実は本作を書くにあたり最初に考えていたルート
つまりある意味では正規ルートとも言えるかもしれない(暴論)
タイトル通り救いは全くありません
なお分岐的にはヘリオポリスから殆どカズイが状況に流されるままというもの
違うとすれば、ヘリオポリス勢の中では割と現実主義だった為にナタルの誘いでドミニオンに乗る部分とドミニオンから脱出するシャトルが二機あった事くらい
人の力、いや個人の力なんて無力なものだ
そんな事はとうの昔に分かっていたはず
にも関わらず、それを放置し続けた結果がコレなのだ
「
…恐らくはプラントとの戦争は避けられぬかと」
「…そうか
まぁ、アーモリーワンで披露される予定だった新型を見ればプラントの本音は分かろうというものだが」
ガイア、アビス、カオス
どれも防衛用の戦力としては過剰に過ぎる
これでザフトの勢力圏内のみを防衛する機体などと言われて納得するのは不可能だろうよ
更に新型機インパルスにそれらの運用母艦ミネルバ
ザクシリーズを始めとした新型機がごろごろ
「…覚悟を決めねばならんな」
「…中佐」
「今更だな
仲間達の選択よりも、自分の道を進むと決めた時点で何があろうと気にする事はない
艦長、各艦に通達を」
「はっ」
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『艦隊員各員に告げる
私は本艦隊司令を務める、カズイ・バスカーク中佐だ
…諸君らも見た通り、彼らの頭の中は先の戦いから何一つ変わる事が無かった様だ
聞けばユニウスセブンを破砕する為の装備が
…誠におかしい話だと思う。つまり彼らの話を全て鵜呑みにすれば、脱走した者達がMSを有しており、今の今までその戦力を保持していた。その上、既に墓標でしかなかったはずのユニウスセブンを動かすだけのフレア・モーター或いは推進剤を彼等が独自に保有していなければならない事になろう
そしてその落下を
とまぁそういう事になるのではないかと私は思う。ユニウスセブンという彼等にとっては『死者の眠る墓標』を破砕する
それがどれだけのプラント市民の神経を逆撫でするのかくらいは私にも理解出来るだろう
彼等はあの時地球全土に行なった事を何一つとして反省しておらぬのだ。だからまたこの様な非道な事が平気でできる』
『残念だが、もはやプラントのザフトの言葉に何の信用を置く訳にもいかぬだろう
甚だ不本意だが、プラントに対する報復を企図した艦隊はザフトの新兵器により殲滅されたとの事も踏まえて考えるとこれがプラントによる自作自演の可能性はどうしても否定しきれない
最早彼等は言葉を交わすに値しない獣、畜生以下の存在なのだ
地球の市民をこれ以上苦しめぬ為にも此処でその尖兵たるミネルバとそのMS隊を落とす
各員奮起せよ
…我等の奮闘、奮戦無くして地球市民の平穏は守れぬと!』
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そして死闘の幕は上がる
「たった単艦に数機のMSだというのに、此処まで梃子摺るとは」
「アークエンジェルや三隻同盟の例もある
そこまで不思議ではなかろうさ
各機、各艦MSには構うな!どうせ艦さえ沈めればそれで終わる」
「はっ!」
だが、カズイの元にはファントム・ペインの様な特殊部隊も、かつて共に戦った者もいない
あくまでも数を、質を底上げして勝てる様になった者達ばかりであった
更にダガーDはあれど、ウィンダムと言った最新鋭の機体も与えられておらず『少数精鋭』であるミネルバ隊との戦闘はかなり厳しいものがあった
それに何よりも
『お前らが、お前らがぁぁぁっっ!!』
怒れるシンを止めるには余りにも戦力が不足していた
「…艦長、私も出よう
君は撤退の指揮を取り給え」
「…それは」
艦長を務める人物は答えるのを躊躇した
此処でそれに対して頷くと言うのは『この人物が死ぬ事を受け入れる』という事に他ならない
「…あまり気を遣わないでくれないか?
所詮、
それにあの頃の連邦軍上層部は既に殆どいないだろうしな?」
「…ご武運を、中佐」
「ああ」
力無く笑う上官の姿に艦長はそう答えるのがやっとだった
「さて、どうやら望まぬ再会の様だな
…シン、お前の覚悟。最後にこの兄に見せてもらおうか」
カズイはそう寂しそうに呟くと格納庫へと向かった
『ダガーD隊各機へ
バスカークだ。これより艦隊撤退戦へと移行する
それぞれは死ぬ事ではなく、生きて明日を掴む事を優先せよ
…殿は私が務める』
『司令、お供します!』
『私もです!』
『物好きな奴等だ
…まぁ良い好きにしろ』
『『はっ!』』
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「メイリンさん!敵旗艦から新たにMS数3!」
「分かったわマユ!…でもこれってダガーDのカスタム機?」
カズイが艦隊旗艦から出撃した事は即座にミネルバのレーダー担当であるマユ・アスカが把握し、それをオペレーターであるメイリンへと情報を流す
これがミネルバのやり方であった
ミネルバ唯一のナチュラルであるマユに対して良い感情を持たない者はそれなりにいるが、マユやその兄であるシンは実力と実績でそれらを黙らせている
『シン、新手よ!気をつけて』
『この期に及んでの新手となると手強い可能性もある。注意しろ、シン』
『…分かった!』
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そして彼等は再び出会うだろう
最早互いの道が重なり合う事が無い場所で
「精密な攻撃をする白いの!先ず君を潰させてもらうとするか!」
『早いっ!』
「こちとら既に生還は捨てているのでね!
早々に消えてくれると助かるんだがな!!」
カズイの元に集ったダガーDは僅か6機
…たった6機と侮るなかれ、彼等はカズイと同じく『元ドミニオンクルー』しかもそのMS隊のパイロット達だ
死に損ない、かつての上官の教え子が必死に藻搔いているのを彼等はずっと見てきた
だからこそ、今更死など恐れはしない
『っく、こいつら!』
『ちいっ!』
レイを
「射撃武器を携えながら、その癖その射撃精度はお粗末とはザフト流のジョークかね?赤いの!」
『レイをやったっての!
…よくもっ!』
「生憎だが、戦場におけるMSの機動というものは嫌というほど見てきたものでね。ましてや艦上にある機体相手に遅れは取らんよ!
たとえ私がナチュラルであってもなぁ!!」
そしてルナマリアを
カズイは倒した
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白いザクと赤いザクは撤退させたぞ?
お前の事だ。仲間を守る為に、その
…さぁお前の兄
いや、お前よりも先に生まれたものとしての最後の仕事だ
『レイ!ルナ!
くっそぉ!』
「…残存する友軍機全機に通達する
速やかに離脱する艦隊の護衛へと就け
…至らぬ身ではあったが、今日この瞬間まで貴官らと共に戦えた事を私は誇りに思う
『届かぬ星に手を伸ばせ』」
『されど我らは諦めを知らず!』
…全くもって律儀な者達だとつくづく思う
これこそが本当の意味での軍人なのだろうな
もしも彼等と最初に出逢えていたならば
…いや、今更だな
私は
いや、俺は
いいや、本当に今更すぎるか
『うおおおっっ!』
流石にザフトご自慢の新型と量産機ではスペックが違い過ぎるか!
鍔迫り合いなどを選んだ日には即終わるだろう
…ならば此方もそれ相応の手を選ばせてもらうとしようか!
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「くそっ、コイツ!」
シンはミネルバを危うく落とされる寸前まで追い詰めた敵を倒そうと躍起になっていたが、思うようにいかない事に苛立ちを隠さずにいた
先程までの敵艦隊や敵大部隊との交戦。それに続けての戦いとなると
「っ!
パワーが、不味いっ!」
インパルスといえどもエネルギーが底を尽きるのは無理もない事だった
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「エネルギー管理を怠ったか
ならばシン、お前も落とさせてもらおうか!」
カズイは過去の彼との思いを振り切ってエネルギー切れを起こしたインパルスに迫る
だが
「新手だと!?」
突如として響き渡るアラートと衝撃
カズイがレーダーを確認するとそこには
「また
…また貴様なのか、アスラン・ザラァッッ!!」
其処には真紅の機体があった
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『此方ザフト軍特務隊フェイス所属のアスラン・ザラだ
これよりミネルバ隊の援護に入る!』
「アスラン、だって!?」
ガンッ!!
「どのツラ下げて
どのツラ下げて味方なんて言うつもりなのよっ!アスラン・ザラ!」
窮地を救われたシンは困惑し、窮地を救われながらもその男達に様々なものを奪われたマユは怒りを露わにした
しかし、とにかく眼前の敵を倒さねばならないのは事実
「ソードシルエットを射出!」
そしてシンの元に『絶望をもたらす剣』が手渡された
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『アスラン・ザラ!
貴様が、貴様らが居なければっ!!』
「なんだこの相手は!?」
斬り合う時に発生する接触回線から聞こえてくるのは怨嗟や憎悪などという生易しいものではなく、アスランの存在全てを滅ぼさんとする殺意だけ
『貴様はヘリオポリスを壊し、トールを殺し、キラを傷付けた!!
そこまでしてどのツラ下げてキラの味方が出来たものだなぁ!!』
「っ!
お前はっ!」
『貴様の身勝手な行ないにより、多くの人間の人生が狂わされた!
それでもザフトに留まっていれば良いものを!ザフトの新型を預かりながらオーブに与し、戦後混乱するプラントの事など歯牙にも掛けぬ貴様がまたそうやってザフトに舞い戻る!
ならば貴様はまた何かあればザフトを裏切るだろう!今此処で死ねアスラン・ザラァッ!!』
「くっ!」
それはアスランが目を背けていた事であった
『貴様は自分の守るものがはっきりとせぬままに戦っている!
だから、全てを手に入れられるのに全てを失うのだ!!』
『アスランッ!』
「インパルス?
…シンかっ!」
最早錯乱しているとも思えるカズイに苦戦していたアスランだったが、そこにソードシルエットへと換装したシンが援護に駆け付ける
そして
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『…その道を選んだんだな』
「…え?」
シンは自らの意志で手にかけてしまうだろう
『マユは、おじさんとおばさんは、無事か?』
「あ、…ああ」
かつて自分達が兄と慕っていた
プラントに逃れてからも何とかして行方を探していた
「なんで、どうしてアンタが」
『状況が許してくれなかった
…いやこれは言い訳だな。俺の、選択の結果だ。気にするな』
兄。それを今自分が傷付けて
「カ、カズイッ。直ぐに脱出を」
『敵ながら見惚れるばかりの攻撃だった
…漸く俺も休める
…トール、フレイ、ナタル艦長
俺も今そこに』
そうカズイは呟くと、最後の力を振り絞って密着しているインパルスを離れた場所へと投げ飛ばす
「カズイ!カズイッッ!!」
シンは必死で機体のバランスを取り戻すだろう
だがもう遅かった
カズイの乗っていたダガーDは爆発四散し、跡には破片しか残されていなかったのである
「う、うわぁぁぁぁぁっっっ!!!」
あたりにシンの慟哭が響き渡った
という訳である意味最悪のルートですね、これは
この後アスランとシンの仲は良くなりませんし、なんならマユとシンの仲すら拗れます
そして唯一のナチュラルであるマユのミネルバにおける居場所はなくなり、そのうち『処理』される事でしょう
多分アスランの脱走かアークエンジェルの動きに合わせる事でヘイト管理をするのではないでしょうか?(ぐう畜生)
本作のヒロインは?
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大天使ナタル
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妹系少女マユ
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フレイ
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猪突猛進娘カガリ
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キラ
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シン
-
その他