それは」

モラシムの指摘に部下達も思わず口を閉ざす

 

最早今のザフト地上軍に勝てる未来図など描く力は残されていない

本来なら猛威を振るったであろうディンもモラシム隊の主力であるグーンやモラシムの乗機でもあるゾノすら最近の地球側に敗北しか出来ていない

 

 

というか、モラシムからすれば不勉強極まる話だが、『地球軍』などという組織は存在しない

大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国以外にも様々な国家が存在し、それぞれが独自に兵器を開発しているのだ

 

 

…そう

独自に(・・・)

つまり彼等に対応しようとしても、余りにも種類が多すぎてどうにもならないのだ

 

それに最低限制空権を握らねば、地を走るバクゥだろうが海を渡るグーンだろうかそこに大した差は生まれない

 

 

なのに

 

「本国からの援軍はまだ」 

 

「…ふん」

プラント本国にモラシムは期待するのを既にやめている

 

 

北アフリカで戦っているバルドフェルド隊を見ていると、モラシムを始めとした者達は露骨に不快感を示す

 

 

----

 

 

モラシム達は理解している

 

北アフリカにおけるザフトに対する攻撃は明らかに手加減している事を

 

 

「所詮、アフリカは反プラント理事国感情の強い地区

ならいっそ放置しておけば良い

自称新人類はさぞや愉しい事になってくれるだろう」

 

実はプラント理事国の正規軍には一つの暗黙の了解が有ったりする

 

 

各方面軍の司令部に自国のコーディネーターを1人は参謀役としてつける事

 

 

 

それにより彼等にとって理解し難いプラントのコーディネーター達の考えを掴もうというのだ

 

まぁこれについては地球側のコーディネーターからすれば、賛否両論だが

 

 

とにかく彼等からすれば、プラントのごみ(コーディネーター)をどうやって効率よく処分(・・・・・・)出来るのか?

こそが至上命題なのだ

 

 

故に彼等は面倒な地上における高機動MS?バクゥを多数擁するバルドフェルド隊のザフト地上軍からの切り離しを決めた

 

 

はっきり言えば、現地でザフト相手にレジスタンス活動をしている連中なぞ邪魔でしかない(・・・・・・・)

彼等の動きが予想出来ないから、バルドフェルド隊を始末するのが難しくなっているのだから

 

地球側はそこにオーブの要人の肉親が居ると聞いても、然程に興味を示さなかった

 

 

「方や生きる為に他国の軍に入る選択を迫られ、その国民を守るべき立場の者の縁者が戦争の真似事か

余りにも哀れにすぎるものだ」

 

と冷笑を浮かべるだけ

 

 

 

「いっその事オーブに政変を起こさせるべきかも知れんな

余りにもこれではオーブの市民が報われぬ」

 

大西洋連邦大統領、アーヴィングはそう側近達に漏らした位だ

 

 

----

 

 

モラシムは地球側の執拗な攻撃を受け、バルドフェルドの部下達は安全なところで宇宙からの補給に文句すら言う

余りにも違う戦況報告にザフト司令部はモラシムの不手際による被害と断じ、その補給を減らしている

 

 

「もうどうしようもあるまい」

モラシムは疲れてしまった

 

 

実に自らが優秀であると自負することプラントのコーディネーターの心理を利用した的確な分断策

 

モラシムには分かっていても、何も対策が取れない

 

 

「…ふん、恋人を連れて前線に出るか

……アンドリュー・バルドフェルド

所詮お前もプラントのコーディネーターなのだな」

とはバルドフェルド隊の調査を終え、報告を受けたユーラシア連邦軍のイタリア方面軍参謀を務めるコーディネーターの言葉

 

 

「オーブの有力者の縁者がいたとしても、構う事はない!

所詮彼等も国際法などを守るつもりすらない破落戸ども

全てを更地にしてしまえば良い!」

との主張もあったが

 

「感情に任せて、本質を見失う

それでも良いのかね?」

との指摘に沈黙している

 

 

 

北アフリカを事実上統治しているアフリカ共同体からは幾度もプラント理事国側に対して『ザフトとの取引停止と親プラント路線からの離脱』

を極秘に提案されていた

 

が、元々理事国寄りの南アフリカ統一機構が国内に理事国の軍事基地の設置を認めている事から今更共同体の存在自体の必要性を認める事はない

 

 

故にアフリカ共同体としては、何とかしてバルドフェルド隊に理事国側に対して奮戦を期待していたりもする

 

まぁ、叶わぬ夢となるだろうが

 

 

更にオーブのウズミより

『アフリカの内情に対してプラント理事国が武力を用いた介入を行なうのであれば、我々オーブば然るべき措置を講じる用意がある』

 

との話が舞い込むにあたって、オーブに対する軍事作戦も考慮される事になった

 

 

 

 

戦乱はまだ終わらない

 

 




都合の良い現実ばかり見ると、いつしかその認識自体が歪んでくると言うはなし

 本作のヒロインは?

  • 大天使ナタル
  • 妹系少女マユ
  • フレイ
  • 猪突猛進娘カガリ
  • キラ
  • シン
  • その他
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