旧世紀の兵器って、なんでこうもまぁ使い勝手が良いのだろうか?
「…随分と好き勝手な物言いですな?
アイリーン・カナーバプラント最高評議会議員どの」
『…』
カナーバは沈黙し
大西洋連邦の外務次官は、冷ややかに笑った
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プラントにおける、あの通信は同じプラント市民の中にすら決して拭えない傷を残した
一連の騒動によりプラントはミハエル・コーストを始めとしたザフトに従軍した者などを中心としたオペレーション・ウロボロスに参加した者など死者60名を出し、負傷者の数については余りにも多過ぎる為に未だ集計が間に合っていなかった
プラントからの提案
それは『一時休戦』だ
本来なら取るに足りぬ妄言と一蹴したが、仲介を頼んだのがスカンジナビア王国である
その事を考慮して今回の会談となったのだ
勿論拳を振り上げたのは東アジアだが、それに対して報復を行なったのはプラント
であるならば、戦火を拡大させたのはプラント側にも非があろう
プラント側は一度としてプラント理事国側からの交渉に応じる事は今まで一度としてなかった
故に外務次官の態度はそこまで横暴とは言えなかったのである
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「…仮に
もしも仮にそちらの話を我々が受け入れるとして、どの様な形での休戦がお望みかな?」
『…現状維持
とはなりませんか?』
カナーバの言葉に
「随分と甘い考え方ですな?
交渉と言いながら、こちら側に対して譲る気は一切ないと?」
プラントの余りにもな主張に外務次官を務める人物は嗤った
「こちら側としてはその様な要求は呑めませんな」
既にNジャマーに関する研究は最終段階に入っている
そうなれば原子力発電が復活し、今までセーブされていた工場もその性能を十全に発揮できる事だろう
となれば、無人化の進んでいる戦闘機や戦車の群れがザフトを文字通り『轢き潰す』事となる事は容易に想像出来るというもの
『しかし、私達としてはこれでも譲歩しているのです
これ以上となると』
(小娘が、所詮能力でしかものを考えられない慮外者か)
つまり向こう側はこう言っているのだ
『ナチュラルと交渉するだけで我々は譲歩している』
と
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(…まぁ好きに吠えるといい
…確か来週だったか?大洋州連合にあるザフトのカーペンタリア基地の
既に地球側は各地の親プラント国家を含めたプラントに寄与する組織などを徹底的に叩く事を決議している
中立の立場であった赤道連合は既に地球側の戦力回復を見越しており、積極的な協力こそが自国の取るべき道との判断を下した
それにより、赤道連合から基地施設を提供される事となり、距離の問題が解決した
となればもはや遠慮する事はない
ザフトの地上における一大拠点カーペンタリアを落とすのだ
いや、落とすと言うのには語弊があるだろう
全てを更地にするだけなのだから
戦略爆撃機だけで四個師団総勢96機
更にユーラシア連邦からも名高き『crazy』も参戦する事が決まっている
制空権確保の為に東アジア共和国からも空母を基幹とした機動艦隊が出撃しているだろう
既に地球の海は彼らのものではないのだから
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(どうにかしないと)
大西洋連邦の外務次官の表情を伺いながら、カナーバは必死でこの
交渉かどうかについては議論の余地があるだろうが、未だに地上の状況がはっきりとしていない以上、下手に地球側に譲歩するのはプラントのコーディネーター達からすればあり得ない
まだ彼等の本拠である宇宙においては確かな戦力をザフトは有しているのだから
…正確にはカナーバは有していると
物資の貯蓄はまだプラント本国にはかなりの量がある
しかしそれは、本国以外の拠点で有るヤキン・ドゥーエやボアズといった軍事拠点に送る量や市民生活が普段通りに行なえるだけの量か?と問われた場合、間違いなく否と言わざるを得ない程度
だが、それを素直にプラントのコーディネーターが認められるか?と言われれば、残念な事に否であろう
事実、半数以上の者達はこの判断に対して納得していないだろう事は明白だ
だがいつか必ずプラントの市民達も気付くだろう
そうなれば、もう地球との戦争どころではなくなる
『ああ、そうそうカナーバ議員』
そこに相手から
『そろそろジン以外の機体も欲しいと軍や研究機関からせっつかれているそうでしてな?
いつ頃新型は出るのですかな?』
特大の爆弾が打ち込まれた
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な、に?
この男は何を言っているのだ?
カナーバは相手の言葉の意味を理解できなかった
…いや、正確には
『おや?あなた方が我々に『貴重な研究サンプル』を態々提供してくれていると私は聞いておりましたが?』
グーンやゾノといったザフトの誇る水中型MS。その殆どは
バクゥの様な機体ははっきり言って需要がないので必要ない。ザウートの様な鈍足な砲撃機ならば、普通に爆撃するなり、空中から砲撃した方が手早いので不要
なので、地球側として必要となるとすれば踏破能力を持つジンタイプ
だが、悲しいかな。ジンの耐久性
ユーラシア連邦は古き時代に活躍したとされる列車砲なるものを運用しつつあると聞く
これの恐ろしい点は線路がある所であれば、何処にでも展開出来るという点だろう
加えてヨーロッパから旧ロシア地区にまたがる広大な領土を持つユーラシア連邦。その主な輸送手段は飛行機と鉄道
当然ながら、国内であるが故に線路の幅などが変わるはずも無い
更に少し前までユーラシア連邦のトップを務めていた人物が『鉄道狂い』と言われる程に鉄道輸送に並々ならぬ情熱を傾けていた。その為列車砲の導入に際して驚く程にクリアすべき問題は少なかったのである
その射程も流石は『crazy』を創り出したユーラシア連邦軍と言わざるを得ないものであり100キロあるとの話もある
問題があるとすれば、その列車砲をどこで活用するのか?という問題な気がするが何か深い考えがあってのことなのだろうと外務次官を務める人物は気にしない事にしていた
…なお、実際には『作ってから困った』という割と笑えない事情持ちの問題児であり、確実に旧欧州の血の流れを感じられる兵器としてユーラシア連邦軍では認識されているとかなんとか
とはいえ、『氷山空母』とか『多段式航空母艦』といった明らかに
「え?これやれんの、実戦?」
と思われる様な珍兵器?もそれなりの数生産されており
「生産するのは構わんのだが、ワンオフでは困るのだがな」
と戸惑う人物もいるそうだ
まぁそれはそうとして、今となってはジンタイプはほぼ全て部品ごとに回収、改修整備され、地球側のコーディネーターの機体としてその牙を研いでいる
なお、例外としてジャン・キャリー少尉以下通称『ジャン隊』はアークエンジェルに配属され、アラスカまでの護衛任務に就く予定
正直に言って既にジンタイプの機体については鹵獲する意味すら失いつつあったのだ
それを直接言葉にしてぶつけられたカナーバの驚きと
…そして絶望はどれ程のものであっただろうか?
ディン?
ある程度の高度から叩き落とされた機体に何をお求めになるおつもりで?
陸上艦艇?
必要ありませんが?
それを必要とするのは『近くに拠点が存在しないか』或いは『信用できる味方勢力がいないから』だと思います
現在、ユーラシア連邦宇宙軍と東アジア共和国宇宙軍は共同してとある軍事作戦を計画している
それをもしカナーバが知ればどの様な
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結局スカンジナビア王国の仲介も意味を成さず、双方の間で『停戦』が行われる事はなかった
スカンジナビア王国は実はプラント最高評議会議長シーゲル・クラインが『製造』された国であり、しかも極秘というある意味途轍もない爆弾だったのだ
仮にこれがプラント理事国側に知られれば
いやそれよりもブルーコスモス過激派(いやでも自分ら地球のコーディネーター程過激じゃないですよ?)などに目をつけられくないからこその仲介であった
間違ってもプラントに対して同情しているわけでは無い
というか、スカンジナビア王国に隣接するユーラシア連邦
これが最近開発した列車砲
これが彼等にとって恐ろしい圧力となっていたのである
彼等はユーラシア大陸にあるが故にユーラシア連邦と地続きだ。となれば鉄道網の整備はユーラシア連邦との円滑な経済的結びつきを強める為には必要であろう
加えて、ユーラシア連邦の基準に合わせる事によりスカンジナビア王国側の負担も少しばかり減る
先のユーラシア連邦のトップが『両国のこれからの良い関係』の為に多額の資金を援助したという背景もあった
だが、それは裏を返せばスカンジナビア王国内ですら列車砲が問題なく運用出来るという意味でもあるのだ
何せ凍土のあるロシアの地ですら鉄道網を完備できたユーラシア連邦だ。当然北欧の気候に対応した列車砲を用意したとしても不思議では無い
そうスカンジナビア王国の者達は考えた
それ故の今回のプラントと大西洋連邦の交渉の仲介
だが此処でプラント側は致命的な思い違いをしていた
大西洋連邦はこの交渉の結果を見てこう判断するだろう
プラントに我々と交渉の意思なし
と
そしてユーラシアや東アジアもそれを認めるだろう
余りに稚拙な内容だった事を目の当たりにしたスカンジナビア王国の者も今後の仲介を進んでやろうとはしない
つまり、プラントは唯一残された道を今此処で閉ざしたのである
ある識者はいう
プラントのコーディネーターは無機物を相手にするには素晴らしい能力を持つ
だがひとたび人が絡むと上手く事を運べなくなる
なるほど
と
それはそうとして〇国面はC.Eになっても絶滅していなかった模様
やはり強い(確信)
本作のヒロインは?
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大天使ナタル
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妹系少女マユ
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フレイ
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猪突猛進娘カガリ
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キラ
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シン
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その他